ホールデン (自動車)

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ホールデン (Holden) は、オーストラリア自動車メーカーであり、1931年からゼネラルモーターズ (GM) 傘下ということもあってGMHGMホールデンと呼ばれることもある。

沿革

ファイル:Holden and Frost Grenfell Street.jpg
Holden and Frost premises, Grenfell Street, アデレード
ファイル:1951-1953 Holden 50-2106 01.jpg
1951年 50-2106 utility(ユート)

オーストラリア唯一の自国独自ブランドの自動車メーカーで、J.A.ホールデン1856年アデレード馬具製造の会社として設立したのが起源である。1908年から自動車内装の修理業に参入。1913年にはサイドカーのボディ製造を開始、1917年以降第一次世界大戦による輸入制限に伴い自動車ボディの製造に参入し、1919年にJ.A.ホールデンは新会社Holden's Motor Body Builders Ltd (HMBB) を設立。1923年には年産12,000ユニットを製造する規模となる。またフォード・オーストラリアジーロング工場が完成するまでの間、同社向けにボディの組み立てを行った最初のメーカーでもある。そして1924年ゼネラルモーターズ・オーストラリアの専属ボディサプライヤーとなる。1926年GMコンプリート・ノックダウンシャーシHMBBのボディを組み合わせた車両の組み立てを行う工場を豪州各州に設立。1930年には34,000台を生産していたが、世界大恐慌の影響で、翌年にはわずか1,651台に減少。そして1931年にゼネラルモーターズはHMBBを買収し、ゼネラルモーターズ・オーストラリアと合併、General Motors-Holden's Ltd (GM-H) となる。また1920年代にはメルボルン市内を走るトラム車両の製造も行っていた。GMの買収後は、グループの一員として、シボレー車等のノックダウン生産をはじめ、シボレーやビュイックの影響を受けつつもオーストラリアの国情に合った独自の中型車48-215を開発し、初めて「ホールデン」の名を冠した自動車として1948年から生産を開始した。アメリカ車の平均より若干小柄だがヨーロッパ車よりも大きい独特のボディサイズ設定は、アメリカ同様に広大な未開地を抱えるオーストラリアならではの設定である。

1970年代以降は、自社開発の大型セダンとその派生車種のほか、欧州・日本のGM系メーカー(オペルいすゞスズキなど)の一部車種をライセンス生産もしくは輸入している。1984年からはバトン・プランによって登場した計7車種の内、トヨタ自動車と3車種、日産自動車と1車種のバッジエンジニアリングモデルが登場した。この内最後まで残ったのがホールデン・アポロとトヨタ・レクセンで共に1997年に販売を終了している。1990年代、小~中型モデルはオペルベースの車種が中心だったが、コスト削減のためそれらは徐々にGM大宇/シボレーベースに置き換えられていった。1998年にGeneral Motors-Holden's LtdからHolden Ltdへと社名を変更している。

2000年代に入ると自社開発車種のオーストラリア国外への展開にも積極的になり、2000年代半ばにクーペモナーロをアメリカのポンティアックとイギリスのボクスホールにそれぞれポンティアック・GTO、ボクスホール・モナーロの名称でOEM供給していた。また、2005年からステーツマン韓国および中国への輸出を開始し、それぞれGM大宇・ステーツマン、ビュイック・ロワイヨム (ROYAUM) の名称で販売された。その後WM型ステーツマンがビュイック・パークアベニューとして販売されている(2008年からはGM大宇・ベリタスとして韓国でも発売されたが、不人気を理由に2010年に廃止)。

2005年にはサーブ・オーストラリアを統合した。

2008年にはVEコモドアが北米でポンティアック・G8として発売されたが、ブランド廃止に伴いわずか1年で打ち切られている。

2013年からVFコモドアが、シボレー・SSとして再び北米市場で販売されている。

2013年12月、米国の自動車最大手、GMは、傘下のオーストラリア部門、ホールデンに関して、「現地生産を2017年末までに終了する」と発表した。

車種一覧

現行車種

ホールデンの主力モデルであるコモドアは、フォード・ファルコン、トヨタ・カムリなど共に同国で最も人気が高い車種であり、警察、政府関連、タクシーなどに多数採用されている。

過去の車種

ファイル:1970-1971 Holden HG Monaro GTS 01.jpg
1968年 HGモナロ・クーペ GTS
ファイル:1980-1981 Holden VC Commodore L station wagon 01.jpg
1978年 VCコモドア L ステーションワゴン

オーストラリアの自動車生産

かつて1970年代まではフォルクスワーゲンルノーオースチン日産クライスラーなど多くのメーカーが現地工場を持ち乗用車の生産をしていたが撤退が相次ぎ、1994年にはメルボルンに存在していた日産の工場が閉鎖され、2008年3月いっぱいでアデレードにあった三菱の工場も閉鎖され、2013年現在この国内で乗用車を量産しているのは、ホールデン、フォード・オーストラリアトヨタの3社だけとなっていたが、フォード・オーストラリアは2016年10月にオーストラリアでの自動車生産から撤退することを2013年5月23日に発表し、ホールデンのほかにもトヨタも撤退を発表した事でオーストラリア国内において自動車生産からは消滅する。

日本における展開

日本におけるホールデンの知名度は低いが、1973年からいすゞステーツマン・デ・ビルをOEM供給していたことがあるほか、マツダも大型セダンであるプレミアのボディを購入・輸入し、それに自社の13B型ロータリーエンジンを搭載した最高級車ロードペーサーを生産し1975年から1979年まで販売。また2005年からスズキが販売したシボレー・オプトラ(製造:GM大宇)の日本仕様車に搭載されるエンジンはホールデン製造である。

2004年から愛知県を中心に展開する輸入車販売会社「オートプレステージ」がSS UTE/HSV MALOO R8を中心に、少量ではあるがホールデン車の輸入・販売をしている。

関連項目

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外部リンク

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