契約更改

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契約更改(けいやくこうかい)は、プロスポーツ選手のチームや企業などとの所属契約が一定期間経過して切れる時に、改めて所属先と契約を交わすことをいう。一般にプロ野球プロレスに関して用いられる言葉である。

日本のプロ野球の場合

シーズン終了後に、所属球団と選手が今後の雇用契約に関して協議することを示す。同時に、契約の調印・保留といった内容を球団やマスコミを通じて公表する。また主力選手の場合は、契約に関して記者会見を行うのが通例となっている。選手は球団職員ではなく個人事業主となっており、球団と個人とで契約を行う。よって自ら確定申告を行わなければならない。

一軍選手の交渉は11月上旬頃から、主に球団事務所で行われる。大物と呼ばれる選手は年末近くになるが、事前の下交渉によって合意に至っている場合が多い。なお一軍に先立って行われる二軍選手はほとんど交渉の余地がなく、金額提示と署名捺印が流れ作業的に行われる。契約更改においては減額制限(元の年俸が1億円以下は25%、元の年俸が1億円を超える場合は40%)があり、減額制限以上の減俸を行う場合は戦力外通告と同じ期間内に選手の同意を得る必要がある。減額制限以上の減俸は選手が同意しなければ球団は選手に対する保有権を放棄して自由契約にする必要がある。

交渉には球団側から代表等の他に査定係が出席し、選手側は代理人を立てる場合がある(代理人交渉制度)。査定係は全試合における選手の働きをポイント化して年俸に反映させていることから「科学的な査定」といわれる。ポイントは出場試合数やイニング数、送りバントやリリーフの成否などあらゆる範囲に及び、また試合の勝敗によっても増減される。

契約年数は1年とは限らず、球団は選手の残留目的で、選手は成績にかかわらず一定の年俸が保証されることから複数年契約を結ぶ場合がある。また一定以上の成績を残した場合に年俸を上積みするインセンティブ(出来高払い)契約を結ぶケースもある。

契約更改後、取り交わされた契約の内容をマスコミや記者会見より公表するのが通例となっている。公表される年俸は推定金額だが大きく外れることは少なく、実額と同じであることも多いという。しかし記者会見場で選手より契約内容や年俸金額が公表される場合がある。なお、プロ野球以外のスポーツ選手においては、マスコミへの契約内容の公表や、契約に関する記者会見を行うことはほとんど無い。

提示された金額に納得がいかず、その金額を保留する選手も見受けられる。2回目以降の交渉になると、保留した金額より若干上積みされていることが多いという。また、これを巡って選手が法的措置に乗り出す例もある。近年は保留する理由として、交渉時の球団関係者の態度を挙げる選手もいる。過去には以下のような実例もあった。

この他に、契約更改の場にも関わらず印章持参を忘れてしまい保留した選手もいる。

契約更改に至らない場合は年俸調停委員会に調停を申請することができる(参稼報酬調停)。委員会の決定は変更することができず、選手が契約を拒否した場合は任意引退扱いとなる。2月1日までに契約更改ができない場合は自費での春季キャンプ参加を強いられるが、自費分は契約成立後に返還されることがある[1]

また1990年代に入ってから代理人交渉や複数年契約など旧来では考えられなかったような仕組みが選手側の要望によって誕生している。

契約更改は冬場に行われるため、スポーツ紙では時期になぞらえて極度の減額を「厳冬」、増額や少量の減額を「暖冬」と表現することがある[2]

日本のプロレスの場合

テンプレート:節stub プロレスにおいては、団体と選手の契約が年単位であるため、年明け最初のシリーズを終えた後に契約更改が行われる。この契約更改を行うことで、団体に残留するという意思表示となる。

参考文献

  • 『プロ野球選手という生き方』 斉藤直隆、アスペクト、2004年
  • 柏英樹『プロ野球選手になるには』ぺりかん社、2009年

脚注

  1. 虎・久保は自費キャンプ、交渉まとまらずサンスポ 2011年2月1日
  2. 中日・ドアラも厳冬更改…食パン750グラムでサインサンスポ 2013年12月18日

関連項目