マトリックス リローデッド
テンプレート:Infobox Film 『マトリックス リローデッド』(The Matrix Reloaded)は、2003年のアメリカ映画。1999年に公開されたSF映画『マトリックス』の続編(第2作)であり、完結編の『マトリックス レボリューションズ』が、これに続く。監督・脚本はウォシャウスキー兄弟。ワーナー・ブラザーズ配給。
2003年5月15日、北米で公開された。その約半月後に世界中でも公開された。日本公開は6月7日。
北米だけでも2億8100万ドル、全世界で7億3500万ドルの興行収入を記録するという大ヒットを起こした。
目次
ストーリー
テンプレート:不十分なあらすじ 人類の最後の砦とも言える地下世界「ザイオン」では、一つの重大な問題が持ち上がっていた。ザイオンはかねてより宿敵であったマトリックスを支配するコンピュータに対しホバークラフトシップを駆使してのゲリラ戦を挑んでいたが、オシリス号の情報によれば、遂にコンピュータ側はザイオンへの直接攻撃のため、センチネルと呼ばれるロボット25万体もの大群による殲滅作戦を決行したことが明らかとなった。
対応の遅れたザイオン側に残された時間は72時間を切っており、一刻の猶予もない。その中でネオ達は生き残りを賭してマトリックス内に潜入、仮想世界で反マトリックス勢力の精神的支柱ともなっているオラクルに会見、さらに彼女の側近であるセラフに導かれ、人間を搾取するために作られたマトリックス世界のもう一つの姿、コンピュータ自身の中で無秩序に広がった仮想世界が、実はコンピュータ自身の意思決定能力にすら影響する精神世界の延長であるという真実に触れていくことになる。そして、オラクルは人類を救うために、ネオがマトリックスのソースにたどり着かなくてはならないことを告げた。
キーメイカーを巡るメロビンジアン一味、そしてエグザイルとして遥かにパワーアップしたスミスとの戦いの末、ネオはついに、マトリックスの創設者であるアーキテクトと対面する。そこで伝えられたのは、ネオは「予言された救世主」ではなく「プログラムされ予定された救世主」で、またザイオンですらもマトリックス世界の破局を予防するために「アーキテクト」によって企画された存在であることを知らされる。現実世界では攻撃ロボットのセンチネルの大群がザイオンに迫っていた。ネオは、自分の属している現実世界や親しい人たちか、それとも人類を生かしてより完成されたマトリックスへの変化の礎となるかの選択を迫られる。続編『マトリックス レボリューションズ』へと物語が続く。
登場人物
キャスト
- 日本語版1:劇場公開版
スタッフ
- 監督 - ラリー・ウォシャウスキー / アンディ・ウォシャウスキー
- 配給 - ワーナー・ブラザーズ
- 脚本 - ラリー・ウォシャウスキー / アンディ・ウォシャウスキー
- 音楽 - ドン・デービス
- カメラ - ビル・ポープ
- 編集 - ザック・ステンバーグ
- 視覚効果 - ソニー・ピクチャーズ・イメージワークス
- 製作 - ブルース・バーマン / グラント・ヒル / アンドリュー・マーソン / アンディ・ウォシャウスキー / ラリー・ウォシャウスキー
世界観・用語解説
アーキテクト
物語の中でマトリックスを創造した人工知能「アーキテクト」はマトリックスやネオのあらまし・歴史について説明している。
マトリックスがネオたちが考えているよりも古い。今のマトリックスは6番目のマトリックスであり、ネオには5人の前任者がいるという。最初のマトリックスは理想郷としてつくられた。機械が人間を支配するだけのマトリックス(悲しみや妬みなど、負の感情がない快楽だけの世界)である。しかし人間はこのマトリックスに拒絶反応を起こし、最初のマトリックスは失敗に終わった。
そこで、アーキテクトは人類がマトリックスを拒否しないための対策を施した。人間の持つグロテスクな面を反映させ、つくり直したが、これも失敗に終わる。偶然にも人間の感情、心理を調べるプログラム(オラクル)がこの答えを見つけた。自分で「選択」ができるという「決定権」を人間に持たせた。これにより、実際はすべての結果はコントロールされているとはいえ、人間があたかも自分でその道を選んだように思わせることで、支配されていることを意識しない、意識できないようになる。このため99%の人類がマトリックスを受け入れるようになった。
しかしこのシステムは本来、不確定的な要素が強いため、システム内部にアノマリー(異常)を生成してしまう。これを放置すると、システム全体を脅かすものとなる。また同時に、マトリックスを拒否した1%の人間たち(ザイオン)を放置すると、大惨事を起こす可能性を増大させる。マトリックスを安定させるため、オラクルはそれらのマトリックスを拒否した1%の人間たち(ザイオンの住人たち)に預言を与えることで、アノマリー自身(マトリックスから出たがっている人間など)をマトリックスから分離するよう促し、マトリックスへの脅威をなくそうとした。
ザイオンの存在は、完全なアノマリー、つまり救世主が現れるまでの間は許されるが、不安定要素が収拾不可能になる前に定期的に破壊される。この破壊と同時期にシステムの安定化を図るためにマトリックスの「RELOAD」が行われる。またソースに行った救世主は、いったん自分の所有しているコードをばらまき、初期プログラムを書き込む。その後、ザイオンの再建のため、女16、男7人の23人をマトリックスから解放し、新たなザイオンを再建する。アーキテクトはネオに、これらの行いを実行させようとする。
漂流プログラム(エグザイル)
通常プログラムというものは、故障したり新しいプログラムができたりすると、替わりに古いプログラムは削除される。だが、この削除命令を無視した一部のプログラムは、マシンメインフレームであるソースから自発的に自分自身を切り放し、マトリックスの中で彷徨い、エグザイルとなる。セラフやオラクルも漂流プログラムである。
作品解説
本作は映画撮影技術、視覚効果の予算で第一作を上回っている。本作にはメロビンジアンなどの多くの新しい登場人物が出演している。また第一作で紹介されたザイオンがリローデッドでついに登場する。
配役
前編のマトリックスの登場人物のほとんどは、リローデッドにも続けて出演している。ジー役は当初アリーヤを配役して撮影を進めていたが、完成前に彼女が事故死したために、この役はノーナ・M・ゲイが代わって制作された。
撮影
撮影は主にオーストラリアシドニーのフォックス・スタジオ・オーストラリアにおいて、続編『マトリックス・レボリューションズ』と同時進行で行われた。
高速道路でカーチェイスを行う場面はアメリカカリフォルニア州アラメダの使用されなくなったアラミダ海軍退役軍人飛行場で撮影され、この映画を撮影するためだけに古い滑走路上に約2.5キロにも及ぶ高速道路を造った。この大規模なセットは後にテレビ番組「怪しい伝説」に検証されたほどである。また短いトンネルの部分はカリフォルニア州オークランドとアラミダを結ぶウェブスターチューブで撮影され、基地内の航空機格納庫では編集作業も行われた。
カーチェイスを撮影するべく条件に合う高速道路を探していたとき、撮影のため道路を封鎖して借り切る事が出来る道路としてオハイオ州アクロンにある環状線オハイオ州道59号線を見つけたが、プロデューサーが「撮影を始める度に車をスタート位置に配置する時間が莫大にかかる」としたことから、ゼロから高速道路を造ることになった。その後この環状線は劇中のカーチェイスの最後にあった、2台のセミトレーラトラックが正面衝突するとどうなるかを検証するためにテレビ番組「怪しい伝説」で使用された。
またそれらセットに使用された大量の資材はメキシコの低所得者向け住宅の木材として送るなど97%が再利用された。
公開・反響
リローデッドは、アメリカで公開初日に4250万ドルの興行収入を記録し、2002年5月にスパイダーマンが記録した3940万ドルを越え、全米の公開初日の興行収入の新記録を樹立した。
この映画は戦闘シーンが多いためと、ユダヤ、キリスト、イスラムの3つの一神教に関連した人類の起源の話題が多いためにエジプトで上映禁止になった。
エジプトのメディアは、リローデッドはシオン(エルサレム)をモデルにしたザイオンが登場し、それが悪に破壊されるため、シオニズムを助長する映画だとクレームをつけた。
違法コピー問題
著作権を侵害しコピーしたファイルが公開から約2週間後にはインターネット上に出現した。このファイルは映画館に高精度のデジタルビデオカメラを持ち込み、スクリーンを丸ごとズームして撮るという古典的な手法でデジタル化され、それがネット上にファイル共有ソフトなどで違法に配布された。このファイルに翻訳した字幕を付け、自分のハンドルネームをナンバリングして再配布するものも多かった。
DVD
2003年に日本で発売された本作のDVDのオリジナル音声と日本語吹替え音声ではサラウンドミックスに違いがある。
ネオがセラフにオラクルの場所まで案内され、オラクルとの会話が終わりエージェント・スミスが登場するシーンでは、オリジナル音声はセンタースピーカーからスミスの声が出るが、日本語吹替え音声はリアスピーカーから声が出る。また新エージェント達の日本語吹替えの配役ミスがあるシーンがある。
トリビア
高速道路の場面中、2台のフォード・トーラスと1台のダッジ・ラム、ダッジ・ストレイタスが一瞬登場するものの、それ以外の自動車は全てゼネラルモーターズ製である。そのうちカーチェイスに参加した自動車にはトリニティの運転するキャデラック・CTS、敵のザ・ツインズが運転するキャデラック・エスカレード EXT、パトカーには数台のシボレー・インパラ、シボレー・カプリスが使われた。
後に追加された車種としてオールズモビル・イントリーグ、オールズモビル・オーロラ、シボレー・タホ、アウディ・A8、三菱・マグナ、レクサス・ESなども登場している。
参考文献
関連項目
- マトリックス
- マトリックス・レボリューションズ
- アニマトリックス(THE ANIMATRIX)
- シミュレーテッドリアリティ
外部リンク
- テンプレート:Official
- マトリックス リローデッド - 金曜ロードショー(2008年6月20日放送分)
- テンプレート:Movielink
- テンプレート:Movielink
- マトリックス・リローデッド - Movie Walker
- マトリックス・リローデッド - 映画.com
- テンプレート:Movielink
- テンプレート:Movielink