波力発電
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波力発電(はりょくはつでん)は、主に海水などの波のエネルギーを利用して発電する発電方法で、海流を利用したもの、波の上下振動を利用したもの、ジャイロ式発電タイプ、人工筋肉により発電するものまで様々なタイプのものがある。
波力エネルギーの特徴
- 面積あたりのエネルギーは、太陽光の20~30倍、風力の5~10倍である。
- 設置場所、発電機器タイプは自然環境、気象により変動がある。
- 風力などと比べ波の状況は予測しやすく発電量の見通しが付けやすいといわれている。
方式
振動水柱形空気タービン方式
没水部の一部が開放された空気室を水中に設置し、ここから入射した波で空気室内の水面が上下し、上部の空気口に設置した空気タービンが往復空気流で回転する。空気タービンには、往復空気流中で同一方向に回転するウェルズタービンが使用される。
ジャイロ方式
波の上下動をジャイロにより回転運動に変換する。従来のタービン方式と比較して2倍以上の効率が期待できる[1]。
事例
- 航路標識ブイの電源として実用化され、全世界で数千台以上使用されている。
- 2008年9月よりポルトガルにおいて英国製の発電機3機を用いて世界で初めて2.25MW(約1500世帯分の電力に相当)の規模で営業運転を開始し、将来的にはさらに25機の発電機を追加し21MWまで拡大する計画であったが11月に発電機全機が補修のため引き上げられ2009年5月には金融危機による経済環境の変化もあり計画全体が無期限停止された。
- 三井造船は、出光興産、日本風力開発と共同で太平洋沿岸に国内初の波力発電所を建設し、2012年をめどに稼働させる計画を明らかにした[2]。東京都も協力する予定。すでに、試験海域の調査などを始めており、候補地の選定後、2011年には実証実験に着手、2012年にも出力20,000kW程度の発電所を洋上で稼働させる方針。事業化に向け、2011年から出力1,000~2,000kWレベルの実証実験を開始する。発電所の建設地は、陸上から約10km沖、水深が50~200mの洋上を予定。実証設備の建設には、10億円程度かかるとしている。