デリンジャー

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ジョン・ウィルクス・ブースがリンカーン暗殺に使った「フィラデルフィア・デリンジャー」

デリンジャー (Derringer) は、小型の拳銃の愛称である。

概要

テンプレート:Infobox デリンジャーと呼ばれる拳銃にはいくつかあるが、いずれも大きさは手の平サイズであり、ポケットにも収まる。

リンカーン大統領暗殺事件に使われた拳銃はテンプレート:仮リンクが製作したもので、デリンジャー(またはメーカーの所在地から「フィラデルフィア・デリンジャー」とも)と呼ばれるようになるパーカッション単発銃である。以後、デリンジャーと言う名前は小型拳銃の代名詞となる。

この後、レミントン・(ダブル・)デリンジャーと呼ばれる、41口径(41short弾。口径が近い44magnum弾の3%程のエネルギーを発生する)の上下2連の中折れ式シングルアクション拳銃が1860年から生産されている。その中でも1866年に登場したモデル95・ダブル・デリンジャーが商業的に最も成功したと言われている[1]。「西部劇の影の主役」とまで言われる[1]ほか、日本でもモデルガンが発売される等で有名になった。銃としてはシンプルな機構のために故障が極端に少なく、また小型で持ち運びがしやすく、独特のデザインも好評だったことから、現在まで人気の高いモデルである。小型で持ち運びがしやすいことから、「元祖コンシールドガン」(隠し持っても違和感のない銃)とも言われる[1]。銃身の極端に短いモデルのため、相手に押しつけるようにして射撃することが多かったとされる。

現在でもレプリカや構造をコピーした製品が多数製造されている。それらの銃の使用弾薬は22shortから44magnumまでと雑多である。強力な弾薬を使用する場合は銃身内径を過大にし、ごく短い銃身と相まって弾丸を殆ど加速しないことにより反動をごく小さいものにしているが、当然弾丸のエネルギーもごく小さいものになっている。

開発者デリンジャーの綴りは“Deringer”だが、レミントン社が彼や彼の遺族との商標権争議を避けるため、スペリングに“r”を増やし、“Derringer”とした。

1962年にはハイスタンダード・デリンジャーが発売された。上下2連の中折れ式なのはレミントン社の製品と同様だが、動作がダブルアクションのみである点が特徴である。22口径ながら、火薬を増量した22ロング弾を発射することができ、現代でも護身用などで人気がある。ちなみに同銃には安全装置がないため、引金を重くすることで暴発を防いでいる。その形状から、人差し指で銃身を支え、中指でトリガーを引くという独特の射撃方法を使う。しかしこの銃のトリガープル(引き金を引くのに必要な力)は10 kg以上といわれており(工場出荷状態は11.3 kg)、非力な者は引金を引くことすらできないという、ある意味において厄介な物である。

登場作品

デリンジャーは、その小ささから、推理小説をはじめ、物語のキーとして登場することが多い。

映画

ドラマ

漫画・アニメ

ゲーム

小説

脚注

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関連項目

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