プラズマ砲
プラズマ砲(プラズマほう)とは、プラズマを投射するための架空の兵器である。似たものでは電荷した粒子を磁力で投射する荷電粒子砲があるが、一部SF作品では混同も見られる。
概要
この兵器はプラズマの性質上、物体に触れると急速にそのエネルギーを周囲に与えてプラズマ状態ではなくなってしまうため、大気中で使用するためには何等かの方法でエネルギーが逃げるのを防がねばならず、真空中ではプラズマ状態にある物質が拡散してしまわないよう、やはりなんらかの方法でプラズマを閉じ込めなければならない。プラズマは磁界によって閉じ込めることが可能なので磁界によって絞り込んでビームにしたり、逆に磁界でプラズマビームを防ぐと言った設定がよく用いられる。
プラズマは気体・液体・固体の三相に近年になって新たに加えられた物質の状態であるが、極めて多くのエネルギーを持つため、これを投射された対象に大量の熱エネルギーを与える。このエネルギーにより対象を破壊する訳であるが、先に挙げた通り大気中では空気(気体)へエネルギーが逃げてしまう事からエネルギー効率が悪く、古くから構想されている兵器にも関わらず、他のエネルギー兵器同様に実用化はされていない。
ただ、このプラズマを利用した溶接・溶断を行う工業・産業用の機械は存在している(アーク溶接の項などを参照)。このため、一部のSFでは溶接に用いられる技術として酸化を防ぐための不活性ガスを噴射しての溶接を参考にして、まず不活性ガスを対象に噴射して、その中でプラズマを飛ばすというアイデアを見せている(ただし”不活性な”ガスであろうともプラズマからエネルギーを受け取ることに何ら問題はないので、このアイデアは何の合理性もない)。
その一方では、プラズマ状態を密封したカプセルを射出するものや、核となる装置でプラズマを生成させながら対象に衝突させる(一種の砲弾といえよう)などのアイデアも存在し、実在していないだけに様々な形態のものが発案されている。
またHEATではプラズマ状態の噴流を火薬などの燃焼によって発生させると誤解されがちだが、メタルジェットはプラズマ化するほどの高温には至らない。
登場する作品
- 映画
- 海外SFドラマ
- スターゲイト SG-1およびスターゲイト アトランティス:作中に登場する宇宙艦ダイダロス、及びオデッセイがプラズマビーム砲を装備
- スタートレック:ロミュランとカーデシアが主力兵器としてプラズマ魚雷を使用。
- バビロン5:作中に登場する宇宙戦闘機スターフューリーがメインウェポンとしてプラズマ砲を搭載。
- ゲーム
- アーマード・コアシリーズ
- ウィングコマンダー3:ゲーム中に登場する機体、サンダーボルトⅦとロングボウがプラズマガンを装備。
- 鋼鉄の咆哮シリーズ
- タイムスプリッター
- DOOM
- FRONT MISSION ALTERNATIVE
- FallOutシリーズ(プラズマを発射するライフルやプラズマグレネードなどが登場)
- HALO(敵のコヴナントが使用。)
- 星をみるひと(最強武器として設定されているが、実際は二番手に甘んじている)
- メタルサーガ 〜砂塵の鎖〜(最強の大砲「プラズマキャノン」として登場)
- メックウォーリア(ボードゲームから派生)
- メトロイドシリーズ(「プラズマビーム」として登場。「概要」で述べたようなプラズマ溶接に転用可能な作品もある)
- 地球防衛軍2及び3(特殊部隊"ペイルウィング"の装備(2)及び特殊弾頭を使用する使い捨て式のロケットランチャーの類(3)、「プラズマランチャー」として登場)
- G2 -Guns Gunner-(ハンゲームのオンラインじっくりゲーム。プラズマガンとして)
- TANK!TANK!TANK!(プラズマ弾の名称で登場。英名は「PLASMA BOLT」)
- アニメ
- 機動戦士ガンダムSEED(フリーダムガンダムの「バラエーナ プラズマ収束ビーム砲」など)
- 機動戦士ガンダムSEED DESTINY(セイバーガンダムの「アムフォルタス プラズマ収束ビーム砲」など)
- スターシップ・オペレーターズ(戦艦アマテラスの主砲)
- サイバーナイト ビーム兵器とそれを防ぐ磁界による防御が登場している。
- 蒼穹のファフナー(メガセリオン・モデルの装備としてプラズマライフルが登場)