「谷津干潟」の版間の差分

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2014年4月15日 (火) 13:49時点における最新版

ファイル:Yatsu-Higata.jpg
谷津干潟南側(2003年2月1日撮影)
ファイル:Seitakashigi 06f7682v.jpg
谷津干潟に住み着いているセイタカシギ(2006年10月4日撮影)
ファイル:Yatsu-Higata mudflat Aerial photograph.1989.jpg
谷津干潟の空中写真。周囲は埋立てられ宅地化が進み、干潟上には高架橋が横切っている様子が分かる。1989年撮影の2枚を合成作成。
国土交通省 国土画像情報(カラー空中写真)を基に作成。

谷津干潟(やつひがた)は、千葉県習志野市谷津および秋津にある約40ha干潟である。

概要

千葉県東京湾岸の干潟は、そのほとんどが1960年代から1970年代にかけて千葉県企業庁によって次々と埋め立てられ、工業地や住宅地として開発されたが、習志野市谷津地先の干潟は利根川放水路計画により旧大蔵省の所有であったために埋め立てを免れ、埋立地の中に2本の水路で海とつながる池の様に残された。

その後、埋め立ての計画は持ち上がったが、東京湾に飛来するシギ類、チドリ類、カモ類といった渡り鳥の希少な生息地になっていることが指摘され、また保護活動家による重要性の宣伝活動や清掃活動によってその重要性が広く市民の間でも認知されたため、1988年に国指定谷津鳥獣保護区(集団渡来地)に指定され(面積41ha、うち特別保護地区40ha)、さらに1993年6月10日ラムサール条約登録地に登録された。

その歴史的経緯から、谷津干潟はほぼ長方形という不自然な形状である。さらに干潟の四方は宅地化・都市化が進んでおり、干潟の上には高架橋が建てられJR京葉線東関東自動車道国道357号が通っている。

生物

サギ類・カモ類・カモメ類などの水鳥が一年を通して見られ、年間を通じて60-80の種類、少ない時でも10-20種類の鳥が飛来する。また、シギチドリ類が飛来する場所として全国的に有名でセイタカシギが定着するなど貴重な環境である。これらの水鳥の餌となるチゴガニなどの甲殻類が生息するほか、エイなどの魚類も生息し、アユなど回遊魚の稚魚が生育する場にもなっていると考えられている。

観光

谷津干潟自然観察センターが設けられ、習志野市の委託により指定管理者が運営している。干潟の保全や渡来鳥類の観察・記録、来場者への案内、望遠鏡の貸出、保全活動に携わるボランティア等の活動拠点になっている。建物内に限り、入場料が必要。周囲約3.5kmにわたって観察路が設けられている。また淡水池や公園も併設されており、オナガなど陸上の野鳥が生活する場にもなっている。

環境問題

近年、水質汚濁が原因と思われるアオサの異常発生が問題になっている。アオサの成熟個体は、夏を迎え暖かくなると枯死し腐る。アオサの枯死が原因で、アサリヤドカリゴカイなどが大量死しているのが発見され、アオサが枯死し酸素濃度が低下、干潟の泥に酸素が非常に少なくなり、生物が生きることができないため大量死している。これが渡り鳥のエサになるゴカイなどが減っているため、渡り鳥にも影響が心配されている[1]。また、水質汚濁をもたらす以前に、多くの人手によって毎年除去が繰り返し行われる。

渡来数の減少

埋め立て後も非常に多くの渡り鳥が渡来していたが、ラムサール条約登録にあたり大規模な工事が行われ、その後の調査では大幅な激減が確認された。 文一総合出版より刊行されている『谷津干潟を楽しむ干潟の鳥ウォッチング』によれば1976年に1500羽を数えたシロチドリは1996年では150羽ほど、サギ類など他の鳥類についても数十分の一へと渡来数は減少した。 干潟周辺にはまだマムシなど蛇が生息する野原が存在し、池なども存在していたが、ラムサール条約登録に辺って造成工事が行われ、野原は潰され近代的な自然観察センターが建設され、野鳥観察者用の駐車場が建設された。 また干潟内においても観察小屋周辺にあった蟹の生息地が埋め立てられた。 小さな干潟において貴重な餌場が消失した事の影響は大きい。 東京湾全体でも渡来数は約半分ほどに減少しているが、谷津干潟においては数十分の一と異常な減少が目立っている

周辺

そのほか

公共交通

脚注

関連項目

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外部リンク

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