スワイヤー・グループ

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スワイヤー・グループテンプレート:Lang-en、中国語簡体字太古集团、中国語繁体字太古集團)はイギリスロンドンに本部を置く国際企業グループ。海運、空運、貿易不動産、その他製造販売事業等様々な事業を展開している。アジアで事業展開する有数の財閥企業である。中華圏では「太古(Taikoo)」という名を使用している。

グループ全体の従業員はグローバルで約13万5000人。現在のグループ総裁は会長兼終身社長ジョン・スワイヤー (テンプレート:En) で、創業者の玄孫(ひ孫の子)である。

歴史

中国では朝時代以降の近代化のプロセスで、スワイヤー家を初めとする香港のイギリス植民地資本と関係が深かった。20世紀初頭より、上海租界は事実上、欧米の商人で支配されており、しばしば中国近代史の舞台に名が浮かび上がる。

第二次世界大戦前は世界的にも有力な不定期船オペレーターで、所有船舶の煙突を青一色に塗るのが特徴だった。そのため、一般的には「ブルー・ファンネル」(ないしは青筒汽船)の名で知られていた。

年表

業務

スワイヤー・グループの中核企業は香港の「スワイヤー・パシフィック社(Swire Pacific Limited)」で、現在香港証券取引所に上場している。

スワイヤーの主なグループ企業は以下の通り。

  • スワイヤーパシフィック・オフショア・ホールディングス(Swire Pacific Offshore Holdings Limited)- シンガポールに本拠を置く海運船舶関連企業。石油天然ガス資源開発用船舶で有名。
  • スワイヤー不動産(Swire Properties Limited)香港最大の不動産会社の一つ。上海の南京西路にあるCITIC Squareに資本参加している
  • 太古城中心(Cityplaza)香港最大のショッピング・モール及びオフィス・コンプレックス
  • 太古坊(Taikoo Place)香港のオフィス・コンプレックス
  • パシフィック・プレイス(Pacific Place)香港のショッピング・モール及びオフィス・コンプレックス
  • キャセイ・パシフィック航空
  • 太古飲料(Swire Beverages Limited)コカ・コーラ社との共同出資の飲料水メーカー。コカ・コーラの「アンカー・ボトラー(Anchor Bottler)」であり、アメリカにもボトリング会社を所有している。
  • 香港太古コカコーラ(Swire Coca-Cola Hong Kong、太古可口可樂香港有限公司)
  • 台湾コカコーラ・ボトリング社(Taiwan Coca-Cola Bottling Company、太古可口可樂(股)公司台灣分公司)
  • 広東太古コカコーラ(Swire Guangdong Coca-Cola Limited、廣東太古可口可樂有限公司)
  • 廈門太古コカコーラ(Swire Coca-Cola Beverages Xiamen Ltd、廈門太古可口可樂飲料有限公司)
  • ICIスワイヤー・ペイント(ICI Swire Paints、卜內門太古漆油(中國)有限公司)
  • 太古自動車(Taikoo Motors Offshore Limited、百慕達太古海外汽車股份有限公司)台湾でのボルボなどの商用車販売会社。その他スワイヤー・グループは台湾でフェラーリマセラティアウディフォルクスワーゲン起亜などのディーラーも所有している。
  • 香港リーボック(Reebok Hong Kong Limited)。香港及びマカオでのリーボック製品販社。
  • スワイヤ不動産(Swire Real Estate Co. Ltd)日本での不動産会社。

スワイヤー家

スワイヤー家は香港上海銀行の個人筆頭株主である。

ゆかりの地

  • 東京では、イギリス大使館裏(千代田区一番町)に「スワイヤーハウス」がある。1994年まではキュナード・ラインの日本代理店であった。(のちキュナード自身が拠点を設置したが、現在は閉鎖され代理店も存在しない)
  • 横浜にはバターフィールド&スワイヤー社が所有していた通称「イギリス七番館」が現存している。現在は創価学会が所有する「戸田平和記念館」となっている。
  • 第二次世界大戦前の神戸北野町にバターフィールド&スワイヤー社の社宅(戦時中は捕虜収容所)があり、その前の三本松が「バターフィールドの三本松」として有名であった。現在の不動坂を登りきった辺りである。

フィクションへの登場

ジェームズ・クラベルの小説「Noble House」では1963年の香港を舞台にスワイヤー・グループとそのライバル企業「ジャーディン・マセソン社」との確執が描かれている(但し社名は変えてある)。

外部リンク

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