三菱・ランサーエボリューション

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テンプレート:Pathnav ランサーエボリューションLANCER Evolution 、ランエボ)は、三菱自動車工業が生産・販売する自動車である。

目次

概要

ランサー(最新モデルの日本名はギャランフォルティス)をベースに、2,000ccハイパワーターボエンジンを搭載したスポーツモデルであり、公道走行を前提に快適装備を備えたGSRと、競技用ベースモデルの RS の2グレードで展開されている(VIIおよびワゴンではオートマチックのGT-A、IXではGTを追加でラインナップ)。通称ランエボ[1]。ただ単にエボと呼ばれたり(三菱もエボと呼んでいる)、モデルを識別するためにエボ○(○は数字が入る)と呼ばれることもある。エボI〜III、エボIV〜VI、エボVII〜IX、エボXでそれぞれベースモデルが切り替わっているため、第1世代、第2世代、第3世代、第4世代という呼び分け方をされる。

現行のランサーエボリューションはWRCとの関係が次第に希薄化しているものの、他のモータースポーツカテゴリーではその存在感は健在である。また、VIIIからは日本国外での市場に正式に輸出が開始されるなど、国内外における三菱のイメージリーダーとして位置付けられている。

国内でも海外でも評価が高く人気のため、車両盗難に遭うケースが非常に多く、エボVIII以降のモデルからはイモビライザーが標準装備されている。2007年には船橋市で盗難を防ごうとしたオーナーが亡くなる事件が発生した(犯人は後に逮捕された[2])。

第1世代(CD9A/CE9A)

ランサーエボリューション

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歴史

1992年9月
  • 発売。型式名“E-CD9A”。通称“エボI”。
  • E39A型ギャランVR-44G63型ターボエンジンをランサーに移植した、ランサーエボリューションシリーズ初代モデルで、エンジン出力はギャランに搭載されているものより10PS高い250PS。車重はギャランVR-4に比べ150kg以上も軽く、戦闘力の向上が図られた。
  • WRCの出場資格を取得するため、ランサーGSR1800をベースにギャランに搭載されていた4G63型ターボエンジンとドライブトレインを、半ば強引に移植されて開発された(ランサーの中でも、車体強度が高めに生産されていた、中東向けのシャシーをベース)。しかし、FIAのホモロゲーション取得のため間に合わせで開発されたため、AWDに見られるアンダーステア傾向が強く、コーナーが曲がれないと不評であった。FIAのホモロゲーション取得のために生産されたモデルであったため、テレビCMや店頭での告知などは一切なかった。2,500台の限定車で、弱気な販売姿勢だったにもかかわらず、わずか3日で完売した。それを受けて、さらに2,500台が追加販売された。
  • 用意されたボデーカラーは、スコーティアホワイト・グレースシルバー・コルトンレッド・ピレネーブラック・サンタムールグリーン
  • WRC Gr.Aにワークス参戦したのは1993年第1戦ラリー・モンテカルロから1994年第3戦サファリラリーまでの8戦で、最高順位は1993年第13戦RACラリーと1994年第3戦サファリラリーの第2位。

グレード体系

グレード エンジン型式 エンジン 排気量 最大出力 最大トルク 変速機 車重 価格 生産台数
RSエボリューション 4G63(ターボ) 直列4気筒DOHC16バルブICターボ 1,997cc 250ps/6,000rpm 31.5kg・m/3,000rpm 5速MT 1,170kg 2,208,000円 1,816台
GSRエボリューション 1,240kg 2,738,000円 5,812台

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ランサーエボリューションII

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歴史

1994年1月
  • 発売。型式名“E-CE9A”。通称“エボII”。
  • 前モデルと同じく台数限定での販売。前モデルの問題点を徹底的に洗い出し、改良したモデル。不評を買った足回りの見直し、ボディ剛性の向上、ギヤ比のローギアード化、タイヤサイズの拡大(エボI 195/55R15→エボII 205/60R15)、ホイールベースおよびトレッドの拡大、エンジン内部と吸排気の改良などが行われ、出力は260PSに向上した。外観は前モデルからあまり変更はないが、走行性能は大幅に改善された。
  • しかし、出力に対しブレーキやタイヤの容量が不足しており、耐フェード性やタイヤのグリップの持続性に欠ける。エボIIIとエボIVでも同様の傾向が見られる。エボVで大幅なタイヤサイズの拡大とブレーキの強化が行われ、ようやくこの問題は解消された。
  • 用意されたボデーカラーは、スコーティアホワイト・クイーンズシルバー・モナコレッド・ピレネーブラック・ムーンライトブルー
  • WRC Gr.Aに1994年第5戦アクロポリス・ラリーから1995年第2戦スウェディッシュ・ラリーまでの5戦に参戦し、1995年第2戦スウェディッシュ・ラリーにはランサーエボリューションシリーズとして初優勝を飾った。

グレード体系

グレード エンジン型式 エンジン 排気量 最大出力 最大トルク 変速機 車重 価格 生産台数
RSエボリューションII 4G63(ターボ) 直列4気筒DOHC16バルブICターボ 1,997cc 260ps/6,000rpm 31.5kg・m/3,000rpm 5速MT 1,180kg 2,308,000円 1,059台
GSRエボリューションII 1,250kg 2,898,000円 5,225台

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ランサーエボリューションIII

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歴史

1995年1月
  • 発売。型式名“E-CE9A”。通称“エボIII”。
  • エボIIで完成された基本構造を引き継ぎ、エンジンの冷却性能や空力性能の向上を目的に開発された。市販車でも異例の大型のリアスポイラーや、開口部の大きいフロントバンパーを備える。外装だけでなくエンジンにも改良が加えられ、出力を270PSまで向上させた。
  • しかし大幅な出力向上のため、比較的高い圧縮比(ターボエンジンの平均的な圧縮比が8〜8.5、エボIIIの圧縮比は9)を採用した結果、少し過給圧を上昇させるだけでもトラブルが発生しやすくなった。対策として、エボIIのピストン(後にエボIX用ピストン)を流用し圧縮比を下げ、カムシャフトを交換することで、オーバーラップを大きく取って圧縮圧力を逃がす、などの方法がある。
  • エボIやエボIIと比べ、派手なエアロパーツや高性能な機構を搭載するため、歴代ランエボの中でも人気がある。また、WRCでも好成績を残し、他のWRC参戦メーカーからも開発の参考とされた。
  • また、ターボラグの解消を目的として、2次エア供給システム(PCCS)が搭載されている。しかし、WRCでの使用を目的としたシステムであり、WRCの規定上、市販車にも同様の機構を搭載する必要があるため搭載されたもので、市販車では動作しないように設定されている。大径タービンを搭載するエボIIIには、特に有効なシステムであった。
  • 用意されたボデーカラーは、スコーティアホワイト・クイーンズシルバー・モナコレッド・ピレネーブラック・ダンデライオンイエロー
  • WRC Gr.Aに1995年第4戦ツール・ド・コルスから1996年第9戦ラリー・カタルーニャまで14戦に参戦し、1995年第4戦ラリー・オーストラリア、1996年第1戦スウェディッシュ・ラリー、第2戦サファリ・ラリー、第5戦ラリー・アルゼンチン、第6戦1000湖ラリー、第7戦ラリー・オーストラリアで優勝した。

グレード体系

グレード エンジン型式 エンジン 排気量 最大出力 最大トルク 変速機 車重 価格 生産台数
RSエボリューションIII 4G63(ターボ) 直列4気筒DOHC16バルブICターボ 1,997cc 270ps/6,250rpm 31.5kg・m/3,000rpm 5速MT 1,190kg 2,378,000円 1,082台
GSRエボリューションIII 1,260kg 2,968,000円 8,998台

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第2世代(CN9A/CP9A)

ランサーエボリューションIV

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歴史

1996年8月
  • 発売。型式名“E-CN9A”。通称“エボIV”。
  • ベースモデルのランサーが前年にフルモデルチェンジしたため、ボディを新型に刷新した。同時に、第一世代に対しエンジン搭載方向を左右反転させ、トランスミッション内部に設けられていたインターミディエイトギヤ(カウンターシャフトと同じ役割)を廃止したため、駆動ロスを軽減し、全く違うともいえる車に進化した。本モデル最大の特徴はGSRに搭載された、左右の後輪への駆動力を変化させ、旋回性を向上させるアクティブ・ヨー・コントロール(AYC)である。AYCの採用により、エボIIIに比べて大幅に旋回性能を向上させた。
  • しかし、エボIVに搭載されたAYCは比較的完成度が低く、異音が発生するトラブルが多発した。対策として、AYCの作動油の交換や、AYCの調整を行うことで一時的に異音をなくすことができたが、根本的な解決にはならなかった。そのため、HKS関西サービスが発売したコンパクトLSDに交換することが多く見られた。サーキットやジムカーナ等の競技用途では、フロントにヘリカルLSD、リアに1.5WAY機械式LSDが装着された、競技用グレードのRSが用いられた。フロントデフはGSRではオープンデフが採用されている。
  • エンジンは鍛造ピストン、ツインスクロールターボの採用、PCCSおよびタービンのノズル面積アップ、ブースト圧のアップにより出力を当時の自主規制値いっぱいの280PSまで向上させた。しかし、本モデルで採用された鍛造ピストンは過給圧の上昇に弱く、エボVでは再び鋳造ピストンが採用された。対策のため、エボV以降のピストンに交換する、などの方法がある。エアロパーツは、エボIIIでリアスポイラーを大型化した結果、前後の揚力バランスが取れなくなったため、バランスを見直して設計されている。これによりフロントゼロリフト、空気抵抗係数(Cd値)0.30を実現した。
  • 歴代のエボ同様に限定生産という形を取ったが、センセーショナルな形が人気を呼び歴代モデルの中では最も生産台数が多い。ただしフルモデルチェンジ後の最初のモデルということでトラブルが多いことが欠点だが、歴代モデルの中でも派手ながらもまとまったデザインであることや、5ナンバーで開発された最終モデルであることなどを好むオーナーも多い。
  • 用意されたボデーカラーは、スコーティアホワイト・スティールシルバー・パルマーレッド・ピレネーブラック・アイセルブルー
  • WRC Gr.Aに1997年第1戦ラリー・モンテカルロから1998年第4戦ラリー・ド・ポルトガルまでの18戦に参戦し、1997年第4戦ラリー・ド・ポルトガル、第5戦ラリー・カタルーニャ、第7戦ラリー・アルゼンチン、第10戦ラリー・フィンランド、1998年第2戦スウェーディッシュ・ラリー、第3戦サファリ・ラリーで優勝、1997年シーズンのドライバーズチャンピオンをトミ・マキネンが獲得した。

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グレード体系

グレード エンジン型式 エンジン 排気量 最大出力 最大トルク 変速機 車重 価格 生産台数
RSエボリューションIV 4G63(ターボ) 直列4気筒DOHC16バルブICターボ 1,997cc 280ps/6,500rpm 36.0kg・m/3,000rpm 5速MT 1,260kg 2,498,000円 941台
GSRエボリューションIV 1,350kg 2,998,000円 12,193台

ランサーエボリューションV

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歴史

1998年1月
  • 発売。型式名“GF-CP9A”。通称“エボV”。
  • エボIV以前のモデルの欠点である、ブレーキやタイヤ容量の不足を改善するため、またWRCにおいてWRカーに対抗すべく3ナンバーサイズとなる車幅1,770mmのワイドボディを初めて採用し、タイヤサイズの拡大(エボIV 205/50R16→エボV 225/45R17)、フロント17インチ4ポット・リア16インチ2ポット対向のブレンボ社製キャリパーが採用された。さらに、フロントにヘリカルLSDを装着した(RSはオプション)ことにより、制動力や走行性能、旋回性能などが大幅に改善された。
  • その他、フロント倒立式ストラット、アルミ鍛造ロワアーム、角度調整式リアスポイラー、ノズル面積がアップさせたタービン(エボIV 9cm²→エボV 10.5cm²)、16ビットECUなどが採用された。
  • 馬力はエボIVと変わらず280PSであるが、タービンノズル面積アップおよびブースト圧のアップによりトルクがエボIV比で+2kg-mの38.0kg-mに向上した。
  • 本モデルは、WRCやサーキットにおいても好成績を残した。WRCでは、改造範囲の狭いグループA規定の車両でありながら、比較的改造範囲の広いWRカー規定の車両を圧倒して、マニュファクチャラーズチャンピオン、ドライバーズチャンピオン、グループN優勝という偉業を成し遂げた。筑波サーキットで開催されたチューニングカーのタイムアタックでは、車格が上の大排気量スポーツカーの記録を上回ることも多かった。
  • 本モデルは、歴代ランサーエボリューションの中でも比較的人気が高い。
  • 用意されたボデーカラーは、スコーティアホワイト・サテライトシルバー・パルマーレッド・ピレネーブラック・ダンデライオニエロー
  • WRC Gr.Aに1998年第5戦ラリー・カタルーニャから第13戦ラリー・オブ・グレートブリテンまでの9戦に参戦し、第7戦ラリー・アルゼンチン、第10戦ラリー・フィンランド、第11戦ラリー・サンレモ、第13戦ラリー・オブ・グレートブリテンで優勝し、三菱初となるマニュファクチャラーズタイトル、トミ・マキネンのドライバーズタイトル、さらにはGr.Nでもタイトルを獲得し、名実共に世界最速のラリーカーとなった。

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グレード体系

グレード エンジン型式 エンジン 排気量 最大出力 最大トルク 変速機 車重 価格 生産台数
RSエボリューションV 4G63(ターボ) 直列4気筒DOHC16バルブICターボ 1,997cc 280ps/6,500rpm 38.0kg・m/3,000rpm 5速MT 1,260kg 2,598,000円 678台
GSRエボリューションV 1,360kg 3,248,000円 6,939台

ランサーエボリューションVI

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歴史

1999年1月
  • 発売。型式名"GF-CP9A"。通称"エボVI"。
  • 卓越した運動性能で好評を得たエボVをベースに、さらに高次元における性能細部の玉成によるポテンシャルアップを図ると共に、'99WRCラリーレギュレーションへ対応するための外観変更を含めた内外観のリフレッシュを図るため開発された。
  • 空気抵抗および冷却性能、またフロントリフトの改善を目的として、ナンバープレート位置を中央から左側に変更、フォグランプの小径化などによる前面開口部形状の拡大、リアスポイラーの2段ウイング化などで、空力が改善された。しかし、WRC Gr.A規定では問題なかったが、翼面積がWRカー規定の2倍近くになるとしてFIAが指導したため、下段とトランクの間にある隙間をカーボンケブラーで塞ぎ、上段ウィングのみが機能するようになっている。前モデルのエボVで、硬めにセッティングされた足回りが街乗りには向かないことが不評であったため、フロントサスのロールセンター軸をエボV比で30mm低く設定することで、多少ソフトなセッティングに変更された。しかし、競技目的には向かず、全日本ラリー等ではエボVに勝つことができないという、ある種の「退化」を起こしている。そのため、競技用グレードのRSではエボVと同セッティングの足回りをオプションで選択可能となっている。
  • エンジンの馬力・トルクはエボVと変わらないが、冷却オイル路内蔵のクーリングチャンネル式ピストンの採用や冷却水レイアウトの変更、オイルクーラーの大型化など、エンジンの耐久性と信頼性を向上させている。また、RSには純正でチタンアルミ合金製タービンが採用され、タービンブレードの慣性力を50%低減している。
  • 用意されたボデーカラーは、スコーティアホワイト・サテライトシルバー・ピレネーブラック・アイセルブルー・ランスブルー
  • WRC Gr.Aに1999年第1戦モンテカルロから2001年第10戦ニュージーランドまでの38戦に参戦し、1999年シーズンは第1戦モンテカルロ、第2戦スウェーディッシュ・ラリー、第4戦ポルトガル、第9戦ニュージーランド、第12戦サンレモで優勝し、3年連続となるドライバーズタイトルをトミ・マキネンが獲得した。2000年シーズンは第1戦モンテカルロで優勝し、第9戦ニュージーランドからはフロントバンパーがTMEを模したものに変更された。2001年シーズンは第1戦モンテカルロ、第3戦ポルトガル、第8戦サファリで優勝したが、セディアベースのWRカーへの移行に伴い、市販のランエボをベースにしたワークスマシンの系譜は終焉を迎えた。


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グレード体系

グレード エンジン型式 エンジン 排気量 最大出力 最大トルク 変速機 車重 価格 生産台数
RSエボリューションVI 4G63(ターボ) 直列4気筒DOHC16バルブICターボ 1,997cc 280ps/6,500rpm 38.0kg・m/3,000rpm 5速MT 1,260kg 2,598,000円 726台
GSRエボリューションVI 1,360kg 3,248,000円 6,868台

ランサーエボリューションVI トミ・マキネンエディション(Tommi.Makinen Edition)

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歴史

1999年12月
  • 発売。型式名“GF-CP9A”。通称“エボVI T.M.E”または“エボ6.5”。
  • 当時の三菱のWRCワークスドライバー、トミ・マキネンの4年連続ドライバーズ・チャンピオン獲得を記念して、同選手の名前を冠したモデル。比較的高速なターマック(舗装路)ラリーを意識して前部のバンパー形状を見直し、フォグランプ設置部の廃止により空力を改善した。
  • 足回りは従来より10mmダウンしたサスペンションを採用。また、標準型エボVIの足回りの替わりに、ターマックでの競技と相性が良いエボVの硬い足回りが標準採用された。(注文により標準エボVIの物に変更可能だった)その他、クイックステアリングギアが採用され、競技で運転しやすい仕様となっている。イリジウムプラグや、プラスチック製クーリングパネルも採用された。タービンが標準でチタンアルミ合金製になった事と、コンプレッサーホイール径の縮小により、最大トルクの発生回転数がエボV、エボVIよりも低くなった(エボV、エボVI 3,000rpm→エボVI TM E 2,750rpm)。マフラーもVIまでの楕円のテールから真円の大口径マフラーへ変更されている。出力などの動力性能での大きな変更点はなかったが、完成度は確実に上がっていた。
  • インテリアは黒色と赤色が基調になり、シフトノブとシフトレバーブーツ及びステアリングホイールはレッドステッチが施されたものを採用、計器類も赤い文字盤となり、TOMMI MAKINENと書かれた赤いレカロ社製シートも採用された。ホイールは、OZ社製の15本スポークホイールからENKEI社製の10本スポークホイールに変更された。パッションレッド・ボディーカラー車には、WRCワークスマシンをイメージしたスペシャルカラーリングパッケージがオプションで設定された。
  • WRCのGr.Aホモロゲーションを取得しなかったのはランサーエボリューション史上初である。2000年シーズンに使用されたワークスマシンはフロントバンパーの形状は似ているものの、サイドのカナード形状がダウンフォースを発生させるとして縮小されている。グラベルでの使用に対してはリップ部分も最初から外されていたため、比較的おとなしい外観となっていた。
  • 用意されたボデーカラーは、スコーティアホワイト・サテライトシルバー・ピレネーブラック・カナルブルー・パッションレッド

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グレード体系

グレード エンジン型式 エンジン 排気量 最大出力 最大トルク 変速機 車重 価格 生産台数
RSエボリューションVI
トミー・マキネンエディション
4G63(ターボ) 直列4気筒DOHC16バルブICターボ 1,997cc 280ps/6,500rpm 38.0kg・m/3,000rpm 5速MT 1,260kg 2,598,000円 678台
GSRエボリューションVI
トミー・マキネンエディション
38.0kg・m/2,750rpm 1,360kg 3,278,000円 2,021台
GSRエボリューションVI
トミー・マキネンエディション
スペシャルカラーリングパッケージ
38.0kg・m/2,750rpm 1,360kg 3,298,000円 212台

第3世代(セダン:CT9A/ワゴン:CT9W)

ランサーエボリューションVII

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歴史

2001年2月
  • 発売。型式名“GH-CT9A”。通称“エボVII”
  • ベースモデルは前年にフルモデルチェンジしたランサーセディアになり、エボVI以前のモデルと比べ、おとなしい外観となった。新開発のボディは、サスペンション取付部やボディフレーム結合部の補強や、専用リーンフォースメントの追加、スポット溶接の追加、ストラットタワーパーの採用などにより、エボVI比1.5倍の曲げ剛性を実現した。またランサーエボリューションVIIからヘッドライトにHIDが採用され、以降のエボシリーズはGSRグレードにHIDが標準装備されている。
  • ベースモデルのランサーセディアのボディが大型化したことや、アクティブ・センター・ディファレンシャル(ACD)の新規採用による重量増から、「大型ボディと重さで運動性が悪くなる」「エボの進化はVIまで」という前評判が囁かれていた が、実際にはそのような問題は杞憂であった。
  • 前後輪の差動制限を電子制御するACD(電子制御可変多板クラッチ機構)をエボVIIで新規採用した。道路のコンディションに合わせて、『ターマック(舗装路)』・『グラベル(未舗装路)』・『スノー(雪道)』の3モードを車内のスイッチで切り替え、センターデフをコントロール可能で、パーキングブレーキ作動時に作動制限をフリーにする機能も採用された。この機能により、ラリーやジムカーナなどの競技での急旋回が容易になり、前モデルにも増して、旋回性能を高めた。ギア比もエボVI比で、1速がローギアード化され、5速はハイギアード化された。また、これだけの変更点を持ちながら車両本体価格はGSRで299万円[3]と、エボVIよりも安価[4]になり、バーゲンプライスとも取れるほどの価格設定となった。
  • なお、このモデルより三菱はWRCでの活動をグループAからCS2A・ランサーセディアをベースとしたWRカーに移行(ネーミングのみエボリューションを継承)するが、実際にはエボとランサーセディアで全長などの違いから、ランサーセディアのファミリーだと認められず、WRカー規定のホモロゲーションが取得できなかった。そのためエボはグループNおよび全日本ラリーやスーパー耐久などの国内レース向けのモデルに特化していくことになる。

グレード体系

グレード エンジン型式 エンジン 排気量 最大出力 最大トルク 変速機 車重 価格
RSエボリューションVII 4G63(ターボ) 直列4気筒DOHC16バルブICターボ 1,997cc 280ps/6,500rpm 39.0kg・m/3,500rpm 5速MT 1,320kg 2,518,000円
GSRエボリューションVII 1,400kg 2,998,000円

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ランサーエボリューションVII GT-A

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歴史

2002年1月
  • 発売。型式名“GH-CT9A”。通称“エボVII GT-A”。
  • ランエボ初のAT採用モデルとして追加販売された。「INVECS-II」と呼ばれるスポーツモード付き5速AT採用によりスポーツセダン需要の取り込みを図ったが、ランエボの進化の過程とオートマチックトランスミッションは両立しがたいものがあった。
  • オートマチックトランスミッションの特性を考慮し、エンジン出力を272PSに落としてピークパワーよりも中・低回転域のトルクを重視したセッティングを採用した。また、競技車輌としてのホモロゲーションを取得していなかった(現在は日本自動車連盟認定済み)ためにアンチラグシステムは不要として、PCCS用パイピングは省かれている。内装は、ランエボ初の本革シートをオプションで用意しスポーツ性一辺倒であった性格を転換させた他、ランエボでは恒例だったMOMO製ステアリングを変速ボタン(ステアマチック)を組み合わせた自社製に変更。外観はシティユースを重視した仕様とし、リアウイングを専用設計の小型のものを標準で装備した(GSRと同じ大型リアウイング、ならびにウイングレス仕様をオプションで選択可能とした)。
  • フロント周りは、ATクーラーの装備に伴ってバンパー左側に通風口が設けられたため、ナンバープレートをバンパー中央部にマウントした。その他、無骨なイメージの転換を目的として、ボンネット上のエアアウトレット・エアインテークも廃している。

グレード体系

グレード エンジン型式 エンジン 排気量 最大出力 最大トルク 変速機 車重 価格
エボリューションVII GT-A 4G63(ターボ) 直列4気筒DOHC16バルブICターボ 1,997cc 272ps/6,500rpm 35.0kg・m/3,000rpm 5速AT 1,480kg 3,300,000円

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ランサーエボリューションVIII

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歴史

2003年1月
  • 発売。型式名“GH-CT9A”。通称“エボVIII”。
  • ダイムラー・クライスラーより移籍したデザイナー、オリビエ・ブーレイが三菱車共通のアイデンティティとして提唱した、富士山型のグリルが採用された。コンサバティブな長方形グリルから先述の富士山型グリル(通称「ブーレイ顔」)への変更は発売当時は不評を買い、ラジエターの冷却性低下や空気抵抗の増大を招いた。そのため、性能一辺倒を貫いてきたランエボらしくない“退化”である、と見る向きもある。
  • もっとも、メカニズムにおいては先代のエボVIIより、着実に進化を果たしており、特にトランスミッションは6速MT化(愛知機械工業製)されている(RSには5速MT仕様も設定)。
  • 基本的にグレードはGSRとRSの2種類である。両者ではヘッドライト点灯時のテールランプ点灯パターンに違いがある。ヘッドライト点灯時、GSRはテールランプが4個とも点灯するが、RSは奥の2個のみが点灯し、ブレーキを踏んだ時のみ4個全てが点灯する。
  • AYCの内部構造を見直し、制御トルク量を増加させたスーパーAYCを採用(RSは純正で1.5WAY機械式LSD、スーパーAYCはオプション)。リアスポイラーが量産セダン世界初のカーボン製になった。またこのモデルから日本国外への輸出が正式に開始された。スーパーAYCの性能と評価は高く、操縦性でライバルのインプレッサを超えたとさえ言われた。ただし、輸出モデルにはACDは搭載されていない。また、年々増加している盗難対策に、本モデルからはイモビライザーが全グレード標準装備となった。

グレード体系

グレード エンジン型式 エンジン 排気量 最大出力 最大トルク 変速機 車重 価格
RSエボリューションVIII 4G63(ターボ) 直列4気筒DOHC16バルブICターボ 1,997cc 280ps/6,500rpm 40.0kg・m/3,500rpm 5速MT 1,320kg 2,518,000円
RSエボリューションVIII 6速MT 1,350kg 3,160,000円
GSRエボリューションVIII 1,410kg 3,298,000円

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ランサーエボリューションVIII MR

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歴史

2004年2月
  • 発売。型式名“GH-CT9A”。通称“エボVIII MR”または“エボ8.5”。
  • ギャランGTOから続くMitsubishi Racingを意味するMRのネーミングを冠した、エボVIIIの熟成型モデル。その変更箇所は数多く、新たに「エボIX」を名乗っても不思議ではないほどの改良が加えられていた。
  • ビルシュタイン社製ダンパーを採用し、ドア内部のサイドインパクトバーをアルミ化、量産車で初となるアルミルーフの採用により、約10kgの軽量化を達成した。またオプションとしてルーフ上に取り付ける「ボルテックス・ジェネレーター」が用意された。アルミホイールはエボVIIIのエンケイ社製の17インチ6本スポークに加え、BBS社製の17インチ鍛造軽量アルミホイールがメーカーオプションとなった(エボIX、エボワゴンにもメーカーオプションで設定される)。外見上のエボVIIIとの相違点は、ヘッドライトリアコンビランプがブラックアウト、ウイング翼端板のガンメタリック(アイゼングレー)塗色化、アルミルーフ採用に伴うルーフパネル端部のプレスリブに留まる。また、このモデルではタービンがエボVおよびエボVIと同じ大容量タービンが採用され(GSRとRS6速MT車のみ。RS5速MT車はエボVII、エボVIIIと同じタービン)、カムプロフィールもVIIIに比べ高回転向きに変更されている。また、CT系(いわゆる第3世代エボ)中で一番、車体重量が軽量である。

グレード体系

グレード エンジン型式 エンジン 排気量 最大出力 最大トルク 変速機 車重 価格
RSエボリューションVIII MR 4G63(ターボ) 直列4気筒DOHC16バルブICターボ 1,997cc 280ps/6,500rpm 40.0kg・m/3,500rpm 5速MT 1,310kg 2,740,000円
(2,877,000円)
RSエボリューションVIII MR 40.8kg・m/3,500rpm 6速MT 1,360kg 3,275,000円
(3,438,750円)
GSRエボリューションVIII MR 1,400kg 3,398,000円
(3,567,900円)

テンプレート:-

ランサーエボリューションIX

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歴史

2005年3月
  • 発売。型式名“GH-CT9A”。通称“エボIX”。
  • ランエボに搭載されるエンジンとして初の連続可変バルブタイミング機構MIVECを採用[5]、最大トルク(GSR:40.8kg-m、RS/GT:41.5kg-m)発生回転数がエボVIII MRの3,500rpmから3,000rpmに下がり、また今回からターボのコンプレッサーハウジングを変更、コンプレッサーホイールにマグネシウム合金を(GSRではオプションとして)採用し、従来のアルミニウム合金よりもレスポンス向上を図った。その結果、低回転域のトルクアップおよびトルクバンド幅の増大と高回転域でのレスポンスが向上した。
しかし、マグネシウムコンプレッサー仕様は、過給圧を上昇させるとコンプレッサーブレードが割れやすいことが報告されている。GSR用などのアルミニウムコンプレッサー仕様に交換する事により解消が可能であるが、高額な部品であるためユーザーの負担は大きい。2005年12月以降生産分については対策品がつけられており、部品番号の末尾が0から1に変更されている。
  • 本モデルから、GSRとRSの中間グレードとしてGTがラインナップに加えられた。GTはリアデフにRSの機械式1.5WAY、5速MT、リア薄板ガラス、マグネシウム合金ターボを標準装備し、その他のボディーカラーの選択、オートエアコン・キーレスエントリーなどの快適装備、ビルシュタイン社製ダンパー(レスオプション可)、ブレンボ社製ブレーキなどの足回りなどはGSRと同じである。車両本体価格はGSRより抑えられており、車重もGSRより約20kg軽い。なお、本モデルからは、グレードに関係なくスペアタイヤを載せず、パンク修理キットでの対応に変更され、更なる軽量化が図られている。
  • その他、エボVIII MRから基本コンポーネンツ(スーパーAYC(RSおよびGTでは機械式LSDだが、RSはオプションで選択可能)、ACD、ビルシュタイン社製ダンパー採用、ルーフやドア内部のサイドインパクトバーをアルミ化、ルーフのアルミ化など)は変わらないものの、不評を受け、VIIIで採用されていた先述のブーレイ顔が廃止され、スーパー耐久仕様のフロントバンパーに近似したデザインのものとなった。またリアバンパー中央部にディフューザーを装備し空力を向上させ、リアの車高を5mm落し接地性向上を図った(これはGSRのみで、GT及びRSの車高変更はなされていない)。

グレード体系

グレード エンジン型式 エンジン 排気量 最大出力 最大トルク 変速機 車重 価格
RSエボリューションIX 4G63 MIVEC(ターボ) 直列4気筒DOHC16バルブICターボ 1,997cc 280ps/6,500rpm 41.5kg・m/3,000rpm 5速MT 1,320kg 2,940,000円
GTエボリューションIX 1,390kg 3,318,000円
GSRエボリューションIX 40.8kg・m/3,000rpm 6速MT 1,410kg 3,570,000円

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ランサーエボリューションワゴン

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歴史

2005年9月
  • 発売。型式名“GH-CT9W”。通称“エボワゴン”。
  • ランエボ初のステーションワゴン形状として登場、エボIXのシャーシをベースとし、ランサーワゴンの「上半分」を溶接して製造された。6速MT搭載のGTと5速AT搭載のGT-Aをラインナップした。
  • GTはエボIXのエンジンと同じMIVECを搭載し、280PS/6,500rpm・40.0kg-m/3,000rpmの出力を発揮する。GT-AはエボVIIGT-Aと同じエンジンを搭載し、272PS/6,500rpm・35.0kg-m/3,000rpmと、GTに比べ抑え目の出力を発揮する。GT-Aのナンバーが中央にあるの理由は、GTのナンバー位置だとAT用オイルクーラーの邪魔をしてしまうため中央になった。反対側にはエンジンオイルクーラーがある。
  • 通常のランサーワゴンとは外観こそ似ているものの、ボディの骨格構造からして異なる。シャーシは基より外観も、フロントマスクを初めとして、リアブリスターフェンダーなどランエボ譲りの相違点を持つ。なおリアルーフスポイラーはランサー(セディア)ワゴンに設定されていた「ラリーアートエディション」のものを流用している。
  • 一般的にワゴン車は、同設計のセダンと比較してボディ剛性面で劣るとされるが、エボワゴンの場合、それを補うためのバックドア開口部への重点的なスポット溶接等により、280PSを発揮するエンジンパワーに負けないよう、十分な剛性を持って設計されている。そのため、リアの車重が増加することとなったが、FFベースで開発されたランエボが元々フロントヘビーであったことにより、前後の重量配分が改善された。その結果、リアのトラクションの向上が見られたという(自動車評論家の中には、ベースのセダンと比較して、操縦性についてはむしろ好ましいとする意見もある)。また、スーパー耐久に参戦した際、空力特性に優れるワゴンボディ形状が作用して、ストレートでの最高速がセダンよりも伸び、適正な重量配分によりコーナリング中の挙動にも安定性の向上がみられた。しかし、絶対的な重量はセダン比で増加しているため、ブレーキングポイントがセダンよりも手前になってしまう、コーナリング中の速度が上げられないなどの弱点を持つため、セダンの牙城を崩すには至らなかった。
  • シャーシやパワートレインはエボIXやエボVIII MRのキャリーオーバーであるが、リアデファレンシャルギアはAYCではなく、1.5WAY機械式LSDがGT・GT-A共に採用された。これは、重量化した車重や、荷物を積載した際の負荷に対して、耐久性を確保するためであると思われる。もっとも、セダンでもAYCはGSRグレードにのみ搭載される機構であり、ワゴンにGSRが設定されなかったことが理由である可能性もあるため、あくまで推測の域を出ない。
  • その他、ワゴンとしての使い勝手を考慮し、リアシート収納によるシートアレンジ(2〜3名乗車)により、フラットで大容量なラゲッジスペースを確保できる。ユーティリティ面ではラゲッジスペースに12Vのアクセサリーソケットを装備するなど、走行性能に関わる装備以外も充実している。

グレード体系

グレード エンジン型式 エンジン 排気量 最大出力 最大トルク 変速機 車重 価格
エボリューションGT-A 4G63(ターボ) 直列4気筒DOHC16バルブICターボ 1,997cc 272ps/6,500rpm 35.0kg・m/3,000rpm 5速AT 1,540kg 3,412,500円
エボリューションGT 4G63 MIVEC(ターボ) 280ps/6,500rpm 40.0kg・m/3,000rpm 6速MT 1,500kg 3,465,000円

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ランサーエボリューションIX MR・ランサーエボリューションワゴン MR

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歴史

2006年8月29日
  • 発売。ランサーエボリューションIX MRの型式名は"GH-CT9A"。通称"エボIX MR"または"エボ9.5"。ランサーエボリューションワゴン MRの型式名は"GH-CT9W"。通称"エボワゴン MR"。
  • Mitsubishi Racingを意味するMRのネーミングを冠したエボIX及びエボワゴンの熟成型であり、同時にランエボとしては、4G63型ターボエンジンを搭載する最後のモデルになっている。セダンがGSRとRS、ワゴンがGTとGT-Aという、それぞれ2グレードずつ、合計4グレードが発売される。
  • エボIX、ワゴンからのエンジン系の大きな変化はなされず、レスポンスアップを狙ってタービン入口の小径化(下記参照)がされた。また、シートの縫い目を赤ステッチへ変更。内装パネルのピアノブラック化、フロントヘッドライト内部のブラックメッキ化、ヘッドライトのオートレベライザーの追加によりミラースイッチの移動。フロントエアダム下部の形状変更、揚力の低減と気流の制御により、さらなる空力特性の向上を図っている。アイバッハ社製コイルスプリングが、GSRでは標準、RSではセットオプションで設定される。このスプリングを装着することで、フロントで-10mm、リアで-5mm車高が変更され、より低重心化を図っている。最高出力とトルク、また発生回転数などはエボIXから変化しないが、MIVECターボのセッティングや制御の最適化・ファインチューニングが成され、さらにレスポンスを向上させている。ACD・スーパーAYCのセッティングも変更され、旋回性を向上させている。IXのエボワゴンに存在したサンルーフのメーカーオプション設定はなくなった。
  • 正式発表前より、「4グレード総計で1,500台限定の希少性」として、希少性を重視した予約販売が行われたが、人気車種であるため例に漏れず、追加生産が行われた。(RSは予約の時点ですでに生産割当台数をオーバーしていた)追加生産分のバックオーダーを含めると総生産台数としては、2,500台程度と噂される。
  • ターボチャージャーは、コンプレッサーホイール入口径を縮小することでレスポンス重視のセッティングになり、材質は、標準装備品がチタンアルミ合金製タービンホイールとアルミ合金製コンプレッサーホイールに変更された(GSR/RS)。標準装備品はハウジングを再設計することで、小型化が図られている。マグネシウム合金製コンプレッサーホイールについては、標準装備品と同様コンプレッサーホイール入口径が縮小されているが、エボIXと同様の寸法で、コンプレッサホイールの肉厚をIXの対策品よりさらに増し、マグネシウム合金の材質を変更した。これにより、当初の懸案事項であったコンプレッサーブレード破損のリスクを低減した。
  • メーカーオプションのマグネシウム合金コンプレッサーは、エボIXの初期型で不良が多発したことで敬遠され、エボIX MRでは予約分の時点で標準のアルミ合金が欠品した。そのため、メーカーオプションのマグネシウム合金コンプレッサー仕様なら即納、標準仕様なら3か月待ちという奇妙な事態となった。前述の通り、エボIX MRのマグネシウム合金はエボIXのそれとは別物である。

ランサーエボリューションIX MR グレード体系

グレード エンジン型式 エンジン 排気量 最大出力 最大トルク 変速機 車重 価格
RSエボリューションIX MR 4G63 MIVEC(ターボ) 直列4気筒DOHC16バルブICターボ 1,997cc 280ps/6,500rpm 41.5kg・m/3,000rpm 5速MT 1,320kg 2,856,000円
GSRエボリューションIX MR 40.8kg・m/3,000rpm 6速MT 1,420kg 3,622,500円

ランサーエボリューションワゴン MR グレード体系

グレード エンジン型式 エンジン 排気量 最大出力 最大トルク 変速機 車重 価格
エボリューションMR GT-A 4G63(ターボ) 直列4気筒DOHC16バルブICターボ 1,997cc 272ps/6,500rpm 35.0kg・m/3,000rpm 5速AT 1,540kg 3,412,500円
エボリューションMR GT 4G63 MIVEC(ターボ) 280ps/6,500rpm 40.0kg・m/3,000rpm 6速MT 1,500kg 3,486,000円

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ランサーエボリューションMIEV

ファイル:CA310010.JPG
ランサーエボリューションMIEV
  • エボIXをベースに改造が施され、四輪すべてのタイヤ内に独立したモーターを搭載する電気自動車MIEVとは Mitsubishi In-wheel motor Electric Vehicle のこと(詳細はMIEVを参照)。
  • 「ランエボ MIEV」はインホイールモーター("I"n-wheel)式であることに注意。「i MiEV」のようなインホイールモーター式でない種類も含む総称にては「MiEV(Mitsubishi innovative Electric Vehicle)」となる。
  • 内装は一般的なオートマチックトランスミッション車とほぼ変わりはない。シフトレバーもエボVII GT-Aと同様のものが採用されている。リアウイングは、ランサーWRC05仕様と同形状のものを採用。
  • 2005年の発表以来、ナンバープレートを取得して公道での走行を含め、実用化に向けて実験中である。しかし、インホイールモーターの軽量化が難しく、開発は難航している。

性能

  • モーター - 50kWインホイールモーター×4基
  • 最高出力 - 200kW(50kW×4、270PS)
  • 最高トルク - 517N-m(52.8kg-m)
  • 最高速度 - 180km/h(速度リミッターがかかるため)

(参考:東京モーターショー2005 事前情報 三菱 ランサーエボリューション MIEVテンプレート:-

第4世代(CZ4A)

ランサーエボリューションX

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歴史

2007年4月26日
  • 新型発表、同年10月1日に発売されたモデル。型式名“CBA-CZ4A”、通称“エボX”。キャッチコピーは、“その進化は、一瞬で次代を抜き去る。”。価格は299万7,750円から375万600円。2007年度の目標販売台数は4,000台と発表されている。 エボシリーズでは現時点ではこのモデルのみ限定生産ではなくカタログモデルとなっている。
  • 2005年に東京モーターショーでこれの原型となるコンセプトカー『Concept-X』を発表。その後2007年デトロイトモーターショーでConcept-Xをより製品版に近くした新型ランサーエボリューションおよび次期ランサーのプロトタイプとなるコンセプトカー『Prototype-X』を展示していた。エボXはそれを市販化したものである。
  • 7代目ランサーの日本向け標準モデルが「ギャランフォルティス」の名称で発売されたため(6代目ランサーは1.5Lモデルのみ併売した後、2010年5月で生産・販売をすべて終了)、日本国内的に言えばエボXはギャランフォルティスベースということになるが、あくまで日本向け標準モデルが名称を変更しただけであり、日本国外向け標準モデルは「ランサー」、そして、スポーツモデルは「ランサーエボリューション」を名乗る。
  • ギャランフォルティスとシャーシは共有しているものの、エボXの方が前輪を15mm前に出した分ホイールベースが長くなっているほか、ボディは前後オーバーハングを切り詰めて全長を75mm短くして旋回能力を高めている。また全高も10mm低くし、逆にトレッドと全幅を長くして走行安定性を高めている。ボディフレームには最高で980MPa級の高張力鋼を使用し、ねじり剛性や曲げ剛性を高めても重量増を抑えている。
  • トランスミッションにはトルクコンバーターを使わない新開発の6速Twin Clutch SSTとオーソドックスな5速MTが搭載されるが、前モデルで採用されていた6速MTは現時点では搭載されていない。またTwin clutch SST(DCT)車は、法律上はAT車扱いとなるため、SST車はAT限定免許でも運転が可能となっている。法規上AT車となるだけではなくTC-SSTには自動変速モードもある為、ランエボセダンとしてはⅦGT-Aに次ぐ2例目のAT車と見ることもできる。
  • エンジンはこれまでの4G63型ではなく、新開発のオールアルミブロックエンジンの4B11型を搭載している。そのため、エンジン重量は軽量化されており、トルクはMIVECとの組み合わせにより422N-m(43.0kg-m)に増強、レスポンスも強化されている。なお、自動車馬力規制が解除された後も「無駄な出力競争を避けるため[6]」エボXは206kW(280PS)にとどまったが、2008年10月に行われた1回目のマイナーチェンジでエンジン出力は300PSに高められた。
  • AWDシステムは新開発の車両運動統合制御システム「S-AWC」が搭載される。ジェット戦闘機をモチーフにデザインされた大きく開いたフロントグリル「ジェットファイターグリル」が特徴的である。
  • モデルは街乗りに主眼を置いたGSRと、競技ベース車となるRSの2モデル。GSRはTC-SST 6速ATと5速MT、RSは5速MTのみがラインナップされる。競技ベース車のRSは、GSRには標準装備されている助手席エアバッグやフルオートエアコンと言ったものが搭載されず、ヘッドライトもGSRのディスチャージヘッドランプに対し、安価なハロゲンランプになっているなどして価格と重量を抑えている。また、これまでは装備されていたリアスポイラーでさえオプション化されている。
2008年7月3日
  • 同年10月より韓国・ソウルの総輸入販売代理店であるMMSKコーポレーションを通じて韓国国内で販売すると発表。販売されるのはツインクラッチSST搭載モデルのみ。
2008年10月9日
  • マイナーチェンジ。リアコンビランプのエクステンション部をレッド塗装からブラック塗装とし、エンジンは280PSから300PSに出力アップされた。その他、RS以外のインテリアや機能性もいくつか向上された。またBBSのホイールや本革レカロシート、HDDナビゲーションを標準装備し静寂性や運動性能を高めた新グレード「GSR-Premium」を追加した。キャッチコピーは“To The Premium Driving”となり、全体的に高級感を高めた改良となった。
2009年10月8日
  • マイナーチェンジ(2010年モデル)。キャッチコピーは、“唯一無二の才能を、この手に。”。主に、サイドスカートの大型化や、樹脂製のエンジンヘッドカバーの採用で約1.5kgの軽量化などが行われた。グレード体系も見直され、GSR-PremiumからMT仕様が廃止された。機能面では、一定速度で走行するクルーズコントロール機能をGSR-Premiumに標準装備、GSRにはオプション設定とした。静粛性にも改良が加えられており、RS以外のフロントウインドウに遮音ガラスが採用された。インテリアでは、メーター部に車両の情報を表示するマルチインフォメーションディスプレイのカラー化など。他に、RSを除いたエアコンダイヤルのクロームメッキ化や、夜間乗降時の照明やワイパーの機能に手が加えられた。また、リアスポイラーをレスオプションにできるようになった。
2010年10月8日
  • マイナーチェンジ(10月21日販売開始)。高着火性点火プラグの採用やエンジン制御、触媒仕様を見直したことで、JC08モード対応の「平成17年基準排出ガス50%低減レベル(☆☆☆)」に適合するとともに加速レスポンス、燃費も向上。Twin Clutch-SST車は制御見直しを行い、変速レスポンスの向上や減速時のスキップシフトを可能にしたことで、よりドライバーのフィーリングにあった変速が可能となった。また、「RS」以外のグレードではブレーキアシスト機構をペダル踏力・踏込み速度感応型に変更、ドアの不正開放や車内への不正侵入、車両の不正移動、ジャッキアップなどによるタイヤ盗難、バッテリーケーブルの切断などの異常を感知し、セルフバッテリー内蔵サイレンの吹鳴とハザードランプが点滅して知らせるプレミアムセキュリティアラーム(サッチャム準拠の盗難発生警報装置・国土交通省許可品)、低燃費運転をアシストするECOランプを追加した。さらに、「GSR-Premium」は7インチワイドディスプレイHDDナビゲーション(MMCS)に地上デジタルチューナーを新たに内蔵し、携帯電話や音楽プレーヤーなどの外部機器をMMCSのタッチパネル・ステアリングオーディオのリモコンスイッチ・ボイスコマンド機能で操作できるリンクシステムを追加。ロックフォードフォズゲート プレミアムサウンドシステムのトータル出力を向上(650W→710W)し、より迫力のあるサウンドを楽しめるようになった。(MMCSおよびロックフォードフォズゲート プレミアムサウンドシステムは「GSR」にもメーカーオプションで装備可能)。合わせて、今回の一部改良モデルより、5年目以降の車検入庫時に保証延長点検(24か月定期点検相当)を受けることを条件に適用される「最長10年10万km特別保証延長」の対象車種となった。
2011年10月20日
  • マイナーチェンジ(10月27日販売開始)。
  • 走行中にアクセルペダルとブレーキペダルを同時に踏んだ場合、ブレーキを優先するブレーキオーバーライド制御を全車に採用。内装では、RSを除き、アクセントパネルをグロスブラック塗装に変更し、フロントドアトリム上部をソフトパッド、中央部をソフトレザーとした。また、シフトポジションを「R」にすると、ルームミラー内蔵の3.3インチカラー液晶モニターが後方の様子を映し出して安全な後退・駐車をサポートする「リヤビューモニター付ルームミラー(自動防眩機能付)」を、メーカーオプションとして設定した。
2012年10月10日
  • マイナーチェンジ。
  • 「GSR」・「GSR-Premium」でボディカラーの見直しを行い、「ライトニングブルーマイカ」に替わって「コズミックブルーマイカ」を追加設定。「GSR」・「GSR-Premium」にメーカーオプション設定されているMMCSは高解像度・高精細WVGAモニターを搭載した多機能メモリーナビゲーションなどで構成される新型に更新し、ロックフォードフォズゲート プレミアムサウンドシステムには「DTS Neural Surround」などの新機能を採用した。また、「GSR」には6.1インチQVGAタッチパネルを採用し、駐車場などの後退時にリアビューカメラから後方の映像を確認できるディスプレイオーディオをメーカーオプションに追加した。
2014年3月28日
  • 三菱自動車は、ランサーエボリューションを現行モデル限りで生産を終了する事を明らかにした。
  • イギリスで販売終了記念車「FQ-440 MR」を40台限定で発売。同モデルではHKS製ターボチャージャー・Janspeed製吸排気系パーツなどが標準装備され、エンジン出力が440ps/57kg・mに引き上げられた。価格も5万ポンド(約845万円)と高めに設定されたが、販売開始からわずか60分で完売した[7]
2014年6月2日
  • 北米市場向けに、ランサーエボリューションの2015年モデルを7月から生産開始する方針が明らかになる[8]。このため北米市場に限っては当面の間現行車種として生き長らえることになった。
2014年7月10日
  • 一部改良(SST車は8月1日販売開始)[9]
  • ドアミラーをウィンカー付に変更し、フロントのドアトリムにステッチを追加。ボディカラーは「コズミックブルーマイカ」と入れ替えで「ライトニングブルーマイカ」を追加した。
  • MT車の競技用ベースグレード「RS」を9月で廃止、SST車は2014年度中に生産終了することが発表された。これに伴い、SST車は成約記念として「Twin Clutch SST FINAL」と打刻されたアクセントスカッフプレートとシリアルナンバー入りプレートが進呈され、販売店で装着される(シリアルナンバー入りプレートはシフトパネルに装着)。

グレード体系

グレード 製造年 エンジン型式 エンジン 排気量 最大出力 最大トルク 変速機 車重 価格
RSエボリューションX 2007年10月 - 2008年10月 4B11 MIVEC
(ICターボ)
直列4気筒DOHC
16バルブICターボ
1,998cc 280ps/6,500rpm 43.0kg・m/3,500rpm 5速MT 1,420kg 3,150,000円
2008年10月 - 2014年3月 300ps/6,500rpm 1,420kg 3,150,000円
2014年4月 - 2014年7月 3,240,000円[10]
GSRエボリューションX 2007年10月 - 2008年10月 280ps/6,500rpm 1,520kg 3,495,450円
2008年10月 - 2014年3月 300ps/6,500rpm 1,530kg 3,786,000円
2014年4月 - 2014年7月 3,894,172円[10]
2014年7月 - 3,899,880円
2007年11月 - 2008年10月 280ps/6,500rpm SST 1,540kg 3,750,600円
2008年10月 - 2014年3月 300ps/6,500rpm 1,550kg 4,038,000円
2014年4月 - 2014年7月 4,153,372円[10]
2014年7月 - 4,159,080円
GSRプレミアムエボリューションX 2008年10月 - 2009年10月 300ps/6,500rpm 5速MT 1,580kg 4,798,500円
2008年10月 - 2014年3月 SST 1,600kg 5,250,000円
2014年4月 - 2014年7月 5,400,000円[10]
2014年7月 - 5,405,400円

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ラリー活動

三菱はWRC(世界ラリー選手権)にミドルクラスセダンのギャランVR-4で参戦していたが、モデルチェンジを迎えて7代目となったギャランのボディが大型化してしまった。さらに、VR-4に搭載されたV6ツインターボエンジンが、FIAのレギュレーションによるリストリクター径の制限が直4シングルターボに比べて小さい(Ø38に対しØ26.9)こともあり、「より小型軽量なベース車を求め、コンパクトセダンのランサーに6代目ギャランVR-4のコンポーネントを押し込んで作り上げたのがランエボである」とされてきた。

しかし、事実は「ギャランのリヤサスペンションは構造が複雑なため、整備性の面でラリーに向かなかった」のが最大の理由で、「より小型軽量なベース車を求め」というのは後から付けた理屈であると、三菱のラリーカー開発者の稲垣秋介が語っている[11]

歴史

1993年
  • ラリー・モンテカルロからWRCに参戦した「エボI」は、当初苦戦を強いられたものの、毎年のように改良を重ねたエボリューションモデルを投入して進化を重ねた結果、トップレベルの競争力を発揮していく。
1995年
  • スウェディッシュラリーにてケネス・エリクソンがドライブする「エボII」でランエボシリーズ初のWRC総合優勝を飾る。
1996年
  • 三菱独自の電子制御アクティブディファレンシャルシステムの熟成により、急速に戦闘力が高まりつつあった「エボIII」にてトミ・マキネンが5度の優勝を飾り、年間ドライバーズチャンピオンを獲得し快進撃が始まる。
  • その後フルモデルチェンジを行い、シーケンシャルシフトなどを導入した「エボIV」、WRカーに対抗すべくトレッド幅を拡大し戦闘力を高めた「エボV」、「エボV」をさらに熟成した「エボVI」を駆ったトミ・マキネンにより1996年-1999年にWRCドライバーズタイトルを4連覇、1998年にはトミ・マキネンとリチャード・バーンズのコンビで悲願のWRCマニュファクチャラーズタイトルを獲得した(1998年はグループNもランエボが優勝を納めているのでWRC完全制覇を成し遂げた)。
  • しかし、WRCは1997年にグループAより改造範囲の広いワールドラリーカー(WRカー)規定が導入され、各社がWRカー規定に移行する中、三菱は「市販車をベースにWRCに参戦する」という当初からの目的もあり、グループA規定にこだわりを見せていたが、改造範囲がより幅広いWRカーが競争力を獲得すると次第にグループAの枠内では対抗しきれなくなっていってしまう。(実際はエボV投入時に、ライバルチームの同意を得た上でグループAでは本来禁止のリアホイールハウスの改造が施されており、純粋なグループAカーとは言い難い状態になっていた。)
  • 2000年はマニュファクチャラーズ4位、ドライバーズ5位に終わった。
2001年
  • シーズンスタートからエボVIをベースにした車両で参戦し、第1戦モンテカルロ・ラリー、第3戦ラリー・ポルトガル、第8戦サファリ・ラリーで優勝したが、第10戦ラリー・ニュージーランドを最後にセディアベースのWRカーへの移行したため、WRC史上最後のGr.A車両である市販のランエボをベースにしたワークスマシンの系譜は終焉を迎えた。
  • 第11戦サンレモラリーから三菱初のWRカー「ランサーエボリューションWRC」へと移行した。トミ・マキネンは以降の4戦中3戦でリタイヤするなど苦戦しながらも最終戦までドライバーズチャンピオンを争うものの、その年のマニュファクチャラーズ、ドライバーズランキングは3位で2001年シーズンを終える。この三菱のWRカー、「ランサーエボリューションWRC」はランサーセディアをベースに改造を施したもので、外観はエボVIIのものと相似しているがFIA規定上では別車種である。
ファイル:Mitsubishi LancerEvolution WRC02.JPG
ランサーエボリューションWRC2
2002年
  • トミ・マキネンがスバルへ移籍し、新しくフランソワ・デルクールアリスター・マクレーを新たなドライバーとして迎え、ラリー・フィンランドからは「ランサーエボリューションWRC2」を投入するが熟成された他メーカーのWRカーに歯が立たず、三菱のWRカーは1度も表彰台に立つこともなく2003年にニューマシン開発のために一旦活動を休止する。2003年はアリスター・マクレーがニュージーランドラリーにスポット参戦し6位入賞した。ちなみに同年、かつて三菱に在籍していたトミ・マキネンがこの年限りで現役引退を表明している。
  • そして、2004年に「ランサーWRC04」でWRCへの参戦を再開する。この年から三菱に移籍したジル・パニッツィが初戦で6位入賞し、所々でSSトップタイムを刻むなど速さをみせたが、ラリードイチュランドで2004年度の活動を休止する。
2005年
  • 「ランサーWRC05」にマシンをスイッチし、ジル・パニッツィ、ハリ・ロバンペラジャンルイジ・ガリのドライバーラインナップでシーズンに臨んだ。ジル・パニッツィがラリー・モンテカルロで3位表彰台、ハリ・ロバンペラが最終戦ラリーオーストラリアで2位表彰台に立つなど復活の兆しを見せた。
  • しかし、2005年12月、三菱は2006年のWRCワークス活動休止を発表。理由は、前年に発覚したリコール隠し等により業績が悪化した三菱自動車工業の経営を立て直すべく、自社の再生計画を優先的に行うためとなっている。WRC復帰時期は、再生計画が終了する2008年以降をメドとする予定であった。しかし、2008年下半期に起こった世界的経済後退やレギュレーション改定の影響があってか、2011年9月時点でも、WRC復帰の噂は上がっていない。加えてラリーアートが清算されたため今後の見通しはますます不透明なものとなっている。また、一時次期ランサーのボディが大型化されるためコルトベースの車両通称コルトエボリューションが登場するという情報もあったが、実際には登場しなかった。(この件との関連は不明だが、ラリーアートからコルトのスポーツモデルであるコルトRALLIART Version-Rが登場した。)
2008年
  • フォードシトロエンなどのAWDターボ車がラインナップに存在しないメーカーが、レッキを行う際は三菱自動車から購入した(もしくは使用料を支払った上で借用した)ランエボを使用することが多い。

日本でのレース活動

  • スーパー耐久では、RSをベースにノーマルエンジンかつ純正タービンながら、予選では最大過給圧2.3kg/cm²、決勝では耐久性を考え1.7kg/cm²で走行している(テンプレート:要出典範囲)。今まで、AYCなどのデバイスは耐久性などがレースでの使用に疑問視されていたが、スーパーAYCになってからはこれはドライバーの負担軽減なども含め雨の日のトラクション性能やアンダーステア対策には非常に有効なことからACD+スーパーAYC+スポーツABSを付け走行している。もちろん、ACDとAYCの油温上昇も避けられないので冷却用のオイルクーラーが必要になる。
  • JAF主催の全日本ジムカーナ選手権では4WDターボクラスであるN4・SA3の両クラスでは約8-9割ランサー勢が占め、同じく全日本ダートトライアル選手権においても4WDターボクラスであるN3・SA2両クラスの約8-9割がランサー勢で占めており、競技車両としての人気が高いことを証明している。
  • 2008年は、前年発売のランエボXが初出場し、スーパー耐久、全日本ラリー選手権共に第2戦で初優勝を遂げたものの、ラリーでは先に国際デビューし、トラブル潰しが始まったスバル・インプレッサや、熟成され、しかも車体重量が軽いエボIXに圧倒され、最終戦でライバルがミス(スタートを早発)して逆転優勝したものの、総合チャンピオンにはなれなかった。優勝者は2回とも奴田原文雄選手。
  • スーパー耐久では第3戦でも優勝したものの、以後エボIXの優勝が続いた。この年はインプレッサはスポット参戦に留まり、ST2の全戦参加は全車がランエボというワンメーカー状態となった。

日本国外での評価

VWRCでの活躍などで、日本国外でも高い人気を得ている。そのため、エボVIII以降は正規に輸出が行われている。

チューニングのベースとしてのランエボ

  • メーカーの手でチューニングされた車であるため、チューニングのベースとしても人気車種の一つに数えられる。
  • 軽量+コンパクト+ハイパワー+4WDという基本コンポーネントの高さが活き、テクニカルコースを中心にスーパーラップで大活躍している。特に筑波サーキットではHKSサイバーエボJUN AutoMechanicの各チューニングマシンが歴代レコード記録を樹立している。
  • 軽量なハイパワーAWDというメリットを生かして、ドラッグレースに使用されることも多い。

脚注

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関連項目

テンプレート:Sister

外部リンク

テンプレート:自動車

テンプレート:三菱車種年表de:Mitsubishi Lancer#Motorsport und Evo-Modelle
  1. 三菱 ランエボ、生産終了へ…英国では歴代最強モデルが60分で完売レスポンス公式サイト・2014年3月29日、2014年3月30日観覧
  2. ランエボ 狙いで強盗殺人、容疑者を逮捕レスポンス公式サイト・2008年1月30日、2014年3月30日観覧
  3. 三菱 ランサー GSRエボリューションVII(2001年2月)のカタログ goo-net
  4. 三菱 ランサー GSRエボリューションVI(1999年1月)のカタログ goo-net
  5. 吸気側の位相変化のみ。
  6. モーターファン別冊・ランサーエボリューションXのすべて p44 三栄書房 ISBN 978-4-7796-0308-2
  7. 三菱/ランエボなくして何残る フィナーレにX FQ-440 MR即売 - Car-life・2014年3月31日
  8. 三菱「ランサーエボリューション」延命! 北米仕様の2015年モデルを間もなく生産開始 - Autoblog日本版・2014年6月2日
  9. 『ランサーエボリューションX』を一部改良して発売 - 三菱自動車工業 プレスリリース 2014年7月10日
  10. 10.0 10.1 10.2 10.3 消費税率の変更によるもの(本体価格は据え置き)
  11. WRC PLUS '06 vol.6 ラリージャパン速報号、72ページ参照。