放送事業者

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テンプレート:Ambox 放送事業者(ほうそうじぎょうしゃ)とは、放送を行う者である。また、放送事業者が放送の用に供する無線局放送局である。

定義

放送法による定義

2011年(平成23年)6月30日に施行された改正放送法第2条第26号に「基幹放送事業者及び一般放送事業者」を放送事業者と定義している。

  • 放送法の改正前は 「電波法の規定により放送局の免許を受けた者(受信障害対策中継放送を行うものを除く。)及び委託放送事業者及び第9条第1項第2号に規定する委託国内放送業務又は委託協会国際放送業務を行う場合における協会」と定義されていた。これは、放送局の免許を持つ事業者と受託放送事業者に委託して放送を行う民間事業者および日本放送協会のことであり、無線通信によるものに限定されていた。有線電気通信によるものは放送法に規定する放送ではなかったことによる。

基幹放送事業者

電波法の規定により放送をする無線局に専らまたは優先的に割り当てられるものとされた周波数を使用する放送を行う者である。

基幹放送事業者としての地位を確立する根拠となる法律により区分される。

認定基幹放送事業者は無線局を保有しないので電波法の規制を受けない。

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一般放送事業者

基幹放送事業者以外の放送事業者をいう。 伝送媒体の種類により次のように区分される。

また、種類及び規模により登録又は届出を要する。

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かつての「一般放送事業者」は、いわゆる民間放送事業者のことであり、放送法改正により大きく定義を変えることとなった。

著作権法における定義

著作権法において放送事業者は「放送を業として行う者」、有線放送事業者は「有線放送を業として行う者」とそれぞれ定義している(著作権法第2条第1項第9号および第9号の3)。

その他の法律における定義

放送法及び著作権法以外の法律に拠るものには、有線テレビジョン放送法に規定する有線テレビジョン放送事業者電気通信役務利用放送法に規定する電気通信役務利用放送事業者があったが、これらの法律が改正放送法に統合され、有線一般放送事業者または衛星一般放送事業者にみなされた。

免許の承継

かつての放送事業者(委託放送事業者を除く。)は、電波法の規定により免許を受けている免許人であった。 この免許人の地位は、電波法が制定された当時は相続又は合併があった場合のみに承継することができた。 しかし、商法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律(平成12年法律第91号)による改正で会社分割した場合、電波法の一部を改正する法律(平成12年法律第109号)による改正で事業譲渡した場合にも承継することができることとなった。 これらの法律の施行日である2000年(平成12年)11月30日以降、コミュニティ放送を除く特定地上基幹放送事業者(従前は、地上系による放送を行う放送事業者)の免許の承継は、次表の通りである。

2014年(平成26年)3月1日現在

年月日 種別 分割・譲渡会社 承継会社
2001年10月1日 吸収分割 東京放送[1] ティ・ビー・エス・ラジオ・アンド・コミュニケーションズ[2]
2003年10月1日 [3] 放送大学学園[4] 放送大学学園[5]
2005年10月1日 事業譲渡 札幌テレビ放送 STVラジオ
2006年4月1日 新設分割 ニッポン放送[6] ニッポン放送
2008年7月1日 吸収分割[7] エフエム九州 CROSS FM
2008年10月1日 新設分割 フジテレビジョン[8] フジテレビジョン
2009年4月1日 吸収分割 東京放送[1] TBSテレビ
2010年10月1日 事業譲渡[7] Kiss-FM KOBE 兵庫エフエム放送
2011年1月1日 吸収分割[7] 九州国際エフエム 天神エフエム(後「ラブエフエム国際放送」に商号変更)[9]
2012年4月1日 事業譲渡[7] 関西インターメディア FM802[10]
2012年10月1日 吸収分割 日本テレビ放送網[11] 日本テレビ分割準備[12]
2013年4月1日 吸収分割 中部日本放送 CBCラジオ
2014年3月1日 事業譲渡[7] 岐阜エフエム放送 エフエム岐阜
2014年4月1日 吸収分割 テレビ朝日[13] テレビ朝日分割準備[14]
2014年4月1日 吸収分割 中部日本放送 CBCテレビ

災害報道との関係

放送事業者はマスメディアの中でも主要な報道機関であるとともに法律によって防災機関としての位置付けもなされている。放送法の規定及び災害対策基本法、国民保護法などによる指定公共機関としての指定に基づいた災害報道が求められる。

とりわけ国民保護法にて義務付けられている有事の場合に際しては武力攻撃鎮圧及び被害拡大につながりかねない報道については一定のメディア規制を受けるものの、自主性を尊重を原則としつつ、国に対して報道を通じて国民保護のために必要な情報提供を行うことが求められる。このことをもって、報道統制(報道の自由の侵害、戦前の翼賛報道)につながりかねないという議論もある。

1961年(昭和36年)に成立した災害対策基本法に基づく諸般の計画では、行政がマスコミと協定を結び協力して災害報道を行うことになっており、国民保護法において政府と報道機関の関係については、今後議論が必要となろう。

防災機関・指定公共機関という位置付け

放送法(関連部分のみ抜粋)

  • 第108条 基幹放送事業者は国内基幹放送等を行うにあたり、暴風、豪雨、地震、大規模な火事その他による災害が発生し、または発生するおそれがある場合には、その発生を予防し、またはその被害を軽減するため役立つ放送をするようにしなければならない。

災害対策基本法(関連部分のみ抜粋)

  • 第2条第5号
  • 第2条第6号
  • 第55条  都道府県知事は、法令の規定により、気象庁その他の国の機関から災害に関する予報若しくは警報の通知を受けたとき、又は自ら災害に関する警報をしたときは、法令又は地域防災計画の定めるところにより、予想される災害の事態及びこれに対してとるべき措置について、関係指定地方行政機関の長、指定地方公共機関、市町村長その他の関係者に対し、必要な通知又は要請をするものとする。
  • 第56条第1項  市町村長は、法令の規定により災害に関する予報若しくは警報の通知を受けたとき、自ら災害に関する予報若しくは警報を知つたとき、法令の規定により自ら災害に関する警報をしたとき、又は前条の通知を受けたときは、地域防災計画の定めるところにより、当該予報若しくは警報又は通知に係る事項を関係機関及び住民その他関係のある公私の団体に伝達しなければならない。この場合において、必要があると認めるときは、市町村長は、住民その他関係のある公私の団体に対し、予想される災害の事態及びこれに対してとるべき避難のための立退きの準備その他の措置について、必要な通知又は警告をすることができる。
  • 第57条  前二条の規定による通知、要請、伝達又は警告が緊急を要するものである場合において、その通信のため特別の必要があるときは、都道府県知事又は市町村長は、他の法律に特別の定めがある場合を除くほか、政令で定めるところにより、電気通信事業法 (昭和59年法律第86号)第2条第5号に規定する電気通信事業者がその事業の用に供する電気通信設備を優先的に利用し、若しくは有線電気通信法(昭和28年法律第96号)第3条第4項第4号に掲げる者が設置する有線電気通信設備若しくは無線設備を使用し、又は放送法 (昭和25年法律第132号)第2条第23号に規定する基幹放送事業者に放送を行うことを求め、若しくはインターネットを利用した情報の提供に関する事業活動であつて政令で定めるものを行う者にインターネットを利用した情報の提供を行うことを求めることができる。

国民保護法(関連部分のみ抜粋)

正式な法律名を「武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律」と言う。

  • 第7条の2 国及び地方公共団体は、放送事業者(放送法(昭和25年法律第132号)第2条第26号の放送事業者をいう。以下同じ。)である指定公共機関及び指定地方公共機関が実施する国民の保護のための措置については、その言論その他表現の自由に特に配慮しなければならない。
  • 第8条の2 国、地方公共団体並びに指定公共機関及び指定地方公共機関は、国民の保護のための措置に関する情報 については、新聞、放送、インターネットその他の適切な方法により、迅速に国民に提供するよう努めなければならない。
  • 第50条 放送事業者である指定公共機関及び指定地方公共機関は、第45条第2項または第46条の規定による通知を受けたときは、それぞれその国民の保護に関する業務計画で定めるところにより、速やか に、その内容を放送しなければならない。
  • 第51条 対策本部長は、警報の必要がなくなったと認めるときは、当該警報を解除するものとする。
  • 第101条 第50条の規定は、放送事業者である指定公共機関または指定地方公共機関が前条第一項の規定による通知を受けた場合について準用する。

指定公共機関たる基幹放送事業者

国民保護法施行令では次のように定められている。

関連項目

脚注

テンプレート:Reflist

テンプレート:通信と放送に関する制度fi:Julkisen palvelun televisiokanava
  1. 1.0 1.1 2009年4月1日に東京放送ホールディングスに改称している。
  2. 2005年4月1日にTBSラジオ&コミュニケーションズに改称している。
  3. 放送大学学園法(平成14年法律第156号)附則第6条の規定により、電波法第4条の規定により受けた免許とみなされた。
  4. 放送大学学園法(昭和56年法律第80号)に基づく放送大学学園。
  5. 放送大学学園法(平成14年法律第156号)に基づく放送大学学園。
  6. 同日にニッポン放送ホールディングスに改称、フジテレビジョン(現在のフジ・メディア・ホールディングス)に吸収合併し消滅している。
  7. 7.0 7.1 7.2 7.3 7.4 旧社の経営破綻による、いわゆる「新旧分離」によるもの
  8. 同日にフジ・メディア・ホールディングスに改称している。
  9. 天神エフエムがそれまで行ってきたコミュニティ放送「FREE WAVE」を閉局した上で、九州国際エフエムの外国語放送「Love FM」を承継。
  10. 同社のオリジナル放送を維持したうえで関西インターメディアが行っていた「FM CO.CO.LO」の免許を引き継いだ。完全に同一の企業による民放の「一局二波」運用は初のケースである。
  11. 同日に日本テレビホールディングスに改称している。
  12. 同日に日本テレビ放送網に改称している。
  13. 同日にテレビ朝日ホールディングスに改称している。
  14. 同日にテレビ朝日に改称している。