伊香保温泉

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伊香保温泉(いかほおんせん)は、群馬県渋川市伊香保町(旧国上野国)にある温泉草津温泉と並んで県を代表する名湯で、上毛かるたでは「伊香保温泉日本の名湯」と歌われた。

アクセス

泉質

  • 硫酸塩泉:黄金の湯
  • メタけい酸単純泉:白銀の湯

温泉街

急傾斜地に作られた石段の両側に、温泉旅館、みやげ物屋、遊技場射的弓道)、飲食店などが軒を連ねている。365段の石段は温泉街のシンボルであり、この界隈は石段街と呼ばれる。石段の下には黄金の湯の源泉が流れ、小間口[1]と呼ばれる引湯口から各旅館に分湯されている。石段の上には伊香保神社が存在する。

石段上の源泉周りは整備されており、源泉が湧出する様子を見ることができる。また石段から源泉までの遊歩道の途中に飲泉所も存在する。源泉の傍には「伊香保露天風呂」が、石段の途中には共同浴場「石段の湯」が存在する。

温泉街と近くの物聞山にある上ノ山公園を結ぶロープウェイ(伊香保ロープウェイ)が存在する。

温泉街の周辺には榛名山や、水沢うどんで有名な水沢観音などが存在する。

歴史

ファイル:Ikaho Onsen Ishidangai1887-1896.jpg
明治20年代の伊香保温泉石段街
ファイル:Ikaho Onsen 02.jpg
みやげ物屋が並ぶ石段街
ファイル:Ikaho Onsen 03.JPG
県道33号から見下ろす温泉街

発見は1900年前とも1300年前とも言われている。万葉集にもその名が登場している。

現在の温泉街が形成されたのは戦国時代である。長篠の戦いで負傷した武田兵の療養場所として武田勝頼が当時上州を支配していた真田昌幸に命じ、整備された。石段もこのときにできた。

明治時代以降は竹久夢二徳富蘆花夏目漱石萩原朔太郎野口雨情など文人が多く訪れた。また、御用邸ハワイ王国大使別邸なども作られた。

伊香保温泉の老舗旅館、千明仁泉亭は、伊香保を愛した明治の文豪徳富蘆花が常宿として生涯10回宿泊し、ひいきにした旅館であり現存する。海軍少尉川島武男と陸軍中将片岡毅の娘浪子が、愛し合いながらも運命に翻弄される悲劇の物語小説『不如帰』の冒頭を飾る宿である。

更に1910年明治44年)には、渋川から路面電車も開通した。同線は後に東武伊香保軌道線となり、バスの台頭で1956年昭和31年)に全廃されている。

現在では各地で見られる茶色の温泉饅頭は、伊香保温泉が発祥の地(勝月堂)とも言われ、1910年(明治44年)から売り出されている。「湯の花まんじゅう」と呼ばれている。

東京などからの避暑客で賑わう1920年大正9年)8月20日深夜に火災が発生。温泉街を焼き尽くす大火となった。

戦後は歓楽街温泉としても栄えた。芸妓組合が現在も存在している。近年、温泉街の店舗が東南アジアから人身売買によってつれてこられた少女を監禁し、売春行為を行っていた事実が発覚し、マスコミに取り上げられている。また、2012年(平成24年)1月にも、人身売買によって同地に連れてこられたタイ人女性に売春を強制した同地の飲食店が検挙されている。[2]

1955年(昭和30年)6月に、観光協会の陳情によって日本最初のケーブルテレビ(NHKによる難視聴解消用のテレビ共同受信実験設備)が設置された[3]とされ、温泉地にある「文学の小径公園」にはその記念碑が設置されている。

2004年の温泉偽装問題

2004年平成16年)、日本各地で温泉偽装問題が巻き起こり、伊香保温泉では水道水を使用しているにもかかわらず温泉表示を行っていた温泉があったと報道されて注目を集めた。

もともと伊香保温泉の開湯以来の源泉であった黄金の湯を利用できるのは、小間口の利用権利者と権利者から湯を購入した旅館のみの利用に限られていた。しかし戦後に旅館数が増加し給湯量が不足してきたため、1996年平成8年)に白銀の湯が開発された。ところがこちらは黄金の湯に比べて湧出温度が低く、温泉特有の成分が非常に少ない(メタ珪酸単純泉:つまり、「温泉法第2条による温泉」)。人によっては温泉かどうか分からない、といった声もあり、すべての旅館で使われなかった。加えて、小間口の権利者が周辺の湯への供給量を抑えたため湯を引けなくなった宿が多くなった時期と、伊香保温泉における温泉偽装問題が発覚した時期が符合することから、権利者の行動に疑問を投げかけた見方もあった。

伊香保温泉を題材にした楽曲

  • 伊香保の宿(歌:神島悠介、作詞:内田通子、作曲:野村豊収、編曲:前田俊明)

脚注

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関連項目

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外部リンク

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  1. 伊香保温泉独特の規格で造られた木製の樋。伊香保温泉黄金の湯小間口を参照。
  2. 読売新聞 2012年1月23日
  3. テンプレート:Cite web