ハンガリーグランプリ
テンプレート:Infobox F1 race ハンガリーグランプリ(ハンガリーGP, テンプレート:Lang-en-short, テンプレート:Lang-hu)は、ハンガリーのハンガロリンクで開催されている自動車レースであり、1986年以降行われているF1のレースのひとつ。
概要
1986年の初開催時は、共産主義体制下にあった東欧諸国での唯一のグランプリとして注目されるレースとなった。開催コースのハンガロリンクは低速コースであり、オーバーテイクが難しいレイアウトである。マシンの性能差が縮まる上、抜くに抜けない車の後方に数台が連なって所謂「トレイン状態」「レーシングスクール状態」になる事も多く、過去幾多の名勝負が繰り広げられた。劇的な展開が突然起こることも多く、2002年から2008年まで毎年別々の勝者が生まれており、そのうち3人が初優勝である。
また、雨のレースが少ないことでも有名で、25回の開催で雨のレースは2006年と2011年の2回しかない。真夏のバカンス期の開催である上、盆地に位置するので例年晴天、高温のレースになる事が多く、ドライバーの負担及びブレーキの熱負担、エンジンの熱負担が非常に高くなる事が多い。さらにシフト回数も多く、ギアボックスの負担も非常に大きい。ドライバー、マシンともに非常に厳しいレースの1つとされる。
そのため予選のグリッドと決勝の戦略が非常に大きいウェイトを占めるグランプリである。だが、これまでのハンガロリンクのポールシッターは26戦11勝であり、勝率は5割を切っている。マシンの速さも当然の事ながら、チームの戦略や采配。ピット作業なども明暗を分ける事が多い。
例年、真夏のシーズン中盤戦に実施されているため、タイトル争いの正念場となるレースになることが多いが、チャンピオン争いが独走となった1992年のナイジェル・マンセル、2001年のミハエル・シューマッハはこのレースでチャンピオンを確定させた。2002年のミハエル・シューマッハは2戦前のフランスGPでチャンピオン決定したため、唯一チャンピオン決定後となっている。
地理的に北欧、東欧各地からの観客が多く、GPが開催されなくなったオーストリアからの観客も多い。そのため、母国でGPが開催されない東欧・北欧圏のドライバーにとってはホームグランプリとしての扱いもされる。
ハンガロリンクでは、2016年まで継続開催される予定である。
主な出来事
- 1986年 - 先頭を走るアイルトン・セナ(ロータス)と2位のネルソン・ピケ(ウィリアムズ)が1コーナーでバトルを展開。最初のアタックではインを差したピケのラインが膨らんだ隙にセナが抜き返す。2度目はピケがアウト側から被せ、マシンをドリフトさせながら前に出た。
- 1987年 - ナイジェル・マンセル(ウィリアムズ)がレースをリードしていたが、残り6周という所でリアタイヤのホイールナットが外れてリタイアした。
- 1989年 - リカルド・パトレーゼ(ウィリアムズ)が6年ぶりにポールポジションを獲得。決勝は12番手スタートのマンセル(フェラーリ)が順位を上げ、周回遅れを利用してセナ(マクラーレン)をかわして優勝した。
- 1992年 - 2位でフィニッシュしたマンセル(ウィリアムズ)が悲願のチャンピオンを獲得。16戦中11戦目という当時最短でのタイトル決定戦となった。
- 1993年 - デイモン・ヒル(ウィリアムズ)がF1初優勝。父親のグラハムに続き史上初の親子2代ウィナーとなった。
- 1997年 - アロウズに移籍したヒルがトップを快走。アロウズならびにヤマハエンジン、ブリヂストンタイヤにとってのF1初優勝に近づいたが、残り2周でマシントラブルが発生し、惜しくも2位に終わった。
- 1998年 - ミハエル・シューマッハ(フェラーリ)が想定外の3ピットストップ作戦を敢行し、マクラーレンの2台を逆転して優勝した。
- 2003年 - フェルナンド・アロンソ(ルノー)がスペイン人ドライバーとしてF1初優勝。当時の最年少優勝記録も作る。
- 2006年 - ジェンソン・バトン(ホンダ)がF1初優勝。ホンダのコンストラクターとしての勝利は1967年イタリアGP以来。
- 2007年 - 予選Q3でアロンソがピットスタートを遅らし、チームメイトのルイス・ハミルトンがタイムアタックに入る機会を妨害したとして、5グリッド降格処分を受ける。
- 2008年 - 先頭を走るフェリペ・マッサ(フェラーリ)が残り3周という所でストップし、ヘイキ・コバライネン(マクラーレン)がF1初優勝。F1通算100人目のウィナーになった。
- 2009年 - マッサのヘルメットに前走車から外れたパーツが直撃。頭部に重傷を負い、シーズン残りを欠場することになる。決勝ではハミルトンがKERS搭載車として初優勝。
結果
年 | 決勝日 | ラウンド | サーキット | 勝者 | 所属チーム | 結果 |
---|---|---|---|---|---|---|
1986 | 8月10日 | 11 | ハンガロリンク | ネルソン・ピケ | ウィリアムズ | 詳細 |
1987 | 8月9日 | 9 | ハンガロリンク | ネルソン・ピケ | ウィリアムズ | 詳細 |
1988 | 8月7日 | 10 | ハンガロリンク | アイルトン・セナ | マクラーレン | 詳細 |
1989 | 8月13日 | 10 | ハンガロリンク | ナイジェル・マンセル | フェラーリ | 詳細 |
1990 | 8月12日 | 10 | ハンガロリンク | ティエリー・ブーツェン | ウィリアムズ | 詳細 |
1991 | 8月11日 | 10 | ハンガロリンク | アイルトン・セナ | マクラーレン | 詳細 |
1992 | 8月16日 | 11 | ハンガロリンク | アイルトン・セナ | マクラーレン | 詳細 |
1993 | 8月15日 | 11 | ハンガロリンク | デイモン・ヒル | ウィリアムズ | 詳細 |
1994 | 8月14日 | 10 | ハンガロリンク | ミハエル・シューマッハ | ベネトン | 詳細 |
1995 | 8月13日 | 10 | ハンガロリンク | デイモン・ヒル | ウィリアムズ | 詳細 |
1996 | 8月11日 | 12 | ハンガロリンク | ジャック・ヴィルヌーヴ | ウィリアムズ | 詳細 |
1997 | 8月10日 | 11 | ハンガロリンク | ジャック・ヴィルヌーヴ | ウィリアムズ | 詳細 |
1998 | 8月16日 | 12 | ハンガロリンク | ミハエル・シューマッハ | フェラーリ | 詳細 |
1999 | 8月15日 | 11 | ハンガロリンク | ミカ・ハッキネン | マクラーレン | 詳細 |
2000 | 8月13日 | 12 | ハンガロリンク | ミカ・ハッキネン | マクラーレン | 詳細 |
2001 | 8月19日 | 13 | ハンガロリンク | ミハエル・シューマッハ | フェラーリ | 詳細 |
2002 | 8月18日 | 13 | ハンガロリンク | ルーベンス・バリチェロ | フェラーリ | 詳細 |
2003 | 8月24日 | 13 | ハンガロリンク | フェルナンド・アロンソ | ルノー | 詳細 |
2004 | 8月15日 | 13 | ハンガロリンク | ミハエル・シューマッハ | フェラーリ | 詳細 |
2005 | 7月31日 | 13 | ハンガロリンク | キミ・ライコネン | マクラーレン | 詳細 |
2006 | 8月6日 | 13 | ハンガロリンク | ジェンソン・バトン | ホンダ | 詳細 |
2007 | 8月5日 | 11 | ハンガロリンク | ルイス・ハミルトン | マクラーレン | 詳細 |
2008 | 8月3日 | 11 | ハンガロリンク | ヘイキ・コバライネン | マクラーレン | 詳細 |
2009 | 7月26日 | 10 | ハンガロリンク | ルイス・ハミルトン | マクラーレン | 詳細 |
2010 | 8月1日 | 12 | ハンガロリンク | マーク・ウェバー | レッドブル | 詳細 |
2011 | 7月31日 | 11 | ハンガロリンク | ジェンソン・バトン | マクラーレン | 詳細 |
2012 | 7月29日 | 11 | ハンガロリンク | ルイス・ハミルトン | マクラーレン | 詳細 |
2013 | 7月28日 | 10 | ハンガロリンク | ルイス・ハミルトン | メルセデス | 詳細 |
2014 | 7月27日 | 11 | ハンガロリンク | ダニエル・リチャルド | レッドブル | 詳細 |