マシュマロ

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マシュマロ、マシマロ、マショマロ英語:marshmallow)は、ふんわりとしたメレンゲシロップを加え、ゼリーで固めてをまぶした菓子の名。ソフトキャンディーの一種。

名称は、原料となったアオイ科ウスベニタチアオイ英語名、marsh mallow に因む。元はこの植物古代エジプト王族がすりつぶしてのど薬として使っていた。現代の製法では、この植物は使われない。フランス語でも、植物名 marshmallow のフランス語名 Guimauve(ギモーヴ)がそのまま菓子名になっている。

歴史

19世紀ヨーロッパの菓子職人が、砂糖を加えて菓子として完成させた。

1892年明治25年)に、風月堂日本で初めてマシュマロを製造・販売した。その際、「真珠麿(マシュマロ)」という漢字が当てられた[1]

製法

現在は、砂糖卵白ゼラチンを原料とする。成型後、くっつかないよう、デンプンコーンスターチなど)が表面にまぶされる。空気が多く含まれるため、軽く、食感も軽い。

まず、ゼラチンを戻しておく。次に、に砂糖・水あめ・水を入れて火にかけ、煮詰めて熱いシロップを作る。泡立てた卵白メレンゲに、熱いシロップを糸を引くように落としながら混ぜ入れ、さらに、戻しておいたゼラチンを素早く混ぜ、十分に泡立てる。型にコーンスターチと粉砂糖を振っておき、生地を入れ固める[2]

菓子メーカーの量産品では、卵白を使わず、ゼラチンとコーンスターチ、時には大豆タンパク増粘剤などを使っていることが多い。

白いマシュマロ以外に、チョコレートイチゴ香料バナナ香料や着色料を加えた色つきのマシュマロもある。また、中心部にジャムなどを詰めた商品もある。

フランス菓子としてのギモーヴは、フルーツピューレにゼラチンを加え、泡立てて固める。ただしメレンゲを使う製法のほうが簡単であるため、フランスでもメレンゲを使用したギモーヴもあり、日本で売られているギモーヴにもメレンゲを使用したものがある。

フルーツピューレを使ったほうが風味はフレッシュであり、メレンゲを使用しない場合は食感も違ってくる。

食べ方

ファイル:RoastingMarshmallow.jpg
マシュマロを直火で焼く

日本では、加熱せずにそのまま食べるのが一般的だが、北米では、キャンプファイヤの際にマシュマロをに刺すなどして直火で焼いてとろけさせ、そのまま熱いうちに食べることも多い。漫画ピーナッツ』の中で、スヌーピーや彼の兄・スパイクがマシュマロを焼くシーンは有名である。アメリカ合衆国などでは、熱いココアなどに浮かべて、半分溶けた状態のものを飲むことも行われている。 バーベキューの際には、焼いたマシュマロをチョコレートと一緒にクラッカーではさむ、S'moreスモア:Something more)というデザートも食べられている。

マシュマロを電子レンジで加熱すると、膨らむ。しかし、加熱しすぎるとネトネトの物体となり、冷えるとせんべいのように固まってしまう。また、特殊な食べ方では、液体窒素などの非常に冷たいものの中に入れて凍らせ、そのまま食べることもできる。また、バターをつけて食べることもあり、一部ではマシュバターと呼ばれ、密かな人気がある。ただし、バターをつけすぎると、脂っこくなり、マシュマロ本来の風味が失われてしまうことがある。

ホワイトデー

テンプレート:See also 日本独自の慣習として、バレンタインデーに女性からチョコレートを貰った返礼として、特定の日に男性から女性にそのお返しをするという風潮が生まれた。諸説はあるが、菓子業界では昭和50年代に入ってから、個々に独自の日を定めて、ビスケットやマシュマロ、キャンデー等を「お返しの贈り物」として宣伝販売するようになった。この動きをキャンデーの販売促進に結びつけ、全国飴菓子工業協同組合(全飴協)関東地区部会が「ホワイトデー」として催事化した。1978年、全飴協の全国総会で「キャンデーを贈る日」として制定され、2年の準備期間を経て、1980年に第1回の全国規模のホワイトデーが開催された。飴の材料である砂糖が白色だったため、「白=ホワイト」から「ホワイトデー」と命名された。

マシュマロもこの例に洩れず、3月14日がマシュマロデーと呼ばれていたという説もある。これは、福岡市の菓子店・石村萬盛堂が、昭和52年に「バレンタインデーのお返しにマシュマロを」というキャンペーンを百貨店と共同で行ったことに因むもので、これがホワイトデーの起源であるとしている。現在でも、石村萬盛堂は毎年ホワイトデー近くなると「ホワイトデーはマシュマロデー」というキャッチコピーでキャンペーンを行っている。

出典

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参考文献

関連項目

外部リンク

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  • レファレンス協同データベース「日本で最初にマシュマロを発売したのはどこか知りたい。」。原典は1892年7月6日朝日新聞朝刊3ページ、1892年7月6日読売新聞朝刊2ページ、および「近代日本食文化年表」(雄山閣出版)61ページである。
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