劇場版美少女戦士セーラームーンR

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テンプレート:Pathnav テンプレート:Infobox Film劇場版美少女戦士セーラームーンR』は、1993年12月5日に公開された、『美少女戦士セーラームーンR』の劇場版アニメ。製作は東映動画(現東映アニメーション)。

監督は、後に『少女革命ウテナ』を監督した幾原邦彦

同時上映は『メイクアップ!セーラー戦士』と、『ツヨシしっかりしなさい ツヨシのタイムマシーンでしっかりしなさい』。

概要

シリーズ初の劇場化作品。配収13億円、94年邦画配給収入第7位[1]

映画化の話は、平成5年(1993年)の年明け間もないころからあったが、女児向けの映画が本当にヒットするのかという興行的な不安から、東映が映画化をためらっていた。結局、制作に入ったのは8月からで、制作スケジュールはとても短いものだった[2]が、公開すると配収13億円の大ヒットでその後のシリーズの映画化への道筋をつけた。

物語のクライマックス、挿入歌『Moon Revenge』が映画を効果的に盛り上げている[3]。歌詞は二番目の前半でそれぞれのキャラクターの声を担当した声優がソロで歌う構成だが、映画中、それぞれのキャラクターの回想と歌のソロパートがシンクロし、スペクタクルシーンと共に絶妙なタイミングで編集されている[4]。クライマックスはミュージカルのようにしたいという監督の幾原とプロデューサーの東の提案[5]で、セーラームーン・ミュージカルで音楽を担当していた作詞・冬杜花代子、作曲・小坂明子によるコンビが作詞・作曲を担当した。そのため、クライマックスはミュージカル映画のようでもあり、幾原の持ち味が強く出ているが[6]、それは東が、制作当初から幾原の個性を全面に押し立てた作品にしたいと考えていたからである[7]

公開当時、メイン客層である子供たちだけではなく同伴した多くの大人をも涙させた[8]

テレビシリーズを支えていた作画監督(伊藤郁子長谷川眞也香川久)たちと、そうそうたる顔ぶれのアニメーター陣(新井浩一・須賀重行・濱洲英喜・山内則康など[9])が作画(原画)に参加している。作画監督の只野和子は「セーラームーンのエキスをギュッと集めた集大成」と語っている[10]。全ての必殺技シーンに長谷川眞也が作画担当している[11]

本作に感動した庵野秀明は映画館で3度観た[12]緒方恵美が本作で衛の少年時代の声を担当していて、映画のビデオを貞本義行に見せて、準備中だった「新世紀エヴァンゲリオン」の碇シンジの声は緒方しかないと力説した[13]

セーラームーンの映画すべてを収録した「美少女戦士セーラームーン THEMOVIE DVD-BOX」は2002年3月21日発売、単巻は2004年12月10日発売。

時列的にはちびうさがセーラー戦士の正体を知っていることや、うさぎと衛の関係が修復していることから第77話から第82話までの間の出来事だと推測できる。

ストーリー

うさぎ達の前に突然現れた、謎の異星人フィオレ。彼は子供の頃の衛と友人であった。衛との友情のために花を持って来たと言うフィオレだったが、彼の心は悪魔の花キセニアンによって支配されていた。弱い心に取り付き、取り付いた人間を支配し、憎しみを爆発させるキセニアンはフィオレを憎悪に駆り立てて地球を滅ぼそうと企んでいた。キセニアンに心を支配され、地球人を滅ぼすと言うフィオレには衛の言葉も届かない。しかも彼はセーラームーンのことを衛を騙している者として憎み、その命を狙う。やがて衛はフィオレの攻撃からセーラームーンを庇って深手を負い、フィオレに拉致され、いずこかへ攫われてしまった。その頃、地球に一個の小惑星が接近しつつあった。実はそれこそがキセニアンの本拠地であり、彼らは地球上の人間のエナジーを奪い尽くそうと考えていたのだ。

セーラー戦士達は彼の野望を阻止すべく、その小惑星に向かったのだった。

スタッフ

声の出演

セーラー戦士

敵キャラ

その他

主題歌

ドラマCD

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映画のドラマCDが『美少女戦士セーラームーンR 〜ドラマ編〜』(びしょうじょせんしセーラームーンアール ドラマへん)として1994年4月21日に発売されている。収録時間は61分21秒。キャストは映画と同じだが、セリフは新録音である。

スタッフ

脚注

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外部リンク

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  1. 社団法人日本映画製作者連盟調べ。
  2. 「映画 美少女戦士セーラームーンR メモリアルアルバム」(講談社)より。
  3. 「映画 美少女戦士セーラームーンR 音楽集」(日本コロムビア)の中のプロデューサー東伊里弥ライナーノートより。
  4. 「映画 美少女戦士セーラームーンR メモリアルアルバム」(講談社)の中の編集者クマさんの解説による。
  5. 「映画 美少女戦士セーラームーンR メモリアルアルバム」(講談社)より。
  6. 幾原はテレビシリーズの46話において、やはりクライマックスに歌を使用している。本作は、その表現をさらに推し進めたものだと言える。
  7. 「映画 美少女戦士セーラームーンR メモリアルアルバム」(講談社)の中のプロデューサー東伊里弥のインタビューより。
  8. 「映画 美少女戦士セーラームーンR メモリアルアルバム」(講談社)の中でのプロデューサー東伊里弥のインタビューより。
  9. 新井浩一は「AKIRA」「MEMORIES 彼女の想い出」「スチームボーイ」など大友克洋の作品で原画担当。須賀重行は「キノの旅」「GR GIANT ROBO ジャイアントロボ」などのキャラクターデザインを担当。濱洲英喜は「PERFECT BLUE」「千年女優」などの作画監督、「AKIRA」「攻殻機動隊」の原画担当。山内則康は「王立宇宙軍」で飛行シーンの原画担当。
  10. 「映画 美少女戦士セーラームーンR メモリアルアルバム」(講談社)の中での只野和子のインタビューより。
  11. 「映画 美少女戦士セーラームーンR メモリアルアルバム」(講談社)第67頁より。
  12. 「さらばセーラームーン 夢特集 幾原邦彦」(ハッピー興行新社)の中の庵野秀明の寄稿より。
  13. 「eve 2015年の女神たち―新世紀エヴァンゲリオンPHOTO FILE」(角川書店)の中での貞本の発言より。