ポルカ

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ストリート・ミュージシャンのポルカ演奏(プラハ)

ポルカ英語チェコ語など polka)は、1830年頃おこったチェコの民俗舞曲である。速い2拍子リズムに特徴がある。チェコのほか、タトラ山脈近辺のスロヴァキアポーランドなどの山岳地帯にも広がりをみせている。

概要

ポルカは1830年にボヘミアのエルベタイニッツ (Elbeteinitz) あるいはティーネツ (Týnec nad Labem) で、地元のアンナ・スレザク (Anna Slezak) が始めたと言われる。

ポーランドでは2拍子のポルカのほか、「トラムブランカ (tramblanka) 」、「ポルカ・トラムブランカ (polka tramblanka) 」、「トラムポルカ (trampolka) 」という、3拍子のポルカもある。これはポーランドの3拍子の伝統舞曲にポルカのアレンジを加えたものである。フランスやドイツでは「ポルカ・マズルカ (polka mazurka) 」と呼ばれ、ヨーゼフ・シュトラウスヨハン・シュトラウス2世らが作曲している。

クラシック作品としては、ヨハン・シュトラウス1世ヨハン・シュトラウス2世ベドルジハ・スメタナアントニン・ドヴォルザークピョートル・チャイコフスキーらの作品がある。

スロベニアではスラフコ・アヴセニク (Slavko Avsenik) などが確立したスロヴェンスカ・ポルカ(スロヴェニアン・フォーク)が人気を博している。スロベニア国内でもポップス化した他、アルプスを越えたオーストリアドイツでのアヴセニクの活動により、これらの国のフォルクスムジークにも大きな影響を与え、バンドサウンドと融合させたアルペンロックというジャンルも誕生することとなった。

世界的な流行

1950年代後半には、ドイツウィル・グラーエらの演奏により、「ビア樽ポルカ」(Beer Barrel Polka)や「リヒテンシュタインポルカ」 (Liechtensteiner Polka) などがヒットパレードとして世界的な流行となり、南ドイツや世界各地で行われるビール祭りオクトーバーフェスト」にも好んで演奏されている[1]

ポーレチケとは何か

ポーランド語では名詞に指小辞を付けて「小さい」、「少し」といったニュアンスを出す表現がよく用いられ、「ポルカ (polka) 」に対しても「ポレチュカ (poleczka) 」という指小形がある。文字通り訳せば「ポルカちゃん」とでも言えよう。「ポレチュカを踊りましょう」とは「ちょっとしたポルカを踊りましょう」の意味であり、さらに現代日本語らしくすれば「さあ、ポルカなど踊りましょう」にあたる表現になる。

この名詞「poleczka」の格変化形の1つである対格の「ポレチュケン (poleczkę) 」が、日本では「ポーレチケ」という読み方で知られ、ポーランドの作曲家タデウシュ・スィギェティンスキ (Tadeusz Sygietyński) 編曲のポーランド民謡ポルカ・トランブランカ (Polka Tramblanka) の日本語訳「踊ろう楽しいポーレチケ」に使われている。

すなわち、日本語歌詞「ポーレチケのリズムに…」にあたる部分のポーランド語原文は「zagrajcie nam poleczkę(私たちのためにポレチュカを演奏してください)」であり、名詞「poleczka」が動詞「zagrać」(zagrajcieは2人称複数に対する命令形)の目的語となり対格形をとっている。日本ではこの「poleczkę」の部分がそのまま抜き出され、「ポーレチケ」という形で定着したものと思われる。

なお、「踊ろう楽しいポーレチケ」は3拍子であり、厳密に分類した場合はトラムブランカにあたる。上述のように作曲者も「ポルカ・トランブランカ」と題しているが、歌詞の中ではこれを「ポレチュカ」と呼んでいる。

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脚注

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  1. リヒテンシュタイン・ポルカ