「増殖 (YMOのアルバム)」の版間の差分
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2014年5月24日 (土) 13:03時点における最新版
テンプレート:Infobox 増殖 - X∞Multiplies (Alfa YMO1) は、イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)の4作目のアルバム。
目次
背景
前作『パブリック・プレッシャー』の成功に気を良くしたアルファレコードは、同様のライヴ盤のリリースを要請したが、メンバーはそれを拒否し、代案として本作のリリースを提案した。
高橋幸宏は本アルバムは「ボーカルもの」をやりたいという明確なイメージを作成前に持っていた。さらに、当時好んで聴いていたラジオ番組「スネークマンショー」を細野晴臣に聴かせたところ、細野も気に入り、曲の間にコントを挟むギャグ・アルバムを作ることを細野が決めた。[1]
多くの曲を作成する時間もないことから10インチのミニアルバムとなった。[1]
収録されたスネークマンショーによるコントは1976年から1980年にかけて放送されたラジオ番組『スネークマンショー』からのものや、同番組に出演していた伊武雅刀、小林克也、桑原茂一らとYMOのメンバー等によるものであった。収録されたコントは同番組で放送されたものだが、すべてこのアルバム用に録りなおしている。
リリース
当初は10万枚限定盤の予定であったが、20万枚以上の予約が入ったため通常生産盤としてリリースされ、アルバムは特殊段ボールケースにセットして販売された(通常の12インチアルバムとサイズを合わせるため)。レコード番号は「YMO-1」であるが、バンドの名称が番号に採用されるのは異例なことであった。
YMOの結成20周年企画盤として、スネークマン・ショーの桑原茂一プロデュースにより、CD版の装丁などを『増殖』そっくりに真似た『増長』がリリースされた(1998年)。収録された楽曲や曲順はほぼそのままで、コント部分を爆笑問題と長井秀和が全く内容を変えて演じている。
アートワーク
ジャケットで使われたYMOメンバー3人の人形は、当時3人がテレビCMで出演していた「フジカセット」の新聞広告で使われていたものであった。
材質は前面の数体がFRP製[2]で、それ以外はFRPの個体から複製した塩化ビニール製である。また、2008年に復刻されて市販されている。
ツアー
本作のリリース後にはツアーは行われなかったが、リリース前の1980年3月21日から5月7日にかけて行われた国内ツアーのテクノポリス2000-20で収録曲である「ナイス・エイジ」と「シチズンズ・オブ・サイエンス」が演奏されている。そして1980年10月11日のニューシアター(オックスフォード)を皮切りにワールドツアー「YELLOW MAGIC ORCHSTRA WORLD TOUR '80』が行われている。
収録曲
テンプレート:Tracklist テンプレート:Tracklist
曲解説
A面
- ジングル“Y.M.O.” - JINGLE "Y.M.O."
- ナイス・エイジ - NICE AGE
- アルバム作成前にA&Mレコードからの依頼でアメリカ用シングルとして「シチズンズ・オブ・サイエンス」と共にレコーディングされた(ただし、アメリカのマーケティングにそぐわないという理由でリリースはされていない)[1]。曲中でニュース速報を読んでいるのは元サディスティック・ミカ・バンドのボーカリスト福井ミカである。本作の録音当時、イエロー・マジック・オーケストラはポール・マッカートニーとのセッションを予定していたが[3]、来日したポールが大麻不法所持によって逮捕勾留されたため、セッションが不可能となってしまった。その時のポールの妻リンダのメッセージが曲中のニュース速報である。速報中で読み上げられる「22番」とはポールの拘置所内での番号であり、同じく「Coming Up Like A Flower」は同じ年の4月に発売されるポールのシングル「カミング・アップ」で歌われるフレーズである。シングル『タイトゥン・アップ』のB面にも納められている。
- スネークマン・ショー - SNAKEMAN SHOW
- タイトゥン・アップ - TIGHTEN UP (Japanese Gentlemen Stand Up Please!)
- 詳細は「タイトゥン・アップ」を参照。
- スネークマン・ショー - SNAKEMAN SHOW
- スネークマン・ショーでのコント名「ミスター大平」。コント「KDD」の続きで、大平が英語があまり話せなかったことを利用し、日本人を冒涜するという内容。
- ヒア・ウィー・ゴー・アゲイン - HERE WE GO AGAIN ~ TIGHTEN UP
B面
- スネークマン・ショー - SNAKEMAN SHOW
- シチズンズ・オブ・サイエンス - CITIZENS OF SCIENCE
- 「ナイス・エイジ」と共にアメリカ用シングルとしてレコーディングされた。途中にクリス・モスデルが歌っている部分(というより台詞)がある。ライヴでの同部分は坂本がヴォコーダーを用い担当した。
- スネークマン・ショー - SNAKEMAN SHOW
- スネークマン・ショーでのコント名「林家万平」。林家万平は林家三平のパロディであり、中国公演で通訳を介して落語を行っている設定のコントである。
- マルティプライズ - MULTIPLIES
- スネークマン・ショー - SNAKEMAN SHOW
- ジ・エンド・オブ・エイジア - THE END OF ASIA
スタッフ・クレジット
参加ミュージシャン
- イエロー・マジック・オーケストラ
- スネークマンショー
- クリス・モスデル - ボイス(「シチズンズ・オブ・サイエンス」)
- 大村憲司 - エレクトリック・ギター(「ジングル"Y.M.O."」及び「ジ・エンド・オブ・エイジア」以外の音楽パート)
- サンディー - バック・アップ・ボーカル(「ナイス・エイジ」、「シチズンズ・オブ・サイエンス」)
- 福井ミカ - ボイス(「ナイス・エイジ」)
- 松武秀樹 - コンピューター・プログラミング
スタッフ
- 細野晴臣 - プロデューサー
- Y.M.O. - ディレクター、ミックス・エンジニア
- 桑原茂一 & THE STUDIO DOO WAP - スクリプター
- 吉沢典夫 - レコーディング・エンジニア
- 小池光夫 - レコーディング・エンジニア
- 斉藤篤 - レコーディング・エンジニア
- 寺田康彦 - レコーディング・エンジニア
- 田中ミチタカ - レコーディング・エンジニア
- 小池光夫 - ミックス・エンジニア
- 市田喜一 (CINQ ART) - 人形造形
- 高橋ユキヒロ - 人形コスチュームデザイン
- 鋤田正義 - 写真撮影
- 上条喬久 - アート・ディレクション
- 川添象郎 - エグゼクティブ・プロデューサー
リリース履歴
No. | 日付 | 国名 | レーベル | 規格 | 規格品番 | 最高順位 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1980年6月5日 | 日本 | アルファレコード | LP・CT | YMO-1 (LP)・ALC-22001 (CT) | 1位 | LP盤は10インチの特殊形状 |
2 | 1990年2月25日 | 日本 | アルファレコード | CD | ALCA-12 | ||
3 | 1992年 | オランダ | Roadrunner Records | CD | LS 9149 2 | - | |
4 | 1992年 | アメリカ合衆国 | Restless Records | CD | 7 72708-2 | - | |
5 | 1994年6月29日 | 日本 | アルファレコード | CD | ALCA-9041 | - | |
6 | 1998年1月15日 | 日本 | アルファレコード | CD | ALCA-5218 | - | |
7 | 1999年9月22日 | 日本 | 東芝EMI | CD | TOCT-24236 | - | 細野晴臣監修、リマスタリング盤、ライナーノーツ:田中知之 |
8 | 2003年1月22日 | 日本 | ソニー・ミュージックハウス | CD | MHCL 207 | 55位 | 坂本龍一監修、紙ジャケット仕様 |
9 | 2003年 | イギリス、カナダ | エピック・レコード | CD | 513448 2 (UK)・EK 91848 (CA) | - | |
10 | 2010年9月29日 | 日本 | ソニー・ミュージックダイレクト | ブルースペックCD | MHCL-20103 | 195位 | 1999年リマスタリング音源、紙ジャケット仕様、スーパーピクチャーCD |