アビス
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テンプレート:Infobox Film 『アビス』(原題: The Abyss)は1989年のアメリカ合衆国のSF映画である。本作は140分の公開版と、171分の完全版が存在する。
ジェームズ・キャメロン監督が高校時代に書き記した短編小説を原作とし、自身の手でそれに新たな肉付けを施し映画化。SFXはILMのデニス・ミューレンによる。アカデミー視覚効果賞を受賞した。
ストーリー
海底油田の海中採掘基地付近の海域で、原子力潜水艦が行方不明となる。バッドをはじめとするの採掘基地の作業員らは捜索のため、暗黒と水圧が支配する未知の海溝「アビス」へと向かうが、そこで待っていたものは、海底深くに生活していた人類とは違う生命体だった。だが、軍の特殊部隊から派遣されたコフィは未知の生命体の存在を信じなかった。原潜沈没の原因をソ連の攻撃と信じる彼は、報復のため密かに沈没した原潜から核弾頭を回収する。だがコフィは不慣れな海底活動でのストレスと重責へのプレッシャーから徐々に正気を失っていった。核弾頭を巡る、作業員達とコフィとの攻防戦…やがて海溝深く沈んだ核弾頭を無力化するため、バッドは人類未踏の深度へと潜航する。彼がそこで見たものとは…。
スタッフ
- 監督:ジェームズ・キャメロン
- 製作:ゲイル・アン・ハード
- 脚本:ジェームズ・キャメロン
- 撮影:ミカエル・サロモン
- VFX:デニス・ミューレン(ILM)、ドリームクエスト・イメージ、他。
- VFXスーパーバイザー:ジョン・ブルーノ
- 音楽:アラン・シルヴェストリ
- 提供:20世紀フォックス、ライトストームエンターテインメント、パシフィックウェスタン
キャスト
役名 | 俳優 | 日本語吹き替え | |
---|---|---|---|
ビデオ・DVD版 | フジテレビ版 | ||
ヴァージル・“バッド”・ブリッグマン | エド・ハリス | 仲村秀生 | 大塚明夫 |
リンジー・ブリッグマン | メアリー・エリザベス・マストラントニオ | 高島雅羅 | 鈴鹿千春 |
ハイラム・コフィ大尉 | マイケル・ビーン | 千田光男 | 江原正士 |
キャットフィッシュ・デ・ブリーズ | レオ・バーメスター | 池田勝 | 玄田哲章 |
アラン・“ヒッピー”・カーンズ | トッド・グラフ | 納谷六朗 | 村山明 |
ジャマー・ウィリス | ジョン・ベッドフォード・ロイド | 大山高男 | 茶風林 |
“ソニー”・ドーソン | J・C・クイン | 津田英三 | 幹本雄之 |
リサ・“ワンナイト”・スタンディング | キンバリー・スコット | 松本梨香 | 津野田なるみ |
ルー・フィンラー | キャプテン・キッド・ブリューワー | 辻親八 | 仲木隆司 |
バーンズ | マイケル・ビーチ | 小野健一 | |
ドワイト・ペリー | ディック・ウォーロック | 田原アルノ | |
ウィルハイト | ジョージ・ロバート・クレック | ||
ベンディックス | クリス・エリオット | 秋元羊介 | 大塚芳忠 |
シュニック | クリストファー・マーフィ | 秋元羊介 | |
モンク少尉 | アダム・ネルスン | 小室正幸 | 若本規夫 |
リーランド・マクブライド | ジミー・レイ・ウィークス | 小島敏彦 | 沢木郁也 |
ディマルコ准将 | J・ケネス・キャンベル | 仁内建之 | 有本欽隆 |
ジェラルド・カークヒル | ケン・ジェンキンス | 岡部政明 | 藤本譲 |
大佐 | ピーター・ラトレイ | 稲葉実 | 飯塚昭三 |
ニュースキャスター | ジョー・ファーゴ | 石波義人 | 小野健一 |
- ビデオ版
- フジテレビ版 - 初回放送:1991年11月23日(土)ゴールデン洋画劇場
備考
- オースン・スコット・カードによってノベライゼーションが書かれている。
- 製作開始当初自在に動き回る水の描写は透明なアクリルの模型をコマ撮りで動かす予定であったが、ILMのアニメーションスタッフがCGIによる描写を可能にした。キャメロン監督は「液状のキャラクター」というアイディアの映像化を模索していたが、本作が実現した事で構想をさらに推し進め、『ターミネーター2』を製作する。
- 視覚効果のデザインにはジャン・ジローやロン・コッブといったアーティストが参加。造形担当のスタッフにスクリーミング・マッド・ジョージの名前もある。
- エド・ハリス演じるバッドが激怒して結婚指輪をトイレに捨て、思い直して拾い上げる場面がある。後の場面で大変重要な役割を演じる事になるのだがそこは拘りの強いキャメロン監督のこと、この指輪についても「リンジーから贈られた高級チタン製の指輪」と設定がされていた。映画で採り上げられた事によりチタンやタングステンで指輪を製作していたアーネル社に多数照会が寄せられ「アビス・レプリカ」仕様の指輪を発売した[1]。
- 劇中、ネズミが特殊な液体に沈められるシーンがある。これは実際に酸素を含む特殊な液体を用意し、撮影された。複数のネズミが用意されたがすべて生き残り、撮影後、すべてスタッフのペットとなった。液体呼吸の項を参照のこと。
- 舞台となる海には一切の魚が登場しない。
- 俳優が出演する水中シーンはダイビングスポットとして有名なミズーリ州ボンテールの鉱山と、建設中止で廃墟となったチェロキー原子力発電所(サウスカロライナ州ガフニー)の格納容器にセットを作り撮影された。チェロキー原発は現在もディープコアのセットがそのまま残され、観光名所となっている。
- 一方視覚効果による水中シーンの撮影は、翌年公開の『レッド・オクトーバーを追え!』同様スモークを満たした密閉室にセットを作り、ミニチュアをワイヤーで吊るして撮影する方法(水を使わない「水中」撮影なので"Dry for Wet"と呼ばれる)が採られた。ミニチュアの潜水艇内部には超小型のフィルムプロジェクターと半透明の投射スクリーンが内蔵され、俳優の動きを撮影したフィルムを回しながらモーション・コントロール・カメラで低速度撮影することで操縦する人物の動きもフォロー可能にしている。
DVD
- 2000年に20世紀フォックスホームエンターテイメントから発売されたDVDは、劇場公開版と完全版の2パターンの本編が収録される予定だったが、発売前にDVDにプレスする際、再生に問題が発生したため完全版のみの収録となった。