タイヤ

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乗用車用タイヤ

タイヤ米:Tire, テンプレート:Lang-en-short)は、車輪リムを丸く囲む帯状の構造で、路面・地面あるいは軌道の上を転がる踏面(トレッド)を形成するものの総称。ここではゴムタイヤについて述べる。漢字標記式: 輪胎(輪=車輪、胎=単にTireの"Ti"部の音からの使用で車輪の胎盤という意味はない)

概要

ゴムタイヤとは衝撃の緩和や、安定性の向上などを目的に、車輪(ホイール)の外周にはめ込むゴム製の部品。自動車自転車オートバイモノレール新交通システム地下鉄などの一部鉄道車両航空機飛行機)、建設機械など地上を移動する多方面の輸送機器に使用される。

自動車や自転車などの輸送機器用では中空構造をしており、通常、空気窒素ガスなどの気体が入れられるが、フォークリフトなど一部の用途では、一輪あたりの負担力を上げるため、中実構造のソリッドタイヤ(俗称・ノーパンク)も使われる。

気体が抜けてもしばらくは走れる、ランフラットタイヤも出回り始めた。

歴史

1867年に車輪の外周にゴムを取り付けるようになり、それまでの金属、木の車輪から脱皮する。当時のゴムタイヤは空気入りではなく、ソリッドゴム(総ゴム)タイヤであった。

空気入りタイヤ(pneumatic tire/ニューマチックタイヤ)は1845年イギリスロバート・ウイリアム・トムソンが発明し特許を取得したが、実用化には至らず、1888年にスコットランドの獣医師ジョン・ボイド・ダンロップが自転車用の空気入りタイヤを実用化するまで待たなければならなかった。

自動車用の空気入りタイヤとしては、フランス人のアンドレ・ミシュランエドゥアール・ミシュランのミシュラン兄弟が、1895年に開催されたパリからボルドーまでを往復する、全行程1200kmのレースに使用したのが最初である。このレースでミシュラン兄弟は100回近いパンクにもめげず、規定時間を超過しながらも完走した。

耐久性に問題があったとは言え、乗り心地、グリップ力、安定性に格段に優れていることを証明した空気入りタイヤは、これ以降急速に普及する。

成分

構造と使用される材質

テンプレート:Main タイヤには、大きく分けて2種類の構造がある。内部のカーカス(後述)がタイヤの回転方向に対して垂直になっている「ラジアルタイヤ(以下ラジアル)」と、斜め方向になっている「バイアスタイヤ(以下バイアス)」である。一般的に、バイアスは居住性(俗にいう乗り心地)に優れ、ラジアルは操縦性・走行安定性が優れており、更にトレッド変形が少なく耐摩耗性に優れタイヤ自体の発熱も少ないなどの利点がある。一方バイアスと比較してタイヤ自体の強度(特にサイドウォールの強度)が劣りがちであり、それを強化する為にカーカスの外周にベルト(ブレーカーコードとも呼ばれ、カーカスに対するの役割を果たす)を巻き付ける工程を追加しなければならず、その分割高となりやすい。

かつては普通にタイヤといえばバイアスを指したが、1947年にミシュランがラジアルを最初に実用化し、1978年にはF1で使われた[1]。その後ラジアルの耐久性や操作性が向上し、量産効果で価格も下がったために、車やバイクでは2008年現在ほとんどラジアルであり、バイアスはスペアタイヤや小型バイク、農業機械建設機械等の一部に使われる程度である。なお、バイアスの性質をよりラジアル側に近づける為に、カーカス配置で外周にブレーカーコードを配してトレッドの強化を行ったバイアスベルテッドタイヤ(ベルテッドバイアス)も存在する。

スチールラジアルタイヤに入れられている鋼線(鋼)とゴムは接着性が良くないため、銅メッキが施される。この技術的課題の克服が、実用化に時間を要した一因である。加硫によってゴムに数%含まれる硫黄と銅が強力なイオン結合を形成する。1970年代以降のスチールコードは銅メッキで、現在はより強度があるブラス(真鍮)メッキになった。近年は鋼線とゴムとの接着をナフテン酸コバルトを介在させる界面活性剤で解決する方法が見付かったが、環境に悪影響を与える可能性があり、普及には時間がかかる見込みである。 また、スチールコードの代わりにアラミド繊維を使用する例もある。ばね下質量が減るため路面追従性が向上する。

航空機用タイヤについては、材質はナイロン6・ポリエステル・ガラス・鋼のどれかを補強繊維とした繊維強化ゴム (FRR) で母材のゴムは合成ゴムのブタジエン・スチレン・ゴム (SBR) を使用している。また構造についてはバイアスによる生産技術がある程度確立されていたことや、離着陸を繰り返す過酷な状況での安全性が求められたこともあり、自動車やバイクでラジアルが広まった後もバイアスが使われ続けていたが、2000年以降は航空機用途でも十分な耐久性と安全性を持ったラジアルが生産・採用されるようになっている[2]。航空機で初めてラジアルタイヤを採用したのは、軍用機はF-15E戦闘爆撃機で、民間機ではエアバスA320(ブリヂストン製)である。

かつてはタイヤの内部に空気を閉じ込めるチューブを入れるチューブタイヤが主流であったが、現在はホイールとタイヤのみで空気を保持するチューブレスタイヤが主流となっている。ただし現代でもチューブタイヤは自転車や、オフロード・トラッカー系、旧車風のバイク、トラクターなどの一部の農業機械や建設機械で使われ続けている。これはホイールリムをスポークが貫通していることや、空気圧を低くセッティングするなどの理由により、ホイールとタイヤのみでは気密を保てないためである。

ファイル:Tire scheme.svg
タイヤ断面図

リム組みされた一般的なチューブレスラジアルは、以下のような部位と構造を持っている。

1 - ブレーカーコード
接地面の強度を増し、異物の貫通を防止する。スチールワイヤーを編んでベルト状に構成されている。
2 - カーカスコード
タイヤ構造を保持し、タイヤの骨格の役割を持つ。
3 - ビード
タイヤ内周のホイールリム4に接する部分。タイヤをホイールに固定し駆動力を伝えるとともに、空気が漏れないようにシールする。また内部にはビードワイヤーと呼ばれるスチール製のワイヤーを内包している。
4 - ホイールリム
タイヤとこのホイールリムとの間に空気を保持する。
5 - トレッド
主に路面に接する部分。表面にはグルーブと呼ばれる溝が彫られているのが一般的である。トレッドに彫られた溝の模様は製品ごとに異なり、トレッドパターンと呼ばれる。グルーブには、トレッドと路面の間に入った水を排出してスリップを防止したり、操舵性や乗り心地を向上させるといった役割がある。オートバイタイヤのトレッド面は丸く、車体を傾けると内側と外側で接地面の直径が変わり、車体を傾けた方向へ旋回させようとする力が生じる。
また、トレッドの両端部(タイヤの肩の部分)をショルダー部と呼ぶ。舗装路上での激しい旋回運動などの際には最も酷使される部分で、トレッド部の中央部分に十分な溝が残っていてもショルダー部の溝がなくなると操舵性能が著しく低下する。
6 - サイドウォール
タイヤの側面。メーカー名やサイズなどが表示されて(刻まれて)いる。
路面には接しないが、走行中は路面の凸凹に対応する為に、激しく屈伸している。最も薄い部分であり、ここを傷付けると修理が利かず交換が必要となる。また、最も動く場所でもあり、乗り心地にも影響し、クラック(細かい亀裂)も入りやすいデリケートな場所でもある。

表示

テンプレート:Main

寸法表示

タイヤの寸法表示には、メトリック表示と、インチ表示の2種類がある。かつてのアメリカではレター表示と呼ばれるものも存在した。

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メトリック表示
メトリック表示
今日の自動車用タイヤに広く見られる表記である。「205/55 R16 91W」とあった場合、205=タイヤの幅 (mm)、55=偏平率 (%)、R=タイヤ構造(ラジアル)、16=リム径(インチ)、91=そのタイヤが支えられる荷重を示した指数(ロードインデックス)、W=そのタイヤで保証される最高速度 (270km/h) を表している。数値の単位は、リム径はインチ表示されるが、タイヤの幅はミリメートルで表示される。偏平率とは、サイドウォール部分の幅をタイヤ幅との割合で表したものである(タイヤに関しては偏平率と書く。扁平率と書くと意味が異なる。)。なお、偏平率が低い(幅に対して高さが低い)ものほど操縦安定性、ブレーキ性能、高速走行時のグリップ性能が向上し、コーナリング時などの限界速度が向上し、高速走行でも安全に走行可能になるが、反面、乗り心地が硬くなり、路面の凹凸などを拾いやすく走行音も大きくなる傾向があるので、乗用車用の場合、快適性や経済性重視であれば偏平率の高い (65 - 82%) ものを、スポーツ走行性能重視であれば偏平率の低い (30 - 60%) ものを選択する。このメトリック表記基準はバイアスタイヤにも準用される為、オートバイ用などの場合「180/60-17」といった具合で表される。
インチ表示
バイアスタイヤに多く見られる表記であるが、ラジアルタイヤにも用いられることがある。「3.50 S 18 4PR」とあった場合、3.50=タイヤの幅、S=そのタイヤで保証される最高速度、18=タイヤの内径、4PR=タイヤ強度を表している。こちらの表示はすべてインチである。偏平率は、通常は100、3.60や5.10では80になっている。
自動車用タイヤの場合には「5.00-10 8PR」などと表され、タイヤの幅とタイヤの内径の間の表記がタイヤ構造を表すことになる。この場合は、-(ハイフン、またはD)=バイアスタイヤを示す。ラジアルタイヤの場合にはRとなり「5.00R10 8PR」と表される。バイアスベルテッドタイヤの場合にはBが付記され、「5.00B10 8PR」と表される[3]
レター表示
1960年代から1970年代中期までのアメリカ車に使用されるタイヤに見られた表記法で、タイヤ外径と偏平率、リム径を順番に記述する形式であるが、タイヤ外径をアルファベットで分類する事が最大の特徴である。
「A78-15」とあった場合、A=タイヤ外径、78=偏平率 (%)、-=タイヤ構造(バイアス)、15=リム径(インチ)を表し、原則としてアルファベットがAからZへ進むに従って、タイヤ外径が増加していく。アメリカでもごく一時期しか用いられなかった表記法で、該当する自動車用リム径は14インチと15インチのみ。偏平率も78偏平(レター表示にしか存在しない偏平率でもある)、70偏平、60偏平の3種類しか存在しない。タイヤ構造も殆どがバイアスタイヤであるが、1970年代中期頃にはレター表示のラジアルタイヤも存在した。
現在では完全に廃れた表記法であり、ビンテージのマッスルカーやハーレーダビッドソンの一部オートバイ向けに製造が行われるのみとなっている。アメリカ車の市場が小さい国では純正指定のレター表示タイヤが極めて入手しづらい為、クロスリファレンス[4]などを用いて外径が近いメトリック表示やインチ表示のタイヤへの変更を行う必要がある。
タイヤ強度の表示
ファイル:Tire code - en.svg
英語圏におけるタイヤ記号の例。日本で販売されるタイヤも概ねこの表記法に準ずる。
タイヤ寸法表示の次に書かれる数字は、タイヤの最高負荷を表すロードインデックス (LI)。バイアスタイヤ以来サイドウォールのプライ数を表示する事でタイヤ強度としてきた。カーカスコードの層数の表記(プライレーティング)は、特に断り書きが無い場合には殆どの場合4PR(4プライ、4層)であるが、トラック向けタイヤなどカーカスの層数が特別に多いタイヤの場合には8PR、16PR等の表記がタイヤサイズ表記の周囲になされている。
現在はスタンダードLI、Extra Load(高空気圧対応)LIの2種類の表示のものが増えている。LIから実際の耐荷重を知るには、それぞれの規格に合わせた換算表が必要になる。
最高速度の表示
Lが120km/h以下。それ以降の表示は、Q=160km・R=170km・S=180km・T=190km・H=210km・V=240km・W=270km・Y=300km以下となり、ZRは240km超となる。この表示はバイアス・ラジアル両者共通であるが、インチ表示ではHが最高となっている。インチ表示における最高速度表示はオートバイ用タイヤやスポーツカー向けの偏平バイアスタイヤに特によく見られる。
適合車種の表示
欧米ではトラック向けタイヤにはLTライトトラック)やC(カーゴ)、乗用車向けタイヤにはP(パッセンジャー)、オートバイ用にはM/C(モーターサイクル)の表記がされており、タイヤの誤用が起こらないような配慮がされている。日本においては特に4ナンバーの貨物向け車両には保安基準[5]LT表記をされたタイヤが車検通過に必須とされる。

その他の表示

ファイル:1965 Marlin aqua white md-ww.jpg
ホワイトリボンタイヤ

タイヤのサイドウォールには一般的な寸法表示の他、下記の様々な表示が行われる[6]

メーカー名及びタイヤのブランド名
メーカーによってはタイヤのグレードによりメーカー名表記自体を変更するセカンドブランドを保有している場合がある。また、そのタイヤのイメージ戦略によりこれらの名称を白く塗ったホワイトレターや、サイドウォールに円周状の白い塗装を施すホワイトリボンホワイトウォール)等の意匠が施される事もある。
製造国表記
近年は日本・欧米のタイヤメーカーが製造コストの低減の為にメーカーの母国以外に、東南アジア地域で製造を行っている事例もまま見られる。こうした地域では日本・欧米メーカーからの技術移転等により、その国独自のメーカーが新たに勃興する場合も多く、近年では日本や欧米に進出して販売を行っている事例も見受けられる。
製造時期表記
そのタイヤが何年の何月頃に製造されたものか、数桁の数字が必ず刻印されている。2000年以降に製造されたものの場合には「1303」「3409」等の4桁の表記が行われている場合が多い。タイヤの製造時期は殆どの場合、製造年及び1月第1週を起点とした製造週の数字を順に並べて表記(若しくは製造週/製造年の逆転表記)される為、前述の事例では前者は「2003年の第13週(3月上旬頃)」、後者は「2009年の第34週(6月下旬 - 7月上旬頃)」と読み取る事が出来る。これにより新品及び中古で購入したタイヤが製造から何年経過しているのかを概ね知る事が可能となる。また、1999年までに製造されたタイヤは「249」などの3桁表記であり、上二桁が製造週で、下一桁が製造年であった。
構造表記
そのタイヤのカーカスコードの構造と材質、及びタイヤチューブの有無を示す表記がされている。例えばラジアルタイヤの場合にはRADIAL、バイアスタイヤの場合にはBIAS PLY、バイアスベルテッドタイヤの場合にはBIAS-BELTED、スタッドレスタイヤの場合にはSTUDLESS、カーカスコードがスチールワイヤー[7]の場合にはSTEEL BELTEDといった表記がされている。チューブレスタイヤの場合にはTUBELESS、チューブタイヤの場合にはTUBE TYPEとされている場合が多い[8]

空気圧調整

ファイル:Air pressure gauge.jpg
タイヤの空気圧はこのようなエアゲージで簡単に計ることが出来る
エアゲージは安いものは数百円程度からある

タイヤは適正量の空気が入っていなければ役割を果たさない。タイヤに空気が入って、車重を支える事が可能になる。空気はタイヤにとって最重要の部品とも言える。

タイヤおよびその使用車種によって適正な空気圧が指定されており、ドライバー側のドアを開けたときに露出するボディ部分にステッカーなどで表示されていることが多い。適正数値は乗用車の場合200kPa前後、バス・トラック等の大型車で600 - 900kPa程度[9]が指定されていることが多い。チューブレスで3か月程度、チューブタイプで1か月程度ごとに適正な空気圧を保つことが重要である。時間の経過とともにタイヤから空気が漏れ出したり、暑い時に適正な空気圧で空気を入れたとしても空気の密度が低いので気温の低下により体積の減少=圧力低下を招いたり、様々な原因で空気圧は低下する方向に作用する。

  • 空気圧過少
    • 適正な空気圧の半分程度の圧力になると、タイヤが凹んでいることが目で見て分かるようになる。この状態で運転を続けるとスタンディングウェーブ現象が発生し、タイヤが破裂(バースト)することがあり、大変危険である。
      • 2000年にはフォード・エクスプローラーが、乗り心地を重視するあまり過度に低い空気圧指定をしていたため、高速道路などを走行している際にタイヤが熱を持ち破裂(バースト)を起こす事件も発生している。これを受けてアメリカでは、タイヤの空気圧を常に監視するTPMSの装着が義務付けられている。その他の国でも一部高級車やスポーツカーでTPMSは採用されている。
    • 指定の空気圧より低めの圧力の空気が入っている場合、タイヤの接地面積が増加する(※必ずしも制動力・駆動力が増加する訳ではない)。つまり、グリップの向上を招くが、半面、タイヤが撓み易くなるのでコーナリング性能の悪化を招く。また、タイヤトレッドは両肩部から磨耗していく。接地面積が増える為、転がり係数の低下を招き、燃費が悪くなる。
    • タイヤとホイールは内圧により密着性を増している為、場合によってはホイールからタイヤが外れる事もある。
  • 空気圧過大
    • 設計上、2 - 3倍の空気圧で空気を入れてもタイヤは破裂することはないように作られている。
    • 指定の空気圧より高めの圧力の空気が入っている場合、タイヤがバウンドし易くなって段差や路面の凸凹のショックを直に受け取り、乗り心地が低下するとともに、タイヤの接地面積が減少し路面に制動力・駆動力が伝わり難くなる。言い換えればグリップの悪化を招く(※グリップは悪くなるが燃費は抑えられる)。また、タイヤトレッドは中心部から磨耗していく。

窒素ガス (N2) について

航空機(飛行機)用タイヤには、ふつう液体空気から分留した窒素ガスを充填する。これは以下の理由による

  1. 酸素を含まないために、火災や爆発の危険が少ない(着陸時、タイヤはブレーキや路面との摩擦でかなり高温になる)
  2. 水分を含まないために、マグネシウムなどの腐食や変質を起こしにくく、温度変化による内圧の変化が少ない。

レーシングカーのタイヤにも窒素を充填することが多い。レーシングカーの場合、冷間時と温間時の温度差が激しく、使用前と使用中、使用後の気圧変化をデータ化し、走行時(特にペースアップが求められる時)に適度な接地を得られるように管理する必要があり、その為に膨張変化率の安定した気体が求められる。つまり空気のように気象条件により湿度変化がある場合、充填気体の膨張変化率が安定しない為、内圧管理が出来なくなる。それを避けるために単一気体として窒素を充填する。但しF1に於いては窒素では無くドライエアー(強制的に乾燥された空気)が充填されることが多い。これは水分が除去されれば気体の膨張率はほぼ変わらないためである。このため窒素充填では有意なグリップ変化は生じ得ない。タイヤ温度に合わせて圧力が変化し、それに伴って接地面積、つまりグリップが変化するにせよ、その変化が他の気体(乾燥空気)と大差ないためである。

乗用車向けに、一部カー用品店ガソリンスタンドでも窒素ガスを勧める場合がある。空気圧のメンテナンスを軽減する事が最大のメリットと言われ、その他て派生的に燃費悪化の防止等の効果も考えられるが、直接的なものではない。また、ロードノイズが低減するという話もあるが、科学的根拠は無い。 また、もともと空気中の79%が窒素であるため、効果(費用対効果)を疑問視する声もある。

一般に普及するきっかけになったのは、高速長距離運転を行う大型トラックに多く採用された事である。これは高速長距離運転によるタイヤ内圧上昇を抑制することを企図したもので、航空機、レーシングカーでの理由と符合する。逆に短距離と荒地での運用の多いダンプトラックなどでは普及していない。

消耗後のタイヤ

廃棄物として

テンプレート:Sister

モータリゼーションの発展とともにタイヤの消耗量も膨大なものとなり、廃タイヤの処理も問題となっている。放置されたタイヤに溜まった水から発生する悪臭や、水にが産卵することによる虫害、野積みされたタイヤが自然発火するなどの事故も発生している。また他の樹脂製品同様腐敗しにくく、廃棄されると長期にわたって残り続ける。山林などに不法投棄された乗用車は、20年程度経過しているものでさえ、車体や内装はぼろぼろに朽ちても、タイヤだけはほとんど侵蝕されず原形をとどめ続ける。

リユース

テンプレート:Sister 径の大きな廃タイヤは重くて丈夫なため、公園の遊具やスポーツトレーニング用として利用される。径の小さな廃タイヤは花壇の外周を装飾するような利用法があり、小学校や幼稚園で見かける。下駄や雪駄の底に平らに伸ばしたタイヤを貼り付けてアスファルトとの接触で極度に磨耗しやすい伝統的な履物の耐久性を持たせようとする工夫も見受けられる。

また、中が空洞になっている大きなゴム製品ということを利用して緩衝物として利用することも多々ある。具体例としては適当な大きさの廃タイヤを集めて、漁船タグボートなど小型船舶の防舷物とする使い方や、サーキットの「タイヤバリア」(コースアウトした車を突入させて安全に減速させる部分(エスケープゾーン)の壁際に設置する、タイヤを重ねて作ったクッション)などがある。

リサイクル

テンプレート:Sister 最もリサイクル用途が高いのは燃料としてのサーマルリサイクルである。日本国内では、廃タイヤの半数程度がセメントや製鉄工場の高炉に投入され、タイヤに含まれているスチールコード類も鉄原料としてセメントの成分や鉄材に残らずリサイクルされている。燃料用途以外には、緩衝材や防音材として利用される他、マテリアルリサイクルの原材料として再生タイヤの需要が高い国への輸出も行われている。

リトレッド・リキャップ・リモールド・リグルーブ(再生タイヤ、更生タイヤ)

航空機などのタイヤは、使用済みのタイヤのトレッド、サイドウォールを張り替える事で何度か再利用されている。また、大型トラックバスでは、再生タイヤが後輪に使われていることが多い。特に輸送コスト、とりわけタイヤ関連の維持費を圧縮したいと考えるのはこのような車種を大量に抱えている事業者であり、その要望に応える形としてタイヤメーカーが協調的に関与し、新品タイヤから再生タイヤへの交換、再生タイヤの計画的な補修と廃棄についてのプランが提示されている。タイヤメーカーにとっては新品が売れないという弊害があるものの、それを上回る形で再生タイヤの使用を促して利益を保っている。また、このサイクルを維持する起点として、再生加工されることを前提にしたタイヤ製品が存在している。再生タイヤの利用は廃棄物を減らす意味で効果的なので、ユーザーとしてはコスト削減とともに、環境破壊を抑制する企業活動を行えるので好都合である。なお新品と同じ形状にすることが困難なためステアリング性能に影響を及ぼす可能性があり、前輪への再生タイヤ装着は勧められていない。

一般乗用車での再利用率は非常に低い。コストの問題と、タイヤの構造が再生に不向きなのが主たる原因である。乗用車のタイヤはバスや大型トラックのタイヤに比べて薄手であるため加工する余地がほとんどなく、仮に加工したとしても安全性の確保が難しい。タイヤメーカーは乗用車用タイヤの再生を認めていない(ドリフト走行を行う場合には後輪を滑らせるため、あえて再生タイヤを履く事があるが非常に危険である)。また、トレッドを張り替える際のパターンについて、新品と同様のパターンを付ける事は意匠権の関係から、権利者であるタイヤメーカーの許諾が必要であり、安直に再生は出来ない。

再生方法としては主に下記の3種類が挙げられる。

リトレッド(リキャップ)
タイヤに新たなトレッドが刻まれたゴムを貼り付け、熱加工で接着する。多品種少量生産に適する。
リモールド
タイヤに新たなゴムを貼り付ける点はリトレッドと同じだが、金型でトレッド面を刻む。大量生産向き。
リグルーブ
新品タイヤの時点でトレッドを厚く造り、溝が浅くなったら彫り直すことで新品状態の排水性やグリップ力を維持する。

加工を伴わない乗用車用タイヤの再利用は、スタッドレスタイヤの通年利用(履き潰し)である。溝の深さが新品時に比べて半分になったスタッドレスタイヤは雪上を安全に走行する能力を失い、雪上走行用として用いることができなくなる。そのかわり、法律で定められた摩耗限度まで、普通のタイヤとして利用することができる。タイヤメーカーは、スタッドレスタイヤの商品情報を掲載したカタログでこの方法を示している。スタッドレスタイヤは一般的なタイヤに比べて表面が柔軟なため、通常の乾燥路面における乗り心地や操作性が良いと感じる者がいる。しかし、実際には柔らかいコンパウンド=ハイグリップとは言い難く、むしろ柔らかいがゆえに走行時におけるトレッド面の変形が大きく、サマータイヤに比べて転がり抵抗が増え燃費が数パーセント悪化する。

摩耗粉(タイヤカス)

タイヤは路面を走行する事で次第に摩耗してゆく。この摩耗の際に発生する微細なゴム粉末は粉じんとなって大気中に漂う他、路上の小石やブレーキダストなどの他の粒子と結合して比較的大きな粉末として環境中に残留する事が、JATMAも参加しているタイヤ業界世界CEO会議の中で調査結果として纏められている[10]。この調査結果によると、タイヤ摩耗粉による急性の毒性被害は発生しないとされているものの、粒径10ミクロン以下の摩耗粉の健康に対する影響は引き続き調査が必要と結論付けられている。

一般的な市販車両で使用されるタイヤ摩耗粉は極めて微細な粒子として発生するが、モータースポーツで用いられるスリックタイヤなどから発生するタイヤカスは、日本ではウンコ、アメリカではタイヤマーブル[11]とあだ名されるほど大きな粒径で発生する。レコードライン上の舗装にこびりついたタイヤカスはラバーが乗ったと形容され、グリップ向上の要素として歓迎される反面、路面に乗ることなく剥がれた大径のタイヤカスは時としてサーキットを走行する車両を妨害する程の厄介な障害物となりうる[12]インディカーNASCAR等のオーバルレースでは、タイヤマーブルがクラッシュの直接要因となる為、トラック上に多数散乱しているとオフィシャルに判断されると、直ちにレースが黄旗中断され、専用の路面清掃車がマーブルの除去を行う。今日のようなワンメイクタイヤの使用が主流でなかった時代には、新型のタイヤを装着してファステストラップを叩きだした車両のタイヤカスをライバルチーム関係者が拾い集め、成分の分析を試みたという。

入手性の問題

市場に流通するタイヤの種類や寸法は、その時代によって様々に変遷していく。日本においては1970年代以前はインチ表記のバイアスタイヤが主流で、ホイールによってはチューブタイヤのものもしばしばみられた。1980年代以降は殆どがメトリック表記のラジアルタイヤへと移行し、チューブタイヤはほぼ姿を消した。軽自動車においてはブレーキ規制が強化された1980年代末を境に、10インチサイズのタイヤから12インチサイズのラジアルタイヤに移行していった。

  • インチ表記においてもメトリック表記においても規格書上は存在するが、実際に純正採用された例がごく僅か[13]、或いはほぼ皆無なサイズ[14]も数多く存在する。

こうした変遷の中で近年では新車採用されなくなったり、ごく一部の車種にのみ採用されたサイズのタイヤが市場流通から姿を消す、或いは選択できるタイヤの種類が極端に狭くなるなどの問題がしばしば発生する。

実例

ファイル:JGSDF Type73 Light Truck20090419-02.jpg
希少品と化したジープ用タイヤ
  • かつて不整地走行車両(特にジープ)のマッドテレーンタイヤの定番であったゲタ山タイヤで、2000年代末ごろには各メーカー廃盤となった。現在の陸上自衛隊に多数残存する73式小型トラック(三菱ジープ)においては、廃車抹消された車体のタイヤのうち程度の良いものを予備部品として残しておき、使いまわしている例が見られる。
  • かつて軽自動車用タイヤの主流サイズの10インチサイズのバイアスで、2010年代初頭現在では入手可能なタイヤがラグパターンのサマータイヤに限定されており、スタッドレスタイヤがほぼ皆無。

対策

  • タイヤ型が輸出された外国から購入する。
    • 日本で生産が完了した自動車を海外にラインごと輸出している場合、現地では旧規格のタイヤも需要がある。
  • プライ数が大きいトラック用のタイヤにする。
    • 重量、価格、乗り心地の面でデメリットがあるが、タイヤ強度が上がるために車検には全く問題がない。
  • タイヤの規格書を参考にタイヤ外径をなるべく変更しないようにして、ホイールのインチアップを行う。
    • 前輪に大口径のフリーホイールハブが装着されている場合や、後輪にダブルタイヤで装着されている場合、或いは特殊なPCDを採用しているなど、何らかの理由で交換用ホイールの入手が不可能な場合には、その車両の運用に支障をきたす場合もある。

タイヤメーカー

テンプレート:Sister 自動車用タイヤはグッドイヤー(米)、ブリヂストン(日)、ミシュラン(仏)の3社のグループへの寡占化が進行している。ここでは主に日本国内で購入可能なメーカーを中心に記述する。

欧米

  • グッドイヤー - アメリカのタイヤメーカー。住友ゴムと提携している。
    • フルダ - ドイツを発祥とし、欧州やアメリカで展開されるブランド。グッドイヤー傘下。
    • ダンロップ・タイヤ - 元々はオーストラリアのダンロップのみを傘下としていたが、住友ゴムとの提携で現在は欧米市場全般を担当。
  • ミシュラン - フランスのタイヤメーカー。日本では1975年に日本ミシュランタイヤを設立。その後、旧岡本理研ゴム「オカモト」と提携し1989年にミシュランオカモトタイヤを設立。のちに合弁解消し日本ミシュランタイヤとして再出発、日本国内ではオカモトブランドの「ライケン」も順次消滅。
  • ピレリ - イタリアのタイヤメーカー
    • メッツラー - オートバイ用タイヤメーカー。1986年ピレリに買収。
    • アームストロング - アメリカのタイヤメーカーでオフロードタイヤなどがラインナップされていたが、ピレリ社に買収。
  • コンチネンタルAG - ドイツのタイヤメーカー。日本では東洋ゴム・横浜ゴムの両社とタイヤ事業で業務提携。
    • ゼネラルタイヤ - かつて存在したアメリカのタイヤメーカー。のちにコンチネンタルタイヤ(現コンチネンタルAG)に買収されコンチネンタル・ゼネラルタイヤに。現在はコンチネンタルAG内部で一部ブランドが残るのみ。
    • バルム - チェコのタイヤメーカー。コンチネンタルAG傘下で、近年横浜ゴムの販売網で輸入販売されている。
    • センペリット - オーストリアのタイヤメーカー、コンチネンタルAG傘下。特定の商社によって乗用車用の一部モデルが販売されている。
  • マランゴーニ - イタリアのタイヤメーカー。主はリトレッドタイヤのメーカーで日本には特定の商社によって乗用車用の一部モデルが販売されている。
  • クーパー・タイヤ・アンド・ラバー - アメリカのタイヤメーカー
  • ノキアンタイヤ - フィンランドのタイヤメーカー。海外では特に厳しい寒冷地に対応したスノータイヤで評価が高いが、日本では主に自転車用タイヤで知名度が高い。
  • ミッキー・トンプソン - アメリカのレーシングドライバーが創業したタイヤメーカー。ドラッグレース用タイヤやクロスカントリーモデルが主のメーカーである。
  • ニューテック (Newtech) - 一般のタイヤに外見を似せた独自のエアレスタイヤを開発するベンチャー企業。日本の潤滑剤メーカーのニューテック (Nutec) とは無関係。

アジア

日本

ファイル:The huge monument of Tire at JR Kyushu Kurume station.JPG
福岡県久留米市の九州旅客鉄道(JR九州)久留米駅まちなか口(東口)にある、ブリヂストン製タイヤのモニュメント。建設・鉱山車両用で直径は約4m、重さは約5t。
  • ブリヂストン - 福岡県久留米市の石橋家(アサヒ靴の石橋家の分家に当たる)によって設立した世界最大手のタイヤメーカー。スチールコードの国内最大手でもあり、ドイツの同業大手・ベカルト社と合弁により設立したかつての関連会社(ブリヂストン・ベカルト・スチールコード)が発祥。戦前より活動する国産自動車タイヤメーカー3社(戦前3社)の一つ[15]
    • ファイアストン - 主にアメリカやヨーロッパで展開されるブランド。同社が社名・商標名の由来となった日本のブリヂストンに1988年に買収され、ブリヂストン・ファイアストン・タイヤへ社名変更している。
    • デイトン - 主にアメリカで使用されているブランドで、ファイアストンより低価格ブランドとして使用されている。
    • バンダグ - トラック向け再生タイヤの製造販売を行うブランド
  • 住友ゴム工業 - 旧日本ダンロップゴムで、本流である英ダンロップの日本法人として設立。のちに住友電工をはじめ住友グループの資本・技術介入により現社名へ変更。その後ダンロップ本体の経営悪化に伴い世界の大半のダンロップグループを傘下に持つこととなる。米国グッドイヤー社とタイヤ事業におけるアライアンス締結。海外では独自にスミトモブランドを展開。
    • ダンロップ - 明治時代1909年にダンロップ極東護謨工場として発足、事実上本邦のタイヤ産業の原点ともなったブランドであり、ブリヂストン・横浜護謨と共に戦前3社の一つとして称された[15]。戦後は米社・英社の買収により日米英の3か国を中心に住友ゴムグループで展開していたが、グッドイヤーとの資本提携により現在はアジア地域を担当。国内部門(旧日本ダンロップ時代含む)についてはダンロップファルケンタイヤも参照。
    • ファルケン(旧オーツタイヤ)- 戦中の1944年、大日本紡績株式会社(現・ユニチカ)の多角事業の一環で、大日本航空機タイヤとして設立[15]、戦後は東洋・日東・岡本理研と共に戦前3社に続く自動車タイヤメーカーとして国産7社体勢[16]の一角を構成した。のちに住友ゴムが買収、合併して住友ゴムの一部門となり、住友ゴムのタイヤ部門におけるセカンドブランドとして定着。
    • 日本グッドイヤー(旧・ダンロップグッドイヤータイヤ)- 住友ゴムが米大手のグッドイヤー社と提携、合弁で設立した外資系タイヤメーカー。
  • 横浜ゴム - 古河系、ブリヂストンと並ぶ戦前3社の一つ[15]。ヨコハマタイヤが主力ブランド。レースカー・スポーツカー向けに展開しているADVANのブランド名を持つ。これが成功したため他社も追随しレース、スポーツ用別ブランドを展開することになる。ポテンザ(ブリヂストン)、トランピオ(東洋)など。
  • 東洋ゴム工業(トーヨータイヤ)- 元東洋紡系、日中戦争支那事変)期の1938年の発足であるが、太平洋戦争大東亜戦争)期に幾度かの合併を経て現在の組織に至っている為か、いわゆる戦前3社には含まれていない[15]。戦後の国産7社体制の内、戦中戦後に発足した新興4社で唯一独立ブランドとして存続しているメーカーであるが、現在はトヨタ色濃厚で協力会社組織・協豊会に参加。
    • 日東化工 (旧・日東タイヤ)- 戦後の1949年設立[15]三菱ケミカル系(元三菱化学系→現三菱樹脂系)。NITTOブランドでトーヨータイヤが製造を担当(かつて菱東タイヤという合弁会社を設立した関係)。
    • 愛知タイヤ工業 - 主に産業車両用のタイヤを製造。やはり日東化工と合弁で「愛東」というタイヤ再生事業を専門とする会社を設立している。
  • 井上ゴム工業 (IRC) - 主に自動二輪車、自転車向けのタイヤを製造。兄弟会社にゴムホース・ゴムパイプメーカーのイノアックがある。
  • パナソニック ポリテクノロジー - 旧・ナショナルタイヤ。自転車タイヤ国内最大手。
  • 共和 - 輪ゴムの製造で著名であるが、ミリオンタイヤブランドで自転車タイヤも手掛ける。
  • ダイワゴム(現・ダイワボウ) - ソーヨータイヤブランドで自転車(ロードレーサー)向けタイヤを製造。
撤退・消滅したメーカー
  • 日本護謨 - ダンロップ極東護謨参入以前の1900年設立、本邦でも最初期のタイヤメーカーといわれる[17]ウラルタイヤブランドを展開[18]したが、戦中に消滅。
  • 角一ゴム(現・クラレプラスチックス) - 1906年設立。カクイチタイヤブランドで二輪車向けタイヤを製造[18]
  • 日本イングラム護謨 - 1908年、イギリス系資本にて設立された本邦初の外資系タイヤメーカー。1911年、ダンロップ極東と合併し消滅。技術者の一部は後述の内外ゴムへ移籍する[18]
  • 内外ゴム - 1913年設立、旧イングラムの技術者が合流しゴムタイヤを製造。ナイガイ・プリンスブランドのタイヤは旧日本軍の軍用車両用にも供給され、現在でも当時のタイヤが旧父島要塞軍事遺構等に現存する。
  • 日輪ゴム工業(現・ニチリン)- 1914年設立[18]ニチリンタイヤサクラタイヤ[19]ブランドで自転車用タイヤを手掛けた。
  • 東京護謨(現・昭和ゴム) - 1917年設立、マルテータイヤ (○T) ブランドを展開[18]、後の日東タイヤの母体の一つ。
  • ピープルラバー - 1920年設立、ピープルタイヤブランドで自転車用タイヤを手掛けたが、1970年倒産[18]
  • ユニオンゴム工業 - 1927年設立、ユニオンタイヤブランドを手掛ける[18]。現在はリムバンド等の自動車・二輪車部品で著名。
  • 大成ポリマー(現・東洋平成ポリマー) - 1929年設立、大成タイヤブランドで二輪車向けタイヤを製造。1979年事業撤退[18]
  • バンドー化学 - 昭和30年代に自転車向けタイヤを製造[18]
  • ナショナル護謨 - 昭和30年代までノーブルタイヤブランドで自転車向けタイヤを製造[18]。現在はウエットスーツ素材で著名である。家電のナショナル(パナソニック)とは無関係。
  • オカモト(旧・岡本理研ゴム) - 戦後の1964年に自動車用タイヤ事業参入[15]。かつて理研 (RIKEN) ブランドで乗用車用タイヤを手掛けたが、ミシュランと合弁しその後合弁解消時に、タイヤ事業は日本ミシュランに譲渡。群馬県太田市の工場は日本ミシュランが運営するが、2010年に研究開発部門を残し量産は停止し日本での生産はなくなる。
  • 三ツ星ベルト - 自転車用タイヤを生産していたが、2005年に事業撤退。
  • 日本自動車飛行機タイヤ製造 - 軍用車両・軍用機用向けのタイヤを生産、旧日本軍へも供給された。

韓国

台湾

  • マキシスタイヤ - Cheng Shin Rubberのブランド。総合タイヤメーカーであるが、日本では80年代中番より2輪用で新車装着が始まり、現在ではタイで生産されているK13系日産マーチに新車装着されている。4輪車の市販展開はオートショップの低価格タイヤで「マキシス」ブランドで展開。オフロード系タイヤは国産メーカーがサイズを縮小する中、サイズが豊富なため販売が伸びている。マキシスブランドは2011年より阿部商会が取り扱いを開始した。
  • ナンカンタイヤ - アジア製ブランドの魁で安価に販売されている。
    • ソナー - ナンカンのセカンドブランド。
  • フェデラル - 一般市販用タイヤからの輸入だったが現在では低価格のハイグリップ系のスポーツタイヤの販売が増え、スポーツタイヤブランドとして認知されつつある。
  • ケンダ - 台湾ブランドの自転車に多く使われている。

中国

  • グッドライド (GOODRIDE) - 中国のタイヤメーカーで世界ランク13位、中国最大のタイヤメーカーである。
  • トライアングル - 中国第2位のタイヤメーカーで世界ランク14位。トライアングルの由来は三角タイヤから来ている。
  • ワンリ (Wanli Tires) - 中国のタイヤメーカー。並行輸入品が安価に販売されている。
  • ティムソン (TIMSUN) - 中国のタイヤメーカー。日本の有名バイクメーカーテンプレート:どこに純正装着されているタイヤを製造。国内の販売では、マキシス、チェンシン同等の品質と評価されているテンプレート:要出典。日本では、日本モーターパーツがティムソンジャパンという屋号で日本総代理店として販売している。英語読みでは、ティムサンと発音し、中華圏では、タンセンという名前で知られている。

その他アジア諸国

  • アキレスタイヤ - インドネシアのタイヤメーカー。ATR Sport等の複数ブランドを保有する形で販売を行う為、社名そのものは余り知られていない。
  • ディーストーン (Deestone) - タイ王国のタイヤメーカー。日本では主にゴルフカート用や全地形対応車用のバイアスタイヤが並行輸入されている。
  • MRFタイヤ - インドのタイヤメーカー。インドではタイヤ業界最大手。
  • BKT - インドのタイヤメーカーで日本では建機、トラクタータイヤを阿部商会が正規輸入代理店として販売している。
  • ダンロップ・ラバー (Dunlop) - オーストラリアのゴム製品メーカー。かつては住友ゴムも米英ダンロップもインドのダンロップ等も同社の実質傘下にあった。現在はダンロップ・ラバーをイギリスのコングロマリット・BTR社が、タイヤ部門を継承したダンロップ・タイヤを米グッドイヤーと住友ゴムが、それぞれ株主として継承している。

脚注

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関連項目

タイヤの種類

タイヤに関する物品

タイヤに関する事柄・現象

外部リンク

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テンプレート:自動車

テンプレート:自動車部品
  1. JAMAGAZINE 2007年2月号-日本自動車工業会
  2. [1][2]
  3. テンプレート:PDFlink
  4. Tire Size Helper
  5. テンプレート:PDFlink
  6. 乗用車用タイヤのサイドウォールの一例
  7. 稀にナイロン製のものも存在する
  8. 稀にチューブレスタイヤであってもチューブを利用する事でチューブタイヤ専用ホイールにも使用出来る旨但し書きがされている場合もある。[3]
  9. 例として「295/80R22.5 153/150J」サイズのタイヤの場合、900kPaを最高圧力として指定している。広田民郎「バスのすべて」 グランプリ出版 p161参照
  10. テンプレート:PDFlink
  11. お菓子のマーブルチョコレートに由来するテンプレート:要出典
  12. MOTUL GT-Rのストップ、“犯人”はなんとタイヤカス - AUTOSPORT web
  13. ポルシェフェラーリ、或いはアメリカ車等の輸入車旧車によく見られる、インチが小さめで高偏平率ながらも非常に横幅が広いサイズなど。国産量販車種の例では175/60R16が該当し、トヨタ・ラクティス/スバル・トレジアトヨタ・iQの実質2車種にしか(少なくとも純正では)設定がない。
  14. 極端なインチアップの際に使用される18-22インチクラスの35/30偏平タイヤなど
  15. 15.0 15.1 15.2 15.3 15.4 15.5 15.6 テンプレート:PDFlink - 国立科学博物館産業技術資料情報センター
  16. 世界大百科事典によるタイヤ・メーカーの分類
  17. 新聞記事文庫 護謨工業 (01-076) - 報知新聞 1917.7.23(大正6) - 日本護謨株式会社の活躍
  18. 18.0 18.1 18.2 18.3 18.4 18.5 18.6 18.7 18.8 18.9 琺瑯看板 - ゴム・タイヤ - お散歩 Photo Album
  19. 現在台湾に同名ブランドのタイヤメーカーが存在するが、関連は不明。