クワイ

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クワイ慈姑、学名:Sagittaria trifolia var. edulis)は、オモダカ科の水生多年草であるオモダカの栽培変種である。別名(田草燕尾草クワエ)とも言う。歴史が古いここと葉の形から地方では様々な呼び方がされている[1]

起源

クワイの語源は河芋(かわいも)が変化したという説やクワイグリから転じた等の伝承がある。

日本へは平安初期に中国から伝来したという説、16世紀朝鮮半島より伝わったという説がある。

分布

アジアをはじめ、ヨーロッパアメリカ温帯から熱帯に広く分布する。

野生種は東南アジア原産とされているが、栽培品種は中国で作られた[1]

形態

矢尻形をしている。水田で栽培され、青クワイや白クワイなど数種の品種がある。原種のオモダカに比べ、塊茎の大きさが大きくなる。

利用

欧米では観賞用が主である。

ファイル:Sagittaria trifolia.JPG
クワイの塊茎。「芽が出る」ということでおせち料理などにおいて縁起物とされる

日本と中国では塊茎を食用とし、特に日本では「芽が出る」縁起の良い食物として、煮物にしておせち料理で食べられる習慣があるため、世界でも日本でもっとも普及している[1]。塊茎は皮をむいて水にさらし、アクを抜いてから調理する。シュウ酸を含むので、茹でこぼすのがよい。ユリ根に似たほろ苦さがあり、煮物ではほっくりとした食感が楽しめる。

炭水化物の他にカリウム、葉酸、カテキンなどを含む[2]

中華料理に使用される黒クワイ(烏芋)はカヤツリグサ科オオクログワイという日本のクワイとは別種の植物で、水煮の缶詰でも出回るが、日本でも古くから食用としていた形跡があり、青森県亀岡の縄文遺跡から出土している。


産地

大阪府吹田市では、小さめな品種の吹田クワイを産する(なにわ野菜の一つ)。 明治維新までは宮中に献上されるなどされており、また、蜀山人は、「思いでるの骨切りすりながし吹田くわいに天王寺蕪」と歌っているなど、内外にその名を轟かせていた。しかし、現在は保存会によって守られている程度なので、他市に流通するほどの生産量はない。一時は絶滅の危機すらも叫ばれていたこともあった。

埼玉県は広島県に次ぐ全国2位の生産量[3]を誇っているが、宅地開発などが進み近年は減少方向にある。県内最大の生産地である越谷市では地元の研究会がクワイを使った地ビールを世界で初めて作るなどクワイの普及活動に努めている。

広島県福山市では、期間限定品と銘打って、くわい焼酎「福山そだち」が売られている。

脚注

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  1. 1.0 1.1 1.2 原田治『中国料理素材辞典 野菜・果実編』柴田書店、
  2. http://www.ja-tsuage.or.jp/syokunohanasi/shoku/kuwai.html
  3. テンプレート:Cite web