真・女神転生III-NOCTURNE
『真・女神転生III-NOCTURNE』(しん・めがみてんせい3 ノクターン)はアトラスより発売されたコンピュータRPG。2004年1月29日には追加要素を含めた改訂版『真・女神転生III-NOCTURNE マニアクス』が期間限定生産ソフトとして発売された。同年8月にはPlayStation 2 the BESTとして廉価版が発売されているが、これはマニアクスではない旧バージョンである。
1994年発売の『真・女神転生II』から9年ぶりに発売された、外伝ではない「真・女神転生シリーズ」ではあるが、前作の直接的な続編ではなく、全く新しい世界観となっている。前作の直接的な続編は2002年12月5日に『真・女神転生 NINE』としてXboxにて発売されている。
プロデューサーの岡田耕始曰く、テーマは「混沌からの創造(カオス)」。マニアクス版の追加シナリオでは、本編シナリオとは異なる形で、テーマが顕著に現れている。
目次
ストーリー
テンプレート:不十分なあらすじ 「東京が死んで、僕が生まれた」
その日、都内の高校に通う主人公の少年、新田勇、橘千晶の3人は、入院している担任の高尾祐子のお見舞いに行く約束をしていた。病院へ向かう電車の中で少年は奇妙な夢を見る。やがて世界が滅び、その終わりを少年が生き抜いて行く-という不思議なメッセージ。
電車の到着アナウンスで夢から目覚めた少年は「新宿衛生病院」へと向かう。しかし病院には、勇と千晶の他には受付にも病室にも人の気配は無かった。嫌な予感を抱えつつ手分けして祐子を捜す内に、主人公は地下室で妖しげな機械を操る氷川という男に殺されそうになるが、祐子に助けられる。2人はこの病院で、世界を終末に導く「東京受胎」の準備を進めていたのだった。3人の少年少女はその東京受胎に巻き込まれ、世界が滅び、姿を変えてゆく様を目にする。
受胎の凄まじいエネルギーに意識を失った少年は、謎の金髪の子供と老婆に「マガタマ」と呼ばれる不思議な生物を埋め込まれ、悪魔へと変貌してしまう。そして目覚めた時、カグツチと呼ばれる発光体の浮かぶ閉じられた異界「ボルテクス界」へと姿を変えたトウキョウの姿を目の当たりにするのだった。
人間が滅び、悪魔達が徘徊するトウキョウを、悪魔の力を得た少年は戦いながら、この世界の真相を探るべく旅していくことになる。
どこかに祐子達が生きていることを信じて。
ボルテクス界を周りかつての友人や祐子に再会するも、それぞれの心がもはや後戻りできない段階へと至ってしまう。そして、変革をもたらす存在として各勢力から協力を求められる主人公。天に輝くカグツチへと至る塔を前に、各々の主張する理想的世界の中から主人公が選択するのは、かつてと同じ自由か、変革された世界か、あるいは終わらぬ混沌か・・・。
登場人物
主要登場人物
- 主人公(デフォルト名はなし / ドラマCD:嘉嶋尚紀 / 小説版:間薙シン)
- 都内の高校に通う普通の少年。マガタマの力により魔人になる。人修羅とも呼ばれる。上着はいつの間にかなくなっており、上半身裸。首筋から角のようなものが生えており、人外であることが一目瞭然な模様が全身に走っている。ミロク経典にも描かれている。コトワリを持たない半人半魔の身でありながら、混沌の東京に変革をもたらす存在。
- 『マニアクス』では、ストーリーの進め方によっては人間の心をなくし、完全な悪魔になる。
- 尚、英語版では魔人はfiend(鬼)と翻訳されており、人修羅はdemifiend(準魔人)と呼ばれている。
- 高尾祐子(たかお ゆうこ / 名称変更可)
- 主人公・新田勇・橘千晶の担任。氷川に「創世の巫女」と呼ばれている。現在の世界を憂いて樋川に協力するもその思想を受け入れられずに離反。自由を司る神アラディアをその身に宿すも本人・アラディアとも無力なために主人公に頼ることになる。ただし、明確な形がないためか、コトワリに名前はない。
- 新田勇(にった いさむ / 名称変更可)
- 主人公の同級生。外見を気にする傾向が強く、周りに流されやすい。祐子のファンを自称。人間の身で非力であることを嘆き、ここでは誰も助けてくれないと考え、アマラ経絡の住人となって力を求める。
- 後に全ての物事を自分一人で完結させる隔絶社会のコトワリ、「ムスビ(結)」を目指す。しかし、隔絶社会を目指すと唄いながらも仲間と徒党を組む、アマラ経路に巣食う思念体を体に寄生させる、異世界の神に縋るなど矛盾した行動が見える。そもそも、一人だけでは文明の維持はおろか種の存続すら不可能である。恐らく、人間の世界は人との繋がりで維持されていたということを勇自身が意識していないためと思われる。
- 他の面々とは異なり悪魔を配下としないため、戦力は限りなく低い。
- 橘千晶(たちばな ちあき / 名称変更可)
- 主人公の同級生。勝気なお嬢様。プライドの高い性格のため、崩壊後の世界で初めて主人公と再会しても協力しようとはせず、自分の力で混沌とした世界を一人で生き抜く決心をして旅立っていった。
- 後に力だけを全てとする弱肉強食のコトワリ、「ヨスガ(縁)」に目覚めると同時にゴズテンノウからボルテクス界の王(魔丞)としての地位を獲得、王の力を行使して弱者に対する虐殺を繰り返すようになる。そのためか、神と一体化する前の段階では3人の中で一番姿が人間を逸脱している。なお、文字数の制限から海外版では苗字の橘はHayasakaに変更されている。
- 暴力が支配する従来シリーズの「CHAOS」のようなコトワリにも拘らず、「LAW」の代表格である天使を配下に持つ。
- 聖丈二(ひじり じょうじ)
- 代々木公園で出会うオカルト系雑誌のライター。主人公に「月刊 妖(アヤカシ)」というオカルト雑誌をくれる。東京受胎後も様々な面で主人公をサポートしてくれる。とある事情で、彼はコトワリを紡ぐことはできない。
- 氷川(ひかわ)
- 「サイバース・コミュニケーション」という通信大手企業のチーフ・テクニカル・オフィサー。ガイア教徒でもあり、愚かな争いを続ける世界に失望した故に、ミロク経典に基づき「東京受胎」を起こさせる。東京受胎以前から悪魔を使役しており、人間の姿のままボルテクス界に君臨する。
- 世界全体を静寂で覆う感情否定のコトワリ、「シジマ(静寂)」を目指している。言ってみれば、一切の無駄を省いて人類を世界の歯車に帰すと言うことである。
- ヨスガとは逆に、欲望すら否定するLAWの権化といえるコトワリなのだが、配下は人の欲望を満たし堕落させる邪神や堕天使である。
- 子供と老婆(仮称)
- 黒い服に身を包んだ謎の2人組。主人公に奇妙な生物(マガタマ)を植え付け、悪魔(魔人)へと変貌させる。子供は老婆に坊ちゃまと呼ばれている。
サブキャラクター
- ゴズテンノウ
- マントラ軍の長。イケブクロにある巨大な石像であり動くようなことはないが、その力は強大で主人公の悪魔ストックを増やしてくれる。
- フトミミ
- 仲間のマネカタ達を束ねるリーダー的存在。名前のとおり、福耳である。普段は穏やかだが、仲間を傷つける者には激しい怒りを顕わにする。マネカタは彼がコトワリを紡いでくれればいいと思っているが…。
- サカハギ
- 殺人鬼のマネカタ。同族であるマネカタを殺害しては、その顔の皮を剥がして自らの服に貼り付けている。マニアクスでは仲魔にすることが可能。
- アラディア
- 「偽神」と呼ばれる謎の存在。祐子に呼び出された際、彼女の体を通じて主人公に問いかけてくる。魔女たちの祈りによって生み出された形なき神であり、実体的な力は有さない。自由とは何か、ということを語ってくれる。
- かつての世界はアラディアによって為されたようであるが、結果が争いに満ちた世界であるためかカグツチには敵意を向けられている。
- アラディアが宿っている時の祐子は、まるで壊れた人形のようにガクガクと動くようになる。
- バアル・アバター
- ヨスガの神。名は「バアルの化身」の意。
- ノア
- ムスビの神。世界を漂流する孤独の神と呼ばれる。
- アーリマン
- シジマの神。
他シリーズとの相違点
- 主人公は「悪魔」
- 今までのシリーズでは、主人公はあくまで「人間」であったが、この作品での主人公は“悪魔”である。そのため、武器や防具を装備することができない上、シリーズでは人間には効かない「ハマ」系の魔法が効いてしまう。その代わり、マガタマと呼ばれる悪魔の力が結晶化したものを付け替えることで主人公の耐性を変化させたり、パラメータを上昇させることで能力に性格付けをしていく。さらに、レベルアップ時に装着しているマガタマに設定されたレベル以上になっていればスキルを習得できる[1]。次のスキルが習得可能なレベルになっているマガタマは、一覧上で活性化しているのが分かるようになっている。また、主人公専用スキルというものがある珍しい例。
- コンピュータを使わずとも他の悪魔と会話して仲魔にすることができる。外道などの会話が成立しないタイプの悪魔とは、「ジャイヴトーク(手話)」というスキルがあればコンタクトが可能(邪神などジャイヴトークでも不可能なものもいる)。
- 成長する仲魔
- 今まで仲魔(仲間の悪魔)のレベルは一部の作品を除き決して上昇しなかったが、この作品では主人公同様に、仲魔(仲間の悪魔)も経験値を得てレベルアップしていく。レベルが上がるとパラメータが上昇し、新たなスキルを入手することもある。レベルが上がることによって、より上位の別種の悪魔へ変異するものもいる。どの悪魔が変異するのかは、特定のアイテムを使えば把握できる。
- 悪魔合体
- 悪魔合体システムでは、イケニエ合体が導入されている。イケニエ合体は、従来のシリーズでいうところの3身合体に似ている。2身合体にイケニエと呼ばれる3体目の仲魔を追加し、2身合体で誕生する仲魔を最初から成長した状態で作り出すことができる。また、特定の仲魔を選ぶことでしか作り出せない悪魔も存在する。実行できるのは煌天時のみである。さらに、呪い状態で合体を行うと合体テーブルが呪い合体という特殊な合体パターンに変化する。
- 悪魔全書
- 今までに作り出した、もしくは交渉で仲魔にした悪魔が登録されるデータ集で、邪教の館でのみ利用できる。登録した仲魔は一定のマッカ(悪魔達の使う通貨)を支払うことで登録されているステータスで呼び出すことができる。登録されていない悪魔を作り出したり仲魔にした場合、その時点でのステータスで保存される。既に登録されている悪魔で、ステータスの違う悪魔を仲魔にしている場合は、全書を更新することができ、現在連れている仲魔のステータスを保存することもできる。ゲームの序盤は利用することはできない。
- プレスターンバトル
- 戦闘における新システム。このシステムは、敵・味方それぞれのターンにキャラクターの数だけプレスターン・アイコンというものを割り当て、その個数分だけ行動できるようにしたものである。相手の弱点を突いたり何もせずに次のキャラクターに回したりすると、プレスターン・アイコンの消費量が抑えられ、より多くの行動を取ることができるようになるので有利になる(通常の上限は、参戦人数×2回)。逆に攻撃を無効化されたり吸収されたりするとアイコンが大量に消費されるので、行動できる回数が減って不利になり、最悪の場合プレイヤーが何もできないまま全滅してしまうことさえある。
- このシステムの採用により通常戦闘においても些細な油断が即死に繋がるというスリルと、かつテンポを失わない軽快なバトルが楽しめるようになった。なお、ボス級悪魔と一部の敵悪魔のみ、「○○の眼光」と言うプレスターンアイコンを増加させるスキルを使用できる。
- ゲームオーバー
- 主人公が死亡、もしくは味方全員が石化状態になるとゲームオーバー。シーンは従来のシリーズとは違い、無数の天使が力尽きた主人公に向かって降りてくる。その後、タイトル画面に戻される。
- ボイス
- 笑い声、叫び声などがイベント、戦闘についたのは本作が初めてである。
- 悪魔によるコンタクト
- 主人公が悪魔であるためか、仲魔もコンタクトを実行できる。お互いの口調・性別及び所持している会話スキル(後述)によって、有効な組み合わせが異なる。
- 会話スキルの追加
- コンタクトをする際に選択する、「コンタクトの仕方」を示すスキル。金品のみを要求したりするものや決裂を回避したりなど、様々な種類がある。
用語
- ボルテクス界
- 「東京受胎」によって東京が変化した姿。球体の内側に地面が張り付いているような世界で、中央にカグツチと呼ばれる発光体が浮かんでいる。
- 一面砂漠に覆われ、退廃的で崩壊した世界を思わせるが、実際は見た目だけであり、「金銭」という文明的な概念があるだけでなく、建築物には電気も普通に通り、ギンザには噴水が溢れていることから、水道も整備されているようである。
- カグツチ
- ボルテクス界の中央に浮かぶ発光体で、一定の周期で満ち欠けを繰り返す。今までのシリーズでいう月の役割を果たし、その満ち欠けで悪魔の感情の上下を変化させる。最も輝きが弱い時を"静天"、最も輝きが強い時を"煌天"とそれぞれ呼ぶ。
- 煌天時は逃走確率やボス敵の行動パターン、イベントなどに作用し、邪教の館ではイケニエ合体が行える。ただし、合体事故なども起きやすくなり、悪魔は理性を失ってコンタクト不可能になる。
- ボルテクス界の管理者たる存在でもあり、コトワリを持つものが彼(?)の元まで到達できればそのコトワリを世界のルールとして適用できる。ただし、カグツチが認めない場合は倒さなければ適用に持っていけない。
- 思念体
- 「東京受胎」によって命を落とした者の魂と言うべき存在。普通に会話できるだけでなく、実体を失ってもなお、人間的な個性や感情も持つ。
- マガタマ
- 禍魂。悪魔の力が結晶化されたもの。まるで幼虫の様であり、活性化するとぴくぴくと蠢く。これに寄生された人間は悪魔に姿を変えると言われており、主人公がこれに寄生されて「人修羅」と化した。適性が無い場合は死に至る。
- マネカタ
- 真似形。人間に似せて、アサクサの泥で作られたボルテクス界の弱者。立場的には限りなく家畜の様な存在だが、フトミミやサカハギの様に強力な突然変異種もいる。カテゴリは「擬人」。後に千晶の引き起こすジェノサイドの対象となる。感情はあっても思想と言う概念を持たないため、コトワリを紡げない。
- マガツヒ
- 禍つ霊。意識存在が持つ精神エネルギーで、苦痛を与えたりすると放出される。空間にも一定量存在する。過去のシリーズにおけるマグネタイトに近く、悪魔はこれを必要としている。赤く小さいオタマジャクシのような外見。大量に吸い取られると死に至る。人間やマネカタからは特に質の良いものが採取でき、カブキチョウにある捕囚所では勇やマネカタが日々拷問されている。
- コトワリ
- 理。世界のあり方を端的に示す理念のようなもの。「受胎」によってボルテクス界となった東京は、「コトワリ」を示すことによって新たな世界へと生まれ変わることができる、とされる。ゲーム中には異なる「コトワリ」を持つ複数の人物が登場し、主人公がどの「コトワリ」を選ぶのかが物語の結末を左右する。基本的に異なるコトワリのキャラは倒さなければならず、全員倒さないという選択肢はない。過去のシリーズにおけるLaw-Neutral-Chaosの属性に近い概念といえるが、ムスビは「何にも属さない」、シジマは「全体のための規律に従う」、ヨスガは「奪い尽くす」、という形で今までの概念をさらに尖らせた物になっている。
スキル
『真・女神転生II』など従来のシリーズでの魔法とEXTRA(特殊攻撃)は、本作では総合して「スキル」と呼ばれるようになった。スキルには従来のシリーズにもあった攻撃系スキル、回復系スキル、補助・特殊系スキルの他に、新たに自動効果型スキル、会話スキルが加わった。これらは悪魔合体によって継承させることも可能。本項目ではその一例を挙げて解説する。
- 攻撃系スキル
- さまざまな攻撃を行うためのスキル。攻撃属性によって「物理」「火炎」「氷結」「電撃」「衝撃」「破魔」「呪殺」「万能」「魔力」「神経」「精神」「自爆」に分類される。このうち、「物理属性スキル」のみ使用者のHPを減らして攻撃を行う特性を持つ。それ以外の属性は基本的にMPを消費して敵にダメージを与える。
- アギ 火炎属性で敵1体を攻撃し、ダメージを与える。MPを3消費。
- ブフ 氷結属性で敵1体を攻撃し、ダメージを与える。MPを3消費。凍結(FREEZE)の追加効果。
- ジオ 電撃属性で敵1体を攻撃し、ダメージを与える。MPを3消費。感電(SHOCK)の追加効果。
- ザン 衝撃属性で敵1体を攻撃し、ダメージを与える。MPを3消費。
- 突撃 物理属性で敵1体に攻撃する。通常攻撃より威力が高い。HPを最大値の10%消費する。
- 暴れまくり 敵複数体に物理属性で攻撃する。同じ敵に複数回ダメージを与えることがある。HPを最大値の13%消費する。
- ファイアブレス 敵複数体に炎の息を吐きダメージを与える火炎属性スキル。MPを9消費する。
- ブフダイン ブフの上位魔法。敵1体に氷でダメージを与え、氷結 (FREEZE) させる氷結系魔法スキル。MPを10消費する。
- メギド あらゆる敵にダメージを与える万能属性魔法スキル。反射・吸収・無効化されることがない。MPを30消費する。
- 回復系スキル
- HPを回復したり、状態異常を治療したり、死亡状態から蘇生させるコマンドスキル。
- ディア 味方1体のHPを小回復させるシリーズおなじみの魔法。MPを3消費。
- ポズムディ 味方1体の毒 (POISON) 状態を治療する。MPを5消費。
- リカーム DEAD状態の味方1体を復活させる。MPを20消費。
- 補助・特殊系スキル
- 敵の攻撃力を低下させたり、バッドステータスにしたり、敵の能力を分析したりといった特殊なコマンドスキル。
- タルンダ 敵全体の攻撃力を低下させるシリーズお馴染の補助魔法。
- スクカジャ 味方全体の命中率と回避率を上昇させる補助魔法(回避率上昇効果は本作から追加された)。
- マカジャマオン 敵全体に対してスキルを封じる魔封 (CLOSE) 状態にする魔法をかける。
- リフトマ 次の静天までの間、移動時にダメージゾーンから受けるダメージを無効化する。
- アナライズ 敵一体のHP・MP・耐性を調べる。
- 自動効果型スキル
- コマンドなどで使用せず、スキルを所持しているだけで効果があらわれるスキル。HPの最大値を上昇させたり、ダメージを軽減したりする。
- 一分の活泉 HPの最大値が10%アップする。
- 一分の魔脈 MPの最大値が10%アップする。
- 会心 通常攻撃時にクリティカルヒットが出やすくなる。
- 吸収攻撃 通常攻撃時に与えたダメージの一部を吸収して自分のHPに加える。
- 反撃 物理属性ダメージを受けた際に、一定の確率で物理属性による反撃をする。
- 火炎高揚 火炎属性攻撃をダメージを1.5倍にする。他にも「氷結高揚」「電撃高揚」などの種類がある。
- 耐物理 物理属性のダメージを1/2に抑える。他にも「耐火炎」「耐呪殺」などの種類がある。
- 会話型スキル
- 本作では会話スキルを持っていれば仲魔も会話交渉を行うことができる。会話相手の悪魔によって有効な会話スキルが変わってくる。
- 誘惑 お色気で誘うコマンド型の会話スキル。若い女性タイプの悪魔が男性型の悪魔に使うと効果テキメン。
- 恐喝 金品を脅し取るコマンド型の会話スキル。使用する悪魔のレベルがある程度相手より高くないと成功しない。
- 引き止め 会話の途中で帰りそうになった時に引き止めてくれる補助型の会話スキル。
- 同族のよしみ 同じ種族の仲魔と交渉している時に、交渉が成功しやすくなる補助型の会話スキル。
- 洗脳 レベルが10以上上回ってさえいれば、種族や口調など一切無視して交渉全般を有利に運べるという、恐らく最も凶悪で強力な会話スキル。
- 主人公専用スキル
- 本作で初めて適用された、主人公にしか使用できないスキル。全てHP消費型スキルである。他のスキルと違い、細かいモーションが設けられている。
- マグマ・アクシス 両腕から爆炎を放ち焼き尽くす。HP消費型のスキルであるが、性質は限りなく魔法に近いという特殊なタイプ。
- 死亡遊戯 光の剣で敵全体を居合い切る。クリティカル率が高い。
- 螺旋の蛇 力を貯めて、雷を伴った閃光を叩き込む。単体攻撃だが主人公専用スキルの中ではトップクラスの威力を誇る。後のペルソナシリーズでは大天使サタンの所持スキルとなっている。
- 地母の晩餐 地割れを引き起こして敵全体に大ダメージを与える。コストが多いが強力である。
悪魔
本作では通常出現する悪魔、仲魔となる悪魔は以下の種族に分類されている。LIGHT属性の悪魔は基本的には敵としては出現せず、合体などで仲魔にすることができる種族。NEUTRAL属性の悪魔は通常は敵として出現するが、会話で仲魔にすることができる(ただし、擬人は例外的に会話では仲魔にならない)。DARK属性の悪魔は敵として出現するが、会話で仲魔にするのが難しい種族[2]。マニアクスではさらに「魔人」が追加された。
- 属性:LIGHT
- 魔神、女神、破壊神、地母神、鬼神、聖獣、精霊、御魂
- 大天使、軍神、幻魔、龍神、神獣、霊鳥、威霊
- 属性:NEUTRAL
- 妖魔、妖精、天使、堕天使、龍王、魔獣、地霊、妖鬼、鬼女、夜魔
- 擬人
- 属性:DARK
- 邪神、魔王、妖獣、幽鬼、外道、凶鳥
パッケージの違い
何種類か異なるパッケージが出ている。ゲーム内容は「マニアクス」以外は同じ。
- 真・女神転生III-NOCTURNE(通常版)
- 青い主人公の顔が大きく描かれたパッケージ。DVDのレーベルはマガタマ。
- 真・女神転生III-NOCTURNE(ツタヤオリジナル版)
- 白い背景に主人公の横向きの姿が描かれたパッケージ。DVDのレーベルは主人公たちのピクチャーレーベル。
- ツタヤとのタイアップ企画により、独自のパッケージで発売された。
- 真・女神転生III-NOCTURNE(デラックスパック)
- 大きな赤いパッケージ。ゲーム中に登場するのと同じデザインの宝箱、香炉、お香、サントラCDが付属。
- 真・女神転生III-NOCTURNE(PlayStation 2 the Best)
- 通常版と同じ青い顔のイラストだが、黄色い枠が入っている。価格が安くなっている廉価版。
- 真・女神転生III-NOCTURNE マニアクス
- 銀色のパッケージで、ロゴにもマニアクスと書いてある。DVDのレーベルは手を交差させた主人公。
- これのみ、ゲーム内容にも大きな追加、変更が加えられている。現在では廃盤の為、入手困難。
- デビルサマナー 葛葉ライドウ対アバドン王 Plus(真・女神転生III-NOCTURNE マニアクスクロニクル同梱)
- 葛葉ライドウと主人公の攻防がうかがえるパッケージ
- デビルサマナー 葛葉ライドウ対アバドン王にくわえ、真・女神転生III-NOCTURNE マニアクスクロニクルのはいった二枚組。
- 基本的な部分はマニアクスに同じく登場するダンテに代わりライドウが登場する。
BGM
今作のBGMは『ペルソナ3·4』の目黒将司をメインとし、PS版『真・女神転生』シリーズの音楽アレンジや『女神異聞録ペルソナ』『ペルソナ2』を担当した土屋憲一、同じく『ペルソナ2』『デビルサマナー』シリーズを担当する田崎寿子が共同で作曲を担当。
ギンザ、ターミナル、アマラ経絡の戦闘曲など過去の真・女神転生シリーズのBGMがアレンジとして流れている(ただし一部BGMはサントラには収録されていない)。
ラジオドラマ(ドラマCD)
『水樹奈々 スマイル・ギャング』内で放送され、後にドラマCD化された。2003年4月23日発売。
- キャスト
真・女神転生III-NOCTURNE マニアクス
『真・女神転生III NOCTURNE マニアクス』(しん・めがみてんせい3 ノクターン マニアクス)は真・女神転生IIIに追加要素を加えた期間限定生産のソフト。ファンの要望により一度だけ[3]再版が行われた。後に、一部データが差し替えられた『真・女神転生III NOCTURNE マニアクス クロニクルエディション』が発売された(後述)。
タイトルの「マニアクス」は『真・女神転生III』を何周もプレイしているマニアックなユーザーが多かったため、そういったヘビーユーザー達のために作られたことに由来している。追加された要素が多く、前作と比べてクリアまで時間がかかるようになっているため、ディレクターの山井は『真・女神転生III NOCTURNE マゾヒスト』[4]という名前にしようかと思ったくらいだと冗談めかして語っている。
キャッチコピーは「悪魔は2度生まれる」。
追加要素
シナリオの要所要所に新しいボスが追加されており、新しいダンジョン「アマラ深界」へと行けるようになっている。アマラ深界では真III本編の「新世界創造」とは違った「神と堕天使の戦い」が描かれ、新たにエンディングや登場悪魔も追加されている。
カプコンの「デビルメイクライシリーズ」の主人公であるダンテが、主人公たち悪魔を狩るデビルハンター(魔人)として、メーカーの壁を越えたゲストとして登場している(『デビルメイクライ3』では、逆に真・女神転生シリーズのキャラデザイナーである金子一馬がデザインを提供している)。
他に、倒したボスと再度戦える「墓標の間」、主人公専用物理スキルの改良、どこでもロードコマンドの追加、ロード時間の短縮、2周目での特殊イベント、『DIGITAL DEVIL SAGA アバタール・チューナー』の予告編などが追加され、ゲームバランスにも調整が加えられている。
- HARDモード
- 新たに追加された難コース。アイテム価格&施設利用料金3倍、被ダメージ2倍、即死&状態異常確率増加。敵が1体でも動ける状態であれば、戦闘回避(逃走)不可。
- セーブデータの継承
- 『真・III』のセーブデータをそのまま使うことはできないが、NEW GAME時に『真・III』のセーブデータを読み込ませることで、『真・III』で作成した仲魔を5体だけ継承したり(思い出の悪魔)、通常版のクリア周回回数により主人公のパラメーターにボーナスが受けられるといった特典がある。
追加された主要登場人物[5]
- 車椅子の老紳士
- アマラ深界の底に住む金髪の老紳士。主人公に「メノラー」と呼ばれる燭台の奪還を依頼する。
- 喪服の淑女
- 車椅子の老紳士に仕える女性。ほとんど言葉を発しない主人に代わって主人公にメッセージを伝える。まるで主人公のことを知っているような口ぶりで話す。裕子の様な雰囲気であるが、正体は最後まで不明。
- ベルゼブブ
- アマラ深界第4カルパに住む堕天使の長。主人公にルシファーに会いに行く資格があるかどうかを試すため交戦する。
- メタトロン
- 大いなる意思の代行者。ルシファーの計画を阻止するため主人公に挑む。
クロニクルエディション
2008年10月23日発売の『デビルサマナー 葛葉ライドウ 対 アバドン王』の初回版(葛葉ライドウ 対 アバドン王Plus)にて『真・女神転生III -NOCTURNE マニアクス クロニクルエディション』として付属、再発売された。
ダンテの登場パートが自社キャラクターであるライドウに全て差し替えられての再構成となり、一部イベントやムービーが変更されている。オープニングは通常版の『真・女神転生III-NOCTURNE』と同じムービーに戻ったものの、本編そのものは『マニアクス』とほぼ同じ仕様。細かな変更点として、とある場所の宝箱を開けると同じアイテムが入った別の場所の宝箱が開いた事になってしまっていたバグの修正や、特定のルートでのみ戦えるボスの行動パターンの強化、とあるボスが語りかけてくるシーンにおいてグラフィックが入れ替わっていたり等が挙げられる。
通常版か『マニアクス』のどちらかのセーブデータから仲魔をランダムで5体引き継ぐ事が出来る。ただし、全書そのものや周回数は引き継がれない。
関連ゲーム用語
- アマラ深界
- 『真・女神転生III-NOCTURNE マニアクス』から追加されたダンジョン。「アマラ経絡」というマガツヒの流れる道の最深部に存在する世界であり、5つのカルパと呼ばれるエリアで階層化されている。各カルパ間は"穴"と呼ばれる管のようなもので繋がっており、主人公がより深い位置のカルパへ進むためにはメノラーを捧げなければならない。
- アマラ深界の悪魔達はある"目的"のために行動しているため、交渉によって仲魔にすることは絶対にできない。
- アマラ宇宙
- 大いなる意思のもとに定められたアマラの摂理。カグツチとは創世をなすための光であり、創世とは今までの世界の滅びと引き換えに、新たな世界を誕生させること。
- 広大なるアマラ宇宙の中、その創世が為されているのは『真・女神転生III-NOCTURNE』世界の東京ボルテクスだけではなく、アマラ宇宙においては様々な場所でカグツチは生まれ育ち、滅んでいき、幾万、幾億のボルテクス世界が存在する。
- アマラ深界を進んでゆくとこの情報が喪服の淑女から告げられ、これにより『真・女神転生III-NOCTURNE 』のボルテクス界も一種の「箱庭」のような設定とされた。
- メノラー
- 車椅子の老紳士から奪還を依頼される燭台。依頼された時点では、その役割についての詳細や奪還の理由など、詳しい理由は聞かされることがない。
- ゲーム内では、アマラ深界でより深い階層へ移動するための扉を開く時に必要となる。
- 魔人
- 人と悪魔の2つの側面を持つ者、または悪魔達の中でも"死をもたらす事"に特化し、それを存在意義とする者達の総称。かつて人であったが何かに身も魂も捧げた存在か旧約聖書の黙示録にまつわる存在が登場する。
- 車椅子の老紳士からメノラーを奪い、姿を隠している。
スタッフ
オリジナル
- プロデューサー - 岡田耕始
- ディレクター - 橋野桂
- キャラクターデザイン、悪魔デザイン、世界観設定 - 金子一馬
- シナリオ、世界観構築 - 磯貝正吾
- サウンドコンポーザー - 目黒将司、土屋憲一、田崎寿子
マニアクス
- ディレクター - 山井一千
- チーフデザイナー - 石田栄司
- シナリオ - 磯貝正吾、小森成雄、山井一千