スーパーボウル
テンプレート:スポーツリーグ スーパーボウル (Super Bowl) は、アメリカ合衆国のプロアメリカンフットボールリーグであるNFLの優勝決定戦である。
アメリカンフットボールの最高の大会であり、アメリカ最大のスポーツイベントである。NFLの2つのカンファレンスであるアメリカン・フットボール・カンファレンス (AFC) とナショナル・フットボール・カンファレンス (NFC) の各優勝チームで争われる。毎年2月上旬の日曜日に開催されており、スーパーボウル当日はスーパーボウルサンデー(Super Bowl Sunday)、もしくはスーパーサンデーとも呼ばれ、事実上アメリカの祝日となっており[1][2]、年間で感謝祭に次いで2番目に食糧が多く消費されることでも知られる[3]。200以上の国と地域でテレビ中継されており[4]、特にアメリカでは毎年テレビ番組で年間最高視聴率を記録するなど、極めて注目度の高いコンテンツになっている。
概説
スーパーボウルは1967年、NFLの優勝チームと、当時別に存在していたプロアメリカンフットボールリーグであるアメリカン・フットボール・リーグ (AFL) の優勝チームによる対抗戦として始まった。その後NFLとAFLは合併し、1971年からは旧NFLチームが主に所属するNFCの代表と、旧AFLチームが主に所属するAFCの代表が対戦する形となって今に至っている。なお、スーパーボウルの名が正式に使われるようになったのは第3回からで、遡って第1回と第2回の大会もスーパーボウルと呼ばれるようになっている。この名称は、AFLの創始者でAFL所属のカンザスシティ・チーフスのオーナーでもあったテンプレート:仮リンクの命名で、児童用玩具のスーパーボールで子供たちが遊んでいるのを見て思いついたといわれている。
スーパーボウルに優勝したチームには、ティファニー社製のヴィンス・ロンバルディ・トロフィーと呼ばれるトロフィーが与えられる。名を冠されているヴィンス・ロンバルディはグリーンベイ・パッカーズの名コーチとして知られ、第1回と第2回のスーパーボウルを連覇している。また、優勝チームのメンバーにはスーパーボウル・リングと呼ばれる指輪が与えられる。この指輪をもつことはNFL選手にとって最高の名誉である。スーパーボウルの出場回数が最も多いのはピッツバーグ・スティーラーズとダラス・カウボーイズの8回であり、優勝回数が最も多いのはピッツバーグ・スティーラーズの6回である。
スーパーボウル優勝チームはホワイトハウスに招待されることが慣例となっている。ただし第20回スーパーボウルに優勝したシカゴ・ベアーズはその2日後にチャレンジャー号爆発事故が起きたため、ホワイトハウス訪問が実現しなかった[5]。また第45回スーパーボウルに優勝したグリーンベイ・パッカーズのテンプレート:仮リンクはIDを忘れたため中に入ることができなかった[6]。
世界一の経済大国であるアメリカ最大の祭典であることから、経済規模が非常に大きい。例えば、第47回スーパーボウルの再販の観戦チケット代は平均3278ドルであり、特別室での観戦では31万5000ドルとマンションの購入金額に匹敵する価格水準である[7]。CM枠が世界一高額なことで知られており、テレビ局の広告収入は2億2000万ドルを超えたと試算されている[8]。経済誌『フォーブス』の2012年10月の発表によると、スーパーボウルのブランド価値は4億7000万ドルであり、夏季オリンピックやFIFAワールドカップなどを凌ぎ、世界一のスポーツイベントであると推定されている[9]。
開催地
その名にふさわしく、収容人員6万人以上のスタジアムしか使用しないという規定が存在する。しかし、レギュラーシーズンでもチームによってはチケットの入手が難しいNFLだけに、スーパーボウルのチケットは、さらに入手困難である。チケットは一般販売されず、出場チームそれぞれに20%程度、開催するスタジアムのある州を本拠とするチームにあわせて10%程度、全チームに1%程度分配する。残りをリーグが取引先、代理店、スポンサーに販売する形を取っている。分配を受けたチームもまず一般販売をせず、スポンサーやシーズン・チケット購入者に優先して販売する。このような入手困難性もあり、クルーザーや別荘使用権と交換を依頼する人がいたり、抽選当選の通知が指名手配犯をおびき出す為の囮に使われた事などもある。
また、スーパーボウルは中継する各国のテレビクルーやマスコミ、観客にとどまらず、その雰囲気を味わおうとする観光客やアメリカンフットボール・ファンも訪れ、開催都市には莫大な経済効果をもたらすと言われ、多くの都市が開催を希望する。開催地はオーナー会議によって、数年前に決定する。
スーパーボウル開催のスタジアムを本拠とするチームが、そのシーズンのスーパーボウルに出場したことがなく、このことは、スーパーボウルの有名なジンクスとなっている。2014年の第48回大会は、NFLで唯一、2つのチームが本拠地とするメットライフ・スタジアムで開催されることになったことでジンクスが破られる可能性が例年より高まったが、ニューヨーク・ジャイアンツ、ニューヨーク・ジェッツともにプレーオフにすら進出できなかった。なお、カリフォルニア州パサデナにあるローズボウルで開催された1976-1977、1979-1980シーズンのスーパーボウルにオークランド・レイダーズ、ロサンゼルス・ラムズ(現セントルイス・ラムズ)がそれぞれ出場したが、いずれもオークランド、ロサンゼルス(当時)をフランチャイズとするチームではあるが、ローズボウルは本拠地ではない。1984-1985シーズンにはサンフランシスコ・フォーティナイナーズが、隣接市にあるスタンフォード・スタジアムでのスーパーボウルに出場したが、これも同様である。
開催立候補する都市には、前述のスタジアムの収容人数のほか、それだけの観光客を受け入れられる宿泊施設、交通網などの施設が整っていることが求められ、そのため観光地や大都市圏が選ばれることが多い(これまでの最小規模はジャクソンビル都市圏の人口約135万人)。そして、毎年2月の第1日曜日に開催するため、2月の平均気温が10度以上の温暖な気候地帯であるか、風雪に耐えられるドーム球場があるという条件も満たす必要がある[10]。そのため、フロリダ州、カリフォルニア州、アリゾナ州といったある程度温暖な地域やニューオーリンズ、アトランタ、ミネアポリス、デトロイトといったドーム球場を持つ都市などに開催地が偏ってしまうという事が難点として挙げられる。特に寒冷地で開催される場合、ドーム球場がすでにあるか、開催までに建設されることが絶対条件とされてきた。実際、2010年の第44回大会はニューヨーク、2015年の第49大会はカンザスシティでそれぞれ開催予定だったが、前者はニューヨーク・ジェッツのドーム球場新設、後者はカンザスシティ・チーフスの本拠地アローヘッド・スタジアムの改修が白紙になったためにいずれも撤回され別の開催地に変更されている。
しかし2014年の開催地はニューヨーク近郊のニュージャージー州イーストラザフォードに建設されたメットライフ・スタジアムに決定した。同スタジアム周辺の2月の平均気温は-4℃近くという寒冷地であり、過去の例から考えると極めて異例の決定となった[11]。実際多くのNFL関係者が「寒冷地での開催は一度きりの例外」と語っている[12]。
テレビ中継
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NFL AFC決勝 | <timeline>
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NFL NFC決勝 | <timeline>
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NBAファイナル最終戦 | <timeline>
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大学アメフト決勝 | <timeline>
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大学バスケ決勝 | <timeline>
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ワールドシリーズ最終戦 | <timeline>
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スーパーボウルはアメリカで最も人気のあるプロスポーツリーグの優勝決定戦であり、同国のテレビ番組で年間視聴率No.1を記録し続けている。アメリカのテレビ史においても、歴代視聴者数トップ10の番組の中でスーパーボウルが9つを占めている[14]。2013年の年間視聴者数ランキングにおいても圧倒的に首位であり、全テレビ番組の上位10番組の中でNFL中継の番組が9つを占めた[15]。 エーシーニールセン調べによるテレビ中継の視聴率は1991年以降24年連続で40%を超えている。2014年2月に開催された第48回大会ではアメリカのテレビ史上最多の視聴者数を更新した。番組開始から終了までの平均視聴者数は1億1150万人であり、視聴率46.4%、占有率69%を記録した[16]。地域別では、優勝チームの地元であるシアトルでは視聴率56.7%、占有率92%、開催地の都市圏であるニューヨークでは視聴率50.5%、占有率70%を記録した[17] 。また、1982年1月の第16回大会では、スーパーボウル中継における歴代最高の平均視聴率である49.1%を記録している[18]。尚、いわゆる4大ネットワークのうちNFLの放映権を持つネットワークが持ち回りで放映権を獲得して生中継される。
このため、テレビ中継に流されるコマーシャル枠の価格は世界で最も高価で、大手企業の大金を惜しみなくつぎ込んだコマーシャルが見られることでも知られている。アップルコンピュータが1984年のスーパーボウルでマッキントッシュの発売告知のコマーシャル「1984」を放映したことにより、一躍名を知られるようになったことが契機とされている。2013年現在、CM枠の価格は30秒枠で平均380万ドルといわれる[19]。
米国外では、世界200以上の国と地域で生中継される。テレビ視聴者数としては世界で多く視聴されている。ちなみに2位はUEFAチャンピオンズリーグ決勝である[20]。カナダ国内ではCTVがアメリカのテレビ局との同時放映。ただしCMは差し替えられる。日本国内では、当初はTBS系列で、さらに日本テレビ系列で独占生中継していた。衛星放送の普及や視聴率の低下から、現在は生中継をNHKのBS1とCS放送の日テレG+が、録画中継をCS放送のGAORAがおこなっている。地上波では日本テレビ系列で日本時間火曜未明・早朝帯(月曜深夜)に2時間に編集した録画中継という形で放送されているが、地上波の全国ネット放送は2012年を以って終了し、2013年の地上波放送は関東ローカルでの放送となったが、2014年の地上波放送は番販ネットにより、関東以外でもごく一部の地域のみではあるがネットされた。
ハーフタイムショー
前半と後半の間に行われるハーフタイムショーに代表されるエンターテインメントも有名であり、特に1993年のマイケル・ジャクソン以降は、毎回有名歌手等によるミニコンサートが開催されるほか、試合前の国歌独唱にも多くの有名歌手が起用されている。第39回スーパーボウルのハーフタイムショーを任されたポール・マッカートニーが「スーパーボウルでライブを頼まれるほど名誉なことはない。」と声明を発表するなど[21]、世界的アーティストにとっても非常に権威のある舞台となっている。近年はローリング・ストーンズ、プリンス、マドンナ、ビヨンセなど音楽界を代表するミュージシャンが出演している。
ハーフタイムショー自体はスーパーボウル創設当初から行われていたが、1980年代まではカントリーミュージシャン等の出演者が多く「ハーフタイムショーに入ると視聴率が10%近く落ちる」という問題を抱えていた。これを改善したいNFLサイドがマイケル・ジャクソンに出演を依頼、マイケル側も当初は難色を示したものの、スーパーボウルが世界中で中継される上に世界各地に駐留しているアメリカ軍関係者にライブで見てもらえることが決め手となり最終的に出演を承諾したという[22]。
ハーフタイムショーに関しては、「ハーフタイムに視聴者が一斉にトイレを使うことで上下水道に一気に負荷がかかり、水道管破裂等の問題が起きるのを防ぐため」という都市伝説まで存在する[23]。「1984年にソルトレイクシティで実際に水道管が破裂した」と具体的に都市名まで挙げられることもあるが、確かに水道管が破裂したのは事実なものの、スーパーボウルと水道管破裂の間に因果関係はないという[24]。ただ2007年にはマイアミ市で、市当局が住民にハーフタイム中のトイレの使用を控えるよう呼びかけた事例も起きており[25]、一部の都市では実際にリスクを抱えている模様。また最近では、何らかの放送事故が起きる例は多々あり、賠償騒ぎが起こる例がある。(ジャネット・ジャクソンの胸チラ(2004年)、M.I.A.の中指立て(2012年)など)そのため、生放送での放送事故を防ぐため、遅延送出システムにより数秒間遅れで放送されることとなっている。
なおハーフタイムショーに対する歌手側のギャランティーは原則として一切ない(交通費・宿泊費等の経費は支払われる)。ただ当該歌手がチャリティー活動等への支援を行っている場合、チャリティーを実施する財団・基金等へ寄付を行うことはある[22]。 テンプレート:-
歴代試合結果
※テンプレート:Colorbox側が優勝チーム
チーム別出場回数
AFC所属チーム(22勝) | NFC所属チーム(26勝) |
- シーズンの数字が太字のものはスーパーボウル優勝シーズン
- 数字のうしろのアルファベット・記号の意味
- n = 旧NFL所属、N = NFC所属、a = AFL所属、A = AFC所属、† = ワイルドカードからスーパーボウル出場
脚注・出典
関連項目
外部リンク
- ↑ テンプレート:Cite news
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ Super Bowl XLI broadcast in 232 countries
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ 米スーパーボウル再販チケット、平均約29万円-去年より安くBloomberg.com 2013年2月6日閲覧。
- ↑ How much money did CBS make from 2013 Super Bowl ads? Try $220 million
- ↑ The Most Valuable Brands In Sportsフォーブス 2012年10月21日公表
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ 13.0 13.1 13.2 13.3 13.4 13.5 13.6 2013 Ratings Wrap: NFL Dominates List of Most-Watched Sporting Events SPORTS MEDIA WATCH 2014年2月5日閲覧。
- ↑ Super Bowl XLVIII Is the Most-Watched U.S. Broadcast Ever buddytv.com 2014年2月5日閲覧。
- ↑ Top 10 TV Programs of 2013 nielsen.com 2014年1月13日閲覧。
- ↑ Super Bowl XLVIII most-watched TV program in U.S. history nfl.com 2014年2月5日閲覧。
- ↑ Kansas City market led the country in Super Bowl TV ratings kansascity.com 2014年2月5日閲覧。
- ↑ Super Bowl TV audience reaches record 111.3 million Reuters Feb 6, 2012. 2013年2月6日閲覧。
- ↑ スーパーボウルCM枠は平均3.5億円、「視聴者参加型」も 朝日新聞 2013年2月6日閲覧。
- ↑ テンプレート:Cite news
- ↑ ポール・マッカートニー、NFLのハーフタイムショー出演へ2014年2月5日閲覧。
- ↑ 22.0 22.1 報酬0円でも快諾 M.ジャクソンがNFL界に残した功績 - NFL Japan・2009年7月10日
- ↑ Myths of Super Bowl Sunday - About.com・2014年1月24日
- ↑ Super Bowl lore part of the game - CJOnline・1999年1月31日
- ↑ <06NFL・第41回スーパーボウル>ハーフタイム中のトイレは控えて! - 米国 - AFPBB・2007年2月1日
- ↑ 1970年にAFLとNFLが合併したとき、旧AFLのチームで構成するAFCに移動編入したため、以降のスーパーボウルではAFC代表として出場。2013年現在、アメリカン/ナショナル両方の代表として出場した唯一のチーム。
- ↑ 唯一敗戦チームからMVPに選ばれた。
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