三菱・アウトランダー
テンプレート:Otheruseslist アウトランダー(OUTLANDER)は、三菱自動車工業が製造・販売するミドルサイズのクロスオーバーSUVである。
エアトレックの後継車種だが、サイズは一回りほど大柄である。アウトランダーという名は元々エアトレックの輸出名であり、(日本国内での)初代の登場に合わせて名をアウトランダーに統一した。先代アウトランダー(=エアトレック)を継続販売していた日本国外ではアウトランダーEXとして販売される。
また、プジョーおよびシトロエンへもOEM供給していて、それぞれ「プジョー・4007」、「シトロエン・Cクロッサー」という名で発売されている。
目次
概要
ダイムラー・クライスラーや現代自動車との共同開発のワールドエンジンをベースに新開発された直列4気筒2.4L、125kW (170PS) の4B12とV型6気筒 3.0L、162kW (220PS) の6B31 MIVEC(マイベック)エンジンが搭載された。駆動方式は当初は4WDのみ設定であったが、新たに2WDも加わった。なお2010年以降、欧州仕様には2.2L 130kw(174PS)の 4N14 直噴ディーゼル(DI-D)MIVECエンジンも搭載される。
ミッションは2.4L車・2.0L車ともにINVECS-III6速マニュアルモード付CVT。3.0L車にはINVECS-IIマニュアルモード付6速ATが組み合わされていた。
車内のスイッチでFF(前輪駆動)/4WD-AUTO(四輪駆動)/4WD-LOCK(四輪駆動センターデフロック)の切り替えが可能な電子制御4WDはグランディス、デリカD:5、ギャランフォルティス、ジープ・コンパス、ジープ・パトリオット、ダッジ・キャリバー[1]にも搭載されている。10・15モード燃費は2.4Lが12.2km/L。
プラットフォームもダイムラー・クライスラーとの共同開発のGSプラットフォームを採用する。翌年以降に発売されるデリカD:5、ギャランフォルティスと共通のCセグメント用の新しいプラットフォームである。
また、シートは、5人乗りと7人乗り仕様が設定される。テールゲートはこのクラスの車としては珍しく上下開き式。またオーディオはアメリカの音響メーカー「ロックフォード・フォズゲート」との共同開発である「プレミアムサウンドシステム」を標準およびオプションで用意した。
2008年パリ・ダカールラリーに三菱チームのサポートカーとして参加している。
初代(2005年 - 2012年)
シャーシ・ボディ
軽量高剛性ボディを採用。ボディ各部に、サイドボディと結合してボディ全体の剛性を高める閉断面ルーフボーやフロント周りを強化するスティフナ、サイドブレースなどを採用している。また、ルーフパネルに軽量なアルミを採用し重心を安定し、運動性能を向上させている。
エンジン
エンジンは、4B11 2.0L 直列4気筒DOHC16バルブと4B12 2.4L 直列4気筒DOHC16バルブがある。また、6B31 3.0L V型6気筒SOHC24バルブは2007年10月から2009年9月まで搭載されていた。
サスペンション
フロントに、マクファーソンストラット式サスペンションを採用。ワイドトレッド設計により走行安定性を高めた。また、クロスメンバーの左右方向を剛性を高めている。
四輪駆動システム
電子制御4WDを採用している。燃費のよい「2WD」、あらゆる走行環境に適応できる「4WDオート」、より力強いトラクションが得られる「4WDロック」の3つのモードを選択できる。フロアコンソールにあるドライブモードセレクタ(ダイヤル)により、走行中でもモード切り替えが可能。
また、日本国外仕様のアウトランダー(上級グレード)にS-AWC(Super All Wheel Control)を搭載する。S-AWCは、4輪の駆動力、制動力の制御を軸とし、「意のままの操縦性」と「卓越した安定性」を高次元で具現化した、三菱自動車の車両運動統合制御システムである。「スノー」「ターマック」「ロック」の3種類を状況に応じて選択することができる。「スノー」の前後駆動配分は70:30、「ターマック」の前後駆動配分は90:10、「ロック」は前後駆動配分は55:45である。
歴史
- 日本国内で発売開始。目標月間販売台数は2,000台と発表されている。当初は2.4Lエンジンのみで、グレード体系は「M」と「G」の2グレード、それぞれに5人乗り仕様と7人乗り仕様が用意されていた。
- 北米仕様は2006年4月のニューヨーク国際オートショーで発表。新開発の3.0L V6MIVECエンジンに6速ATを組み合わせたモデル(こちらはFFと4WDの2つの駆動方式を選べる)。
- 欧州仕様は2006年9月のパリサロンにコンセプトモデルを出展。欧州向けコルトやL200と同様に、富士山型のフロントグリル(いわゆるブーレイ顔)を採用する点が日本仕様や北米仕様とは異なる。コンセプトモデルではフォルクスワーゲン製2.0Lディーゼルエンジン+6速MTが搭載されていたが、市販モデルでは2.4Lと3.0L V6ガソリンも用意される。
- 「G」の7人乗り仕様をベースに、18インチアルミホイール、サイドピンストライプ、フロントグリル外周部などエクステリアの随所にゴールドを配し、フロントバンパーアンダーカバー、サイドドアガーニッシュ、ドアアウターハンドルをボディ同色に変更。更に、通常はメーカーオプション設定となっている本革シート、フロントシートヒーター、運転席4ウェイパワーシートを標準装備した特別仕様車「G-Limited Edition」を発表(6月9日販売開始)。ボディカラーはブラックマイカとオプションカラーのホワイトパールの2色を設定。
- マイナーチェンジ。
- パワーステアリングの特性改良、エンジンオイルポンプの改良とプリマフラーの追加を行ったほか、インテリアでは既存のブラック基調に加え、ベージュ基調を追加(メーカーオプション設定の本革シートも同様)。ステアリングホイールのデザインがリファインされ、「G」はステアリングホイールオーディオリモコンスイッチに夜間照明を追加。さらに、16インチアルミホイールをメーカーオプションに追加した。
- 2006年12月20日
- 「M」の7人乗り・ブラック内装仕様をベースに、上級グレードの「G」で採用されているパドルシフト、本革巻ステアリングホイール(オーディオリモコンスイッチ付)、本革巻シフトノブや撥水加工済みのニット&メッシュファブリック生地(フロント・セカンドシート)、更に、本来はメーカーオプション設定となっているMD&6連奏CDチェンジャー&AM/FMラジオ(MP3再生対応)+6スピーカー、16インチアルミホイールを装備した特別仕様車「M-Style Edition」を発売。ボディカラーはクールシルバーメタリック、ブラックマイカ、ホワイトパール(オプションカラー)の3色を設定した。
- 「M」の7人乗り・ブラック内装仕様をベースに、大型テールゲートスポイラーや上級グレードの「G」で採用されている18インチアルミホイール、フロントフォグランプ、サイドドアガーニッシュ(ボディ同色)、マフラーカッターを装備するとともに、パドルシフト、本革巻ステアリングホイール、本革巻シフトノブ、ロゴ入り専用スカッフプレートなどを装備した特別仕様車「Sport Style Edition」を発売。
- フランスのPSAへOEM供給し、プジョー・4007およびシトロエン・Cクロッサーとして欧州で発売開始。エンジンは、三菱製2.4Lガソリンと、PSA&フォード製2.2L DW12 TED4 コモンレールディーゼルが用意される。組立は水島製作所。(一時期は名古屋製作所岡崎工場でも生産された)
- マイナーチェンジ。
- 3.0L V6 (6B31) のMIVEC SOHC24バルブ・アルミブロックエンジンとスポーツモード付き6速ATを搭載した新グレード「30G」「30MS」を追加。これらのグレードではフロントグリル・サイドシルガーニッシュ・18インチアルミホイールを新デザインとし、デュアルマフラーカッターを採用。さらに、「30G」にはメッキのドアアウターハンドル、合成皮革とメッシュファブリックのシート生地を採用し、クルーズコントロールを標準装備した(「30MS」でもメーカーオプションにて装備可能)。2.4L車は「24M(5人乗り仕様のみ)」・「24G」とするとともに、中間グレードの「24MS」を新設。全車でサイドターンランプ内蔵ドアミラーを標準装備し、ドアトリムのデザインを変更。「24MS」と「24G」は「30G」の一部装備をメーカーオプションで追加できるようにした。
- エアロパーツなどでドレスアップしたエアロ仕様車「ROADEST(ローデスト)」を追加。「24G」と「30G」の2グレードを設定する(いずれも7人乗り仕様のみ)。
- マイナーチェンジ。
- 「24MS」・「24G」・「ROADEST 24G」に2WD車を追加し、「24MS」と「30MS」は7人乗り仕様のみとした。さらに、2.4L車はサイドシルガーニッシュを大型化し、3.0L車はサイドウィンドウモールとテールゲートガーニッシュにメッキ加工を施した(いずれも「ROADEST」は適応外)。
- 韓国・ソウルの総輸入販売代理店であるMMSKコーポレーション[2]を通じて韓国国内での販売を開始した(V6・3.0Lモデルのみ)。
- 「24MS」をベースに、装備を厳選しながらCDプレイヤーを標準装備した廉価2WDグレード「24E」を追加。
- 「24E」と「24MS」・「24G」の2WD車の燃費を向上。これにより、「平成22年度燃費基準+15%」を達成した。
- ニューヨーク国際オートショーにて「アウトランダーGT」のプロトタイプを公開。フロントセクションにランサーエボリューションXやギャランフォルティス同様の「ジェットファイター・グリル」を採用している。その後、同年秋に発売された北米向け2010年モデルから「ジェットファイター・グリル」が正式に採用された。
- マイナーチェンジ。
- 燃費向上でCVT制御の見直しや走行抵抗を低減させることで、2.4Lエンジン搭載車の10・15モード燃料消費率(国土交通省審査値)を、4WD車は11.6km/Lから12.2km/Lに、2WD車は12.2km/Lから12.6km/Lに向上させた。 グレードの見直しではステッチ付合皮貼りソフトパッドの内装や、メッキを多用した外観など、上質な内外観とした最上級グレード「24G Premium」を設定した。その代わり3.0Lエンジン搭載の「30G」「30MS」グレードを廃止した。エクステリアでは新デザインのメッキフロントグリル(「24G Premium」を除く。「24G Premium」は従来3.0L車で採用していたメッキフロントグリルを採用)とワイド感を強調したリヤバンパーを採用した。さらに「24G Premium」グレードにはメッキサイドシルガーニッシュを採用した。「24MS」「24G」「24G Premium」グレードに、新デザインの18インチアルミホイールを採用した。新デザインのウィンカー付電動格納式リモコンドアミラーを採用した。ボディカラーは、クォーツブラウンメタリック、コズミックブルーマイカの2色を追加し、合計7色とした(ユーログリーンメタリック、プラチナベージュメタリック、ディープブルーマイカは廃止)。インテリアでは「24G」「24G Premium」グレードのドアトリム、メーター上部、グローブボックス上面にステッチ付合皮貼りソフトパッドを採用し、上質な内装とした。シート生地を、質感の高いスエード調ベロア&メッシュファブリックに変更した。新デザインのハイコントラストメーターとカラー液晶マルチインフォメーションディスプレイを採用した(「24E」「24M」を除く)。「24E」「24M」グレードに新デザインのメーターを採用した。運転席と助手席のバニティミラーに照明を追加した。機能・装備では坂道でのスムーズな車両発進を実現する、ヒルスタートアシストを4WD車に採用した。急減速時、またはABS作動時に、ハザードランプを通常の1/2の周期で点滅させることで後続車に緊急制動を伝え危険を促す、ESS(緊急制動信号システム)を採用した。ウォッシャーレバーをワンタッチ操作するだけで、一定時間ウォッシャー噴霧とワイパーが作動する、コンフォートウォッシャーを採用した。「24MS」「24G」「24G Premium」グレードに、乗降時にポジションランプやヘッドライトを30秒間点灯させ、夜間の乗降に安心感をあたえる、ウェルカムライト、カミングホームライト機能を追加した。
- マイナーチェンジ。
- 従来の「24E」・「24MS」をベースに、エンジンを4B11型 2.0L MIVEC DOHCエンジンに変更した新グレード「20E」・「20MS」を追加。これらのグレードは2WD車で「平成22年度燃費基準+25%」を、4WD車で「平成22年度燃費基準+20%」をそれぞれ達成した。新グレードの追加に伴って「24E」・「24M」・「24MS」及び「24G」の2WD車を廃止し、2.4L車は4WDのみの設定で、「24G」と「24G Premium」に整理された。「ROADEST」も従来の「24G(2WD車)」に替わって「20MS(2WD/4WD)」を追加すると共に、ヘッドライト(プロジェクター式バイキセノン、ランサーエボリューションXやギャランフォルティスと共通だがインナーの色が異なる)やバンパー、グリルといったフロント周りを一新(通称エボ顔と呼ばれるもので、欧州仕様をベースとしている)すると共にリアバンパーのデザインも変更し、ドアアウターハンドルとテールゲートガーニッシュをメッキ仕様にした(「ROADEST」は、2010年1月13日販売開始)。ハロゲンヘッドライトは、マルチリフレクター仕様。
- 韓国仕様をマイナーチェンジ。
- 北米仕様と同じジェットファイターグリルを採用。2.4Lも追加された。
- 「ROADEST 20MS」をベースに装備内容を厳選して求め易い価格設定にした特別仕様車「ROADEST Limited Edition」を発表(7月15日販売開始)。
- 欧州仕様に2.3Lコモンレールディーゼルターボエンジン(4N14)を追加。6速MTのみ。TC-SST搭載車はPSA&フォード製2.2L DW12 TED4 コモンレールディーゼルターボエンジン(4HK1)のまま継続。
- マイナーチェンジ(9月16日販売開始)。
- 減速エネルギー回生システムの制御変更を行って最適化し、エンジン内部の摺動抵抗も低減。さらに、2.0L車はCVT制御も変更されたことで、全てのグレードで燃費を向上。このため、2.0L・4WD車は「平成22年度燃費基準+25%」を達成した。グレード展開の見直しを行い、「20E」をベースにスエード調ベロア&メッシュファブリックのシート生地、本革巻ステアリングホイール/シフトノブ、メッキパーキングブレーキレバーノブ等を追加装備し、インテリアの質感を重視した「20M」と「20MS」・「ROADEST 20MS」をベースにディスチャージヘッドライト、合成革貼りインテリア、キーレスオペレーションシステム、ロックフォードフォズゲート プレミアムサウンドシステム等を追加装備した「20G」・「ROADEST 20G」を新設。入れ替えで「20E」・「20MS」・「ROADEST 20MS」を廃止。また、「24G」の5人乗り仕様も廃止されたため、全グレード7人乗り仕様となった。装備面も強化されており、ブレーキアシスト機構をペダル踏力・踏込み速度感応型に変更し安全性を向上すると共に、フロントドア周りの遮音を改善したことで静粛性も向上。シフトノブのデザインも変更された。さらに、既に一部のグレードに装備されているウェルカムライト、カミングホームライト機能やECOランプを「20M」と「ROADEST Limited Edition」にも装備された。「20G」にはオプションパッケージとして、「24G Premium」と同一外観にするための装備品を揃えた「プレミアムエクステリアパッケージ」を設定した。なお、今回の一部改良モデルより、5年目以降の車検入庫時に保証延長点検(24か月定期点検相当)を受けることを条件に適用される「最長10年10万km特別保証延長」の対象車種となった。
- 「20G」・「ROADEST 20G」・「24G」・「ROADEST 24G」をベースに、リアビューカメラ付7インチワイドディスプレイHDDナビゲーションシステム(MMCS)とクルーズコントロールを装備した特別仕様車「Navi Collection」を発表(2011年1月21日販売開始)。
- マイナーチェンジ。
- 走行中、アクセルペダルとブレーキペダルを同時に踏んだ場合にブレーキを優先するブレーキオーバーライド制御を新たに標準装備。また、後続車のヘッドライトの光を感知し、光の反射を調整する自動防眩機能を備え、シフトポジションを「R」にすると、内蔵された3.3インチカラー液晶モニターが後方の様子を映し出し、安全な後退・駐車をサポートするリアビューモニター付ルームミラー(自動防眩機能付)をメーカーオプションとして設定。「20M」はホイールカバーのデザインも変更した。グレード体系を見直し、「20M」の4WD車及び最上級グレードの「24G Premium」を廃止。これに伴って、「24G」には「24G Premium」で標準装備していたプレミアム内装をメーカーオプションとして新たに設定した。
- Mitsubishi Outlander (CW0) Europe.jpg
欧州仕様
- Mitsubishi outlander shift.jpg
アウトランダーのATセレクター
- Mitsubishi Outlander Roadest.jpg
ローデスト(後期)
- Mitsubishi Outlander II Facelift front 20100606.jpg
欧州仕様後期型
2代目(2012年 -)
シャーシ・ボディ
- ボディには、衝突安全強化ボディRISE(ライズ)が採用されている。RISE(ライズ)は、高エネルギー吸収構造と高耐力キャビン構造で、全方向の高い衝突安全性を確保。室内変形を抑える補強も施されており、衝突時のエンジンルーム内エネルギー吸収量も増加している。
エンジン
- ガソリンモデルのエンジンには、4J11 2.0L 直列4気筒SOHC16バルブ(MIVEC)と・4J12 2.4L 直列4気筒SOHC16バルブ(MIVEC)の2種類を搭載する。リフト可変と位相可変を機械的に連動させるシンプルな機構でSOHC化。これにより、SOHCでありながら、従来のDOHCエンジンと同等の性能を実現した。さらにオートストップ&ゴー(AS&G)と組み合わせることで、低燃費を実現した。「平成27年度燃費基準」を達成している。
- PHEVには、4B11 2.0L 直列4気筒DOHC16バルブを搭載している。
サスペンション
- サスペンションは、先代から引き続きフロントにマクファーソンストラット式 リアにマルチリンク式を採用している。これにより、高い走行安定性を実現している。
四輪駆動システム
- 先代から引き続き電子制御4WDを搭載している。燃費のよい「4WD ECO」、あらゆる走行環境に対応できる「4WD AUTO」、より力強いトラクションが得られる「4WD LOCK」の3つのモードを搭載し、走行中でもプッシュ式のドライブモードセレクターによって選択することができる。
- オプションで、S-AWC(Super All Wheel Control)を搭載することができる。S-AWCは、4輪の駆動力、制動力の制御を軸とし、「意のままの操縦性」と「卓越した安定性」を高次元で具現化した、三菱自動車の車両運動統合制御システムである。PHEVは「ツインモーター4WD」を、ガソリン車は「電子制御4WD」をベースに、AYC、ASC、ABSを統合制御し高い走破性と安定性を備えている。
自動車衝突安全テスト
機関 | 国 | 試験年 | 評価 | 備考 |
---|---|---|---|---|
JNCAP | 日本 | 2012年 | ★★★★★ | 最高評価(JNCAPファイブスター賞及びJNCAP大賞を受賞) |
ANCAP | オーストラリア | 2012年 | ★★★★★ | 最高評価 |
ユーロNCAP | ヨーロッパ | 2012年 | ★★★★★ | 最高評価 |
ユーロNCAP | ヨーロッパ | 2013年 | ★★★★★ | 最高評価(アウトランダーPHEV) |
IIHS | アメリカ | 2013年 | 2013トップセーフティピック+ | 最高評価 |
IIHS | アメリカ | 2013年 | 2014トップセーフティピック+ | 2年連続で最高評価 |
歴史
- 同年3月6日から開かれる第82回ジュネーブ国際自動車ショーにて、欧州向けの2代目「アウトランダー」を参考出品車として世界初披露することを発表[4]。
- 電波レーダーとカメラユニットで構成され、レーダークルーズコントロールシステム・衝突被害軽減ブレーキシステム・車線逸脱警報システムを備えた予防安全技術「e-Assist(イーアシスト)」を開発し、日本国内では2代目「アウトランダー」に採用することを発表。その際、日本国内では同年10月にフルモデルチェンジされることが明らかになった。[5]
- フルモデルチェンジを発表し、同日より販売開始[6]。
- 前述の予防安全技術「e-Assist」を「24G Safety Package」と「24G Navi Package」に標準装備。先行車との距離や相対速度を監視し、先行車の減速・停止等による車間距離減少をいち早く検知。警報と自動ブレーキ(状況により、ブレーキアシスト・1次ブレーキ・2次ブレーキの3段階がある)によって先行車との衝突回避や衝突被害軽減に寄与する「衝突被害軽減ブレーキシステム」、高速走行時に前方の車線を監視し、車線が逸脱しそうになると表示や警報で注意を促す「車線逸脱警報システム(LDW)」、衝突被害軽減ブレーキシステムと同様の監視方法でドライバーが設定した車間を保ち、先行車が停止状態まで自動で追従走行する「レーダークルーズコントロールシステム」の3つの機能を装備。それでありながら、「24G Safety Package」と「24G(e-Assist非装備)」の価格差を95,000円に抑える低価格も実現した。
- エンジンは従来通り、2.0Lと2.4Lの2種類が用意されているが、新MIVEC機構を搭載した4J10型(2.0L)及び4J11型(2.4L)に刷新され、アイドリングストップ機能「オートストップ&ゴー(AS&G)」を全車で標準装備。さらにボディに高張力鋼板の拡大採用により衝突安全性を確保しながら軽量化を図るとともに、表面を立体感のある曲面を使ったデザインとしたことで剛性を保ちながら薄型化にも成功。シートやサスペンションなども軽量化を図ったことで先代比100~110kgの軽量化を実現。この結果、燃費が大幅に向上し、全車「平成27年度燃費基準」を達成した。
- エクステリアはフロントとリアを"一文字グラフィック"によるワイドで安定感のあるデザインとし、サイドにキャラクターラインを配したことでボディサイズをほぼ据え置きながらクラスを超えた存在感を演出し、ウォッシャーノズルをエンジンフード裏面に設置するなどすっきりとしたスタイリングとした。しかし細部におけるコストダウンが顕著であり評価は低い。ボディカラーは新色のカッパーメタリックを含む6色を設定。インテリアはシックなブラック基調をベースに、インパネは分割ラインを極力なくし、上面からフロントドアトリムの広範囲にソフトパッドを採用。メーターは視認性に優れたハイコントラストメーターを採用し、マルチインフォメーションディスプレイを中央に配置したことで視線をあまり動かさずに情報を確認できるほか、使用頻度が高いスイッチ類をセンターパネル内に集約し、機能性も追求したが、実際は先代より収納スペースが減少しており使いにくくなっている。
- グレード体系は「20G」・「24G」・「24G Safety Package」・「24G Navi Package」の4グレードとなり、駆動方式は「20G」は2WD、「24G」・「24G Safety Package」・「24G Navi Package」は4WDとなる。なお、「ROADEST」は廃止となった。
- 月販目標台数は1,000台に設定。実際は先代に比べてエクステリアのデザイン不評やコストダウンが顕著に見えており200台前後と低迷。
- プラグインハイブリッドモデル「アウトランダーPHEV」のティザーサイト[7]が公開された。世界初の4WDプラグインハイブリッドSUV[8]。2013年初旬にデビューと予告。それと同時に、店頭予約開始。
- 初代に引き続き、同年11月から「PCMA Rus」による現地生産を行っていたロシア向け仕様の出荷を開始[9]。
- プラグインハイブリッドEVシステムを搭載した「アウトランダーPHEV」を公式発表(2013年1月24日販売開始)[10]。プラグインハイブリッド車の発売はトヨタ・プリウスPHVに次いで日本での量産型2車種目。低燃費と快適走行を両立するため、モーター駆動のみで走行する「EV走行モード」、エンジンを発電機として稼働し、発電した電力も使ってモーター駆動する「シリーズ走行モード」、エンジン駆動をメインとし、必要に応じてモーター駆動によるアシストを行う「パラレル走行モード」の3つのモードを走行状況やバッテリー残量に応じて自動切換することで、JC08モードでプラグインハイブリッド燃料消費率(複合燃料消費率)67.0km/L、ハイブリッド燃料消費率18.6km/Lを実現するとともに、EV単独走行でも充電電力使用時走行距離60.2kmを実現し、日常の走行ではほぼEVのみで走行することが可能となった。併せて前輪はエンジンとモーター、後輪はモーターでそれぞれ独立駆動する「ツインモーター4WD」に車両運動統合制御システム「S-AWC」を組み合わせたことにより車両の走行安定性を高めた。
- 外内装でガソリン車との差別化が図られており、フロントグリル(アッパー/ミッド)のデザインを変更し、リアコンビランプのブレーキランプをLED&クリアレンズ化、ボディカラーはガソリン車との共通カラー3色(ブラックマイカ、チタニウムグレーメタリック、ホワイトパール(オプションカラー))にPHEV専用色のテクニカルシルバーメタリックを加えた4色を設定。シート生地は合成皮革&ファブリックのコンビシートに格上げとなり、さらに、最上級グレードにおいてはガソリン車(「24G」を除く)ではオプション設定となっている本革シートを標準装備。セレクトレバーはジョイスティックタイプとなり、セレクターをロックするための電動パーキングスイッチが追加され、「E」を除く全グレードに採用するオーナメントパネルはクリスタルファイバー調となる。また、ボディ補強や制振・遮音・吸音対策を行うとともに、PHEVシステムの搭載による重量増やロードノイズ低減のためサスペンションのチューニングを実施。駆動用バッテリーを床下に搭載したことに伴う低重心化により、ガソリン車に比べ操舵安定性や乗り心地が更に向上されている。
- グレード体系はガソリン車と同一仕様の「G」・「G Safety Package」・「G Navi Package」に加え、ロックフォードフォズゲートプレミアムサウンドシステムを標準装備した最上位グレードの「G Premium Package」と装備を厳選した最廉価グレード「E(受注生産、2013年2月末生産開始)」を追加した5グレードを設定する。
- なお、発売以来多くの注文が入った影響で納車までに期間を要することとなり、クリーンエネルギー自動車等導入促進対策費補助金の2012年度申請分の申請期限(2013年3月15日まで)に間に合う生産分が終了したことが2013年1月29日に発表された[11]。
- PHEVのリチウムイオン電池(リチウムエナジージャパン製)の不具合により、外部充電を控えるように警告が促された[12]。
- 2013年6月4日
- 2013年8月10日 - 8月16日
- アジアクロスカントリーラリーにPHEVが参戦、20台中17位で完走。ドライバーは青木孝次、コ・ドライバーは石田憲治。[15]
- 2013年8月19日
- PHEVの製造を再開。
- 2013年11月25日
- PHEVが「2013-2014日本カー・オブ・ザ・イヤー」において、環境や安全その他の革新技術を持つクルマに与えられる「イノベーション部門賞」を受賞[16]。
- ガソリン車を一部改良[17]。
- 販売不振の為、デビュー1年としては異例のマイナーチェンジを実施。SUVらしい力強さを強調するため、不評であった樹脂グリルをメッキデザインに変更するとともに、フロントフォグランプメッキベゼル、スキッドプレート(シルバー・前後)、ホイールアーチモールを追加し、ルーフレール(シルバー)のメーカーオプション設定も追加。リアコンビランプをLED&クリアレンズ化され、ボディカラーには新色のレッドメタリックが追加された。
- インテリアではシート生地の縫い合わせをシルバーのダブルステッチに変更。
- ボディやシャシーの要所に吸遮音材や制振材を追加したことで加速時の騒音やロードノイズを低減し、車室内の静粛性や快適性を高めるとともに、前後サスペンションにリバウンドスプリング内蔵ダンパーを採用して減衰力特性を最適化し、取付部を補強したことで操舵安定性と乗り心地を向上した。
- ちなみに、前年の第43回 東京モーターショーで展示されたモデルの市販版である。
- 2014年4月25日
- PHEV車を一部改良(5月29日販売開始)[18]。
- フォグランプメッキベゼルのデザインを変更し、フロントバンパー下部にシルバーのスキッドプレートを追加。また、シルバーのルーフレールをメーカーオプション設定に追加し、ガソリン車と同様、SUVの力強さを融合させた。
- 充電リッドには要望が高かったロック機構を追加。新たに運転席・助手席シートヒーターを標準装備し、「G Premium Package」・「G Navi Package」に標準装備されているMMCSにはスマートフォンなどからタイマー充電やプレ空調などを操作できる三菱リモートコントロールを標準装備した。
- 「G Premium Package」にはオフホワイトのレザーシート内装を新たに設定した。
基本グレード
- 日本仕様の価格については8%消費税込の価格
- 欧州仕様の価格については1ユーロ=約128円で換算
グレード | 製造年 | エンジン型式 | エンジン | 排気量 | 最大出力 | 最大トルク | 変速機 | 牽引能力 | 駆動方式 | 乗車定員 | 価格 |
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ガソリンモデル | |||||||||||
20G | 2012年10月 - | 4J11</br>(MIVEC) | 直列4気筒</br>SOHC16バルブ | 1,998cc | 150ps/6,000rpm | 19.4kg・m/4,200rpm | CVT | FF | 7人 | 2,495,880円 | |
24G | 4J12</br>(MIVEC) | 2,359cc | 169ps/6,000rpm | 22.4kg・m/4,200rpm | 4WD | 2,768,040円 | |||||
24G</br>セーフティパッケージ | 2,866,320円 | ||||||||||
24G</br>ナビパッケージ | 3,188,160円 | ||||||||||
PHEVモデル | |||||||||||
E | 2013年01月 - | 4B11</br>(MIVEC) | 直列4気筒</br>DOHC16バルブ | 1,998cc | エンジン 118ps/4,500rpm モーター F:82ps R:82ps |
エンジン 19.0kg・m/4,500rpm モーター F:14.0kg・m R:19.9kg・m |
無 | 4WD | 5人 | 3,418,200円 | |
G | 3,670,920円 | ||||||||||
G</br>セーフティパッケージ | 3,768,120円 | ||||||||||
G</br>ナビパッケージ | 4,123,440円 | ||||||||||
G</br>プレミアムパッケージ | 4,430,160円 | ||||||||||
欧州仕様 | |||||||||||
2.2 DI-D GX1 MT | 2012年09月 - | 4N14 (DI-D) |
直列4気筒</br>DOHC16バルブ | 2,268cc | 147ps/3,500rpm | 38.8kg・m</br>/1,750rpm -2,500rpm | 6MT | 2,000kg | 4WD | 2人 | £24,974</br>(約3,198,605円) |
2.2 DI-D GX2 MT | 5人 | £23,699</br>(約3,035,848円) | |||||||||
2.2 DI-D GX3 MT | 7人 | £26,399</br>(約3,381,719円) | |||||||||
2.2 DI-D GX4 MT | £29,999</br>(約3,842,880円) | ||||||||||
2.2 DI-D GX4 AT | 36.7kg・m</br>/1,750 -2,500rpm | 6AT | £31,399</br>(約4,021,503円) | ||||||||
2.2 DI-D GX5 AT | £33,999</br>(約4,354,504円) |
- TWO and FOUR Outlander PHEV Asia Cross Country Rally 2013.jpg
アジアクロスカントリーラリー参戦車
車名の由来
- 「outland(遠隔の地、辺地)」+ 「er」。「遠く未知なる地へ向かう冒険者」の意味。
- 初代に設定していたエアロバージョンの「ROADEST」とは“道”を意味する「Road」と“最上級”を意味する「 - est」の掛け合わせで、オンロードでの走りの良さを予感させるスタイリッシュなエアロ仕様を纏った上級モデルをイメージしている。
生産工場
過去
脚注
- ↑ その後、2009年モデルからは2WDのみの生産となったために廃止された。
- ↑ その関係で、GM大宇のディーラーに三菱車のカタログが置かれていることも多い。
- ↑ ロシアで『アウトランダー』、『プジョー 4007』、『シトロエンCクロッサー』生産開始 三菱自動車工業プレスリリース 2010年9月17日
- ↑ 三菱自動車、2012年ジュネーブモーターショー出品概要 -新型『アウトランダー』を世界初披露- - 三菱自動車工業プレスリリース 2012年2月9日(2012年9月5日閲覧)
- ↑ 三菱自動車、予防安全技術「e-Assist」を開発 ~新型『アウトランダー』に採用~ - 三菱自動車工業プレスリリース 2012年9月5日
- ↑ 三菱自動車、ミッドサイズSUV『アウトランダー』をフルモデルチェンジ - 三菱自動車工業プレスリリース 2012年10月25日
- ↑ 三菱 アウトランダーPHEV ティザーサイト
- ↑ 2012年11月、三菱調べ
- ↑ 三菱自動車、ロシア工場生産の新型SUV『アウトランダー』の出荷開始 - 三菱自動車工業プレスリリース 2012年12月4日
- ↑ 新型プラグインハイブリッドEV『アウトランダーPHEV』を発売 - 三菱自動車工業プレスリリース 2012年12月26日(2012年12月27日閲覧)
- ↑ クリーンエネルギー自動車等導入促進対策費補助金について - 三菱自動車工業 2013年2月17日閲覧
- ↑ [1] - 三菱自動車工業 2013年4月3日閲覧
- ↑ 電池セル製造ラインにおけるスクリーニング検査にて、作業員が誤って落下させた(JNCAPの行う衝突試験で、最も衝撃値の大きい「55㎞/h正面衝突」の6倍の衝撃値だという)。その為、金属片が発生、内部部品の一部変形等の現象が起こった。この原因発覚により、スクリーニング検査は廃止となった。
- ↑ [2] - 三菱自動車工業 2013年6月12日閲覧
- ↑ FEDERAL-FLEXアジアクロスカントリーラリー2013アウトランダーPHEV完走! - 三菱自動車工業 2013年11月27日閲覧
- ↑ ミッドサイズSUV『アウトランダーPHEV』が2013-2014日本カー・オブ・ザ・イヤー「イノベーション部門賞」を受賞 - 三菱自動車工業 ニュースリリース 2013年11月25日
- ↑ ミッドサイズSUV『アウトランダー』を一部改良 - 三菱自動車工業 ニュースリリース 2014年1月31日
- ↑ プラグインハイブリッドEV『アウトランダーPHEV』を一部改良して発売 - 三菱自動車工業 ニュースリリース 2014年4月25日