ホッケ
テンプレート:Otheruseslist テンプレート:生物分類表 テンプレート:特殊文字
ホッケ(ファイル:魚偏に花.png、「𩸽」Unicode: U+29E3D、テンプレート:Sname)とは、カサゴ目アイナメ科ホッケ亜科に属する魚。成長に従って、アオボッケ、ロウソクボッケ、マボッケ、ネボッケと呼び名が変わる。鮮度が落ちるのが早いため、開いて干物などにするのが一般的である。鮮度のいいものはフライにしたり、煮付け[1]にされたりと酒肴としても活用される。
概要
かつては「ネズミサカナ」、「囚人魚」と呼ばれ、不味い魚の代名詞となっていた時代がある。これは本種の鮮度が落ちやすいため、流通や冷凍技術が発達していない時期にほとんど食用とされなかった背景がある。しかし、北海道近海でニシンが獲れなくなると、代替品としてホッケの需要が急増した。また第二次世界大戦後の食糧難に伴い、本種は安易かつ大量に捕れる食材として重宝され、関東地方などに配給された。しかし、前述のとおり冷蔵技術のあまり発達しない時代ゆえ鮮度と味が落ち、戦後の食糧難を経験した世代には、いまだに本種を不味い魚と思う風潮がある[2]。
だが、冷蔵や物流が発達した80年代以降では、そういったイメージも薄まり、関東圏でも一般家庭に並ぶ普通の食材となっている。また、普及の背景には北海道が発祥の居酒屋チェーン「つぼ八」が、80年代に本種の干物をメニューに採用したことがヒットし、全国の居酒屋に定着した。
流通する際には、開いた干物として並ぶことが主流である。干物にすると適度な脂が乗り、淡泊な味に独特の食感がある。また骨が取りやすく食べやすい。北海道では生のホッケも普通に販売されている。このほか、粕漬けやみりん漬けもスーパーなどで容易に購入することができる。特にホッケのミリン干し・ホッケの燻製はきわめて美味である。
沿岸漁業により漁獲されるホッケはマホッケがほとんどで、キタノホッケ(シマホッケ)はマホッケよりも水深の深い海域を好む。
分布
茨城県、対馬海峡以北、黄海、ロシア沿海地方、オホーツク海、南樺太。
生態
成魚の生息水深は、春秋では浅く、夏冬では深い。産卵期は9月から2月。水深20m以浅の岩の間に卵を産み、雄が保護をする。
普段は海底に沈降するプランクトンを捕食するが、北海道の日本海沿岸周辺(奥尻島など)においては初夏から春の間にかけて、海面近くで群れになって上向きで泳ぐことにより(「ホッケ柱」)渦巻きを発生させ、海面のプランクトンを引き込んで捕食する。この現象は2009年9月5日放送のワンダー×ワンダー「驚異の海 ホッケの柱」において取り上げられた。
シマホッケ(縞ほっけ)の方が水深の深い方に生息しているため、真ほっけに比べて脂分が多い。
マホッケ(真ほっけ)の方が水深の浅い方に生息している。
形態
全長60cm 。側線が5本あり、体にはっきりしない黒色横帯がある。幼魚は海の浅いところに住み、体色は青緑色をしているが、成長につれて海底付近に住むようになり、体色は褐色を帯びる。このため、ほかの硬骨魚類に見られる浮き袋を欠くのが特徴(同様に底生性のヒラメなども、浮き袋は小さい)。
語源
漢字では、ファイル:魚偏に花.png(魚へんに花、「𩸽」Unicode: U+29E3D, JIS X 0213: 2面93区44点)と書く。この漢字の由来には、幼魚が青緑色で、群れで泳ぐと花のようなので、北の花→ほくか→ほっけとなった説があるテンプレート:要出典。また俗説によれば、鎌倉時代、日蓮宗の日持上人が、蝦夷地を去る礼として、これまでいなかった魚を獲れるようにし、地元の人はその魚を「ホッケ(法華)」と呼び、村落を「トドホッケ(唐渡法華)」と名づけたとなっているが[3]、椴法華村の地名はアイヌ語だというのが通説である。
「ファイル:魚偏に花.png」は、文字コード規格においてはJIS X 0213:2000およびそれに追随したUnicode 3.1(2000)で追加され、JIS第4水準に分類される。
近縁種
ホッケ亜科 テンプレート:Sname はホッケ属 テンプレート:Sname 1属のみ。ホッケ属には、ホッケ P. azonus とキタノホッケ P. monopterygius の2種が含まれる。
- キタノホッケ テンプレート:Sname (Pallas, 1810)
- 体長40cm 。通称はシマホッケ[4]。英名は、Atka mackerel。
出典
関連項目
外部リンク
- ホッケ(稚内水産試験場)テンプレート:Fish-stub