銀河戦

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銀河戦(ぎんがせん)は、囲碁将棋チャンネル主催の将棋テレビ棋戦。双方の持ち時間が少ない早指し戦である。毎年8月から9月にかけて、決勝トーナメントが行われる。1991年度創設で、2000年から公式戦となった。最多優勝は、羽生善治の7回である。

銀河戦は同社のCS放送『囲碁・将棋チャンネル』で毎週木曜と土曜に放映されている。(詳しくはテレビ放送の項を参照)

棋戦の仕組み

銀河戦は予選・ブロック戦・決勝トーナメントからなり、ブロック戦以降の対局の模様が「囲碁・将棋チャンネル」で放送される。

予選

ブロック戦に出場する棋士を決定するもので、将棋会館で非公開で行われる。 ただし、次の棋士は予選免除となるテンプレート:要出典

持ち時間は各25分で、切れたら1手30秒。

ブロック戦

A~Hの8ブロックに、各12名の棋士(合計96名、女流棋士2名、アマ4名=アマ王将・準アマ王将、アマチュア銀河戦優勝者・準優勝者=を含む[2])がパラマス形式のトーナメントを戦う。出場順は女流・アマチュアが1回戦に出場し、その後は順位戦の順位が下位の棋士から順(フリークラス→C級2組→……→A級→名人の順)に出場する。

各ブロックの優勝者と、優勝者を除く最多勝ち抜き者(複数いる場合は、出場順が後の棋士)が決勝トーナメントに出場する。1回戦の出場者が優勝したときは、そのブロックからは優勝者のみが出場し、他のブロックの決勝トーナメント出場者を除く最多勝ち抜き者に出場権が割り振られる[3]

持ち時間は各15分で、切れたら1手30秒となる。ただし切れてからも1分単位で合計10回の考慮時間がある(NHK杯テレビ将棋トーナメントと同じ)。

第9期まではA~Dの4ブロックに、各24名(第4期・第5期のみ各12名)の棋士によるパラマス形式トーナメントだった。このため、決勝トーナメント出場者は8名だった。

決勝トーナメント

16名による通常のトーナメントである。初戦は、ブロックの優勝者と他のブロックの最多勝ち抜き者が当たるように組まれる。

持ち時間はブロック戦と同じ。

第9期までは8名によるトーナメントだった。

歴代決勝結果

第1期から第7期までは非公式戦であり、棋士の成績(勝敗数、公式戦優勝回数等)にはカウントされていない。

※段位・称号は決勝当時のもの。
決勝年 優勝 準優勝
1 1992年 郷田真隆王位 森下卓七段
2 1993年 森内俊之六段 南芳一九段
3 1994年 田中寅彦八段 川上猛四段
4 1996年 森内俊之八段 田中寅彦九段
5 1997年 羽生善治四冠 福崎文吾八段
6 1998年 羽生善治四冠 佐藤康光名人
7 1999年 郷田真隆八段 谷川浩司棋聖
以降、公式戦
8 2000年 羽生善治五冠 堀口一史座五段
9 2001年 羽生善治四冠 深浦康市七段
10 2002年 谷川浩司王位 羽生善治竜王
11 2003年 佐藤康光棋聖 中川大輔七段
12 2004年 羽生善治王位・王座 谷川浩司棋王
13 2005年 渡辺明竜王 森内俊之名人
14 2006年 羽生善治三冠 小林裕士六段
15 2007年 渡辺明竜王 森内俊之名人
16 2008年 佐藤康光棋王 三浦弘行八段
17 2009年 阿久津主税七段 深浦康市王位
18 2010年 佐藤康光九段 丸山忠久九段
19 2011年 渡辺明竜王 糸谷哲郎五段
20 2012年 羽生善治二冠 阿久津主税七段
21 2013年 稲葉陽六段[4] 橋本崇載八段
22 2014年 渡辺明二冠 松尾歩七段

棋士別成績

公式戦昇格以降。

棋士 優勝 準優 優勝年度 準優勝年度
羽生善治 5 1 2000,2001,2004,2006,2012 2002
渡辺明 4 - 2005,2007,2011,2014
佐藤康光 3 - 2003,2008,2010
谷川浩司 1 1 2002 2004
阿久津主税 1 1 2009 2012
稲葉陽 1 - 2013
森内俊之 - 2 2005,2007
深浦康市 - 2 2001,2009
堀口一史座 - 1 2000
中川大輔 - 1 2003
小林裕士 - 1 2006
三浦弘行 - 1 2008
丸山忠久 - 1 2010
糸谷哲郎 - 1 2011
橋本崇載 - 1 2013

テレビ放送

1週間に2局ずつ放送される。時刻はいずれも日本時間。

  • 木曜日 20:00~21:38(再放送:翌週火曜日 8:00~、再々放送:水曜日 24:00~)
  • 土曜日 20:00~21:38(再放送:翌週木曜日 8:00~、再々放送:金曜日 24:00~)

その他、前期以前の対局も放送されている。いずれも対局が早く終わった場合は、「スーパー詰将棋」などの再放送で穴埋めする。

第21期(2012年10月)からは、両対局者と記録係に合わせて棋譜読み上げ係が登場し、NHK杯同様に棋譜の読み上げを行うようになった。同チャンネルで放送される女流棋戦の女流王将戦でも同様の措置がとられている。

第22期(2013年10月8日)から、初回放送が火曜日、木曜日(いずれも20:00~21:38)に変更となる。また、この期から、手番が表示されるようになった。この措置は上記の棋譜読み上げと同じく女流王将戦でも実施されている。

関連番組

過去に放送されていたもの

以下の2番組が、第19期まで放送されていた。

  • 銀河クラブ(毎週水曜日17:30~18:00、毎週金曜日12:30~13:00、毎週土曜日9:00~9:30) - 最新2局の棋譜解説や、翌週放送の見所などを紹介。
  • 銀河戦ダイジェスト(毎週水曜日17:15~18:00ほか) - 最新2局の棋譜解説など。進行役の観戦記者1名と解説役のプロ棋士1名の計2名が出演。

現在放送されているもの

第20期以降は、本棋戦のダイジェスト番組は放送されていない。

備考

  • 第4期(1995-1996年)に、女流棋士斎田晴子がベスト8に入っている。
  • 第12期(2003-2004年)に、当時アマチュアの瀬川晶司がベスト8に入っている。瀬川がプロ入りを嘆願するきっかけとなった。
  • 第13期(2004-2005年)のCブロック9回戦(5月26日放送、5月10日対局)で、加藤一二三阿部隆との対局で「待った」の反則をしたとして、次回第14期大会への出場停止と対局料没収の処分を科された。実際には加藤が秒読みに追われいったん△3七桂不成と着手して秒読みが止まった後で、その駒を再び取り上げて桂成に指し手を変更したもので、阿部がその場で秒読みの扱いについて抗議した。その結果、加藤の消費時間を算入した上で対局は続行され、結果、加藤の勝ちとなった。しかし放映後に視聴者からの抗議が寄せられた為、将棋連盟の理事会で検討した結果、反則と裁定された。ただし、理事会の決定が次の10回戦の対局後だったため、加藤の勝ちは変わらなかった(結局、加藤はその10回戦で深浦康市に敗れた)。
  • 第7期(1998-1999年)Dブロック3回戦では山崎隆之佐伯昌優相手に、第22期(2013-2014年)Bブロック1回戦では沖幹生アマが伊藤博文相手に、二歩を打って反則負けとなった。

脚注

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関連項目

外部リンク


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  1. 朝日オープン選手権が挑戦手合制であった2000~2006年は同選手権者も含まれた。
  2. 2007年度の第16期は、女流棋士が3名、アマチュア選手が1名という構成になっている。
  3. 2013年度までに1回戦出場者がブロック優勝した例はないが、同一システムで実施されている囲碁の竜星戦で発生している(第12期Eブロックの河野臨六段が唯一達成、段位は当時)。
  4. 稲葉はこの対局に勝利して昇段規定の「六段昇段後全棋士参加棋戦優勝」を満たし、収録日の2013年8月16日付で七段に昇段した(放送日は2013年9月26日)。日本将棋連盟トップページ(2013年9月27日閲覧)、稲葉陽六段が七段に昇段 日本将棋連盟2013年8月17日付お知らせ。