ファイナルファンタジーIV

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テンプレート:Pathnav テンプレート:InfoboxファイナルファンタジーIV』(ファイナルファンタジーフォー、FINAL FANTASY IV、略称:FFIVFF4ファイファンIVなど)は、スクウェア(現スクウェア・エニックス)から発売された、日本家庭用ゲーム機ゲームソフトジャンルRPGファイナルファンタジーシリーズ本編第4作目。

後に、外伝作品『ファイナルファンタジーIV ジ・アフター -月の帰還-』が携帯電話アプリ等で配信された。

概要

本作は、タイトルロゴに現在のスタイルが採用された最初の作品。本作のタイトルロゴに描かれているキャラクターはカイン(DS版はゴルベーザ)。

オリジナル版は、スーパーファミコン向けソフトとして1991年7月19日に発売された。スクウェアのスーパーファミコン参入第1弾ソフト。また同年10月29日には『イージータイプ』と呼ばれる初心者向けの別バージョンも発売されている。1997年3月21日、及び1999年3月11日にはPlayStation版が発売されている(1997年に発売されたのはコンビニエンスストア向けの単品、1999年に発売されたのは『FFV』及び『FFVI』を含めた一般ルート向けの『ファイナルファンタジーコレクション』)。2002年3月28日には「スクウェア マスターピース」シリーズの1つとしてワンダースワンカラー版が、2005年12月15日にはゲームボーイアドバンス版が発売されている。2007年12月20日には3DでフルリメイクされたニンテンドーDS版が発売され、2009年8月4日からWiiバーチャルコンソールでスーパーファミコン版が配信されている。2009年10月5日よりiアプリNTTドコモ)版の配信が始まり、同年12月10日にはEZアプリ (au) 版が配信され、2010年1月13日にはS!アプリソフトバンクモバイル)版が配信されている。2011年3月24日には『ファイナルファンタジーIV コンプリートコレクション』 (FINAL FANTASY IV Complete Collection FINAL FANTASY IV & THE AFTER YEARS) として、PlayStation Portableにて発売された。PSP版は本編と続編『月の帰還』に加え、2つの話を繋ぐシナリオも挿入されている[1]2012年6月27日にはPlayStation 3とPlayStation PortableにてPlayStation版がゲームアーカイブス版として配信開始された。2012年12月20日にはDS版を移植したiOS版が配信開始され、2013年6月3日にはAndroid版の配信も開始された。2014年2月19日からはWii Uのバーチャルコンソールでスーパーファミコン版が配信された。

対応ゲーム機種がファミコンからスーパーファミコンになったことにより、ハード特性でもある拡大縮小機能を活用し飛空艇の航行時にはフィールドマップにパースがかかるなど、ファミコン時代に比べ演出効果が向上した。また、戦闘シーンは前作までのターン制ではなく、リアルタイムで時間が経過する「アクティブタイムバトルシステム(ATB)」が採用されている。このシステムは本作が初登場で、後のシリーズや『クロノ・トリガー』にも引き継がれている。また、コンフィグ画面でコントローラー設定を「マルチ」に切り替えることで「2人プレイ」が可能になった(戦闘時はキャラクターごとに操作を担当するコントローラーを任意で設定できる)。

オリジナル版の発売前後に放送されたテレビCMは、笑い声とチョコボのテーマをバックにダチョウが海岸を走り抜けるというものだった。

製品展開

ゲームシステム

キャラクター

本作では、シリーズの他の作品のような独特の成長システムを持たず、システム的にはオーソドックスな物である。その一方、シナリオ上はプレイヤーキャラクターの入れ替わりが多い。パーティの人数は最大5人で、それを3人までと2人までの2つのグループに分け(一方のグループに1人もいないという選択も可能)、2つのグループの一方を前列、もう一方を後列とするという独特の隊列システムを持つ。メンバーの入れ替わりに応じて3人の側を前列とすべきか2人の側を前列とすべきかが変わるケースもある。

各キャラクターには利き腕が設定されており、武器攻撃中心のキャラクターでは利き腕に武器を、逆腕に盾を持つ。両利きのキャラクターは盾を装備することができず、両手に武器を持つ(これは両利きのキャラクターに対応する盾が存在しないためである)。弓と矢は両手を使用し、利き腕に矢を、逆腕に弓を持たなければ本来の性能を発揮できない。

魔法はシリーズ前3作のように店で買うシステムではなく、キャラクターのレベルの上昇と同時に覚えるシステムが採られている(ただし、一部の魔法や召喚魔法はイベントで習得する)。また、「魔法のレベル」の概念が無くなり、各魔法ごとに消費MPが設定されているというシステムになっている。

また、HPが0になった時の表現は、前3作では「死亡」であったが、本作以降では「戦闘不能」という表現に変更された。これにより、ストーリー上の「死」と戦闘における従来の「死亡」とが区別されるようになり、戦闘で死んだはずのキャラクターがイベント上で行動や会話をするという矛盾がなくなった。ただしイベント以外での扱いは従来の「死亡」とほとんど変わらない。

前3作と異なり、本作では主人公を始めとするキャラクターには予め設定されたデフォルトネームが存在し、ゲーム開始時にプレイヤーがプレイヤーキャラクターの名前入力を行う必要がなくなった。デフォルトネーム自体は『FFII』にも設定されていたが、それはあくまで取扱説明書などに表記されているものであり、ゲームソフト内に設定されているものではなかった。また、それぞれのキャラクターの名前はゲーム中の各地に存在する「ネミングウェイ」という人物に話しかけることによって任意に変更が可能(DS版では不可)。

戦闘

アクティブタイムバトルシステム

本作の最大の特徴として、戦闘シーンがリアルタイムになったことが挙げられる。このシステムをアクティブタイムバトル(Active Time Battle、略称ATB)といい、以後のスクウェアの作品においても使用される代表的な戦闘システムとなった。また、特許化されている[2]。敵味方双方の各キャラクターにそれぞれ待機時間が設定されリアルタイムにカウントダウンされていく。本作(GBA版以降は除く)では画面上で待機時間を知ることはできない。待機時間が0になった(ゲージが最大になった)キャラクターはコマンド入力が可能になる。そしてコマンド入力からさらに一定時間が経つとコマンド入力通りの行動を行い、行動後は再び待機時間がリセットされる。

コマンドの選択中にもほかのキャラクターの行動が行われるのが特徴だが、ウェイトモードに設定することによってアイテムや魔法の選択中はこのカウントをストップさせることも可能。

このATBによって、時間経過を生かした特殊攻撃(「死の宣告」など)や、時間経過で形態・戦闘モードが変化する敵などが登場。また、主人公側から何らかの攻撃を受けるとカウンターという形で待機時間を無視して特定の行動を取るものや、単体や同一グループのみになった場合に戦闘モードが変化する敵なども登場し、さらに威力が強力な技や魔法は選択してから発動まで時間がかかったりと、戦闘のバラエティ性・戦略性が強くなった。

本作ではすばやさの数値以外に、隊列の位置によっても行動順に補正がかかる。

その他

本作ではモンスターから逃げた時に、所持金をいくらか失う場合がある。失う金額は戦っていた敵パーティによって異なり、本来倒して得られるギルの1/4(端数切り捨て)となっている。

戦闘勝利後に特定の敵が極小確率で落とす隠し装備、隠し召喚魔法が存在する。

セーブポイント

前作はワールドマップ上でしかセーブができなかったが、本作からはダンジョン内にも「セーブポイント」が設けられ、セーブポイント上であればセーブを行うことが可能になった。ここではセーブだけでなく、テントやコテージを使用してHP・MPを回復させることもできる。

移植版・リメイク版

イージータイプ

1991年10月29日には、プレイヤー側の攻撃が弱く前半が難しいと指摘されていた事を受け、低年齢層など幅広いユーザーにプレイしてもらう為の変更がなされた『ファイナルファンタジーIV イージータイプ』が発売された。バランス調整以外にも、魔法の名前がシンプルな物に変更されている、隠し通路が見えるなど、全体的に難易度が下がっている。元々は、アメリカで発売された、米国版ファイナルファンタジーIVを日本語化して再移植したものである。

イージータイプにおける変更点

バグ・裏技の修正
特定の操作でアイテムが増殖するバグをはじめとした、一部の不具合が修正されている。
一部コマンドの削除
効果が分かりにくく、使い所の難しい「くすり」「つよがる」「うそなき」「いのり」「おもいだす」「がまん」「ためる」「せいしんは」といったコマンドが削除・整理されている。
戦闘バランスの調整
敵キャラクターの隊列という概念を廃し、どこにいる敵でも物理攻撃で与えるダメージが同じになっている。また、オリジナル版に比べて敵キャラクターから与えられるダメージが軽減されている。また、特定の手順が必要だったバトルについて、その制限が解除もしくは緩和されている。
一部魔法の削除、名前変更
白魔法「プロテス」「シェル」「ディスペル」と、隠し召喚魔法「コカトリス」が削除されている。また、魔法の効果の大きさを表す指標も数字に変更されている。例:ケアル1(=ケアル)、ケアル2(=ケアルラ)
武器・モンスターの名称変更
分かりづらい名前が多かった本作だが、イージータイプでは変更されている。たとえば「デザートサハギン」が「すなおとこ」に、「ラグナロク」が「かみがみのつるぎ」になっている。また「すす」など本来手に入るはずのないアイテムの名前が "Dummy" に統一されている。
セリフ・演出の変更・追加
一部のセリフの表現が分かりやすくなっている(いにしえ→むかし)他、操作方法の説明やストーリー展開、次の目的地を読み取りやすいようにするメッセージも挿入されている。
また、ゾットの塔でローザに落とそうとしていた物がギロチンから鉄球に変更されており(救出後彼女が縛られていた椅子を調べる事で確認できる)、このシーンでのセシルとローザの「抱き合ってキスをする」動きが「抱き合う」のみになっている。更に、バロンの町の踊り子が服を脱がないなど、低年齢向けの変更がなされている。
トレーニングルームの充実・追加
オリジナル版ではバロンの町にあったトレーニングルームの項目が増加し、その他の場所へも増設されている(内部は全て同じ)。
アイテム体系の簡略化、入手容易化、一部アイテム追加
特定のステータス異常を回復するアイテムの種類が特に多かった本作だが、イージータイプではそれを排除して、ステータス異常全般を回復する「万能薬」に統一し、万能薬自体の入手難度も下げている。ただし本作では同じアイテムの束を複数持つ事ができる為、状態回復アイテムが万能薬に統一されても回復可能回数が著しく減る訳ではない。
また、アイテムの価格も抑えられている。特にMP回復アイテムである「エーテル」については、扱うショップが増え、入手が更に容易になっている。
「子豚の竹刀」など、イージータイプのみで入手できるアイテムも追加されている。
開発室の削除
ゲーム内の隠し要素としてスタッフ達と会話できる開発室があったが、削除された。
最終ボスのグラフィックの変更
最終ボスが別のグラフィックに変更されている。またこのグラフィックはゲームボーイアドバンス版の隠しボスとして使用されている。

オリジナル準拠の移植版

PlayStation版

1997年3月21日に発売されたPlayStation版では、ハードの変化に合わせた追加点がある。

CGムービーの追加
オープニングやエンディングにCGによるムービーが追加された。
メモファイル機能の追加
データの読み書きの時間短縮のために、一時的にPlayStationの内部にセーブできる「メモファイル機能」が追加された。
ダッシュの追加
×ボタンを押しながら移動することで、ダンジョンや町を通常の2倍の速さで移動できる「ダッシュ」が追加された。
一部メッセージの変更
バロンの町にあるトレーニングルームでのメッセージや、メニュー内のコンフィグ画面などにおいて、コントローラーのボタン名称がPlayStationに合わせたものになっている。

なおオリジナル版にはアイテム増殖技等の多数の裏技・バグが存在したが、それらはPlayStation版でも修正されていない。

PlayStation版ではCD-ROMの読み込み時にBGMにズレが生じる。

ワンダースワンカラー版

2002年3月28日に、「スクウェア・マスターピース」シリーズの第4弾として発売された。グラフィックのリニューアル、音源の違いに伴う音楽のアレンジ、ダッシュの追加といった変更がなされている。後述するゲームボーイアドバンス版と共通するバグが一部ある。当機種にはハードウェアによる拡大縮小、頂点演算などの機能は無く、移植は困難とされていたが、オリジナルがファミコン版である『ファイナルファンタジーIII』が延期される中、発売された。飛空艇の航行画面の描画には、ラスタ単位で縦方向への拡大を行うエフェクトにより、ソフトウェア的に浮遊表現を実現している。

リメイク版

ゲームボーイアドバンス版

2005年12月15日には、ゲームボーイアドバンス版が発売された。移植および開発はトーセが担当。キャッチコピーは「純度が、研ぎ澄まされていく。」。天野喜孝デザインのオリジナルフェイスプレート付きゲームボーイミクロを同梱した限定版も発売された。

グラフィックはワンダースワンカラー版がベース。メニュー画面などで表示される顔グラフィックは天野喜孝の原画に近い雰囲気に描き直された。 移植にあたって新たなイベント、ボスキャラクター、武器が追加されている。追加された武器の多くはオリジナル版の最強装備を上回る強力な武具である。ほかに以下の変更点・追加点がある。

メッセージウィンドウ
テキストには漢字が使用されるようになった。漢字の使用・不使用はコンフィグによって任意に設定できる。また、メインキャラクターのセリフには顔グラフィックが表示される。
ダンジョン
最終ダンジョンに挑むパーティは、テラとフースーヤを除く今までに仲間にしたキャラクター全員の中から選択できる。このためオリジナル版で最終メンバーにならないキャラクターを中心に、レベルアップに伴うステータス成長の具合が変更されている。
また、「試練の洞窟」「月の遺跡」2つのダンジョンが新たに追加された。試練の洞窟では、今回新しく最終ダンジョンに挑むメンバー候補となったキャラクターが、最終ダンジョンで通用する戦力になるための装備品が手に入る。月の遺跡は、一部を除いてランダムにフロアが変化するダンジョンであり、最深部に登場する隠しボスはイージータイプの最終ボスのデザインが使用されている。
戦闘
背景グラフィックがリニューアルされ、オリジナル版には無かったアクティブタイムバトル用のウェイトゲージが追加されている(ただしウェイトゲージをオフにすることはできない)。
一部のアイテムを装備することによってプレイヤーキャラクターのコマンドが変化する。
  • カイン - 「ジャンプ」が、ダメージが更に倍の「Wジャンプ」に変化
  • ローザ - 「祈り」が、白魔法ケアルダとほぼ同じで稀にエスナがかかる「奇跡」に変化
  • ギルバート - 「歌う」が、味方全体にプロテスとシェルをかける「熱唱」に変化
  • ヤン - 「ためる」が、力をためて通常の3倍の威力を出す「必殺」に変化
  • パロム・ポロム - 「2人がけ」で「Wメテオ」を使えるようになる
  • エッジ - 「盗む」が、盗む+ダメージを与える「ぶんどる」に変化
フースーヤの「精神波」は、効果が及んでいる間もコマンド入力可能になった。

この移植版にはバグが多く確認され、一部にセーブデータを破壊しかねないものも存在する。例えば、パーティメンバーが4人の状態でアイテムを使用した後にメンバーを空欄に移動し、そのままメニュー画面を閉じずにアイテム画面を開くと画面が砂嵐状態になってフリーズ、セーブデータが消失するケースがある、というものである[3]

上記のものを含む多くのバグを修正したバージョン1.1(初期に生産されたものが1.0)が出荷・販売されている。未修正版と修正版はパッケージなどは全く同じで見分けが付かず、唯一見分ける方法はカートリッジ表面に刻印された「E3(未修正版)」「E4(修正版)」の記号のみである。

ニンテンドーDS版

2007年12月20日ニンテンドーDS用ソフトとして、スクウェア・エニックスより発売された。リメイクには、本作のオリジナルスタッフである時田貴司と共に、ニンテンドーDS版『ファイナルファンタジーIII』のスタッフである浅野智也らも参加しており、DS版『FFIII』同様の3Dによるグラフィックエンジンを用いて、フルモデルチェンジによる大幅なリメイクがなされている。タイトルロゴに描かれるキャラクターは、カインからゴルベーザに変更された。

基本的なシステム・ストーリーはオリジナル版と同じだが、世界を根本から再構築し、新エピソードが追加されている。タッチペンを使ったミニゲームなどのDSならではの要素も追加されている。イベントシーンは金田伊功絵コンテを担当し、一部のイベントはボイス付きで演出されている。また、イベントシーンなどで一部の台詞が変更された。

GBA版の追加要素(パーティチェンジや追加ダンジョン)は廃止されている。また、GBA版でもいくつかのバグが公式に告知されたが、DS版にもゲーム進行に支障を来すバグがある[4]2010年3月4日よりアルティメットヒッツ版(廉価版)が発売された。

追加されたゲームシステム
デカントアビリティシステム
大きくパーティが変動するという特徴はそのまま、本作ではパーティから抜けたキャラクターのアビリティや物語中に手に入れたアビリティをパーティメンバーが使用できるようになっている。
アクティブタイムバトル
命中率や敵のHP、弱点などをいつでも下画面で確認できるようになっている。召喚獣を使った際にはムービーが挿入されるが、カット可能。
敵の行動パターンがオリジナル版から一新され、オリジナル版にはなかった攻撃を行う。また全体的にザコ・ボス問わず敵の能力が強化されている。
オートモード
あらかじめ登録しておいた行動を戦闘時に実行させることができる。
ポーチカ
リディアの召喚獣として手に入る真っ白な体のキャラクター。あらゆる幻獣の素体という設定。召喚獣として召喚した場合、通常の召喚獣とは違い、全体攻撃を与えるのではなく、リディアの代わりとして戦闘に参加する。
ポーチカはゲーム上でタッチペンを使って顔を描くことができる機能がついており、一時は公式ファンサイト上でフェイスペイントの募集が行われた。
戦闘キャラクターとしてはパーティキャラクターの持つデカントアビリティを自由に設定が可能という特徴を持ち、プレイヤーによるカスタマイズが行える。また、ポーチカを使ったミニゲームをプレイすることによってポーチカの戦闘能力が成長していく。
ネミングウェイ
今作ではキャラクターの名前の変更は不可能であり、ネミングウェイには新たなイベントが追加されている。また、システム上アイテムを全て所持できるようになったため、同様に役割を失ったデブチョコボは、このネミングウェイイベントの一部となって登場している。
強くてニューゲーム
ゲームクリア後、デカントアビリティと一部のアイテムを引き継いでプレイができるようになった(いわゆる「2周目」)。ただし引き継いでプレイできるのは3周までで、4周目は引き継ぎなしでプレイすることになる。2周目以降でしか戦えないボスも2体追加された。
参加声優

配役は時田貴司がオリジナル版のシナリオを書いた時に、イメージしていた声優が多く含まれている。『ディシディア ファイナルファンタジー』、及び『ディシディア デュオデシム ファイナルファンタジー』でセシル、カイン、ゴルベーザが登場した際には、本作であてられた声優(程嶋しづマ山寺宏一鹿賀丈史)が引き続き採用されている。

携帯アプリ版

ゲームボーイアドバンス版の内容をベースに、一部独自要素が追加されている。

敵の攻撃力の増加
全体的に敵の攻撃力が高めになっている。ただし、DS版ほど難易度は高くない。
中断機能の追加
マップ(ワールドマップ・ダンジョン内問わず)を移動できる状態ならば、いつでもゲームの中断が可能である。その際はタイトル画面から「再開」を選ぶとゲームを再開できる。ただし、中断データは一度再開したり、「ニューゲーム」「ロードゲーム」でゲームを始めると消えてしまう。
隠しダンジョン「月の遺跡」
ただし、GBA版とは内容が異なる。
ネミングウェイ
今作でもDS版と同様、キャラクターの名前は変更できないため、別の役割に変わっている。
デブチョコボ
デブチョコボは、ギサールの野菜を与えることでアイテムがもらえる仕様。

テンプレート:節スタブ

PlayStation Portable版

2011年3月24日、「ファイナルファンタジーIV コンプリートコレクション」として発売。ファイナルファンタジーIV本編、ファイナルファンタジーIV THE AFTER 月の帰還を同時収録した上で、さらに両作品をつなぐ新シナリオを追加している。グラフィックは2Dだが、PSPの性能に合わせ大幅に描き直されている。ゲームボーイアドバンス版をベースとしており、シナリオ終盤でのパーティ入れ替えや新ダンジョンの試練の洞窟ならびに月の遺跡、そしてモンスター図鑑や音楽鑑賞モードなど、GBA版の新要素はすべて収録されている。さらにニンテンドーDS版のムービーがシナリオ中に挿入されるほか、BGMをオリジナル版とDS版で切り替えることができるなど、DS版の要素も取り入れられている。それらに加えPSP版の新要素として、ギャラリーモードが搭載された。

iOS/版

2012年12月20日に配信開始された。DS版を元に移植されているが、iOS端末に会わせる形で3Dグラフィックをリニューアルしたほか、イベントも変更されている。難易度も遊びやすく調整されており、ユーザーインターフェースもタッチ操作に最適化されている。Game Centerにも対応したほか、ユニバーサルアプリとなっており、iPadの画面サイズにも対応している。

Android版

2013年6月3日に配信開始された。

日本国外向け版

Final Fantasy II
1991年11月1日、北米にて発売。対応機種はSNES(アメリカ版スーパーファミコン)。日本の『FFII』および『FFIII』は当時英語化されなかったため、タイトルナンバーは「II」である。このバージョンは日本のイージータイプとほぼ同等だが、以下の様な更なる変更点がある(なお、厳密にはイージータイプとも同一ではない)。
  • コンフィグ (Custom) 画面 - バトルモードの選択が削除されて日本版のウェイトモード相当のみ、またコントローラーの設定も削除されボタン設定不可、戦闘中でも完全1人プレイとなった。
  • コマンドの削除 - 基本的にはイージータイプのそれに準拠するが、加えて暗黒騎士セシルのHPを犠牲にして敵全体を攻撃する「あんこく」が削除されている。
  • 人物名およびスペリングの変更 - ギルバートの名が "Edward"、テラ(日本版の公式スペリングは "Tella")が "Tellah" となっている。これは移植版などの他の日本国外向けバージョンでも継承している。フースーヤのスペリングにはバージョンによる差異があり、SNES版およびFinal Fantasy Chroniclesでは "FoSoYa"、国外のGBA版では "FuSoYa" となっている。
  • 召喚魔法の表示テキストの変更 - 日本版では召喚魔法発動時にそれぞれの技の名が表示される(チョコボならば「チョコボキック」など)が、SNES版では召喚魔法の名がそのまま表示される。
  • 日本と他国の表現ガイドラインの違いによる変更 - 宗教的な物の排除により、白魔法「ホーリー」の表記がSNES版では "White" となっている。また、SNES版では「ほうちょう」が "Spoon" となっている。
このSNES版は2010年3月8日に北米のバーチャルコンソールでも配信が開始され、同年6月11日には欧州でも配信された。タイトルは『FFII』のままになっている。
Final Fantasy Chronicles
2001年6月29日、北米およびカナダで発売。対応機種はPlayStation、カップリングされた作品は『クロノ・トリガー』。本作以降タイトルは『FFIV』に変更され、内容も日本版準拠となる。
Final Fantasy Anthology(欧州版のみ)
2002年5月17日発売。対応機種はPlayStation(1999年9月30日発売の北米・カナダ版は『FFV』と『FFVI』のセット)。
Final Fantasy IV ADVANCE
2005年12月12日(北米およびカナダ)、2006年6月2日(欧州)発売。対応機種はゲームボーイアドバンス。
Final Fantasy IV (Nintendo DS)
2008年7月22日(北米およびカナダ)、9月4日(欧州)、9月5日(豪州)発売。対応機種はニンテンドーDS。声優が変更され、音声が英語になっている(キャストは英語版の記事を参照)。
Final Fantasy IV: The Complete Collection
2011年4月19日(北米およびカナダ)、4月21日(欧州)、4月28日(豪州)発売。対応機種はPlayStation Portable。

内容

ストーリー

強大な軍事力を持つバロン王国の飛空艇団「赤い翼」の隊長セシルは、ミシディアから「水のクリスタル」を奪うという任務を受け、これを達成した。しかしその任務に疑問を抱いた彼は、クリスタルを渡す際にその事を王に問うが、王はセシルから赤い翼隊長の任を解き、代わりにミストへ幻獣退治に赴くことを命じた。セシルは竜騎士団の隊長である親友カインと共にバロンを旅立つのだった。

登場キャラクター

プレイヤーキャラクター

本編でのプレイヤーキャラクター(パーティーに加わることになるキャラクター)は、以下の12人である。主人公のセシルを除くメンバーは、シナリオの進行によって加入と離脱を繰り返していき、最大5人を操作していくことになる。

セシル・ハーヴィ (Cecil Harvey) - 暗黒騎士 / パラディン(聖騎士)
178センチメートル 58キログラム 利き腕:右 20歳
本作の主人公。元は孤児だったが、バロン国王の保護を受けて士官学校を卒業後、学友のカインと共に兵学校へ入学する。陸兵団の小隊長に就任後は暗黒騎士に選出され、その後に新設された飛空艇団「赤い翼」の初代団長となるが、国王の命令に不審を抱いたために王の不興を買って団長の任を解かれる。直後に与えられた幻獣討伐の命令遂行のために向かったミストで起きた悲劇により、王の真意を知って祖国との決別を決意し、国を出奔して追われる身となる。
優しく真面目な性格の持ち主故に、闇の力を礎とする暗黒騎士になったこと、王の命令とはいえ罪のない人々を傷つけてしまった過去を悔いている。その後、ゲーム中盤で試練を越えて過去の罪を清算することで闇の力を捨て、パラディンとなった。
暗黒騎士時代は暗黒剣を装備でき、最大HPの1/8を消費する代わりに敵全体を攻撃できる「あんこく」を使う。強力だが、アンデッドには通用しないと言う欠点がある。パラディンになると、高い攻撃力と防御力に加え装備品も充実し、特定の味方もしくは瀕死の味方を「かばう」ことが可能。わずかながら白魔法も使うことができるなど、主人公らしい万能型の能力が身に付く。
DS版ではあんこくは全体攻撃から攻撃力上昇に変更された。効果は数ターン持続し、その間は攻撃する毎にHPが減っていく。また、習得できる白魔法も一部増加している。
ストーリー終盤に月の民の血を引いている事、ゴルベーザが実の兄であるという事が明らかになる。
ローザ・ファレル (Rosa Farrell) - 白魔道士
162センチメートル 47キログラム 利き腕:右 19歳
本作のヒロイン。バロン国直属の白魔道士団に所属する白魔道士であり、国内で高い人気を誇る美女でもある。幼い頃に父親と死別している。セシルと恋仲だが貴族出身のため、母親からは身分不詳の孤児である彼との関係を不快に思われている。セシルを追って城を飛び出し、セシルと再会するがゴルベーザに人質としてさらわれてしまう。その後、セシルたちによって助け出され、以降は物語の最後までセシルと行動を共にする。なお、カインとは幼馴染であり、彼からも想われているのだが当のローザ自身はセシルが好きであり、カインはあくまでも単なる幼馴染としか思っていないため、これが後のカインの受難に繋がり、彼の心とその後の人生に深い傷跡を残す事となる(無論、ローザはこの事に最後まで気付かないままだった)。
白魔法のほか、仲間全員のHP(DS版ではMPも)を若干回復する「いのり」や、特定の敵に対して弓矢(DS版では弓矢以外でも可)の命中率を100パーセントにして攻撃する「ねらう」を使うことができる。特に白魔法の効果は絶大で、パーティ最大の回復役を一手に引き受けることとなる。
カイン・ハイウインド (Cain Highwind) - 竜騎士
183センチメートル 61キログラム 利き腕:左 21歳
バロン王国竜騎士団隊長。セシルの親友であり、数少ない竜騎士の一人でもある。空高く舞い上がって攻撃する「ジャンプ」を使う。
幼少時に両親を亡くしており、同じく幼少時に父を亡くしているローザとは幼馴染であると同時に、家同士でも交流があり、非常に親しい関係だった。ローザに片思いしており、秘めた思いから来るセシルへの嫉妬心を利用され、ゴルベーザの精神支配を受けて敵として立ちはだかることになる。エンディングでは心を見つめ直して己を鍛え直すため試練の山へ旅立つ。
父リチャード・ハイウィンド(DS版の設定)はバロンにおいて英雄的な凄腕の竜騎士であり、幼少期のカインは父と比較されることを重荷に感じていた。そのため『ジ・アフター』ではセシルの息子セオドアに過去の自分を重ねて見る様子が多々登場する。
GBA版追加ダンジョンの「月の遺跡」において彼が持つ嫉妬心を煽る試練が待っており、セシル・ローザとの友情を試されるのだが、試練を乗り越えた彼には笑顔は無かった。後に『ジ・アフター』では彼の心の奥の苦悩の巨大さと、真の決着が描かれることとなる。
時田貴司のお気に入りのキャラクターであり、そのキャラクター造型は『ライブ・ア・ライブ』のストレイボウにも受け継がれている。
ディシディア デュオデシム ファイナルファンタジー』に参戦している。
リディア (Rydia) - 召喚
(子供時代)107センチメートル 18キログラム 利き腕:右 7歳
ミストに住む召喚士の少女。偽のバロン王に騙されたセシルの手によって故郷を焼き滅ぼされ、その際に村を守護する召喚獣を使役していた母を失った。そのため、当初はセシルのことを憎んでいたが、道中で彼の優しさに触れて心を開くようになった。ゲームの途中でパーティから離脱。その間に人間界よりも時の流れが速い幻界にいたため、わずかな期間で大人に成長し、危機に陥ったセシルたちを救いに駆け付ける。再登場後の姿はエッジが惚れ込む程の美しさで、幻界を治めるリヴァイアサンも絶賛している。幻界の幻獣たちとの交流の中で黒魔法と召喚魔法の腕前を高め、また故郷を焼かれた際の火がトラウマとなって最初は使えなかった火の攻撃魔法も劇中で克服して使えるようになった。悲しい生い立ち故に大切な仲間を失うことへの辛さや悲しみをパーティの誰よりも深く実感しており、親の仇討ちに走ろうとするエッジを感情的な態度で叱咤するという一面も見せた。
黒魔法と召喚魔法を使う。また、子供時代のみ一部の白魔法も使える。幻獣と出会いイベントをこなしていく事によって、新たな召喚魔法を使えるようになる。GBA版での彼女の試練でのみ、一時的に子供に戻る。
テラ (Tella) - 賢者
177センチメートル 48キログラム 利き腕:右 60歳
有名な賢者。現在は高齢のために魔力も弱く、魔法のほとんどを忘れてしまっている。年老いてから生まれた娘であるアンナを溺愛するが、ダムシアン国の王子ギルバートと駆け落ちしたアンナを追うも、ゴルベーザの襲撃によってダムシアン崩壊に巻き込まれ、眼前で娘を失う。それ以降はゴルベーザを倒すことに全てを賭けるようになる。ゾッドの塔内にてゴルベーザと対峙し、命をかけてメテオを繰り出すも倒すには至らず、老齢の体故に魔法の負荷に耐え切れずに命を落としてしまう。
パーティメンバーに加入した時点ではそれぞれ一部の白魔法と黒魔法を使用できるのみ。ただし、「おもいだす」が成功するとブレイク、バイオ、デス、トルネドなどを使用することも可能。どの魔法を思い出すかはランダムであり、失敗する場合もある。試練の山のイベントで魔法を思い出した後は、ホーリーを除く全ての白魔法とフレア、クエイク、デスを除く全ての黒魔法を使えるようになる。
レベルが上がると力や体力などの能力が下がる場合がある。
ギルバート・クリス・フォン・ミューア (Gilbart Chris Von Muir) - 王族
174センチメートル 51キログラム 利き腕:右 24歳
商業国家ダムシアン王国の第一王子。世俗を嫌い、王族の身分を捨てて吟遊詩人として諸国を放浪していた。詩と歌を愛する平和主義で、争いを嫌う温和な性格。穏やかで心優しく、逆に言うと一見大変に臆病な性格だが、本人は底に秘めた己の強さに気付いていない。ゴルベーザの指揮下に置かれた赤い翼の爆撃により祖国を滅ぼされ、テラの娘で恋人だったアンナを失う。失意と悲しみに泣き崩れるが、セシルの叱咤と説得により仲間になる。その後はリヴァイアサンに襲われたことがきっかけで床に伏すことになるがセシルたちの窮地を救い、部分的な和解のままテラが亡くなった悲しみなどを乗り越え、優しさと強さと兼ね備えた性格となっていく。
状態異常を引き起こす「うたう」、手持ちのポーションを消費して味方全員のHPを回復する「くすり」、HPが一定まで減ると戦闘から一時撤退する「隠れる」を使う。
DS版の変更点=「うたう」は効果が増え、任意で選択が可能。「くすり」が任意のアイテムを人数分一度に使用できるようになる。
ヤン・ファン・ライデン (Yang Fang Leiden) - モンク僧
182センチメートル 76キログラム 利き腕:両 35歳
ファブール僧兵団長。辮髪頭で筋肉質、人望も厚くて思慮深い面もある快男児だが、恐妻家である。力を溜めて通常の2倍の威力を出す「ためる」、敵全体にダメージを与える「けり」、防御力を高める「がまん」を使う。装備品の「爪」は基本的に攻撃力0の武器だが、打撃に様々な追加攻撃を上乗せできる。バブイルの塔で、ドワーフの城に向けられたまま暴走した巨大砲を止めるために死亡したと思われていたが、シルフたちに助けられて再登場。後にバブイルの巨人を足止めする戦車隊に加わる。
パロム (Palom) - 黒魔道士
94センチメートル 22キログラム 利き腕:左 5歳
ミシディアの双子の見習い魔道士姉弟の弟で、やんちゃないたずらっ子。歯に衣を着せず、ずけずけと物を言うので、ポロムにポカリと一発食らうことが多い。物語の途中でカイナッツォの罠からセシル達を危機から救うため、ポロムと共にブレイクをかけて石化する。
同世代の女の子に自分を自慢することがあり、エンディングではミンディアの女の子(『ジ・アフター』におけるレオノーラ)やルカにちょっかいを出しており、『ジ・アフター』ではそれが大きなことに発展してしまった。
黒魔法」を使用できるほか、「つよがる」ことで知性を一時的に上げる事ができる。また、ポロムと「ふたりがけ」で合体魔法(「プチフレア」「プチメテオ」)も使える。成長すれば全ての黒魔法を習得できる。
ポロム (Porom) - 白魔道士
93センチメートル 19キログラム 利き腕:右 5歳
ミシディアの双子見習い魔道士姉弟の姉。大人びた口調のしっかり者であり、いつもパロムを諌めている。ミシディアの長老の指示で、セシルを監視する任務を請け負っていたが過去の罪を償い、真っ当であろうとするセシルの心に感銘を受け、彼と旅を共にする。しかし、バロン城でピンチになりかけたセシル達を救うため、パロムと共にブレイクをかけて石化する。
白魔法を使えるほか、「うそなき」して敵を動揺させる事ができる。また前述の通り、パロムと「ふたりがけ」で合体魔法が使える。成長すれば全ての白魔法を習得できる。
DS版の変更点=「嘘泣き」は敵の守備力を半減させる。
シド・ポレンディーナ (Cid Pollendina) - 技師
159センチメートル 67キログラム 利き腕:右 54歳
バロン王国飛空艇整備技師の長。セシルやカインを実の息子のように可愛がっており、父親を亡くした彼らにとっても父代わりの存在である。彼自身にも娘がおり、城下町に暮らしている。頑固で、言葉遣いも荒っぽい生粋の職人気質だが、同時に情に厚く、テラとは衝突しあいながらも彼の死の際は非常に悲しんだ。白魔法ライブラと同等の効果を持つ「しらべる」という技を持つ。地底脱出時に敵を足止めするためにダイナマイトを持って飛び降り、死亡したと思われていたがドワーフたちに助けられていた。その後は飛空艇の整備などで活躍する。
DS版の変更点=手持ちのボムのかけらや南極の風などの属性攻撃道具を使用し、武器に属性を付ける「かいぞう」も扱える。
エッジ(エドワード・ジェラルダイン) (Edward Geraldine "Edge") - 忍者
175cm 51kg 利き腕:両 26歳
魔法に似た忍術を操るエブラーナ王国の王子で、エッジは愛称。国をルビカンテに滅ぼされて復讐に燃えているため、物凄い自信だが感情の起伏が激しく、年齢に見合わない子供っぽい性格。最終パーティの最年長者でありながら年下の仲間たちから窘められることが多いが、それでも王族たる器の大きさは持ち合わせており、エブラーナの民の人望は厚く、国民からは慕われている。復讐心に駆られてルビカンテに再戦を挑もうとした際に仲間を失うことを恐れたリディアに叱咤されて以降は彼女に心惹かれるようになるが、リディアにはつれない態度を取られている。
MPを消費して使う魔法に似た効果の「にんじゅつ」、忍者手裏剣や武器を「なげる」、敵からアイテムを「ぬすむ」を使用できる。
プレイヤーキャラクター中素早さが最も高く、今作から導入されたアクティブタイムバトルシステムの恩恵を最も強く受けるキャラクター。
フースーヤ (Fusuya) - 月の民
 ?センチメートル ?キログラム 利き腕:右 ?歳
月の民の眠りを守る番人で、クリスタルの秘密を知る人物。セシルとゴルベーザの伯父(DS版では叔父)でもある。「バブイルの巨人」の起動を阻止するために参戦する。
全ての白魔法と黒魔法を使用する事ができるが、MPは190から上昇しない。また、味方全員に白魔法のリジェネの様な効果を与える「せいしんは」を使う。この精神波を使うとコマンド入力が出来なくなる(DS版では味方全員のMP自動回復効果に変更されており、使用後もコマンド操作は可能)。

ゴルベーザとその部下

ゴルベーザ (Golbeza) - 黒騎士
クリスタルを集めようとバロンを影で操る、黒い甲冑で全身を包んだ男。30歳。バロン王の不興を買って解任されたセシルの後任として、バロンの飛空艇団「赤い翼」の隊長に就いた。就任後は配下のモンスターや飛空艇の機動力と火力を以ってダムシアンを廃墟と化し、ファブールに侵攻してクリスタルを強奪する。その後、フースーヤにより憎しみが解かれ、セシルの兄であることが判明する。最終決戦の後にフースーヤと連れ立って父の同胞である月の民の元に赴くこととなり、その際になってやっとセシルからしっかりと兄と呼んで貰えたことを嬉しく思いながら別れを告げる。
劇中でWメテオを放つ際に発された「いいですとも!」という台詞は、『ディシディア ファイナルファンタジー』にて、本作での場面を再現した必殺技を使用した際の隠し台詞として使われている。この台詞は後作品のジ・アフター『月の民編』の終盤でも使われている。
なお、ゴルベーザという名前の意味は“毒虫”であり、両親が亡くなったのは弟のせいだと思っていたところをゼロムスに「お前は毒虫だ」とつけ込まれたことがDS版で明らかになっている。DS版での本名はセオドール。意味は“男の子の名前で「神様からの贈り物」”という意味だと母親のセシリアによって語られる。『ジ・アフター』ではDS版における洗脳シーンが回想として再現されている。
ゴルベーザという名前のモデルは、セント・ジョージのドラゴン討伐伝説に出てくる竜の死骸から沸いた毒虫「ゴルベーザの」から。DSにおける「ゴルベーザ = 毒虫」という意味もこれが由来である。
『ジ・アフター』においては「黒衣の男」として月の民編・リディア編・エッジ編に登場。素顔を出している。後にゴルベーザという名前でパーティに加わるが、条件を満たさないと途中で死んでしまう。
なお、彼が回想で味方キャラクターとしてゼムスと戦う際に設定されたHPは「2943(憎しみ)」であるが、続編である『ジ・アフター』に正式に味方として登場した時は「2971(償い)」となっている。
ゴルベーザ四天王
ゴルベーザ直属の部下である4体のモンスター。名前の由来はダンテ・アリギエーリの『神曲』地獄篇に登場する地獄の鬼ども(マレブランケ)から。一度はセシル達の手により倒されるもゼムスの手により復活する。
彼らのパロディキャラクターとして『半熟英雄 ああ 世界よ半熟なれ…!!』の完熟四季王がいる。
土のスカルミリョーネ (Scarmiglione of Earth)
自称「死の水先案内人」。自らを「死してなお恐ろしいスカルミリョーネ」と称し、「フシュルルル」という不気味な声を発する。暗黒騎士であったセシルが苦手とするアンデッド軍団を率いているため、セシルたちへの刺客に適任として試練の山へ派遣された。普段はフードを被った魔法使いのような姿だが、一度倒された後に巨大なゾンビの正体を現す。
水のカイナッツォ (Cagnazzo of Water)
亀のような甲羅を背負う怪物。水を操ってバリアを張ったり、津波を起こしたりといった攻撃を得意とする。バロン王を殺害してすり替わり、赤い翼を使ってクリスタルを集めさせていた。セシルにミシディアを襲わせたり、ミストの村を焼き払わせたりといった非道な行為をさせ、リディアの母やギルバートの恋人を死なせる原因を作った張本人。仲間であるスカルミリョーネを貶したり、死後も卑劣な罠でパロムとポロムの犠牲を強いるなど、その悪辣さは四天王の中でも際立っている。笑い声は「クカカカカ」。
風のバルバリシア (Barbariccia of Wind)
四天王の紅一点。露出度の高い衣装に身を包んだ艶かしい姿の美女で、身長の3倍はあるという髪の毛によって風を操り、竜巻のバリアを張ることができる。笑い声は「ほっほっほほほ」。物語中盤に出現する空中要塞「ゾットの塔」の最上階にてセシルたちと戦うことになる。
火のルビカンテ (Rubicante of Fire)
炎を操り、火燕流などの攻撃を得意とし、弱点の氷系すら防ぐ猛火のマントを持つ最強の四天王。順番では最後に戦い、バブイルの塔にて主人公らと対峙する。エブラーナを滅ぼした張本人だが誇り高く、正々堂々と戦うことを信条とする武人肌であり、戦闘に入る際に先にHPとMPを回復した後でエッジたちに挑む。敗れた際も彼らの強さの秘密を理解すると共に賞賛して散っていき、後の『ジ・アフター』ではエッジにとっても仇から越える目標へとなっていた。
ルゲイエ博士
ゴルベーザ直属のマッドサイエンティスト。人を改造して魔物に変える技術を持ち、エッジの両親を魔物に改造した張本人。普段は狂気のあまりコミカルにすら見える言動が目立ち、「バルナバ」というフランケンシュタインの怪物のようなロボットを連れて、息子と呼んで寵愛している。また、自身の体も改造しており、本気を出すと骸骨のような外見のサイボーグとなる。変身前の姿はゲーム中では「はかせ」でスーパーファミコン版攻略本や海外版では「ルゲイエ」、変身後はゲーム中では「ルゲイエ」でスーパーファミコン版攻略本や海外版ゲームでは「ルゲイエボーグ」という名称が使われている。
DS版では攻撃と回復の効果が全く逆になる「リバースガス」や、カウンターでの睡眠攻撃などを使用する。
ベイガン (Baigan)
バロン王国の近衛兵長。以前は優秀な人物でセシルも信頼していたが、ゴルベーザに洗脳されて偽バロン王の悪事に加担し、バロン王にセシルの抱く不信感を密告し、セシルを追放させる原因を作った。後にバロン城に戻ったセシルに協力する振りをして近づいたが、既にモンスターと化していることをパロムとポロムに見破られ、蛇の両腕を持つ蜥蜴人間のような正体を露わにして襲い掛かった。
メーガス三姉妹 (The Three Magus Sisters)
バルバリシアの部下である三姉妹。魔法反射を利用した連携攻撃「デルタアタック」を得意とする。各自の名前の由来は、夢野久作の小説『ドグラ・マグラ』から。
後に『FFX』に登場する同名の召喚獣のモデルとなり、『ファイナルファンタジータクティクス』にもーガス三姉妹という三人と同名のラミア系モンスターが登場する。
マグ (Mag)
太めの長女。三姉妹では突出した体力を持つ。デルタアタックで魔法の反射役を務める他、倒れた妹たちにリレイズをかけて復活させる。
ドグ (Dog)
長身で細身な次女。デルタアタックでリフレクを唱える他、コンフュ、バーサクなどの間接攻撃魔法が得意である。
ラグ (Rag)
小柄な三女。攻撃魔法を得意としている。
カルコブリーナ (Calcobrena)
本来はドワーフ王ジオットの娘ルカの人形だが、ゴルベーザに邪悪な魂を吹き込まれてモンスターとなり、ドワーフの城の「闇のクリスタル」を狙った。登場時は数体の小さな人形「カルコ」と「ブリーナ」だが、合体して巨大人形「カルコブリーナ」になることもできる。名前の由来は、四天王と同じく『神曲』に登場するマレブランケ
続編『ジ・アフター』ではルカの手によって人間の少年・少女の外見をしたロボットへと改造されて仲間キャラクターとなり、PSP版ではそちらに近いデザインへと手直しが加えられた。

その他の人物

地上
バロン王 (King of Baron)
祖先はバロンの紛争を収めたという名のある血筋で、自身も名高いナイトだった。バロン王になった後は国力を増強すると共に孤児の保護なども行い、その時にセシルも孤児として保護した。実はストーリー開始前に水のカイナッツォに殺害されており、その魂だけが城内地下に幽閉されていたが、幻獣「オーディン」に生まれ変わり、セシルたちの力になる。
アンナ (Anna)
ギルバートの恋人で、テラの一人娘。テラがギルバートとの仲に反対したためにダムシアンへと駆け落ちした。テラにギルバートとの婚約を許してもらおうとカイポに戻ろうとしていたが、ダムシアンがゴルベーザ率いるバロンの赤い翼の襲撃に遭い、ギルバートをかばって弓に撃たれる。その後、駆け付けたテラとギルバートに自分の思いを伝えて息を引き取った。
ミシディアの長老
魔道士達の国ミシディアを統べる長老。ミンウという名前だが、本編で明かされない。仲間の命やクリスタルを奪ったセシルに憤りながらもセシルの内にある輝きを見い出し、彼に試練の山へ行くことを勧め、その際に監視役としてパロムとポロムを連れて行かせた。セシルがパラディンとなって戻ってきた後はセシルの良き理解者となり、デビルロードの封印を解くことによってセシルを本来の目的地であるバロンへと送り、バブイルの巨人阻止、セシルたちの打倒ゼロムスのための応援祈祷などで活躍する。
続編『ジ・アフター 月の帰還』ではかつてテラと共に修行のために世界を巡ったことが明らかになる。旅の後は魔法を守るためにミシディアに戻ったという設定で、続編では戦闘で操作できるシーンもあるが、魔法コマンドは白魔法のみとなっている。
コリオ (Corio)
アガルトの村に住む天文学者。巨大な天文台にこもって月の観測をしている。
エブラーナ王、エブラーナ王妃
エッジの両親。エブラーナ陥落後に消息を絶っていたが敵に捕まり、ルゲイエに魔物の姿に変えられた。バブイルの塔にてエッジたちに襲い掛かるもどうにか正気を取り戻し、エッジに未来を託して彼の目の前で自ら命を絶った。
ネミングウェイ一族 (Nammingway Family)
世界各地に住む月に住む、リス(DS版ではウサギ)に似た種族。あだ名をつけることが大好きで、話しかけると好きな名前に変更できる。名前の由来は「ヘミングウェイ」と「ネーミング」の融合から。
地底・幻獣界
ククロ (Kukuro)
地底に住む世界一の工匠。当初はやる気を無くして塞ぎ込んでいたがアダマンタイト鉱石を持って行くとやる気を取り戻し、アダマンタイト鉱石を使って古びた聖剣エクスカリバーを鍛え直す。
ジオット王 (King Giotto)
ドワーフの王。あまり物事を深く考えない、逆に言うと細かいことを気にしない気前のいい性格。セシルたちに協力的であり、戦車部隊を指揮してゴルベーザの飛空艇団と戦う。
ルカ (Luca)
ジオット王の娘。他のドワーフよりも思慮深く落ち着いた性格で、封印の洞窟の鍵でもある、母親の形見のペンダントを持っている。自身の持つ人形がモンスターに変えられ利用されたたことに憤りを見せた。
続編『ジ・アフター』では飛空艇に憧れ始め、後にシドに師事することとなる。その他、愛する人形たちを修理して自律可能なロボットに改造し、共に戦う。
リヴァイアサン (Leviathan)
幻界と地上の海を治める幻獣王。普段は老人の姿をしているが、正体は巨大な海竜である。セシルたちが乗るバロン行きの船を沈めて、幼いリディアを幻界へ連れて行った。後にリディアがセシルと共に幻界へ戻ってきた際、助力を乞う一行に対し、幻界の掟に従って力試しをすべく正体を表して立ちはだかる。
ゲーム中では船を襲撃した明確な動機が不明であったが、後年の小説版では「オーディンとなったバロン王の頼みで、バロン軍からセシルたちを遠ざけようとしたのだが、召喚士の力添えなしで人間界に出たため力を制御できず暴走してしまった」という旨の補足説明がされている。
アスラ
慈愛、怒り、笑いの三つの顔を持つ女性の幻獣。幻獣王妃であり、リヴァイアサンの妻。幻界を訪れ、助力を乞うリディアたちの力を試すべく立ちはだかる。リヴァイアサンに挑むにはまず彼女に打ち勝ち、認められなくてはならない。
ゼムス / ゼロムス (Zemus / Zeromus)
本作のラストボス。月の民であり、皆が青き星の発展を見守ることに同意する中で青き星を征服しての移住を目論んだために月の地下へ封印された。しかし、封印中も悔い改めることなく精神力を増幅させて、月の民の血を介してゴルベーザを操った。その後、月の中心核においてフースーヤとゴルベーザに倒されるが死してなお憎悪を燃やし、完全暗黒物質「ゼロムス」へと変貌、増幅された憎しみによって欲した青き星を含めた全てを滅ぼそうとする。
復活後は瞬く間にセシルたちを打ち倒すが、仲間たちの思いによって力を取り戻し、ゴルベーザから託されたクリスタルによって醜い正体を現し、今度こそ滅ぼされた。
ゼロムスからは「完全暗黒物質」の名の通り「ダークマター」を盗むことができる。日本国内で発売された『FFIVイージータイプ』、および日本国外版とではグラフィックが異なる。
クルーヤ (Kluya)
月の民で、フースーヤの弟(DS版では兄に変更)。魔導船を作り、地上に降り立った後で青き星に様々な技術をもたらした(飛空挺の技術も彼が数十年前バロンにもたらした技術を基として作られた)。その数百年後に地上の人間であるセシリアと結婚してゴルベーザとセシルが生まれる。セシルが試練の山に訪れた際には魂の状態で現れ、最後の試練として敵対し、パラディンへと生まれ変わるきっかけを作った。
セシリア (Cecilia)
DS版で登場するクルーヤの妻で、ゴルベーザとセシルの母親。回想シーンにおいてバロン王と面識がある事が明かされ、バロン王は「私が臆病なばかりに…バロンを追われた人に…」というような事を話している。このシーンはバロン王が赤子のセシルにセシリアの面影を見た際のもの。
バハムート (Bahamut)
全ての幻獣を治めるドラゴンの姿をした幻獣神。お供と共に月に住んでおり、闘いに勝てば力を貸す。
ハミングウェイ一族 (Hummingway Family)
月に住む、リス(DS版ではウサギ)に似た種族。話しかけるとハミングで答えてくれる。地上のネミングウェイ一族はクルーヤと共に青き星へ渡ったハミングウェイ一族の子孫である。名前の由来は「ヘミングウェイ」から。

世界設定

本作の世界は2つの衛星を持った惑星「青き星」(作中では地球のように表現されており、文明は中世レベル程度である。2つの衛星の内、1つは現実ののように何もない世界であるが、もう1つの月(元々は移民用の巨大な宇宙船を月用にカモフラージュした物だが、本編では特に言及されていない)には月の民と呼ばれる人々が住んでいる。月の民は青き星の文明を尊重しており、彼らは基本的に地上に干渉していない。

文明を持つ「青き星」と「月」にはクリスタルが8つずつあり、物語はこのクリスタルを巡っての争奪戦から始まる。クリスタルには自我が存在しており、言葉を話す。また魔導船の動力となっていたり、不思議な効力を持っているなど、今作では便利なアイテム扱いの傾向が強い。

地上

地上には6つの国家が存在する。クリスタルの内の4つがそれぞれ火・土・水・風と呼ばれ、4国家に安置・封印されている。バロン王国を除き、古くから何らかの形で月との関連を持っている。

住民は人間の他、ドワーフ族の末裔や獣人なども少数ながら確認できる。また、どの国家にも属さない小さな村もいくつか存在する。

  • バロン王国 - 古くから発達していた軍事国家。最も広い領土を持ち、長らく平和を維持してきたものの、バロン王のクリスタル略奪命令を発端として、国内外に不審と不穏が広がりつつある。飛空艇団「赤い翼」(DS版では「赤き翼」)、近衛兵団、暗黒騎士団、竜騎士団、陸兵団、海兵団、白魔道士団、黒魔道士団の8つの軍団を持つ。
  • ミストの村 - バロンとダムシアンとの境にある辺境の村。この世ならざる世界「幻界」に最も近いと言われる。幻界の住人である幻獣を呼び出して使役する召喚士の血筋が伝えられているが、血が薄まると召喚士としての力も弱まるので、血統の維持の為に村の中で血族婚姻を重ねた結果、村民たちの寿命は短くなっている。
  • ダムシアン王国 - 「火のクリスタル」を所有する、砂漠の中継地点である商業国家。砂漠に住む怪物サンドウォームを退散させる不思議な唄を持つ一族が治めている。この国の初代国王である初代ギルバートの名前が、通貨単位である「ギル」のもとになった。
    • カイポの村 - ダムシアン城の南、ダムシアン砂漠にあるオアシスの村。
  • ファブール王国 - 「風のクリスタル」がある宗教国家。精神修行を目的として修行僧を受け入れていた寺院に、武道家が集まるようになり発展していった。武道を精神修行の一環として行うモンク僧たちが住む。寺院には100年前に戦乱から落ち延びてきた暗黒騎士が悟りを開いて捨てた暗黒剣が安置されている。
  • ミシディア国 - 「水のクリスタル」がある、厳しい自然環境の中で魔法が発達した魔法国家。月の民の伝承が残されている。
  • トロイア国 - 「土のクリスタル」を保持する、何故か女性しか生まれてこない宗教国家。8人の女神官(8つ子)によって治められている。
  • エブラーナ王国 - 地理的に他国と離れた孤島にあり、他国との交流が薄く独自の文明が発達した国家。「忍術」という特殊な魔法が伝承されており、兵士もこの魔法を体得しているが、その奥義は王家のみの一子相伝である。月の民の遺産が国土内に封印されている。
  • ミスリルの村 - ミスリル金属の採掘・精製・加工・販売を行っている村。人間は住んでおらず、採掘を行う豚族、精製を行う蛙族、加工を行う小人族が住んでいる。
  • アガルトの村 - ドワーフの血筋を受け継いでいる村。地底への道が塞がれた場合に、再びその道を開く為の枯れ井戸がある。また天体観測所がある。

地底

小柄なドワーフ族によって治められる地底世界。この世界でクリスタルは「闇のクリスタル」と総称されている。大きな城が1つ、小さな村が1つあるほかはいくつか洞窟があるだけである。地形がマグマで覆われているため、主にドラゴン系や火の属性を持ったモンスターが多く生息している。

  • ドワーフ王国 - ジオット王を君主とするドワーフの国であり、「闇のクリスタル」を1つ保持している。ドワーフの軍隊は戦車部隊を保有している。ここでは「ラリホー」が挨拶の言葉である。城の住民たちは開放的で陽気な性格をしているが、長く外界と隔絶していたため、地上の事に関しては無知。
    • トメラの村 - かつてはドワーフの城とは陸続きだったが、地殻変動の所為で孤立してしまった。ここでは「ハイホー」が挨拶の言葉である。

幻獣の世界

この世ならざる世界。現世よりも時間の流れが速い。地上ではミストの村が幻獣の世界に最も近い場所にある。地底にある洞窟が幻界と繋がっている。住人のほとんどは友好的な態度で接するが、中には「あまり人間を連れてくるな」と言い、やや警戒心を持つものもいる。人の言葉を喋れるチョコボも存在。

本作の「もう1つの月」は、元々火星と木星の間にあった星が滅んだ際、そこに住んでいた人々が眠り場所として作ったもので、いわば巨大な宇宙船のようなものである。月の溪谷の地下では月の民が眠りについている。また青き星を征服しようとしたゼムスも地下溪谷に封印されている。地下溪谷ではゼムスの放った刺客が襲い掛かり、またゼムスマインドのような偵察用のモンスターも配備されている。獣人族の一部は、後に月からの移民の子孫である事が判明する。月面には強力なモンスターが生息しており、そこへ向かう主人公たちを待ち受ける。

音楽

テンプレート:See also テンプレート:出典の明記 本作で使用されているBGMは、全曲植松伸夫によるもの。

スーパーファミコン発売から1年にも満たない当時、この作品の音楽は「スーパーファミコンの音楽はここまで出来るのか」と高く評価された。当時のニュース番組でも関連CD「ケルティック・ムーン」の制作風景がゲーム音楽の特集というトピックで取り上げられている。

この露出と前後して、本作以降FFの音楽から、音源の性能を考慮したコミカルな楽曲が徐々に減少してゆく。劇中の月面フィールドで流れるBGM 「もう一つの月」ではディレイ効果によってティンパニの音にリバウンドがかかったような音色を生んでいるが、このようなテクニックは『VII』以降はほとんど聞かれる事はなく、既存の様式をそのまま模倣する態度がより顕著になる。

この高品質サウンドには裏話があり、スーパーファミコン初期の作品である『アクトレイザー』の音楽を聴いたスタッフが驚愕し、開発終盤にもかかわらずサウンドドライバを一から作り直した成果という事が知られている。これはゲーム雑誌『ファミ通』のインタビューなどでサウンド担当の植松伸夫が明かしていた。

今作の「プレリュード」には、一度目の繰り返し以降にオーケストラ的な和声と対旋律が初めて付加されており、後年の路線を垣間見る事が出来る。結果的に伴奏に転じてしまったお馴染みの音形に、加算型と減算型のディレイ (1/32*1/32) が交互に使われている。「ファイナルファンタジーのテーマ」は今作では「オープニング(Prologue)」と題され、音域が吹奏楽のレンジをそのまま使える事によるアレンジであった。また、DS版が発売されるにあたり、「愛のテーマ」をモチーフにしたテーマソング(「月の明り - ファイナルファンタジーIV 愛のテーマ」)が作られ、ボーカルには公開オーディションにて伊田恵美が選ばれた。

2007年12月5日にDS版に先行して、CDが発売された。

月の明り-ファイナルファンタジーIV 愛のテーマ-
  1. 月の明り -ファイナルファンタジーIV 愛のテーマ-(伊田恵美)
  2. 愛のテーマ DS版
  3. 愛のテーマ SFC版
  4. 月の明り -ファイナルファンタジーIV 愛のテーマ-(カラオケ)

この他、『F.F.MIX』で「ファイナルファンタジーIV メインテーマ」のレゲエアレンジ、『THE BLACK MAGES II 〜The Skies Above〜』で「ゴルベーザ四天王とのバトル」のハードロックアレンジが収録されている。「愛のテーマ」は、楽譜が小学生用の音楽科の教科書に掲載されている。

スーパーマリオRPG

任天堂スクウェア(現スクウェア・エニックス)が共同で開発したスーパーファミコンソフト『スーパーマリオRPG』にて、隠しボス戦のBGMとして本作のボス戦闘曲である「バトル2」、その戦闘の勝利BGMとしてFFシリーズ共通の「勝利のファンファーレ」が、それぞれアレンジされて使用されている。なお、この戦闘で登場するボスキャラクターはFFシリーズを意識したデザインとなっているが、BGM以外は本作とは全く関係がない。

スタッフ

オリジナル版

ニンテンドーDS版

一般応募によってボーカリストが募集された。

企画(ファミコン版FFIVなど)

現在の『ファイナルファンタジーIV』は元々『ファイナルファンタジーV』として企画されたものであり、それとは別のファミコン用ソフト『ファイナルファンタジーIV』と同時に製作発表が行われた。開発開始は同時だったものの『ファイナルファンタジーV』の方が開発状況が先行しており、市場状況との兼ね合いもあってファミコン版『ファイナルファンタジーIV』の開発は一時凍結、スタッフを『ファイナルファンタジーV』に集中して先に発売してファミコン版『ファイナルファンタジーIV』は後から開発されることになった[6]。『ファミコン通信』では内容予想の企画で、飛空艇を店で売っている飛空艇屋が登場する『ファイナルファンタジーIII』風のファミコン版『ファイナルファンタジーIV』のゲーム画面が創作され、掲載されたこともあった。しかしファミコン版『ファイナルファンタジーIV』は初期コンセプトが作られたのみで、本格的な開発には至らないまま[7]製作中止となり、『ファイナルファンタジーV』のナンバリングが繰り上がって『ファイナルファンタジーIV』になった[8]。シリーズ前3作のシナリオを手がけた寺田憲史によると、お蔵入りしたのは経営側が開発に介入した事が原因であり、またSFC版についてもゲーム内容にまで口を挟まれた為、ファイナルファンタジー新作(SFCの『ファイナルファンタジーIV』)のシナリオから降りたとのこと[9]

また、立案された企画の中には、田中弘道によるシームレスバトルの『ファイナルファンタジーIV』案があった。この企画はコンペに敗れ、鳥山明とコラボレーションしたスーパーファミコンCD-ROM専用のオリジナルタイトル『クロノ・トリガー(企画段階であり、CD-ROMの大容量を活かした内容になる予定だった。堀井雄二は参加していない)』として企画され直すのだが、スーパーファミコン用CD-ROMの開発を任天堂が中止したため開発中止。『クロノ・トリガー』の企画再編は一時保留され、それとは別にモーションバトルシステムのゲームとして再編される。さらに聖剣伝説シリーズとして企画修正されて『聖剣伝説2』として発売されるに至った。後に『クロノ・トリガー』も、堀井雄二を迎えたドリームプロジェクトの企画として生まれ変わり、発売に至った[10]

ファイナルファンタジーIV ジ・アフター -月の帰還-

テンプレート:Main 本作品の外伝作品で、十数年後の世界が舞台。2008年より携帯アプリやWiiウェアなどで配信されているほか、PSP版にカップリングされている。

関連商品

音楽

テンプレート:Infobox これまで、『ファイナルファンタジーIV』に関連した以下の音楽CDが発売されている。(初版発売日、発売元/販売元)と表記する。

  • 『FINAL FANTASY IV ORIGINAL SOUND VERSION』(1991年06月14日、NTT出版/アメリカーナ・レコード)
 ゲーム中で流れるBGMを収録したサウンドトラック。カセットテープ版も発売された。
  • 『FINAL FANTASY IV MINIMUM ALBUM』(1991年9月5日、NTT出版/アメリカーナ・レコード)
 アレンジ3曲とゲーム未収録曲3曲を収録したシングル盤。後にリリースされたCD『F.F. MIX』に全曲が再録されている。
  • 『FINAL FANTASY IV Celtic Moon』(1991年10月28日、NTT出版/アメリカーナ・レコード)
 ケルト民族音楽風のアレンジ盤。
  • 『FINAL FANTASY IV PIANO COLLECTIONS』(1992年4月21日、NTT出版/アメリカーナ・レコード)
 ピアノアレンジされた楽譜と音楽CDのセット。後に『Piano Collections "FINAL FANTASY IV"』として楽譜と音楽CDそれぞれが単品商品としてリリースされている。
  • 『FINAL FANTASY VOCAL COLLECTIONS I ─PRAY─』(1994年6月25日、NTT出版/ポリスター)
  • 『FINAL FANTASY VOCAL COLLECTIONS II ─LOVE WILL GROW─』(1995年11月25日、NTT出版/ポリスター)
 FFシリーズの音楽に歌詞をつけ、歌として再構成したアレンジ盤。
  • 『月の明り─ファイナルファンタジーIV 愛のテーマ─』(2007年12月5日、BMGJAPAN)
 DS版『FFIV』の主題歌を収録したDVD付きマキシシングル盤。DVDには各種PVなどが収録されている。
  • 『FINAL FANTASY IV Original Soundtrak』(2008年1月30日、スクウェア・エニックス)
 DS版『FFIV』サウンドトラック。2枚組CDに特典DVDが付属する。DVDにはCGムービーやインタビュー映像などを収録。
  • 『FINAL FANTASY IV Original Sound Track Remaster Version』(2013年7月3日、スクウェア・エニックス)
 1991年に発売されたSFC版音源のリマスター版。ファンの要望に応え、ループ組み直しによる長尺ヴァージョンで収録。そして、当時のサントラで未収録だった音源やジングルなども収めた内容になり2枚組で発売。尚、初期出荷の初回生産限定盤で収録楽曲の欠損が発覚し、問題のあるdisc2の無償交換を行う事を発表。

小説

2008年12月25日にスクウェア・エニックスより上下巻が同時発売。原案・監修:時田貴司、著作:手塚一郎、挿絵:オグロアキラ

  • 『ファイナルファンタジーIV 上巻』 ISBN 978-4-7575-2458-3
  • 『ファイナルファンタジーIV 下巻』 ISBN 978-4-7575-2459-0
  • 『ファイナルファンタジーIV THE AFTER-月の帰還-』 (GAME NOVELS) ISBN 978-4-7575-2536-8 (2009年3月26日)

楽譜

  • 『Piano Collections "FINAL FANTASY IV"』(2001年9月11日、NTT出版) ISBN 4-7571-7014-9

フィギュア

  • FINAL FANTASY IV TRADING ARTS MINI(2007年12月8日、スクウェア・エニックス)
DS版『FFIV』にあわせて発売されたブラインドボックス仕様のミニフィギュア。セシル(パラディン)、ローザ、カイン、リディア(幼少期)、エッジ、シドの全6種。

書籍

  • 『ファイナルファンタジーIV 設定資料編』 ISBN 4-87188-128-8 NTT出版、1991年6月
  • 『ファイナルファンタジーIV 基礎知識編』 ISBN 4-87188-131-8 NTT出版、1991年7月
  • 『ファイナルファンタジーIV 戦闘解析編』 ISBN 4-87188-136-9 NTT出版、1991年9月
  • 『ファイナルファンタジーIV 徹底攻略編』 ISBN 4-87188-138-5 NTT出版、1991年10月
  • 『ファイナルファンタジーIV イージータイプ』 ISBN 4-87188-148-2 NTT出版、1991年12月
  • 『ファイナルファンタジー竜騎士団(ナイツ)』 ISBN 4-7966-0435-9 JICC出版局、1992年9月
  • 『ファイナルファンタジーIV ガイドブック』 ISBN 4-925075-04-7 デジキューブ、1997年3月
  • 『スクウェア公式 ファイナルファンタジーコレクション 幻想世界の攻略本』 ISBN 4-925075-45-4 デジキューブ、1999年3月
  • 『ファイナルファンタジーIV マスターズガイド』 ISBN 4-88787-033-7 デジキューブ、2002年3月
  • 『ファイナルファンタジーIV ワンダースワンカラー版 スクウェア公式ガイドブック』 ISBN 4-08-779161-0 集英社、2002年4月
  • 『ファイナルファンタジー大全集 Complete works 1 through 6 Vol.1 〈上巻〉 改訂版』 ISBN 4-88787-044-2 デジキューブ、2002年6月
  • 『ファイナルファンタジー大全集 Complete works 1 through 6 Vol.1 〈下巻〉 改訂版』 ISBN 4-88787-045-0 デジキューブ、2002年6月
  • 『ファイナルファンタジーIVアドバンス -パーフェクトガイド- スクウェア・エニックス公式』 Vジャンプブックス、集英社、2005年12月 ISBN 4-08-779351-6
  • 『ファイナルファンタジーIV アドバンス 公式コンプリートガイド』 スクウェア・エニックス、2006年1月13日 ISBN 4-7575-1600-2
  • 『ファイナルファンタジーIV公式コンプリートガイド』〔ニンテンドーDS版〕 スクウェア・エニックス、2008年1月17日 ISBN 4-7575-2205-3
  • 『DS版 ファイナルファンタジーIV 公式ファイナルガイド』 エンターブレイン、2008年1月17日 ISBN 4-7577-4004-2
  • 『ファイナルファンタジーIV THE AFTER YEARS -月の帰還- 公式コンプリートガイド』 SE-MOOK、スクウェア・エニックス、2009年7月21日 ISBN 4-7575-2635-0
  • 『ファイナルファンタジーIV コンプリートコレクション 公式ガイドブック』 SE-MOOK、スクウェア・エニックス、2011年3月24日 ISBN 978-4-7575-3157-4

脚注

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関連項目

外部リンク

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テンプレート:Link GA
  1. 『Vジャンプ』2011年2月号p344。
  2. 特許-2794230 または特許-3571207:特許電子図書館で文献種別:B、文献番号:2794230 または 3571207 を入力すると詳細を読むことができる。
  3. 「ファイナルファンタジーIVアドバンス」に関するお知らせ
  4. ニンテンドーDS版「ファイナルファンタジーIV」に関するお知らせ
  5. 現・Ariola Japan
  6. 『ファミコン通信』1990年11月23日増刊号Vol.1。
  7. 『HIPPON SUPER!』1991年8月号 坂口博信インタビューより。『ファイナルファンタジー竜騎士団』p22-25にも抜粋再掲。
  8. 『ファミコン通信』1991年2月22日号。
  9. 『ゲーム批評』2001年11月号より。
  10. 電撃オンライン DS版ファイナルファンタジーIIIのインタビュー記事より。