国道265号

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ファイル:Route265 Nishimera Omata 01.jpg
西米良村尾股(村所方面)
ファイル:Route265 Nishimera Kamimera.jpg
西米良村上米良(椎葉村方面)
ファイル:Route265 Shiiba Nakatou.jpg
椎葉村仲塔地区(上椎葉方面)
ファイル:Route265 Gokase 070506.jpg
五ヶ瀬町・国見トンネル手前

国道265号(こくどう265ごう)は、宮崎県小林市から熊本県阿蘇市に至る一般国道である。

概要

山深い南九州を縦断する有数の国道[1]。元々は林道として整備された経緯がある[1]ことから、小林市須木地区中心部以北から宮崎県椎葉村上椎葉地区以南の大部分の区間が未改良で離合困難な狭隘道路となっており、九州酷道の代表格としても有名である[2][3]

椎葉村から熊本県山都町の区間は、宮崎県の観光ルートであるひむか神話街道の路線として指定されている。

路線データ

一般国道の路線を指定する政令[4][注釈 1]に基づく起終点および経過地は次のとおり。政令上の終点は熊本県阿蘇郡阿蘇町となっているが、合併に伴い、2005年(平成17年)2月11日以降は阿蘇市となっている。

歴史

  • 1963年昭和38年)4月1日
    二級国道265号小林阿蘇線(小林市 - 熊本県阿蘇郡阿蘇町[注釈 2])として指定施行[7]
  • 1965年(昭和40年)4月1日
    道路法改正により一級・二級区分が廃止されて一般国道235号として指定施行[8]
  • 1975年(昭和50年)度
    国見峠(標高1,178メートル)を回避する国見バイパスの事業開始。
  • 1996年平成8年)8月2日
    国見バイパスが全線開通。

路線状況

九州山地の中心を縦断する国道。そのためか特に中間部には狭隘な道が多い。そのため、テンプレート:要出典範囲

宮崎県小林市街地 - 小林市須木と、五ヶ瀬町 - 熊本県阿蘇市の区間は、峠越えがあるものの概ね2車線道路。椎葉村上椎葉 - 五ヶ瀬町までは一部1車線区間が残る(画像を参照)ものの、バイパス整備が進められており大半が2車線道路に整備されている[9]

バイパス

国見バイパス
国見バイパス(くにみバイパス)は、椎葉村 - 五ヶ瀬町間の国見峠を回避する目的で建設されたバイパス道路。国見峠は幅員が3-5メートル程度で大型車の通行ができず、災害時や冬季の積雪で頻繁に全面通行止めとなっていた上に、1980年代時点においても未舗装状態であった[1]ことなどの要因から、酷道と評される[2][10]ほどの区間であった。このため同バイパスの開通は両自治体、特に椎葉村の悲願といえるものであった。
1975年度に事業を開始。1985年度から本格的に工事が開始され、1993年(平成5年)2月8日に国見トンネルの起工式を挙行[11]。1992年度に椎葉村側から、1993年度に五ヶ瀬町側から国見トンネルの採掘を開始。1995年(平成5年)5月19日に貫通し、1996年(平成8年)8月2日に全線開通した。
全長は6,650メートル。そのうち国見トンネルは全長2,777メートル(椎葉村側が1,695メートル、五ヶ瀬町側が1,082メートル)で、一般道のトンネルとしては当時九州一の長さであった[12]。幅員は6(8.5)メートル、高さは4.5メートル。NATM工法で建設され、標高700メートル付近を貫く。総事業費は約140億円でそのうち約70億円が国見トンネルに費やされた。事業中の1995年にはトンネル内でのAMラジオの再送信が検討されたものの、「ラジオが受信できない」との理由で見送られている[13]
当バイパスの全通により、40分(19.4キロメートル)掛かった国見峠の区間を10分程度で走行できるようになった。また、椎葉村から五ヶ瀬町への所要時間も1時間50分から1時間20分と30分短縮され、同村中心部の生徒は自宅から高等学校へ通学できるようになった[14]
  • 中椎葉バイパス
  • 軍谷バイパス
  • 下椎葉拡幅
  • 鹿野遊バイパス
  • 上椎葉バイパス
  • 尾股峠バイパス(建設中)

重複区間

道路施設

トンネル

  • 国見トンネル(長さ:2777m)
  • 鹿野遊トンネル
  • 中椎葉トンネル
  • 新軍谷トンネル
  • 下椎葉第一隧道
  • 下椎葉第二隧道
  • 若宮トンネル
  • 佐礼隧道(高さ制限3.6mあり)
  • 二瀬本隧道
  • 高森峠トンネル(国道325号重複)
  • 音ヶ瀬トンネル
  • 竹原トンネル

地理

通過する自治体

交差する道路

脚注

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注釈

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出典

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参考文献

  • 『宮崎日日新聞』 宮崎日日新聞社、1996年8月1日、3頁、12頁。

関連項目

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外部リンク

  • 1.0 1.1 1.2 『宮崎県大百科事典』(一般国道265号・国見峠の項目) 宮崎日日新聞社、1983年。
  • 2.0 2.1 ツーリングマップルR 九州・沖縄』(昭文社、2007年1版1刷 ISBN 978-4-398-65707-7)では、国見トンネルの開通まで国道265号であった国見峠(椎葉村 - 五ヶ瀬町)を、「酷道」と表現している。また、『ドライブベストコース100(九州)』(昭文社、1996年4月 ISBN 978-4398223739)では、椎葉村 - 五ヶ瀬町のルートとして国道503号の飯干峠経由のルートを推奨したうえで、国道265号を「マニア向け」と表現している。
  • 「酷道」を扱ったムック本『酷道をゆく』(イカロス出版、2008年2月 ISBN 978-4863200258)にも紹介されている。
  • テンプレート:Cite web
  • テンプレート:Cite web
  • テンプレート:Cite web
  • テンプレート:Wikisource-inline
  • 一般国道の路線を指定する政令(昭和40年3月29日政令第58号)
  • 九州地方整備局の走りやすさナビにおいても、最低ランクの「D」とされていない。
  • 西日本新聞』 1995年5月21日21頁、宮崎版。
  • 『宮崎日日新聞』 1993年2月9日、3面。
  • 後に鹿児島県道561号の国見トンネル(肝付町)が最長となり、現在は国道267号久七トンネル伊佐市-人吉市間)が一般道としては最長となる。
  • 夕刊デイリー新聞』 1995年5月23日1頁。
  • 椎葉村社会科副読本』86頁 椎葉村教育委員会、1999年。

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