細尾峠
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概要
国道122号の旧道。現在の日足トンネルの上を貫いている。実際の旧道は細尾町交差点から分岐し、日光市奥細尾を通るため、旧道全長距離は12km。出入口は足尾側に1箇所、日光側には2箇所ある。 途中にハイカーのための薬師岳、夕日岳、地蔵岳への分岐がある。足尾側では、地蔵坂と呼ばれるつづら折れの道があり、また石組みの側壁で作られた道がある。勾配は最大14%。 峠の両側には、案内図や峠の歴史が記された標識が設置されている。
歴史
古くは日光山の修行僧の峰修行の路として開かれ、足尾銅山が発見され採掘が始まってからは、往来が盛んになり銅山の発展とともに賑わった。明治時代になり、銅山の発展と共に道路が拡張され、峠に停場が設けられ、荷物交換の行列で賑わったという。1890年には日本で最初の索道が峠の両側に架設されるが、当時の足尾鉄道(旧国鉄足尾線・現わたらせ渓谷鐵道)の開通により利用は衰退した。1936年には、自動車道として舗装・改修され足尾日光間の大幹線となり国道122号となった。1977年に足尾銅山が閉山。1978年に日足トンネルが開通し、細尾峠ルートは国道から格下げされた。現在でも旧道には国道標識が残っており[1]、格下げ時に残ったものだと考えられる。
現在の状況
現在は通行量もなく、静寂な峠となっている。全面舗装であるが、アスファルトはくたびれている。ガードレールも完備しているため、自動車やバイクの通行に差し支えはないが、ハイキングで通る者もおり、注意が必要である。夏季はゲートが開いたままで誰でも通行できるが、冬季はゲートが閉められ、通行止となる。
2010年春に足尾側の入口付近が崩落して通行不能となっていたが、2010年夏頃に復旧した。