新京成電鉄8900形電車

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テンプレート:半保護 テンプレート:出典の明記 テンプレート:鉄道車両 新京成電鉄8900形電車(しんけいせいでんてつ8900がたでんしゃ)は、1993年(平成5年)に登場した新京成電鉄通勤形電車

概要

8800形に続きVVVFインバータ制御を採用し、新京成では初の軽量オールステンレス車体とされた。車体構造は京成電鉄3700形を基本にしているが、独自の仕様も多い。

なお、当形式で試験採用された純電気ブレーキは後に8800形にも反映された。

主要諸元

編成表

  テンプレート:TrainDirection  
号車 8 7 6 5 4 3 2 1 製造メーカー 導入時期
形式 クハ8908形
(Tc2)
モハ8907形
(M2)
モハ8906形
(M1)
サハ8905形
(T)
サハ8904形
(T)
モハ8903形
(M2)
モハ8902形
(M1)
クハ8901形
(Tc1)
機器 BATT PT
VVVF
SIV
CP
PT
VVVF
SIV
CP
BATT
編成 8918 8917 8916 8915 8914 8913 8912 8911 日本車輌製造 1993年9月
8928 8927 8926 8925 8924 8923 8922 8921 1996年2月
8938 8937 8936 8935 8934 8933 8932 8931 1996年6月
  • VVVF:主制御機(VVVFインバータ)
  • PT:パンタグラフ(シングルアーム型2基)
  • SIV:補助電源(静止型インバータ)
  • CP:空気圧縮機
  • BATT:蓄電池

サービス設備

客室内装は暖色系をベースにしており、カーテンなどには新京成線沿線の特産品であるぶどうイラストが描かれている。扉間の側窓は北総9000形同様の大・小・大の三分割となっており、中央の小窓は固定式となっている。

以下は当形式で初めて採用されたものである。

  • 自動放送装置を搭載。次駅の音声案内などを行う。
  • ドア上部にLED式旅客案内表示器・デジタル時計を設置する。
  • 車体前面・側面行先表示器はLED式である。
  • 車外スピーカーを設置。京成3700形や後継のN800形と違い、乗降促進放送を搭載していないのが特徴である。

特色

新京成初のステンレス製車体であり、唯一のワイドドア(幅1,500mm)採用形式である。そのため、車端部の座席定員は従来の新京成車と同じ4人掛けなのに対し、中間の座席定員は京成車と同じ8人掛けとなっている。前面は普通鋼製で非常扉が設けられ、さらにこれも新京成で初採用となる排障器(スカート)を設置している。

2009年にAE形が登場するまでは、京成グループの標準軌電化路線全体では唯一のボルスタレス台車採用形式であった。

シングルアーム式パンタグラフの形状はヨーロッパの鉄道車両や日本貨物鉄道(JR貨物)EF200形電気機関車が搭載するものに類似し、京成グループで採用例の多い東洋電機製造製(PT系)ではなく工進精工所製 (KP91) である。

前面鋼板部はの花をイメージしたミスティピンク、車体の帯色は社内公募によるもので、「クール&ファイン」をテーマとして太帯がクリアブルー、細帯はチェリーピンクとした。後に細帯は褪色が問題になったため、それまでのチェリーピンクより濃いルビーレッドに変更された。なお2014年(平成26年)8月以降順次、新京成が保有する全車両に対して同年6月に制定されたコーポレートカラーを用いたデザインへの変更が実施され、当形式についても新デザインへの変更が行われることになっている[1][2]

冷房装置などに電力を供給する補助電源装置は、新京成で初めてIGBT素子による静止形インバータ (SIV) を採用した。

運転台主幹制御器は、これも新京成初採用となるT形ワンハンドル式である。段数は8800形に準じた力行4段・ブレーキ7段である。また、デシタル表示される計器類もまた新京成初採用である。ただし主回路電流計はアナログのままであるほか、後継のN800形ではベースである3000形がアナログであることもありそれに回帰している。

8800形は全編成が6両編成に組成変更されたことにより、当形式が新京成電鉄では唯一の8両編成となっている。

付記

  • 車両番号の付番方式は、上2桁が8900形を示す「89」となり、十の位が編成番号、一の位が号車となり、第1編成の場合、京成津田沼寄りから8911・8912…8918の順となる。編成は松戸寄りの先頭車の車両番号を用いて「8918編成」などと呼称される。この方式は京成3700形に準じるが、十の位の編成番号を京成では0から始めている(3700形の第1編成は3708編成)のに対し、新京成では1より始めているなどの違いがある。
  • 2006年(平成18年)12月10日から京成千葉線千葉中央駅までの直通運転が開始されたが、千葉線は6両が最長編成であり、このため直通列車も6両編成の8000形・8800形・N800形が使用されることから、8両編成の8900形は乗り入れない。なお誘導無線(IR)アンテナ台座は用意されている。
  • 2008年(平成20年)に検査出場した8928編成・8938編成は客用ドアがすべて交換され、ドア番号も京成車にあわせたものになっている。どちらの編成とも客用ドアの形状がN800形に準じており、客用ドアの室内側もN800形と同様のステンレス無塗装仕上げとされた。
ファイル:Shinkeisei8900aeon.jpg
イオンショッピングセンターのラッピング広告を施された8900形

ギャラリー

脚注

テンプレート:脚注ヘルプ テンプレート:Reflist

参考文献

テンプレート:Sister

テンプレート:新京成電鉄の車両
  1. テンプレート:PDFlink - 新京成電鉄、2014年7月14日
  2. テンプレート:Cite news