スパイ・ゾルゲ

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スパイ・ゾルゲ』は、2003年6月14日公開の日本映画。実在のスパイリヒャルト・ゾルゲの半生を描いた、全編3時間を越える大作である(映画上映の場合、途中休憩を入れたテンプレート:要出典)。

概要

映画監督篠田正浩の十数年の構想によるラスト・フィルム作品であり、全編がHD24Pによるデジタル撮影された事、CGによる大規模な合成などで、映像業界では非常に話題を集めた。興行的には成功しなかったが、CGで描かれた戦前の東京は、歴史の教科書を読んだだけではわからない、当時の雰囲気を伝えている。また、忘れられつつあった事件を掘り起こしたことも、注目を集めた。尾崎が元朝日新聞社員だったこともあり、朝日新聞社が製作に大きく関与している。

キャスト

スタッフ

その他

  • 篠田正浩のラスト・フィルムということで、妻の岩下志麻がメイキング監督として自らカメラを回し、後に『わが心の「スパイ・ゾルゲ」~妻・岩下志麻が見た監督・篠田正浩』として発売された。
  • 最先端のデジタルシネマ撮影技術が大規模で投入された。HD24Pはテープ収録ではなく非圧縮ハードディスクレコーディングで行われ、CG製作においては早稲田大学NTTなどの産学協同体制がとられた。
  • 三宅華子のモデルであった石井花子はじめ、登場人物の大部分は映画公開時点で物故者であったが、ヴケリッチの妻である山崎淑子(2006年死去)は当時存命で、子息である山崎洋(彼も生誕間もない姿で本作に登場する場面がある)とともに試写会に招かれている。ヴケリッチと淑子が出会う場面で淑子は和装であるが、史実では洋装であった。これに関しては衣装担当の森英恵がそれを知った上で和装にするよう篠田に勧めたという(出典:近藤節夫「ある女性の波乱の生涯」『知研フォーラム』290号、知的生産の技術研究会、2006年
  • 音楽のメインテーマは、池辺晋一郎の交響曲第6番「個の座標の上で」の冒頭部分をそのまま引用している。
  • 本作の予告編及びテレビCMではBGMにフィンランドヘヴィメタルバンド『ストラトヴァリウス』の「Infinity」が使用されていた。
  • 篠田正浩によると、この作品は日本で初めて撮影から編集まで、フィルムを一切使用せずに制作された映画だという[1]

出典

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関連項目

外部リンク

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  1. 「時代の証言者」『読売新聞』2012年6月9日