3×3 EYES

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
サザンアイズから転送)
移動先: 案内検索

テンプレート:Infobox animanga/Header テンプレート:Infobox animanga/Manga テンプレート:Infobox animanga/Footer テンプレート:Sidebar with collapsible lists3×3 EYES』(サザンアイズ、読みは公式にカタカナ表記)は、高田裕三による日本漫画作品。講談社ヤングマガジン増刊海賊版』(月刊誌)1987年12月14日号 - 1989年4月10日号(第一部)、『週刊ヤングマガジン』1989年第9号 - 2002年第39号連載。単行本は全40巻。新装版全4巻(第一部 - 第三部相当)。

OVA化、ゲーム化、ドラマCD化、テレホンゲーム(電話による音声ゲーム)化された。1993年度第17回講談社漫画賞少年部門受賞。

後日談として最終回から7年後のパイと仲間たちの日常の日々を『月刊ヤングマガジン』創刊2010年1月号から3号連続で掲載。その後も不定期で掲載している。

概要

「三只眼吽迦羅(さんじやんうんから)」という三つ目の妖怪であるヒロインのパイが、ひょんなことから彼女と一心同体の不死人「无(ウー)」となってしまった藤井八雲と共に人間になるため冒険をする物語。登場する妖怪の名前や設定が中国文化インド神話がモチーフとなっており、チベットインド等、日本以外のアジアが多く舞台になっている。

題名の由来は「三人の三只眼吽迦羅」という意味と「サザンオールスターズ」から[1]。また掛け算の九九にもかかっていると思われる。

当初は増刊誌の連載からスタートするが、人気が高かったため第二部以降は本誌に移行することとなった[2]

物語は全四部で構成されており、第三部に一度、第四部には二度、外伝的な物語が挿入されている。第三部までは内容に合わせて各話のサブタイトルが『○○の章』と章立てに区切られていたが、第四部からは各話サブタイトルに章立てが無くなっている。さらに単行本の装丁も第三部までと第四部以降とでマイナーチェンジされている。

また第一部には副題がなかったが、後に新装版等で「聖魔妖撃編」が用いられるようになった。

あらすじ

テンプレート:内容過剰

第一部(聖魔妖撃編)(1-2巻)

東京で一人暮らしをしている高校生藤井八雲は、ある日自分を訪ねてチベットからやってきた少女・パイに出会う。パイは4年前チベットで行方不明になった民族学者である八雲の父からの遺書を持っており、そこにはパイが「三只眼吽迦羅」(さんじやんうんから)という妖怪の唯一の生き残りで、人間になることを願っていることや、その方法を知る人物が香港にいること、そして自分の死後は八雲がパイを人間にする手助けをするとパイに伝えてあることが記されていた。余りに突飛な内容と父親の身勝手な頼みに激怒する八雲だったが、「三只眼」の使い魔である怪鳥タクヒが暴走、襲われそうになったパイを庇ったことから命を落としかける。その瞬間パイの額に第3の目が現れ、「不老不死の法」により魂を抜き取られた八雲は不死身の「(ウー)」となってしまう。

パイを人間にする決意をした八雲は、父の遺言に従い手がかりを求めてパイと共に香港に渡る。そこでパイの中にいるもう1つの人格「三只眼」から、自分が彼女と一心同体の不死人「无」であることを知らされた八雲は、人化の鍵である「ニンゲンの像」をめぐる妖怪との争いに巻き込まれる。像を奪われ手がかりを失った八雲は、日本に帰国し普段の生活に戻るが、不死身の肉体を目にした友人達が悲鳴を上げるのを見て、自分がすでに人間ではないことを再認識する。また不老不死の力を狙う妖怪が周囲に現れたことで友人達にも危害が及ぶと悟り、人間に戻るまではこれまでの日常と決別することを誓う。

香港へ戻った八雲達は、人間になるための術「人化の法」に必要とされる「ニンゲンの像」を巡り鬼眼王(カイヤンワン)を信奉する妖怪達と争奪戦を繰り広げる。その戦いの中現れた鬼眼王の无・ベナレスは、鬼眼王の復活が間近であることを告げる。さらにベナレスは邪魔をしないようパイには眠ってもらうこと、そしてもし復活の邪魔をすれば仲間を皆殺しにすると伝え、パイと八雲に1日の猶予を与えた。決戦前夜、八雲はパイと人間になったら東京で一緒に暮らす約束を交わす。しかしパイは八雲を戦いに巻き込むことを恐れ単身ベナレスとの決戦に赴く。八雲が気付いた時、香港の方角が明るく輝き、そのままパイは戻らなかった。

パイが死ねば自分も死ぬため、パイがまだ生きていることを確信した八雲は、パイを探すため当てのない旅に出発する。

第二部(聖魔伝説編)(3-5巻)

香港でパイが行方不明になってから4年後の東京。ベナレスとの戦いにより記憶を失ったパイは、老夫婦に保護されごく普通の女子高生綾小路ぱいとして暮らしていた。ある日、パイの秘められた能力を狙う生き人形たちに襲われるが、額の菱形のアザが光り輝きこれを撃退した。反動でぱいは気を失い、再会した藤井八雲により介抱される。八雲によって自分が人間ではないと告げられるぱいだが、記憶を失っているため頑として信じない。だが八雲から渡された「シヴァの爪」を使い、己の意思で解放された力を目の当たりにしたぱいは、自分が人間ではないということを受け入れる。その後、パイの記憶は額の菱形のアザにより封じられていることが判明し、八雲とぱいはアザを除去する方法を探るため中国に向かうことになる。

中国に渡った八雲とぱいは三只眼の故郷「聖地」に向かうため、その鍵となる香炉を手に入れようとするが、同じく香炉を狙うトレジャーハンターのマクドナルドと、呪鬼(チョウカイ)一派との三つ巴の争奪戦となる。マクドナルドと共闘し呪鬼一派を退けた八雲達は、途中で出会ったパドマー寺院の僧・ナパルバに導かれ、ついに聖地にたどり着く。しかし聖地は伝説のような華やかな場所ではなく、住む者のいない荒廃した土地であった。

ぱいは残されていた記録石から、かつて聖地が邪悪な王・鬼眼王に支配されていたことやパイ=パールバティー四世が鬼眼王の未来の妻であったこと、そして戦いの果てに鬼眼王が聖魔石に封印され、その代償にパイ以外の三只眼達が全滅したことを知る。突然現れたベナレスにより、ぱいは自分がパイ本人ではなく、「三只眼」を封印するために菱形のアザ(チョアンリンリン)に変身して取り憑いた化蛇(ホウアシヲ)であることを知らされる。化蛇はパイの意識を封じ込め体を乗っ取ることには成功したが、「三只眼」は記憶喪失になったのみで封じ切れず、化蛇までもが記憶を失い自分がパイだと錯覚してしまっていた。化蛇はこのままベナレスに従うか、パイを解放して元の醜い蛇に戻るかの決断を迫られるが、八雲たちを救うために菱形のアザの封印を解き、ベナレスもろとも聖魔石を破壊する。

その後、「三只眼」と未だ目を覚まさないパイは養生のため聖地に残り、再び記憶を失った化蛇は「綾小路葉子」として、以前のように東京で普通の女子高生として過ごすこととなる。綾小路葉子を見送った八雲は都会の雑踏の中に消えていった。

第三部(聖魔世紀編)(6-11巻)

その後、八雲は東京の料理学校に通いながらパイが戻ってくるのを待っていたが、パイは新たな友人達と過ごす八雲を気遣い聖地に引き蘢ったままだった。しかしパイを聖地からおびき出したい黄舜麗が、封印されていた怪物太歳(タイソエイ)を東京上空に解き放つ。この危機に聖地から現れたパイは八雲と再会を果たし、太歳を封印する。

再び人間になる方法を探し始めた八雲とパイは、鬼眼王が封印されていた「聖魔石」に残留思念の法をかけて「人化の法」を調べることを思い付く。黄舜麗はパイに封魔鐶を与えて密かに「三只眼」を封じ、さらに封魔操妖球で「三只眼」を操ろうとするが、憑魔一族の女戦士・グプターにパイをさらわれる。パイ奪還のため憑魔一族の本拠地へ乗り込んだ八雲だったが、彼らがその能力故に絶滅の危機に瀕し、かつては三只眼一族に従属することによって得られていた不老不死の法を求めていることを知って困惑する。そんな中、憑魔一族の王子・ガルガは自らが不死身となって世界を支配するという野望を現わしたことで、八雲とグプターは和解し、謎の男キンカラの協力も得てガルガに立ち向かう。戦いの中、封魔鐶が砕け散ったことで「三只眼」が力を発揮し、ガルガを打倒する。これ以降、憑魔一族は「三只眼」に下り「ニンゲンの像」と「聖魔石」の発見に尽力することとなった。

やがて聖魔石のカケラを発見したとの報が届く。早速「三只眼」は聖魔石のカケラに残留思念の法をかけるが、そこから現れた鬼眼王・シヴァの幻影に魅入られ、原因不明の昏睡に陥ってしまう。八雲は囚われてしまったパイと「三只眼」の精神を解放するため、ハーン共々パイの精神世界に入る。精神世界内はパイの幼少時代であるおよそ300年前の聖地を再現していた。八雲はそこで、三只眼吽迦羅が3人いなければ「人化の法」は行なえないことや、「人化の法」の最中の事故により心優しかったシヴァが邪悪な鬼眼王に変貌したことを知る。八雲たちはパイと「三只眼」を覚醒させて帰還するが、人間にはなれないという事実に途方に暮れる。

一方、黄舜麗は「三只眼」に自分が「迅鬼」という妖魔であることを明かし、第2の鬼眼王となるようそそのかす。しかし彼女の真の狙いは、「三只眼」の中にある八雲の魂を魔物に食べさせ、自らが无に成り代わることにあった。それに気付いた八雲は迅鬼と交戦し、あと一歩まで追い詰めるが「あんたは俺の家族だ」と止めを刺さずに去った。八雲の魂を食おうとしていた魔物を退けた八雲と「三只眼」の前にキンカラが現れ、八雲の魂を横取りする。キンカラの正体は倒したはずのベナレスで、実は聖地でベナレスと対峙した時点で鬼眼王は聖魔石の中にはおらず、聖魔石のカケラを使ってパイを昏睡状態にしたのも彼だった。八雲はピンチに陥るが、駆けつけた迅鬼の援護により魂を取り戻す。しかしベナレスの攻撃を受け迅鬼は命を落とす。

八雲と「三只眼」は黄の死を悲しみつつ、来るべき鬼眼王やベナレスとの戦いへの覚悟を新たにする。

第四部(聖魔創世編)(12-40巻)

綾小路葉子との再会〜月面での決戦(12-19巻)

ベナレスを倒す手掛かりを掴むため、八雲とパイは綾小路葉子に再会する。綾小路は一時ベナレスの部下に操られ八雲達を攻撃するが、途中で化蛇としての記憶と能力を取り戻し仲間となる。さらに、かつてベナレスを封じたという魔道士マドゥライの末裔を探すためイギリスに渡った八雲とパイは、魔道士ベム・マドゥライ本人を見つけ出し、ベナレス攻略のための頭脳として迎える。

インドシナ半島の小国の王権復古を目論む王に仕える術士サルラーマは、発掘されたヴィシュヌを復活させようとしていた。ハーンから密かに知らせを受けた八雲はナパルバと共に阻止に奔走する。しかし復活したのはヴィシュヌの化身カルキで、ヴィシュヌとの合体を望んでいた王を殺し暴走する。以前八雲のせいで獣魔に精気を吸い取られたサルラーマは、腹いせにカルキを放置しようとするが、捨て身の八雲達を見て心変わりし、カルキと合体し暴走を止める。八雲はその後、サルラーマの故郷で正体不明の獣魔の卵を手に入れる。一方、パイはネパールにある鬼眼水将塚で鬼眼五将の行に臨んだが、得た力は予想を下回っていた。原因を求めて、八雲共々大地の龍脈(ナーガ)に思念体を潜入させた「三只眼」は、大地の精を大量に吸い上げる衰えたベナレスの姿を見て、倒すのは今しかないと決断する。

八雲達はベナレスを討つため、聖地にある「魔口の巣」に赴くも、ベナレス配下となったガルガに襲われ、深手を負ったマドゥライは死亡する。八雲達はベナレスの本拠地である月面の龍皇城に侵入し、決戦を挑む。八雲はマドゥライから教わった術「魔現封神」でベナレスを大地に封じるも、では許容量が足りず術は破られる。龍と化したベナレスに八雲達は追い詰められるが、正体不明の獣魔であった哭蛹(クーヨン)でベナレスの攻撃を無効化し、命からがら月を脱出する。

亜空間アンダカでの探索〜鬼眼王シヴァの復活(19-29巻)

東京に戻った八雲達に対し、ベナレスは東京の全人口を人質にすると宣言する。脅迫に屈した八雲はベナレスの命を受け「亜空間アンダカ」へ3人目の三只眼捜索に向かう。

アンダカでは无・アマラが変化した「球城アマラ」に辿り着く。球城アマラの中で、八雲はシヴァの母親である三只眼ウシャス、その複製であるラートリーとその他の培養生産された神民達に出会う。これを察知したベナレスは八雲に付けていた呪的命綱(スペル・ライン)を発動させ球城アマラを東京に出現させる。取り残された八雲は、アマラから分離されたリトル・アマラと融合し自力で帰還する。一方ベナレスによって封印を解かれた鬼眼王は、「人化の法」で「三只眼」とウシャスの力を得ようとするが、霊力の低い複製三只眼のラートリーが「三只眼」の身代わりになったため、肉体の復活は不完全なものに終わる。

球城アマラの炎上〜サンハーラの阻止(29-40巻)

復活した鬼眼王は神獣・ローカパーラを使い世界中に人間を魔物に変異させるウィルスをばら撒き始め、僅かな間に東京は廃墟となった。球城アマラは魔物に襲撃され、ラートリーは人質となりアマラは封じられていた。技師長のネグローニはベナレスに脅迫されパイの複製(カーリー)を生み出す。八雲はアマラの封印を解くが、球城アマラは灰となる。

アマラは単身鬼眼王の元に乗り込む。アマラは八雲に貸していた力を引き上げるが、八雲の精神もまたアマラの元へと運ばれていた。アマラと八雲は協力してベナレスを退けるも鬼眼王に敗北する。八雲は一時は獣魔を失うが、アマラの種を手に入れ不完全ながらも獣魔を取り戻す。一方東京で逃げ延びた人々は合流し、新岩城島要塞を築きローカパーラと交戦する。

月面の龍皇城にて秘術「サンハーラ」の準備に入った鬼眼王とベナレス。巨大な呪術装置である「サンハーラ」は太平洋上に配置され刻一刻と成長していく。最終決戦を間近に控え、「三只眼」は八雲に一夜の契りを求め、2人は結ばれる。「三只眼」は「人化の法」により内側から鬼眼王を眠らせることを決意し、鬼眼王の下に赴く。再度の「人化の法」により「三只眼」とカーリーは三只眼吽迦羅の力を失い、八雲もまた无の能力を失いただの人間となった。真の復活を遂げた鬼眼王は、八雲とパイに残された人生を2人で過ごすがいいと告げる。

八雲は「三只眼」を見殺しにしたパイを許せず傷つける。鬼眼王の「サンハーラ」の儀式に臨むべくパイはただ一人サンハーラの核へと向かう。八雲は残る仲間達と共にサンハーラの核に向かうが、ベナレスに阻まれる。鬼眼王は内部に取り込まれた「三只眼」の抵抗に遭うものの遂にサンハーラを発動。発動したサンハーラにより世界中の人々は「骸」と化し、鬼眼王は光の粒子に包まれ神となるが、吸収されていた「三只眼」達が分離する。パイと再び融合した「三只眼」は八雲を再び无にする。

鬼眼王は人間が心に封じていた光を集約しようと目論んでいたが、集まったのは光ではなく闇だった。天を覆う闇に鬼眼王は絶望する。これまで得たすべての力を集約した八雲は遂にベナレスと鬼眼王を倒す。八雲は自身の体を粉々に引き裂き闇と融合することで人類を復活させようとする。八雲はパイと「三只眼」に再会を誓い、「三只眼」は八雲の肉体を粉々に吹き飛ばした。人類は復活し以前と変わらぬ日常に戻った。

後日談

最終回から7年後のパイと仲間たちの日常の日々を不定期で掲載している。

  • 『月刊ヤングマガジン』
「3×3EYES外伝 ユグドラシルのヤドリギ」前編(2010年1月号)
「3×3EYES外伝 ユグドラシルのヤドリギ」後編(2010年2月号)
「3×3EYES外伝 綾小路家の一日」(2010年3月号)
「3×3EYES まったり日常編 3×3DAYS」(2011年7月号)
「3×3EYES -与太番外 神山依子の暴走ラノベ生活が甘くて優雅だというささやきはにわかステルスに違いないのだ!-」(2013年2月号)
  • 『ヤングマガジン海賊版』
「1話 そして龍皇(ヤツ)は途方に暮れる」(2014/04/28)
「2話 李家の秘宝」(2014/05/02)
「ユグドラシルのヤドリギ 前編」(2014/06/23)
「ユグドラシルのヤドリギ 後編」(2014/06/30)
「綾小路家の一日」(2014/7/07)
「-喰っちゃ寝プレゼンツ-菓子ミヤ・グランプリ」(2014/7/14)
「神山依子の暴走ラノベ生活が甘くて優雅だというささやきはにわかステルスに違いないのだ!」(2014/07/18)

登場人物

OVAやゲームなどでボイスが使用されたキャラについては声優を併せて記す。

主な三只眼と无

パールバティー四世(幼名パイ)
声 - 林原めぐみ
本作のヒロイン。三只眼の生き残り。母はパールバティー三世、父は不明。10代の少女に見えるが、年齢は300歳を超える。2つの人格を持ち、八雲たちからは人格交代と連動している第3の眼の閉眼時を「パイ」、開眼時を「三只眼」と呼ばれている。
300年前、三只眼達が鬼眼王に対し反乱を起こす。シヴァへの思慕と恐怖から戦いに参加していなかった「三只眼」は仲間の三只眼が皆殺しにされるところを見てしまう。「三只眼」も鬼眼王に殺されかけるが、シヴァの自制に助けられる。シヴァから逃げるように指示されるが、「三只眼」は恐怖から鬼眼王を聖魔石に封印してしまう。シヴァを裏切った悔恨と孤独に打ち震えたことから、「パイ」というもう一つの人格を作成し自ら二重人格となる。その後チベット山中に移り住み、探索中に遭難した八雲の父親で民俗学教授の藤井一を助ける。人間の持つ「聖なる力」に魅かれて人間になることを願っていたパイは、一と人間にしてもらう約束をし、一が遺志を託した八雲を訪ねる。後に人化の法で人間になり、人格的にはパイが残るが、サンハーラの力で鬼眼王に吸収されていた「三只眼」と再融合し、さらに他の三只眼(ウシャス、パールバティー三世等)とも融合する。なお、パールバティー(Pārvatī)はヒンドゥー教におけるシヴァの2番目の妻である。
パイの人格状態の時は「三只眼」の記憶は欠落しているのに対して、「三只眼」の時はパイの記憶は欠落しておらず、人格ごとに独立した記憶を持っている訳ではないので、医学的には二重人格とは言えない。少なくともパイと「三只眼」を同列に扱うことは出来ないが、ここでは便宜的に2つの人格が成立しているとして、各人格について個別に説明する。
パイ
第3の眼が閉じている時の人格。鬼眼王を聖魔石に封印する以前の記憶を意図的に欠落させた人格。チベットの奥地で300年間一人で暮らしていたが、遭難した八雲の父親を助け、人間になるために日本に行き八雲に出会う。タクヒに襲われて死んだ八雲を无とする。
性格は純真無垢で能天気。たとえ敵でも命を助けようとする優しさを持つ。また大食漢で「妖怪食っちゃ寝」と八雲に呼ばれている。酒には弱い。一人称は「パイ」で、「〜だもん」など幼児のような言葉遣いをする。自己犠牲心が強く、しばしば軽率で危険を顧みない行動に出る。
当初より八雲には好意を持っていたが、「恋人」という言葉の意味を知らなかったため、「ダチンコ」(パイの感覚で「大事な人」と言う意味)と思っていた。
パイの状態の時は霊力は低く、召喚以外の術は使えないが、「シヴァの爪」を用いる事で一部強力な光術を使う事が出来る。
無邪気かつ優しすぎる面を持つために、シヴァを唯一の同胞として彼の真意を理解しようと行動し、結果八雲を窮地に追い込む場面もあった。ただ君枝曰く、その能天気さ、無邪気さ、優しさが、両親に捨てられた過去で傷つく八雲を癒すには必要だとのこと。
アニメやゲームなどでは、片言やたどたどしい口調で喋るという特徴があるが、これは声優を担当した林原が「原作序盤ではパイの台詞がカタカナで記されていたことと、日本語に慣れないパイが一生懸命喋っている様子を表現するため」と語っている[3]
名前は作者の友人の猫の名前から[4]
後日談では「藤井パイ」を名乗る。
「三只眼」
第3の眼が開いた時の基本人格。「パールバティ」とも呼ばれる。鬼眼王封印後、心の傷を癒やす為、聖地を離れ別人格の「パイ」を作り出した。種族としての三只眼と区別するため括弧付きで表記される。
プライドが高く傲慢で尊大。当初は八雲を奴隷と断言し「愚か者」と罵っていたが、やがて八雲を認めるようになる。大酒飲みだが酒のせいで失敗することもある。一人称は「儂」で、「〜じゃ」など老人のような言葉遣いをする。高慢な性格を逆手にとられて罠に陥ることも多い。
八雲に対してはいつもきつい態度で接していたが、内心は彼に好意を抱くようになり、たまに照れながら彼の身を心配する発言を行う。終盤では鬼眼王との決戦を前に自らの心の弱さを認めて、八雲に一夜の契りを求めた。
「三只眼」の状態の時は霊力が高く、強力な光術の他、様々な秘術を使いこなす。何より迷いがなく敵と判断すれば躊躇なく殺す冷酷さや、圧倒的な力で敵を殲滅する残忍さを持つ。序盤では最期の決着をつけるのは彼女の役目だったが、ベナレス復活後は戦いのメインが八雲に移行した為、彼女自身が戦うシーンは激減している。また強大な力を持つため、眠っていることや、敵に眠らされたり封じられたりすることが多い。
幼い頃はシヴァに育てられたため、シヴァを慕う気持ちが強かった。また幼少期の性格はパイそのものだった。精神世界での経験によりシヴァへの恋心に決着をつけ、精神的にも肉体的にも成長する八雲を深く信頼する様になる。悲壮な覚悟を決めて人化の法に臨み、パイと八雲を人間にし、仮死状態のまま鬼眼王の一部となって完全復活後の鬼眼王を昏睡させた。サンハーラ発動後にパイの求めで再び融合を果たし八雲を再び无とする。最後は聖地でパイと共に八雲の帰りを待っていた。
藤井 八雲
声 - 辻谷耕史
主人公。糸目が特徴の少年。昭和46年3月27日生まれ(免許証より)。物語当初の年齢は17歳で高校生。第二部では20歳だが、17歳で不老不死になってから外見の変化は一切ない。父親は「妖怪狂い」(八雲談)の民俗学教授「藤井一」。母親は父の教え子。普通の人間として高校生活を送っていたが、パイと出会い、不老不死の術で「三只眼」を守護する无となり、パイと共に人間になる旅に出る。
明るくて誰にでも優しい性格だが、幼年時代は母親に虐待(ネグレクト)を受けるなど家族愛には恵まれず、見捨てられ不安に苛まれていた。このため「三只眼」やパイが八雲を置き去りにしたことは心に引っかかっていた。1人暮らしをし、生活のためにゲイバーでバイトしたりしているが、本人いわくオカマではない。
戦いを好まない性格で、たとえ敵でも命を奪う事は好まず、自らの危険も省みず助けてしまう事がある。特に女性型の魔物に対しては手加減が目立ち、裏切られて窮地に陥ることが多かった。D・Dやタリスマンは容赦なく殺したにもかかわらず、舞鬼は助けている。
料理が得意で、一時期帰還したパイと一緒に店を開くつもりで専門学校に通ってもいた。
偶然により不死身の肉体を得た事で様々な闇の者に狙われる事になる。当初は全く術を使えず不死力のみに頼った特攻戦法が主体であったが、第二部以降は体術や獣魔術を身に付け、敵と対等に戦えるようになった。しかしそれでも術者としては脆弱な方であり、ベナレスを始めとする一線級の魔物には歯が立たないことが多かったが、鬼眼五将の行やベム・マドゥライの指導と能力を受け継ぎ、リトル・アマラを取り込んだことで力を増していった。数多くの戦いを経ることで著しい成長を遂げ、最終的にはベナレスや鬼眼王に唯一対抗できる存在になる。ただ、無鉄砲で考えなし、優柔不断で流されやすい性格は相変わらずであり、中盤以降でも何度も失敗している。中盤以降はマドゥライの力を失ったり、アマラのせいでリトル・アマラの能力ばかりか獣魔術さえ失い、終盤では无の能力すら失ってしまう。獣魔術を失ってもスペルキューブを駆使するなど戦いのセンスで乗り切るが、ただの人間となってからは心弱く状況に絶望してしまう。
パイに惚れており、一度彼女を守れなかったことを悔やんでいる。また、当初は傲慢な「三只眼」を邪険にしていたが、やがてパイと「三只眼」両方に心惹かれるようになる。異人格とはいえ二人同時に惹かれていることについて密かに苦しんでいたが、パイの「全部の自分を愛してくれて嬉しい」との発言で解消されたようだ。女性にはモテており、パイと「三只眼」をはじめ、幼馴染みの浅井夏子、パイの影武者だった綾小路ぱいこと化蛇、美星、舞鬼、ラートリー、フィズといった女性キャラクターから好意を寄せられる。
「勘弁してよ」「ヤクイ」が口癖。高所恐怖症の気がある。また中国語は苦手。
作者によれば、「第1話で主人公が一度死に、不死身のヒーローになって復活する」という設定はウルトラマンに由来し、初期のモデルは藤井フミヤと作者の大学時代の後輩を足して2で割った人物であると言う[1]
サンハーラから4年後にネパールにてハーン、綾小路と再会、その後はパイや妖撃社の面々とともに化物退治のため世界中を飛び回っている。
鬼眼王(シヴァ、幼名ルドラ、愛称ルド)
三只眼を統率した最後の王。母親はウシャス、父親は先代の鬼眼王。2000年前にベナレスの封印を解き无にした。
元来は優しい心の持ち主であり、種の限界を迎え退廃がひどくなる三只眼達の中でも特異な存在として敬われていた。鬼眼王となる前は鬼眼王の妻パールバティーの養育役であり、代々のパールバティーを育ててきた。
300年前、先代鬼眼王の不興を買い、パールバティー三世と共に人化の法に選ばれる。その人化の法の最中、事故により先代鬼眼王から全ての人格と力を奪い取り、新たな鬼眼王になった。それからは優しさが消え凶暴な人格となり、同族の三只眼達を皆殺しにするが、幼少時の「三只眼」に聖魔石に封印される。
復活後は全ての人間を1つの光に帰すことを目指し「破滅の法」を使って人間の意思の「光」を集めていた。シヴァとしての人格が完全には取り込まれておらず、時折パイや八雲を救うために苦痛をおして登場している。
最終決戦では光と化した八雲に敗れるが、カーリーと融合し人間を見守る立場になる。
シヴァ(Śiva)はヒンドゥー教における破壊神で第3の目を持つ。
ベナレス(キンカラ、龍皇)
声 - 大塚明夫
鬼眼王の无。不死身でなおかつ強大な実力を持ち、鬼眼王復活のために闇の者を支配していた。
獣魔術の開発者でもあり、百の獣魔を操る最強の无。闇の者の頂点に立つだけあって、その実力は非常に高く、並の魔物では扱いきれない程の精を使いこなす。プライドが高く、他の者に守られる事を嫌う。戦いが生き甲斐であり、強敵と戦う事に楽しみを感じている。
失態を犯した部下は容赦なく処刑するが、逆に自分に対して公然と反旗を翻した化蛇やコネリーなどは命を奪わず放って置くなど寛大とも取れる一面がある。鬼眼王に対する忠誠心は非常に高い。
第一部、第二部では「三只眼」の霊力には勝てなかったが、第三部の終わりでは新たに開発した獣魔の力で「三只眼」の力を防ぎ、名実共に八雲達にとって最強最大の敵となる。
その正体は数千年前に聖地を破滅の危機に追い込んだ巨大な龍神であり、三只眼を食らい続けて人の姿になった。支配者である三只眼を食らう救世主として、聖地の弱妖たちに崇められるが、その強大過ぎる力を恐れた直弟子のベム=マドゥライによって封印される。その2000年後にシヴァによって封印を解かれ无となる。
300年に渡って封印され続けた鬼眼王の衰弱が激しく、その影響で自身も体の崩壊が始まっていたが、大量に集めた大地の精でそれを補っていた。月面の戦いでは既に消耗激しく、強力な獣魔を従えているにもかかわらず、実力的には足許にも及ばない八雲に苦戦する。しかし八雲の魔現封神により龍神の本性を発現し破壊の限りを尽くす。
自身の衰えが目立つため、ガルガや八雲、パイや化蛇を様々な秘術で支配し操る。 
鬼眼王の完全復活後は強大な力を取り戻し、最終決戦では半ば龍神化した龍人のような姿で八雲と対峙した。「光」と化した八雲によって倒されるが、鬼眼王が生き延びた事により彼もまた生き延びる。
作中の説明によれば、キンカラ(Kiṅkara)は矜羯羅童子(こんがらどうじ)のサンスクリット名。

第一部の登場人物

八雲の知人

ママ(真行寺 君江)
声 - 岸野幸正
オカマで、ゲイバー「カルチャーショック」の店長で八雲の隣人。八雲は幼い頃から世話になっており、彼女(?)の経営するゲイバーでバイトもしている。八雲たちは日本に戻った時にはママの家に居候しているようである。裏社会に顔が利き、また悩める八雲たちに助言を与えるなど終盤は八雲たちの精神的支柱として活躍している。夏子を連れ戻したパイとテレビで八雲の戦いを見ている最中に破滅の法で変異してしまう。
浅井 夏子
声 - 水谷優子
仲間内で唯一の女の子。八雲の幼馴染みで、子供の頃から密かに八雲を想っていた。无となった八雲を東京から追い払うために黄が送り込んだ妖魔に体を乗っ取られる。数年後、綾小路の高校の教育実習生となり、事件に巻き込まれる。鬼眼王の復活後、八雲を東京に足止めするために利用される。精神世界で幼い頃から抱いていた八雲への思いを告白した。八雲とパイに救出され、君江のマンションで保護されていたが、破滅の法で変異してしまう。八雲と友人関係にあるせいで危険な目に遭うのだが、それでも八雲を想っている。第一部(1巻6話-)、第四部(12巻序ノ一-、30巻282話-)に登場。
タッちゃん(達川)
声 - 佐藤浩之
八雲と同じ位の身長で、釣り眉毛。第一部(1巻6話-)、第四部(30巻282話-)に登場。
秀さん
声 - 緑川光
長身で四角い眼鏡をかけている。第一部(1巻6話-)に登場。
サル(猿渡)
声 - 菊池正美
八雲より小柄で丸眼鏡をかけている。第一部(1巻6話-)に登場。

妖撃社関係者

陳 亜栗(チン ヤアリイ、再登場前のルビの時は「ヤアリイ」であり、それまでは「アグリ」であった。)
妖撃社の編集長。第一部で人化の法を知る人物だったが迅鬼の妖術で石化されて行方不明になる。第三部で迅鬼が死亡したことによって術が解け、第四部(14巻41話)から再登場し、八雲たちに協力する。八雲やハーンの父とも旧知の仲であり、妖怪のことに詳しい。臆病で打算的、食べ物に執着するが憎めない人柄。
李 鈴鈴(リー リンリン)
声 - 折笠愛
初代妖撃社の唯一の社員で副編集長の女性。初登場時は妖怪関連の出版社に勤めていながら妖怪の存在を信じていなかったが、ニンゲンの像を巡る事件に出会った事により認識を改める。女性ながら拳法の達人で、銃器類の扱いも上手いなど謎の多い女性。また非常に金にがめつく、亜栗失踪後の妖撃社では編集長兼社長となり、八雲を使って妖怪退治もやっていた(たまにはまともな依頼もあったらしいが、八雲いわく「来る依頼はほとんどまがい物」らしい)。
鬼眼王覚醒後は各国の術士をまとめ、破滅の法を食い止めたり、日本政府と取引して自衛隊の協力を得たりと八雲達を支援する。終盤では身を挺して破滅の術から人々を守ろうとし、无の力を失い重傷を負った八雲の看病もしていたが、遂に力尽き変異してしまう。
八雲に中国拳法の基本を教えたほか、本編では語られていないが、八雲の使用する手甲や爆裂缶などの武器の知識を与えたのも彼女であるとされる[5]。作中では人間型の妖怪は耳が尖っていることがあり、この人物の耳も同様に尖っている。本編では描写されていないが、設定では彼女の祖先に妖魔を血を引く者がいたとされ、いわゆる「先祖がえり」によるものと語られている[5]
スティーブ 龍(スティーブ・ロン)
声 - 銀河万丈
第一部(2巻11話)から登場。
香港では名の売れた霊能者。偶然ニンゲンの像を手に入れてしまい、三只眼を巡る事件に巻き込まれた。元から妖撃社との取引はあったようだが、ニンゲンの像の一件以後、本格的に妖撃社の一員となる。
妖怪や呪力に詳しく、また知略に長けた妖撃社のブレーン的存在、破滅の術が施行されてからはアジアの術師や道士達に呼びかけ、術の拡大を防ぐために尽力した。
また初登場時は細顔の優男だったが、終盤になるにつれだんだん体格が良くなり、登場人物中、もっとも容姿が変化している。酒好きで銭ゲバ。変異してからも人質扱いされた数少ない人物。
龍 美星(ロン・メイシン)
声 - 田中真弓
スティーブ龍の妹。初登場時は13-14歳。自分のことを「俺」と呼ぶ勝気で男勝りな少女。拳法の心得がある。行方不明の兄を探して、妖撃社に張り込んでいた時に八雲たちと出会う。八雲に命を助けられてから密かに想いを寄せていたが、八雲とパイの絆の強さを知り身を引く。その後はロンドンに留学していたが、ある時マドゥライを探すために同じくロンドンを訪れていた八雲たちと偶然再会する。道士としての修行も積んでいるようで、破滅の術が施行された後も生き延び、兄と共に東京で奮戦した。

妖魔

橐[非巴](タクヒ、2文字目のヒは上部が非、下部が巴)
聖地に生息する人面1本足の怪鳥の種族名。その1匹がパイの唯一の友人だったが死亡、後に2代目が登場する。普段はパイの持つ杖の中に封印されている。八雲は初代タクヒに襲われて死ぬところを「三只眼」の不老不死の術で无となった。モデルは山海経に記載の中国に伝わる怪鳥の蠹[非巴](タクヒ)。
黄 舜麗(ホアン・シウンリー)=迅鬼(シュンカイ)
声 - 藤田淑子
第一部から登場。香港の大富豪で表向きは人間だが、正体は人間から疫神(イシェン)と呼ばれ恐れられた妖怪の一族・瘧鬼(ヤオカイ)族の末裔。生物を石化する術を使う。ニンゲンの像を巡って妖撃社に妖怪退治を依頼(1巻3話)したことからパイたちに近付き、三只眼の不老不死の術を狙いつつ、正体を隠したまま行動を共にする。妖撃社のオーナーとなり、財力と組織力で支援を行なったが、その目的はパイを第二の鬼眼王に仕立て上げ、自らは第二のベナレスとなって闇の世界に君臨することだった。「黄舜麗」という人間は実在していたがすでに死亡している。
中盤でその正体を明かし、八雲に代わって无となる計画を実行する。しかし自らの野心と正体を知った上で自分を「大事な家族」と呼んだ八雲の言葉に心を動かされ、ベナレスの手から八雲の命を救い絶命する(第三部11巻77話)。
妖怪だが年は若いらしく、実年齢300歳のパイに「おばさん」呼ばわりされた事で激怒し、ベンツのボンネットを押し潰して破壊したりしていた。
疽(チュイ)
トレンチコートに身を包んだ異形の怪物。名前は第三部にて明らかになった。不死身の力を手に入れるために「三只眼」をつけ狙い、八雲とその友人を襲った。吸血鬼の一種で、噛みついた者と同化し、意のままに操ることが出来る。一度目は八雲に、二度目は「三只眼」によって倒されるも、第三部終盤にて再登場を果たした。
黄(迅鬼)とは旧知の仲で、第三部では彼女の協力者として登場し、八雲に紹介される場面では人間の変装をして、道士と名乗る姿も見られた。黄の計画が失敗に終わると、摘出された八雲の魂を奪って逃走しようとするも、ベナレスと鉢合わせてしまい、その場で始末された。

第二部の登場人物

主要人物

綾小路 ぱい
声 - 林原めぐみ
第二部のヒロイン。高校1年生。4年前に両親を香港旅行中のバス事故で失い、祖父母に育てられたということになっているが、実は香港を旅行していた老夫婦が記憶を失ったパイを保護していた。級友からは「ぱー坊」と呼ばれるごく普通の女の子。祖父母に発見された時に八雲と並んだ写真を持っていた。人形騒動の際、日本に帰国していた八雲に助けられた。八雲から三只眼であることをほのめかされ、シヴァの爪を渡される。記憶を封じられた「三只眼」の暴走に振り回された後、学校を休学し、中国に渡る八雲に強引に同行する。三只眼や聖地を巡る争いに巻き込まれるが、パイとしての記憶は取り戻せなかった。
その正体はベナレス配下の水妖「化蛇」で、穿靈菱(チョアンリンリン)になってパイの記憶や人格を封じていた。しかし「三只眼」やパイの強い影響によりその事実を忘れ、自分がパールバティーだと信じ切っていた。八雲に深い想いを寄せ、ベナレスに反旗を翻す。自ら化蛇に戻った後、「三只眼」により記憶を封印されて祖父母の元に戻され、普通の高校生「綾小路葉子」として級友たちと平穏に暮らすようになる。
ドミノ(ドンちゃん)
声 - 富沢美智恵
綾小路の高校の同級生。学校では三つ編み、校外ではストレートにしている女の子。第二部(3巻1話-)、第四部(12巻序ノ一-、20巻122話-)に登場。
ケンケン
声 - 萩森侚子
眼鏡をかけて太目の体形をしている女の子。第二部(3巻1話-)、第四部(20巻122話-)に登場。
ナパルバ
声 - 林延年
チベット密教パドマー寺院の僧。格闘の達人。呪鬼の策略により僧院長ティンズィンと僧院長代理(ギェルツァプ)ラムバが死亡し、後に僧院長代理となる(14巻37話)。崑崙である聖堂を守る立場から、崑崙を探す八雲達を捕らえたが、和解し協力するようになる。僧兵としての実力はなかなかのもの。また、ヴィシュヌの化身「カルキ」の聖櫃を守護する立場にもある。第二部(4巻24話)から登場。主要キャラが次々と離脱した終盤において「カルキ」を投入してベナレスを苦戦させるなどの活躍を見せる。
病弱な母の治療法を探すうちにパドマー寺院に入信した過去があり、恋人の病気を回復させるために聖地の調査をしているマクドナルドに共感を抱くようになる。
ジェイク・マクドナルド
声 - 大塚芳忠
カナダ人のトレジャー・ハンター。ロサンゼルスにいる恋人が生まれ付き心臓が悪く、その病を治すために不老不死の術と聖地を探す。「崑崙の鍵」である壷を巡り、八雲たち、呪鬼たちと三つ巴の関係にあったが、パイが三只眼であると知り八雲たちの仲間になる。恋人の病は、捕らわれた際に入手した呪鬼の書いた治癒効果のある呪符により改善したようである。第二部(4巻16話-)に登場。
本編中ではパイ本人とは面識はないが、後日談ではカナダの実家に招待して一夏を過ごす程の親交関係を築いている。
テレフォンサービス等で提供されたオリジナルストーリーで再登場するテンプレート:要出典

妖魔

木霊(こだま)
声 - 川村万梨阿
名前は第三部にて判明。人形工芸家・九十九繰一の作った女性型の人形に精霊が宿り、意思を持って動き出したもの。父親である繰一に不死の命を与えるべく、三只眼であるぱいを狙うが、実際には繰一は半年前に死亡しており、既にミイラ化していたが、自身が人形であるがゆえに人の死を理解することができずにいた。最終的に力を覚醒させたぱいによって倒されるが、最期まで彼女が父親の死に気付くことはなかった。
後に第三部にて再登場。父親が死に、自身の肉体が失われたのはぱい=三只眼のせいだと逆恨みしており、日本に滞在していたハーンを手駒として利用し彼女への復讐を計画する。
飞腭(フェイオー)
声 - 増谷康紀
第二部(3巻8話)で記憶喪失の「三只眼」が召喚した空飛ぶ妖怪。以後、パイ達の移動等の手段としてよく召喚される。また「三只眼」の幼児期の回想にも登場する。名前はコマ外の注によると「空飛ぶあご」の意。
呪鬼(チョウカイ)
声 - 屋良有作
第二部で登場、外見は黒眼鏡をかけた中年男性だが、その正体はベナレスの部下で、聖地へと続く「崑崙」への鍵を破壊する聖地守護警。呪符を用いた様々な術で八雲達を苦しめた。狼暴暴(ランパオパオ)は彼の部下であった。他にも死人の脳から記憶を読み取る「脳食鬼(ナオシカイ)」、口から溶解液を吐く「消解鬼(シィアオチイエカイ)」、空を飛ぶ「牙龍(ヤアロン)」等多数の部下を統率する。
「崑崙」を巡る戦いで、最後は自らの体内を異空間と化した縛妖陣を仕掛けるが、「三只眼」によって溶岩に叩き落とされ死亡する。
紅娘(ホンニャン)
声 - 永島由子
普段は幼女の姿をした妖怪。戦闘時には変化(へんげ)し、2対の腕を持ち怪力を誇る妖獣「狼暴暴(ランパオパオ)」となる。呪鬼の部下だったが、パイに懐いて忠実な僕となる。八雲とは度々衝突した経緯があり、パイの僕となった後も彼のことをライバル視しており終始反りが合わなかったが、パイを守るためならば共闘することもあった。第二部(4巻16話)から登場。
化蛇(ホウアシヲ)
ベナレスに仕える妖怪。詳細は綾小路ぱい綾小路葉子を参照。

第三部の登場人物

主要人物

桂木 咲子
八雲が調理師を目指して通っていた丸ノ内専門学校の同級生。他の同級生と共に八雲とレストランを出店する計画を立てる。太歳(タイソエイ)が取り付いた剣に操られ八雲を襲う。
四谷 啓一郎
読日新聞の記者。元は社会部で事件記者をしていたがスクープが取れず、日曜版に回された。飲み屋で「三只眼」と意気投合したことが縁で関わり始める。第3部(6巻10話-)、第四部(14巻30話、19巻118話-)に登場。
ハズラット・ハーン
声 - 西村智博
第三部(8巻34話)から登場。パキスタンで様々な秘術や秘薬を売買していた秘術商人。
本人曰く「女の子の前に出るとからきしだめ」な性格のため、「世界一気立てが良い日本人の女の子」(と、本人は信じている)と仲良くなるべく、日本語を習得した。また、母親が日本人だったらしい。
「知り合いの女性を紹介する」との条件で八雲に獣魔「土爪」と「鏡蟲」の卵を売った事がきっかけで縁を持つ様になる。しかし紹介されたのが「真行寺君江」(ゲイバーのママ)だったため八雲に恨みを持ち、パイへの復讐を企てた木霊に利用される。その際出会ったパイに惚れた事で「俺があんたを人間にしてやる」と豪語し仲間になる。しかし途中で綾小路のことが気になるようになり、好意を持ち始める。
様々な術と知識で八雲達を支援する。怪しい秘薬をいつも持ち歩いている為、入国の際はいつも税関で引っかかっている。
第四章で、鬼眼王復活の戦いの中で八雲達を逃がすために死亡する。崩壊しかけた体を保管していた鬼眼王はこれをエサにして化蛇(綾小路)を寝返らせた。サンハーラの中でリバース・ハーンと融合し、復活する。
後に綾小路と結婚し長女セツをもうける。
メラ・フジャン
東マレーシアの川に棲み、雨の日に人を襲う赤毛の妖怪。
プティ・ブラッセイ
第三部(8巻37話-)に登場。「メラ・フジャンは怒っている」と工事現場の日本人達に幾度も訴えに来ていた。人間の少女に見えるが、姉はマレーシアの妖怪メラ・フジャン。最後に髪が白い妖怪の姿で現れる。

憑魔一族

アルマリック・グプター
憑魔一族の女戦士。一族を絶滅の危機から救うため、不老不死の術を手に入れようとパイ誘拐の陣頭指揮を執るが、恋人であった王子ガルガの本性を知ってからは八雲達に協力する様になる。ガルガの乱後に老王より一族の王位を託される。パールバティーの陣営に加わり、憑魔一族を率いて聖魔石や鬼眼五将の塚の捜索を行う。その身にはガルガの子を身籠もっており、物語中盤で「三只眼」の合身抑止の法により無事、娘を出産した。娘の出産後も娘の未来を守るため戦いに加わる。
第三部(7巻13話)から登場。
ガルガ・ガールハパティヤム
憑魔一族の王子で老王ダンダの息子。一族の者からは「若」と呼ばれ三只眼奪取作戦の総指揮を執る。しかしその目的は一族を滅亡から救うためではなく、自らが不死身となり世界を支配するためだった。竜と合身しており、強力な火神幻力(アグニ・マーヤー)を使う。
封印された鬼眼王を手中に収め、ベナレスの身体に封印を施し自らの手下としていた。グプターとは関係があったが、彼自身は『遊び』と思っていた。
最後には魔神像と合身して不老不死の力を手に入れようとするが、覚醒した「三只眼」に一撃で倒される。
その後はベナレスによって新たな命と身体を与えられ、肉体が衰弱したベナレスの『分身』として八雲達の前に立ちはだかるが、マドゥライの奮戦と「無限の力」を発揮した八雲によって大地に封じられる。
スカニヤー
300年前に前鬼眼王に仕えていた女戦士。詳細は後述する

300年前の世界

前鬼眼王
先代の鬼眼王。300年前まで数千年以上、三只眼の王として聖地に君臨した。シヴァの父親でもある。4本の腕を持つ非常に小柄な三只眼だが、強大な霊力を持ち、聖地を恐怖と暴力で支配した。
約3000年前に反旗を翻した妻ウシャスを縛妖陣で亜空間に追放した。
300年前、人化の法の事故により息子シヴァに全ての力を奪い取られ人間となる。不本意ながらシヴァを新たなる鬼眼王と認め、シヴァを殺そうとしたスカニヤーを阻止し絶命する。
スカニヤーの命を救っている事から、元の人格はさほど凶悪ではなかった模様。なお、彼の名も息子と同じ『シヴァ』であったらしい。
ガネーシャ
前鬼眼王の无。象頭人身の妖怪で顔は梵字が書かれた布で隠している。言葉遣いは丁寧だが残忍な性格で弱者を弄ぶのを好む。各種獣魔術を駆使する。鬼眼王の无であるだけに、人化の法の本性も知っていた。
シヴァの事を嫌っていたが、前鬼眼王が人間になったことで无の力を失った際、新たに鬼眼王になったシヴァに殺される。
スカニヤー
前鬼眼王の側近の女憑魔。鬼眼王となったシヴァを認めず、憑魔合身して力を奪おうとするが、前鬼眼王により憑魔の力を消失させられ制止された。それを目撃した八雲の話から、「三只眼」が「合身抑止の術」を完成する。
パールバティー三世
パールバティー四世(パイ)の母親。残忍な三只眼達の中で唯一優しく清い心を持ち、聖地の弱妖達に慕われていたが、人化の法によって人間となる。人格を分裂させ続けることで常に若々しさを保ち続ける「人格分裂型三只眼」で、その能力は娘である「三只眼」に受け継がれた。彼女の人格を封じるために「シヴァの爪」が使われた。
エル=マドゥライ
パールバティー三世の无。人間に近い姿を持つ女妖怪。気丈で戦闘的な性格。
獣魔術を駆使し、主のパールバディー三世を守るためにガネーシャと度々衝突し、人化の法を阻止するため、仲間と反乱を起こす。パールバティ三世の人化に伴い本来の妖怪に戻ったようである。その後の消息は不明。
実はベム=マドゥライの初めての子供で、彼が唯一戦う力を残した娘でもある。幼少時は父親の師であるベナレスを慕っていたらしい。ベナレスが大地に封印されてから聖地へ赴き、无となったようである。
彼女の記憶をシヴァが読み取り、ベナレスを復活させる一因となった。

第四部の登場人物

主要人物

綾小路 葉子(あやのこうじ ようこ)(化蛇(ホウアシヲ))
先述した化蛇(綾小路ぱい)が転生した姿。栗色のセミロングと小さい目が特徴で、顔立ちはパイとは異なる。
彼女を実の娘のように思う「三只眼」の好意で守られていたが、第四部で再び戦いに巻き込まれ、綾小路ぱいの記憶と化蛇の能力を取り戻し八雲達の仲間となる。合流後は八雲への好意を隠せず、しばしばパイの誤解を招く行動を取ってしまう。戦いを通じてハーンから思いを寄せられるようになり、八雲にとってのパイの存在、ハーンの真摯な思いなどから彼に心惹かれ始める。ハーンの死後、東京やアマラで戦う八雲達とは別行動を取り、龍皇城で調査に当たっていたが、サンハーラの核を取り出すために龍皇城を訪れた鬼眼王、ベナレスと遭遇。鬼眼王にハーンの残された魂を人質にされ、精神支配を受け再びベナレスの配下となる。この時与えられた両腕の霊石で獣魔を従えるベナレスの能力を得て、龍皇城で八雲を騙し討ちする。カーリーと激闘を繰り広げるが右腕の霊石を破壊されたことで自我を取り戻し、八雲にリバースハーンの居場所を教える。その後もハーンの為にベナレスの片腕として残された闇の者達を従えていたが、リバースハーンの告白に動揺し化蛇に反感を抱いていたハムに左腕の霊石を破壊されたことで、鬼眼王との契約は消滅し、戦いから一時離脱する。サンハーラの核での戦いにはリバースハーンらと共に参戦。この際、今でも八雲が好きだと断ち切れない想いを語っていたが、後日談の外伝では、サンハーラで復活したハーンと結ばれ、長女セツをもうけて幸せな家庭を築いた。
本来は黒い蛇の姿。葉子になってからは普段は人型だが、戦闘時は半人半蛇形態となる。単に水を操るだけでなく、体液をコントロールして傷の治りを早めることも出来る。能力を使うのに半人半蛇形態となる必要はない。龍皇城で八雲達と戦った際には巨大化し、尾と腕が蛇となり完全な怪物となって八雲やカーリーと死闘を繰り広げた。
姿形はバリエーションに富み、劇中では最も多くの変化を見せた(ぱい、穿靈菱、黒蛇、葉子、化蛇、霊石装備、巨大化蛇)。綾小路ぱいの時は劇中で何度か髪型が変わっている(所々でショートカットになっており、肩までかかっていない)。呼び名は八雲陣営においては「綾小路」で、鬼眼王陣営においては「化蛇」。蔑称として「化け蛇」とも呼ばれた。
ベム=マドゥライ(コネリー)
4000年前にベナレスを封印した魔道士。元はベナレスの弟子でもありベナレスからも信頼されていたが、疑心暗鬼に囚われベナレスを「魔現封神」で大地に封じ、現代まで生き続けた。ベナレス封印を巡り娘のエルと対立して袂を分かった。
現代では魔道士としての記憶が封印され、人間としてロンドンの暗黒街でマフィアの顔役として生きていたが、スパズグとの戦いで封印された記憶が戻り、八雲達に協力する様になる。
齢5000年の老妖ながらも高い実力と深い知識を持ち、相手の力を逆用したり敵の油断をつく戦法を得意とする。殊に獣魔術戦では八雲の知らない様々な運用方法や技術を持っており、その実力はベナレスに次ぐ。ガルガによって命を奪われるが、死亡する間際に八雲に自分の全ての術を継承させた。人間としてはショーン・コネリーと名乗っており、八雲を呆れさせる。第四部(13巻21話)から登場。
モルガン
コネリーの娘。ロンドンで美星が通う大学の先輩。強気でわがままな性格だが、マドゥライの末裔を捜す一件で八雲と関わり、以後協力する様になる。紆余曲折を経てペキンパーと恋仲になった。本編では語られていないが、父の死後は彼の経営していた賭博場を継いだとされる[5]
ペキンパー
ウェールズで八雲がマドゥライを探すために雇った中年の情報屋。初めて八雲がしゃべりかけられたときの彼の印象はリンリンに似ていて八雲曰くイギリス版の鈴鈴(リンリン)らしい。ペキンパーは八雲のことをミスター藤井と呼び、パイはペキンパーをビビンバさんと呼ぶ。コネリー一家とのごたごたの時、コネリー一家の裏をかいて八雲を助けにきたが結果的にスパズグの裏をかき、状況を好転させた。そのときのペキンパーの行動にモルガンが男性としても惚れこみ、二人は恋仲となった。弟をすでに亡くしており、また妻はいないらしい。
サルラーマ・グルミット
パルジャニア国王クシャスタリ配下の女幻術師。獣魔の卵を保管する一族の出身。幼少の頃、獣魔の卵を守るため身体に獣魔を植え付けられるが、獣魔に精気を奪われることを恐れて、獣魔術を使わずに済ませるため幻術を学ぶ。その力を見込まれてクシャスタリに仕えるが、八雲が起こした大地震の際見捨てられ、救命のため獣魔術を使わざるを得なくなり、身体を侵食される。その後もクシャスタリに仕え、失った精を回収する機会を窺っていた。暴走したカルキと合身し、休眠させる。一族の獣魔を託された八雲は一族独自の獣魔の哭蛹(クーヨン)を入手する。最終決戦でナパルパらの手で覚醒させられ、戦線に加わる。第四部(14巻32話-)に登場。
ココ
鬼眼水将塚の塚守で半人半妖。100年前に鬼眼水将の力を得るが副作用で醜い姿に変わり果て、我を失って愛妻サラを殺したことで、自己嫌悪により自暴自棄になっていた。最初はパイが三只眼とは知らず、パイが水将塚での試練に失敗した際に巻き添えで重傷を負ったマドゥライを人質として、パイに結婚を迫る。パイが八雲を想い続けていると知って怒り暴走するが、パイと八雲の奮闘で本来の心を取り戻す。その恩義と思慕からパイの忠実な供となる。第四部(15巻49話)から登場。
神山 依子
闇の者の父親と人間の母の間に生まれた少女で、やや内気な女子高生。父親はすでに他界して、母親と2人で暮らしていた。個性に乏しく主体性がないことから、仲間達からも馬鹿にされていた。
普通の人間として生活していたが、秘めた自己顕示欲が徒となり、女子高校生召還事件で思念を具現化する妖力が発現して事件を起こしてしまう。この時、綾小路に助けられたことから彼女を「お姉様」と慕い、戦いに参加する。
自分の思念はおろか他人の思念や人格を具現化する事も可能で、様々な状況に対応が可能な為、八雲のアマラ行きではパイを小型化して同行させ、八雲の分身を作り出し、強敵タリスマンを翻弄させるなど、その能力は強力で八雲達の窮地を何度も救っている。
内気な性格で他人と話すのも苦手だったが、徐々に性格が改善され物語後半では恋に憧れる一面も見せている。また家事や料理が得意な他、芸術品の価値が分かるなどの才能がある。第四部(20巻122話)から登場。後日談においては相変わらず綾小路を「お姉様」と慕いつつハーン家に居候。
笹塚
厚生省に勤める公務員。細胞変質病の原因究明チームのまとめ役。第四部(30巻282話-)に登場。
西(シー)
シンガポールで妖怪退治をしている道士。八雲とは面識がなかったようだが、八雲は彼のことを知っていたようである。破滅の術が施行された後、スティーブの呼びかけに応えて東京を訪れる。口は悪いが技術は確かで、呪符や刺青を用いた術の使い手。龍や風道士と同じ車輌に居合わせたものの、骸になる寸前で八雲に救出されたため、鬼眼王が完全復活するまで生き延びる。恋に憧れる依子に呆れる場面が見られたが、彼女を気遣う言葉もかけており、最終話の後日談のシーンでは依子と海でデートをしている場面が描かれた。
風(フォン)
台湾の道士で、スティーブの呼びかけで集まった道士の一人。金にがめついところはあるが腕は確かで、呪符を用いた結界を得意とする。地下鉄でカーリーを逃がすための結界を敷くも、現れた妖魔の術により、スティーブ共々骸と化してしまう。

九頭龍将

ベナレス配下の9人の魔将。ベナレスの手足となって働く直属の部下。

スパズグ
九頭龍将の一人の『五精使い』。九頭龍将の中で最も早く登場した。八雲達を危険視して、電気信号化した妖魔を差し向けたり、綾小路を使って封印しようとした。八雲によって右腕を切り落とされ、以後、八雲達を付け狙う。ロンドンでは鈴々に化けてコネリーを襲撃するが、結果的にはマドゥライとして覚醒させてしまう。月面では綾小路を人質に取り、ハーンを利用して八雲に「呪文破壊文」を飲ませる事に成功するが、約束を反故にし、綾小路を殺そうとしてハーンによって倒される。
アヴァンク
スパズグの部下。霧に変化出来る水妖。ロンドンでモルガンなど女子大生たちを襲った。
アガシ
九頭龍将の一人の『影使い』。6本の腕を持ち顔には無精髭がある、画家や芸術家を思わせる風貌だが、オカマ言葉を使う。操演術に長け、ベナレスやエル・マドゥライの「影人形」を作り、八雲を苦しめた。八雲の女性関係まで把握している。
また欠損した肉体の代わりを作って補うことも得意。
月面で龍皇城の結界が崩壊した事により、宇宙空間に放り出され絶命する。
タリスマン
九頭龍将の一人。外見は人間と同じ姿だが、体内に無数の魔物を飼っており、胸部や背中を強力な光術を使う魔獣の頭に変化させたり、手を鋭い鉤爪に変えて戦う。また下半身を蛇形に変えたりもできる。
月面戦で生き残り、以後八雲達をつけ狙うが、依子の思念体に翻弄されるなどの失態が目立つ。鬼眼王復活の戦いの中で八雲に倒され死亡する。
D・D
九頭龍将の一人。普段は仮面をつけた人間の姿をしているが、肉体を液状化して様々な形に変化して戦う。
月面戦で生き残り、以後八雲達をつけ狙うが、タリスマンと同じく鬼眼王復活の戦いの中死亡する。
舞鬼(ウーカイ)
九頭龍将の一人。九頭龍将の中の紅一点で少女の姿をした妖怪。杖を使い毒龍などを召喚して戦う。
月面戦で生き残り、タリスマン達と共に八雲を狙う。タリスマンとD・Dが死んだ事により、単身八雲に戦いを挑むが、その結果、鬼眼王復活の場に八雲の侵入を許してしまい、ベナレスに見限られる。
ベナレスの元から離れた後も八雲を仲間の仇と狙うが、ある時をきっかけに八雲に好意を抱き、その後は八雲に協力するようになる。ベナレスの不興を買って行き場をなくしていたイローラとケローラを拾い部下にしていたが、2人が化蛇の懐柔でベナレス側に再度寝返った際にも一人反抗して化蛇に挑むが重傷を負う。綾小路の手で月に移送されて治療を受けていたが、リバースハーンらと共にサンハーラの核での決戦に挑む。後日談においては妖撃社の面々とともに仲良く生活しているようである。
アンプラル
九頭龍将の一人。顔面に呪符をつけている。炎を操る術を使い、八雲を封じ込めようとするがベナレスの怒りを買い、左腕をちぎられる。その後、ココとの戦いで水将水を浴びて絶命する。
パイク
九頭龍将の一人。褐色の肌とモヒカン頭が特徴。月面で龍神の本性を現したベナレスを止めようとするが、暴走したベナレスによって殺される。

鬼眼王の陣営

ムゲロ(一角岩のムゲロ)
岩鬼(イエンカイ)族。岩城島の主。ベナレスに人化の法の祭壇を作ることを命じられ、闇の世界で地位を上げる好機と意気込む。術に詳しく格言好きな性格だが戦闘力に乏しく、綾小路いわく「ベナレス様の部下の中でも一、二を争うほどの弱者」。人化の法を阻止するべく侵入してきた八雲と鉢合わせた際、命乞いをしたせいでD・Dに殺されそうになるが、不憫に思った八雲に助けられる。その後は八雲たちの仲間となり、新たな岩城を建設するなどして協力する。
イローラ
鬼眼王守護獣鬼。妖艶な性格で知略や策謀に長けるほか、竜巻を起こす能力を持つ。カーリーの奪取に失敗し、更にはアマラを誘導してしまったことでベナレスに殺されそうになるも、敵であるはずのアマラに命を救われたことで彼に興味を持ち始める。舞鬼に拾われて部下となっていたが、懐柔のため現れた化蛇にあっさり寝返る。岩城島でもぬけの殻となっていた八雲とパイの身柄を拘束していたが、化蛇が再度寝返ってからは捕虜となっていた。最終決戦では八雲側につき、全てが終わった後はアマラにちょっかいを出している様子。
ケラーラ
イローラと行動をよく共にしている妖怪。両肩にある顔の口から吐く黒い煙で相手を眠らせる能力を持つ。臆病で泣き虫、少し間の抜けたところがあるため失敗することも多い。八雲の足止めに失敗してベナレスに見限られてからは舞鬼に拾われて部下となっていた。後に化蛇にあっさり寝返った。イローラ同様、最終決戦では八雲側につく。顔立ちは童顔だが、物語が進むにつれて唇が強調されて描かれるようになった。
ハム
鬼眼王の側近護衛。若い女性の姿をしており物腰も丁寧だが、残忍で冷酷な面も持ち合わせている。自身を無色透明にし完全に気配を絶つ能力を持つ。一度は八雲の策の前に敗れて石化させられるも、後に鬼眼王側に寝返った化蛇の手で再び戦線に復帰する。しかし、化蛇を嫌悪しており、攻撃して霊石を破壊してしまう。リバースハーンに敗れ戦死。
ヤベル
鬼眼王の側近護衛。一つ目の怪物で、自身の頭部にある刃を自由自在に飛ばして攻撃する。リバース・ハーンの呪符を貼り付けられて一度は封印させられるが、ハムの復活と同時期に化蛇の手で解放された。カーリーとパイの奪取のため化蛇と共に襲撃するが八雲に倒される。
犬狼(チュエンラン)
鬼眼王の側近護衛。犬の頭を持つ怪物で、動きが素早く、肉弾戦に長けている。かなりの強さを誇り、鬼眼王を襲撃したアマラを撃退し、カーリー奪取のためにパイ、ベナレスと共に襲撃する。獣魔術を使えない八雲を追い詰めるが、突如発動した光牙で倒された。

球城アマラ

前鬼眼王によって亜空間に追放された三只眼ウシャスとその无アマラ、及びラートリーを中心とする集団。市民は女性のみで構成され、工房で生産される。生まれによって、ランクB(一般)、ランクC(戦闘用)およびランクD(失敗作)に区別される。

統治者

ウシャスとラートリーが統治していたが、2人が不在の時期は評議会が統治した。

ウシャス
前鬼眼王の妻の一人にしてシヴァの母親。齢5000歳の三只眼でパールバティに匹敵する霊力の持ち主。
夫である前鬼眼王の不興を買い、无であるアマラ共々亜空間に追放される。その後、球城に変化したアマラの内部で生活し、亜空間を漂う死体の細胞から『神民』を作り出し、球城アマラの女神となる。
元来は心優しく慈愛に溢れた性格だが、誤解により自分が愛する神民達から「恐怖の女神」として忌み嫌われ殺されそうになったことから、そのショックで自我を封印し1000年もの間閉じこもる。しかしラートリーの必死の呼びかけにより封印から目覚め、アマラ崩壊の危機を救った。
慈愛の中にも気高さと気丈さを併せ持つ性格で、生き別れになった息子ルドラ(シヴァ)への思いは強く、シヴァの心を救うため瀕死の身体を押して自ら人化の法に臨む。
人化の法後は人間となり、死期が迫って苦しんでいる所を鬼眼王の手で安楽死させられる。
シャンデー・ガフ
ラートリーに仕える小さな象型の生き物。様々な術を使いラートリーの身を守る。その正体はウシャスが自我を封印した殻である。
アマラ
ウシャスの无。植物の妖魔。亜空間にてウシャスを護るため、「無限の力」を用いて身体を巨大な中空の球体と化し、内部に空気・水・光を蓄えた「球城アマラ」と化し、主ウシャスが生きていける世界を作り出した。巨大化した本体は球城外殻に存在し、分離することができる。
球城に変化する時に肉体から「理性」を切り離しており、主を守るという「本能」のみで動いていた。その為、ウシャス自身が望まないことでも主に逆らう者は容赦なく虐殺し、「ウシャス=残酷な女神」という誤った伝説を生み出す要因になった。ウシャス復活後は理性を取り戻し、アマラの恐怖時代に幕を下ろす。
性格は冷静沈着で合理性が高い考え方をしており、やや強引とも言えるほど意志が強い。冷静な判断力を持ち、「現状ではこれが一番だ」が口癖。
ウシャスに対する忠誠心は誰よりも強く、いかなる時もウシャスの身を案じて行動する。
その忠誠心はウシャスが人間になった後も変わらず、ウシャスの死後、仇として鬼眼王の命を狙う。
復讐心に燃えるあまり手段を選ばない所があり、一時期八雲達から離れるが、ベナレスとの戦いを経て再び八雲の仲間になる。
強力な電撃や「アマラの使い」と呼ばれる多数の思念体、敵の獣魔を奪い取る「縛めの炎」などを使って戦う。
植物であるため、身体を破壊されても種を飛ばして再生する事が可能。
最終決戦後はどうやらイローラといい仲になった模様。
リトル・アマラ
アマラの作った思念体。アマラの子供の姿をしている。元はラートリーを封印していた水牢を解放する「呪鍵」の安全装置として用意された分身。アマラ本体とは違う独自の人格を持ち、無邪気で子供っぽい。パイに命を救われた事がきっかけで味方となる。パイのために亜空間に取り残された八雲と融合して消滅する。
ラートリー
ウシャスが最初に作った神民で、もう一人の球城アマラの女神。ウシャスの細胞を使って複製されたコピーであり、三只眼であるが、普段は第3の目は閉じている。
アマラ神民に伝わる伝説では心優しき女神である。1000年前に神民と共にウシャスに対する反乱を起こしアマラの怒りに触れたため、球城アマラの地下である奈落迦(ナラカ)にある水牢に幽閉されていた。无は所持していない。コピーのため力はウシャスより劣る。
誤解からウシャスの心を傷つけた事を悔やんでおり、封印が解けても中々ウシャスを呼ぶことが出来なかった。
自己犠牲の精神が強く、ウシャスの身代わりとなって鬼眼王に捕えられた事がある。八雲に対して想いを寄せていた様だがその想いを口にする事はなかった。
鬼眼王復活の時の人化の法でパイの身代わりとなり、ウシャス共々力を鬼眼王に吸収されて人間となった。
ウシャス亡き後は神民達のリーダーとなり八雲達に協力する。
市民

生殖によってではなく人工的に生産された生命体。小さな世界には邪魔であるとのウシャスの考えに基き、女性のみで男性は生産されていない。

ランクA
街には居らず、最後まで登場せず。
ランクB
一般の市民として生み出された単体。人間だったらしく鬼眼王に魂を抽出された。キールによると「キレイな単体をランクB━━"神民"という」(第四部22巻第165話)。
ネグローニ
市民を生み出す工房の技師長。ランクDを束ねる存在。本当の姿は美しい女性だが、スペル・ドラッグで怪物化している姿が多い。額には大きな傷がある。知的だが激昂しやすい性格で、泥酔して暴れたことがある。
名前の由来はイタリア発祥とされるカクテルネグローニ(Negroni)。
リバース・ハーン
工房で生産されたハズラット・ハーンのコピー。コピーであるため術を使うのに必要な精が弱い。オリジナル・ハーンと違って、頬に傷がなく前髪が全て金髪。オリジナル・ハーンの記憶は持たないが、綾小路への想いは残っているため葛藤に苦しむ。後にオリジナル・ハーンと融合して一人の人間となる。
カルーア
ウシャスの付き人。スキンヘッドが特徴。
名前の由来はリキュールの一種カルーア(Kahlúa)。
カーリー
鬼眼王に脅迫されたネグローニによって工房で作られた、パールバティー四世のコピー体と呼ばれるクローン。顔は「三只眼」とそっくりだが、髪型はおさげ。ネグローニはわざと完成を遅らせていたが、依子を人質にしたイローラの脅迫に屈して完成した。培養が不十分だったためか人格が未熟で自己中心的。培養段階で鬼眼王への思慕を刷り込まれていた。イローラから救出しようとした八雲を逆に襲う。アマラからは危険視され、殺されかけるが八雲が身を挺して助けた。人化の法妨害のため西道士に秘術を施される。龍皇城に乗り込む八雲に強引に同行し、化蛇と激戦を繰り広げるが負傷して八雲に助けられる。化蛇の指示でイローラ達に連れ去られて人化の法で人間となり、騙されていたことを知って鬼眼王に襲いかかるがベナレスに一蹴された。最終決戦では人間の身ながら参戦する。
コピー体であるため能力はオリジナルより低い。不老不死の術は使わなかったらしく、无を従える場面はない。最終決戦後はカーリーの姿のまま傷ついた鬼眼王と融合し、ベナレスを无として従えていることを仄めかす描写がある。
名前は鬼眼王が命名。
ランクC
モンスター工房で生み出された戦闘用市民。ランクBとは区別され、靴を履くことすら許されず評議会の命令に従って闘う。キールによると「力のある奴がランクC……モンスターだ」(第四部22巻第165話)。
長老
評議会の長老。神民の衰退を憂えてラートリー救出を決断。救出精鋭隊を編成し八雲と共にラートリー救出を託す。
キール
評議会憲兵隊のリーダー。金髪に褐色の肌が特徴で若い娘ながら男性的な性格をしている。思念波などの光術を使って戦う。評議会よりラートリー救出精鋭隊の隊長に任命され、不本意ながら八雲と共に奈落迦へ向かう。当初八雲に対し見くびった態度を取っていたが、八雲に窮地を救われ態度を変える。
フィズ
評議会憲兵隊の一人。炎を操る力を持つ娘。褐色の肌に2つのお下げ髪が特徴で八雲に想いを寄せている。精鋭隊の中では出番が多く、依子と供に行動する場面が多く見られ、最終決戦では負傷しているキールに代わって活躍した。
ジュレップ
評議会憲兵隊の一人。白い肌に黒髪のポニーテールが特徴で泳ぐことが得意。礼儀正しい性格。
リッキー
評議会憲兵隊の一人。つり目にショートカットの髪型が特徴で男性的な言葉使いをする。盾のような防御璧を作る能力を持つ。
ベリーニ
評議会憲兵隊の一人。精鋭隊の中で最も長身で筋肉質な身体が特徴。その肉体を生かした怪力を用いて戦う。
ランクD
工房で作成される市民の失敗作。「廃獣」としてアマラの外殻に廃棄処分される。
ルル
殺されかかっていたところを八雲に助けられ、名前までもらったことから八雲を慕いお供となる。初登場時は小型の魔獣で言葉も話せなかったが、後にスペル・ドラッグを飲んだことで、言語が使えるようになった他、八雲を背に乗せて飛行も可能になった。第四部(21巻150話)から登場。
名前は登場時の鳴き声に由来する。

用語

物語の基礎に係わる用語のみまとめて説明する。

三只眼吽迦羅

読みは「さんじやんうんから」。略して三只眼(さんじやん)とも。この場合、パールバディー四世の基本人格「三只眼」とは括弧が無いことで区別される。三只眼は中国語で「3つめの目」の意。

人間の世界とは異なる空間に存在する「聖地」に住む3つの目を持つ不老の妖怪。一生に一度だけ他の生物の命を体内に取り込む「不老不死の術」を使い、自らの護衛者である「无」を作り出す。その為、闇の者たちからは不老不死を与える存在として崇拝されている。外見は人間とほとんど変わらないが、数千年の寿命を持つため、高齢の三只眼は精神が退廃し無気力・無感動になり、残忍な性質になっている場合が多い。妖怪たちの頂点に立ち、強大な霊力と術で彼らを束ねる。他の下級妖怪達には「聖魔」と呼ばれ畏怖されている。ただし肉体はそれほど頑丈では無く、強大な術を発揮するとしばらく眠りに入って無防備な状態になるので、无を使って身を守るとされる。

以下に特殊な三只眼について個別に説明する。

パールバティー

パールバティーとは、白龍天に舞う年に生まれる、個体として最強の力を持った三只眼である。作者によると白龍天に舞う年とは定められた年がある訳ではなく、不定期に白龍が舞った年のことである[6]。作中には三世と四世が登場し、親子関係にある。

全般的に三只眼は長い寿命のため精神的に退廃するのに対して、パールバティーの特徴として精神が老齢になると新しい人格を自ら生み出し、精神的に退廃するのを防ぐという精神構造がある。しかし、5〜600歳を超えて年齢を重ね続けると人格が増え過ぎて精神崩壊を引き起こすといわれている。

鬼眼王

三只眼を統べる王。三只眼吽迦羅の歴史が始まって以来、全ての三只眼の記憶と人格を取り込んだ存在。人化の法で三只眼の霊力を取り込み強大な力を得ると共に、取り込んだ力の持ち主の精神と記憶を吸収するため、その精神は多重人格的である。絶大な霊力で三只眼に君臨する恐怖の王であり、また他人の精神を操る術に長けており、鬼眼王に魅入られた者はその心を支配される。鬼眼王は一人では無く代替わりをしており、300年前に前鬼眼王の息子であったシヴァが三只眼の歴史で最後の鬼眼王となった。

无 (ウー)

三只眼が不老不死の術で魂を体内に取り込んだ者の総称。无になった者は額に「无」の赤い文字が現れる。无になった者は主である三只眼が生きている間は不老不死となる。加齢による成長も老化もせず、たとえ全身を粉々にされても完全に再生するが、痛覚や五感は全てそのまま残っている。主が人間になれば无も元の人間等に戻る。主が死ぬと无も死ぬため、強制的に无は主の身を守ることになる。

主が危機に陥ると「無限の力」を発揮する。ただし、これは外部からの危害に限定されており、肉体の衰弱等の内部的な危機の場合には「無限の力」は発揮されない。また通常時も主の力と无の力は連動しており、主の霊力が増大すれば无の力も増大するが、逆に主が衰弱すれば无も衰弱し、再生能力の喪失や肉体の崩壊が起こることもある。

「无」とは日本語では日常的には用いられない漢字だが、「無」の異体字であり中国語における簡体字。「旡」とは別字。

獣魔術

読みは「じゅうまじゅつ」。太古の昔にベナレスが開発した術で、己の精(ジン)と引き換えに特殊能力を持つ「獣魔」と呼ばれる戦闘生物を召喚し戦闘等に用いる。召喚していない獣魔とも常に血の契約によって繋がっており、獣魔は術者の精を喰らい続けるため、契約出来る者は无か強い力を持った妖魔のみであり、人間が契約・使用すると精の消費によって肉体を損なう(ただし仮死休眠状態にして使用しなければ精の消費は無く害はない)。

基本的に獣魔を使役出来るのは契約した本人のみであるが、「委任の法」等を用いる事により他者に獣魔の制御権を委託する事も可能である(ただし召喚に消費される精は契約者本人のみである)。

三只眼と无の関係に似て契約した獣魔は主の精によって無限に回復出来るらしく、攻撃を受けても傷を負ったり死んだりする描写は作中には無い。なお、第一部で八雲が土爪(トウチャオ)を倒しているが、この獣魔は周(チオウ)が飼い慣らした使い魔であって契約したしもべではないようである。

作者によれば、獣魔の概念はウルトラセブンカプセル怪獣をモデルにしたらしい[1]

ベナレスは「百の獣魔を操る」といわれ、八雲が使用した獣魔は通算9種である。以下に作中で使用されたものを記す。

直接攻撃系獣魔

作中に登場した獣魔の中で直接的な攻撃能力や破壊力を持つ獣魔を下記に羅列する。

土爪(トウチャオ)
八雲、ベナレス、ガネーシャが使用。3本の爪を持つ甲虫の様な姿で対象を切断する。
闇を好む性質があり、召喚時は地中に潜るか、あるいは3つの爪痕以外は姿を現さない。
第二部までは八雲唯一の攻撃獣魔だったが、光牙を取得してからは主に接近戦に使われるようになった。
火爪(ホウオチャオ)
呪鬼の部下が使用。はっきりとした形状は不明。
結局は八雲との土爪との撃ち合いで敗れるが、作中で无以外の魔物が獣魔術を使う貴重なシーンである。
光牙(コアンヤア)
八雲、ベナレスが使用。攻撃用獣魔としては最強クラスの破壊力を持つ。光で形成された三つ目の竜の形状をしている。
高熱を発しながら直進し、敵を貫くほか爆発させる事も出来る。ただし純粋な「光」のため、鏡や水などで反射される他、「鏡蟲」などの対光術獣魔などで防がれてしまう。
基本は直線的な動きだが、熟練すれば軌道を屈折させたり、連射する事や拡散させる事の他、旋回させて巨大な光の繭を作るなどの応用も可能である。
八雲の主戦獣魔として主に遠距離戦に使われていた。
縛妖蜘蛛(フーヤオチチウ)
ベナレス、エル・マドゥライが使用。巨大な蜘蛛の形状で、対象に取りついて捕縛し、精を吸収する能力を持ち、最終的には繭状の結界に封印することができる。
縛妖陣の獣魔版と言える術であり、无に対しても非常に有効。
炸裂虫(チアリエチョン)
エル・マドゥライが使用。掌に収まるほどの小さな虫型の獣魔だが、投げつける事で手榴弾の様に爆発を起こす。
影牙(インヤア)
ベナレスが使用。光牙よりも大きく形状は禍々しい。鍬形状の牙を持ち、影で形成された四つ目の黒竜の姿をしている。
対象を貫く攻撃力の他に光牙を飲み込んで吸収する力を持つ。
元は連載誌の企画で募集された読者考案の獣魔の一つ。
石絲(シースー)
八雲が使用。亜空間に旅立つ時にベナレスから与えられた獣魔の一つ。花の蕾を思わせる形状で対象を石化させる。
石化の効果は无に対しても有効であり、八雲はアマラやベナレスなどに使用していた。
雷蛇(レイシヲ)
ベナレス、ガネーシャが使用。雷で出来た蛇を放つ。光牙と違い反射させられないのが特徴。後日談では八雲も使用した。
凍血球(ドンシウエチウ)
ベナレスが使用。無数の棘が生えた球体で、対象に接触する事で凍結させる。
回風(ホイフォン)
ベナレスが使用。円盤状の身体に4本の鎌が付いた形状で、回転しながら突進して対象を切り刻む。
影牙と同じく元は連載誌の企画で募集された読者考案の獣魔の一つ。
炎头(イエントウ)
ベナレスが使用。炎を纏った巨大な髑髏の形状で、炎を周辺に発散する。
火猿猴爪(ホウユアンホウチャオ)
ベナレス、ガネーシャが使用。自らの手に炎の爪を纏い攻撃する。
火爍甲虫(ホウリイチイアチョン)
ガネーシャが使用。無数の甲虫が猛スピードで四方に飛んでいき周囲の敵を貫く。
假肢蠱(チイアチークウ)
八雲が使用。サルラーマより譲り受けた獣魔であり、失われた四肢を補う能力を持つ他に、鎌の様な刃で攻撃する事も可能。
カルキとの戦いで右腕を失ったハーンの右腕を再生した。
通常は寄生先の失われた四肢を補っているが、召喚に応じて元の獣魔の姿になる。
ハーン死亡後は八雲の元に戻り、本来肉体に存在しない翼に変化させたりする他、トリッキーな攻撃などに使われた。

間接攻撃系獣魔

作中に登場した獣魔の中で直接ダメージを与える物では無いが間接的な攻撃に使用された獣魔を下記に羅列する。

闇魚(アンユイ)
八雲が使用。亜空間に旅立つ時にベナレスから与えられた獣魔の一つ。巨大な魚の形状で闇を吐き出して敵の目を眩ませる。
この闇に包まれると視覚はおろか敵の気配や妖気も全て遮断される。本編では攻撃の他にアンダカを移動する時にも使われた。
闇食魚(アンシーユイ)
ベナレスが使用、闇魚の天敵とも言える獣魔で闇魚を喰らう能力を持つ。
絲切頭(スーチェトウ)
ベナレスが使用、石絲の石化の糸を断ちきり、石絲を喰らう力を持つ。
泥毛(ニーマオ)
ベナレスが使用。泥の本体から無数の毛を伸ばして対象を捕縛する。
縛妖芽(フーヤオヤア)
アマラが使用、木の根を思わせる触手が対象にからみつき束縛する。
縛妖蜘蛛のような封印能力は持っていない。

防御系獣魔

作中で登場した獣魔の中で防御能力に特化した獣魔を下記に羅列する。

鏡蠱(チンクウ)
八雲が使用、鏡の様な表皮を持った対光術用獣魔、光術を反射する能力を持つ他に糸を吐き出す事も出来る。
終盤では移動用に使われる事が多かった。
鏡亀(チングイ)
ベナレスが使用、鏡の甲羅を持った巨大な亀の形状で、鏡蠱と同じく光術を防御・反射させる。
鏡蟲よりも大型な為、広範囲の光術を防ぐ事が出来る。
四天精聖奉還(スティエンシヲンチンフヲンホアン)
ベナレスが使用、「三只眼」の強大な力を防ぐ為、ベナレスが新たに開発した獣魔。
4体の小型獣魔によって三角錐型の結界を作り、あらゆる術から身を守る。その防御力は「三只眼」の全力の光術すら通じないほど。
ただし、結界を形成する4体の獣魔を直接攻撃されると結界が消失する弱点がある。
被甲(ピージャー)
後日談で八雲が使用。パワードスーツのように術者を包みこむ。作中では鎧獣魔とも表現されている。

その他の獣魔

走鱗(ツォウリン)
移動用獣魔、八雲が使用。主に陸上用である。保護色を持つ板状の体で、術者を上に載せ高速移動する。
元来は移動用であるが、まれに攻撃の時のフェイントして使われていた。
地精集気蟲(ティチンチイチイチョン)
回復用獣魔、ベナレスが使用。対象者に組み付き精を注ぎ込んで体力を回復させる。
ベナレスは四天精聖奉還の実験のために、この獣魔を使って「三只眼」を回復させた。
泡蠱(パオクウ)
捕獲用獣魔、ベナレスが使用。体の中に対象を包み込んで捕獲する。
アマラ戦でベナレスはこの獣魔を使ってパイの動きを封じた他、八雲の精神をかき乱す事にも使用した。
导息(タオシー)
回復用獣魔、八雲が使用。亜空間に旅立つ時にベナレスから与えられた獣魔の一つ。
巨大な円盤に美しい女性の顔がついた形状で、顔から吐く息で対象を回復させる。
また攻撃のダメージを軽減させる事も可能、ただし回復中はかなりの精を消費し、術者は身動きが取れなくなる。
憑蠱(ピンクウ)
合身用獣魔、サルラーマが使用。サルマーラの一族に伝わる特殊な獣魔で、高等生物間の肉体を合身融合を媒介させる能力がある。
この獣魔を使い、呪文を唱える事で別の生物と肉体を合身する事が可能であるが、意識の融合は困難で合身後に被術者の意識が残る事は難しいとされる。
哭蛹(クーヨン)
八雲が使用、サルラーマの一族が特別培養していたオリジナル獣魔。「ホエエエッ」と叫ぶのが特徴。
見るからに間の抜けた容姿をしており、初見では八雲からも役立たずと思われていたが、「精食粒」と言う術の精を喰らう粒子を吐き出して、あらゆる術や力を無効化する能力を持つ。
ただしその力は敵味方を選ばず、月面で呼びだした時は八雲がコネリーから受け継いだ呪文操作球すら食い尽くした。
八雲の切り札の一つであり、終盤では電子暗号化され、世界中に張り巡らされた『破滅の術』を食らい尽くした。
精吸牙(チンシーヤア)
サルラーマの左腕に植え付けられている獣魔、接触した相手から精気を吸いとる力を持つ。
精気を吸うには直接接触する必要があり、八雲はこの力を使ってカルキを鎮めようとした。
追鱗(ジユイリン)
後日談で八雲が使用した移動用獣魔。走鱗より大型でワイヤー状の触手を持つ。

キーワード

登場人物、用語に漏れた団体や事物の名称、言葉使い等を説明する。

妖撃社
季刊オカルト雑誌『妖撃』を発行する香港の出版社。編集長の陳の行方不明と時を同じくして陳を訪ねてきた八雲達と鈴鈴が知り合い、黄財閥の支援を受けて共闘することになる。パイが行方不明になってからは妖怪退治業も始める。八雲達の関わった事件を題材にして記事を書くこともある。八雲曰く「『妖撃』は香港で一番信憑性のない雑誌」。
ニンゲンの像
「人間を表す像」とも。3体の三只眼が背を向けて寄り添った形の像。『人化の法』のための術補正具で3方向の力の補正を行う。
人化の法
三只眼が人間になる術。その反面、世界を滅ぼす恐ろしい力にもなるとされる。3人の三只眼を必要とし、その内2人は人間となるが、残る1人が2人分の霊力と人格を『ニンゲンの像』を媒介して吸収する術。これを利用して鬼眼王は力を永続させていた。
シヴァの爪
パールバティー専用の装具。手に嵌めて使う。鬼眼王になる以前のシヴァが開発したもので、装着すると本来パールバティー本人が制御できるはずの人格の入れ替えを抑え、高齢側の人格が出ることを封じる。またシヴァの爪は最小の魔方陣でもあり、簡単な術を使うことが出来る。作中では綾小路ぱいとパイが「バラス・ヴィダーヒ」(「我に力を」の意)の呪文にて攻撃に、綾小路ぱいが「ルドラ・ムシャーテ」の呪文にて額に付いた封印の穿靈菱(チョアンリンリン)の解除に使用している。
聖地
異空間に存在する三只眼等が住む世界。この世とは「崑崙」と呼ばれる特殊な場所を通じて行き来できる。
崑崙(コンロン)
この世と聖地を結ぶ場所。世界各地に存在し各崑崙ごとに異なる強力な門番によって守護されている。『山海経』「西山経の部」の記載によれば崑崙は中国に伝わるチベットの古代都市であるといわれる。
太歳(タイソエイ)
崑崙を通じて東京上空に現れ、イナゴを餌に孵化しようとした妖怪。『山海経』に記載の中国に伝わる地中に棲む生物の太歳(たいさい)(太歲)に由来。
聖魔石
鬼眼王を封印した石。その核は聖魔核と呼ばれ、円筒状をしている。
憑魔一族
他の生物と融合しその能力を自分の物とする「憑魔合身」の能力を持つ一族。その力の弊害として胎児が母体と融合を起こして、知性のない怪物になってしまう。かつては三只眼に力を貸す代わりに妊娠した女性を无とし、胎児を脳死状態にして出産していたが、三只眼が滅びたことで一族は存亡の危機に立つ。不老不死の術を求めてパイを誘拐し、八雲達と一時対立するが和解。後に憑魔合身の能力を無くす術が別に存在することが解り、「三只眼」により合身抑止の術が開発され、グプターが出産を果たす。
犼(クウォン)
迅鬼が召喚し「三只眼」が乗騎にしようとした人間の魂を喰らう悪獣。人を喰うため神仏が乗り物にして飼い慣らしているという、『述異記』に記載の中国に伝わる霊獣(こう)に由来。
大地の精
大地から湧き出る5種(水・金・土・火・木)の精気のこと。大地の精の根源はナーガ・大地の精根・龍脈等と呼ばれ、ネットワークを形成し、通信・術の強化・龍脈系縛妖陣等に利用される。また精を集めることで術の開発にも用いられる。しかし年々大地の精は弱まる傾向にある。卵状の未契約獣魔は大地の精を糧に生きる。
鬼眼五将
太古、大地の精が枯渇することを防ぐため、その放出口に門番として設けられた三只眼のミイラを指す。大地の5種の精にそれぞれ門番も5人設置された。水将・土将・木将の塚はヒマラヤ山中に、火将・金将は極北の地にある。
鬼眼五将の行
世界各地に散らばる鬼眼五将の力を取り込む術。本来は高齢の三只眼が行うものとされる。
魔口の巣
聖地から少し離れた場所で地下に崑崙が集中する。ベナレスが配下を度々招集していた。
龍皇城
ベナレスの根城。月のクレーターに禁術と呼ばれるバリアを施し地球同等の世界を造っている。月面に在るが大地の精が吸い出せる。
魔現封神
ベム=マドゥライがベナレスを封じた術。龍脈系縛妖陣。魔物が四方に発散する精を利用し封じる。そのため相手の力が強いほど封じる力も強くなる。しかし相手に対して封じる大地の許容量が足りなければ失敗する。
縛妖陣
亜空間系縛妖陣。別空間へ放り込む術。放り込まれたが最後この世界に戻ることが出来ない。
龍精波
ベナレスが本性である龍神に戻った時に発散する大量の精。その威力は強大で捕らえた者の肉体と精神を徐々に崩壊させる。過去には三只眼達の住む聖地が龍精波によって危機に陥った。
奈落迦(ナラカ)
球城アマラの街のある大地に対する地下世界。作中の説明によれば、ナラカ(Naraka)はサンスクリットで日本語における奈落に相当する。
ローカパーラ
聖地を守護する4体の巨大な神獣。形状は4体とも同じ。聖地に埋もれていたが、鬼眼王の守護のために掘り出された。術の効果を増幅する力がある。また高い攻撃力を持ち、遠距離攻撃に優れている。ただし知能は低く接近戦に弱い。名前はインド神話などにおける護世神の総称ローカパーラ(lokapāla)に由来。
サンハーラ
鬼眼王の最後の呪術。全ての人間の意志を1つの光となし、さらに鬼眼王がこの光と融合すると鬼眼王シヴァは語っていたが(37巻第三百九十四話)、実際は闇と融合し自滅することだった(40巻第四百四十話)。サンハーラ(saṃhāra)はサンスクリットで破壊、発展などの意。
サンハーラの核
サンハーラを行なうためのドーム型施設のような造形物。単に「サンハーラ」とも。元はベナレスが手で運べるほどの大きさであった。鬼眼王がナタラージャNaṭarāja)と言うポーズを取る聖舞と呼ばれる儀式を行うことによって大きく成長する(37巻第三百八十八話)。
大帰滅(マハープララヤ)
鬼眼王が目的とした、サンハーラによって達成される世界の終末の状態。マハープララヤ(mahāpralaya)はサンスクリットで大崩壊等の意。
ヤクイ
作中の描写では窮地に陥った時に東京都新宿区育ちと見える八雲のみが用いる語。「ヤバイ」の意であり、東京の一部では日常的に用いられているらしい[7]。次第に使われなくなる。なお、作者の出身地が北海道であり出身地の方言であると伝えられることがあるテンプレート:要出典が、作者の出身地は東京都江戸川区である。
愚か者
「三只眼」が八雲を罵る時によく使った言葉。多用しているうちに愛称となる。
妖怪食っちゃ寝
八雲がパイに付けたあだ名。パイの生活が食っては寝てが多いことから。

書籍情報

テンプレート:節スタブ

OVA

3×3 EYES(OVA第1シリーズ、1991年製作)
  • I 転生の章
  • II 八雲の章
  • III 採生の章
  • IV 迷走の章
3×3 EYES 〜聖魔伝説〜(OVA第2シリーズ、1995年 - 1996年製作)
  • I 末裔の章
  • II 鍵の章
  • III 帰還の章
前作同様、設定が一部改変されたが基本的に原作に忠実に進んで行く。スタッフがインタビューで前作に大きく劣る内容になったと謝罪する等、奇妙な舞台裏事情も見られた。

スタッフ

3×3 EYES
  • 監督 - 西尾大介
  • 脚本 - 遠藤明範
  • 作画監督 - 新井浩一
  • 美術監督 - 佐貫利勝、谷口淳一(2話 - )
  • 撮影監督 - 広川二三男(1話)、福田岳志(2話 - )
  • 音楽 - 和田薫
  • プロデューサー - 鈴木良平(1話)、渡辺繁(1話)、重松英俊(1話)、春田克典(2話 - )、水尾芳正(2話 - )、高梨実(2話 - )、大月俊倫(2話 - )
  • 制作 - 東映動画タバック
  • 製作 - 講談社、バンダイキングレコード
3×3 EYES 〜聖魔伝説〜
  • 監督 - 竹之内和久
  • 脚本 - 高田裕三、竹之内和久
  • キャラクターデザイン・作画監督 - 熊谷哲矢
  • 絵コンテ - 開木菜織(2話)、竹之内和久(2話)
  • 演出 - 佐山聖子(2話)
  • 美術監督 - 加藤浩(1話)、竹田悠介(2話、3話)
  • 撮影監督 - 渡辺英俊
  • 音楽 - 和田薫
  • プロデューサー - 水尾芳正、渡辺繁、島名光二
  • 制作 - タバック、スタジオジュニオ
  • 製作 - 講談社、バンダイビジュアル、KING RECORDS

ゲーム

3×3EYES 聖魔降臨伝
RPG
1992年7月28日、ユタカより発売。スーパーファミコン用。
聖魔伝説3×3EYES MCD
RPG。
1993年7月23日、セガより発売。メガCD用。当時連載中だった週刊ヤングマガジン誌上で募集したオリジナルモンスターデザインの審査を高田裕三自ら担当し、採用されたモンスターは自身のスタジオ内で新たに描き起こしている。
3×3EYES 獣魔奉還
アドベンチャーゲーム。
1995年12月22日、バンプレストより発売。スーパーファミコン用。
3×3EYES 〜三只眼變成〜
アドベンチャーゲーム
1993年2月5日、日本クリエイトより発売。PC-9801用。
1993年10月6日、日本クリエイトより発売。FM TOWNS用。
1994年7月8日、NECホームエレクトロニクスより発売。PCエンジン用。
1996年2月9日、日本クリエイトより発売。Windows95用。
3×3EYES 〜吸精公主〜
アドベンチャーゲーム。
1995年4月28日、日本クリエイトより発売。Windows3.1用。
1995年8月11日、エクシングより発売。PlayStation用。
1996年4月19日、日本クリエイトより発売。セガサターン用(タイトルは『3×3EYES 〜吸精公主 S〜』。スペシャルCD-ROM「林原めぐみ嬢&辻谷耕史氏+??の香港紀行」が付属)。
1996年、日本クリエイトより発売。Windows95用。
3×3EYES 〜転輪王幻夢〜
アドベンチャーゲーム。
1997年、日本クリエイトより発売。Windows95用。
1998年8月6日、キングレコードより発売。PlayStation用。
3×3EYES Memorial(サザンアイズ メモリアル)[8]
2002年12月13日、日本クリエイトより発売。Windows98/Me/2000/XP用。
『三只眼變成』『吸精公主』『転輪王幻夢』をDVD-ROM1枚に収録した、3333本のみの完全限定生産版。特典として、「お宝ムービー(DVDに収録)」「3X3EYESデザインBOX(DVD4枚収納可能)」「卓上カレンダー(市販品に使用されていない画像のみで構成)」「キャラバッジ(全6種類中の2種類)」が付属する。

『三只眼變成』『吸精公主』『転輪王幻夢』は南町奉行所の制作による三部作。主なスタッフは以下の通り[9]

  • 脚本:山崎理
  • 絵コンテ:つるやまおさむ
  • キャラクターデザイン、作画監督:西井正典
  • 美術監督:砂川千里

音楽CD

3×3 EYES - TAKADA BAND
1992年6月24日、スターチャイルドより発売。
3×3 EYES - 第壱章
1991年8月21日、スターチャイルドより発売。
3×3 EYES - 第弐章
1991年12月5日、スターチャイルドより発売。
3×3 EYES - 第参章
1992年4月22日、スターチャイルドより発売。
3×3 EYES - 聖魔伝説 末裔譜譚詩 (せいまでんせつ まつえいふだんし)
1995年7月5日、スターチャイルドより発売。
3×3 EYES - 聖魔伝説 末裔譜譚詩 II
1996年6月5日、スターチャイルドより発売。

以下のリストはゲームに使用されたオリジナルサウンドトラック。

聖魔伝説 3×3 EYES from MEGA-CD
1993年7月21日、キングレコードより発売。
小森まなみ Fight! -最後の天使- / Holy Eyes
1995年9月21日、スターチャイルドより発売。

ドラマCD

テンプレート:節スタブ

3×3EYES ─天の巻─
1990年9月、キングレコードより発売。
3×3EYES ─人の巻─
1990年11月、キングレコードより発売。
3×3EYES ─地の巻─
1991年6月、キングレコードより発売。

ドラマCDのみ、三只眼を野沢雅子、ベナレスを池田秀一が演じている。

脚注・参考文献

テンプレート:Reflist

関連項目

外部リンク

テンプレート:講談社漫画賞少年部門 テンプレート:西尾大介監督作品

テンプレート:Asbox
  1. 1.0 1.1 1.2 『3×3EYES Another World』(1999年)掲載「高田裕三インタビュー」
  2. 『3×3 EYES 妖魔大図鑑』(1998年)掲載「『3×3EYES』FLASH BACK」(206ページ)。
  3. 『3×3EYES Another World』(1999年)掲載「SPECIAL対談 林原めぐみ&辻谷耕史」
  4. ヤングマガジン2002年9月20日号増刊『サザンアイズ / ザ・ラストパーティー』掲載「高田裕三 百問百答 〜ファンの知りたい高田裕三とサザンアイズの秘密〜」(12ページ)。
  5. 5.0 5.1 5.2 『3×3EYES Another World』(1999年)掲載「ここが知りたい!知られざるアナザーストーリーQ&A」。
  6. 『3×3EYES パーフェクト事典』(2001年)掲載「COLUMN 3 ここが知りたいQ&A」(71ページ)。
  7. 『3×3 EYES 妖魔大図鑑』(1998年)掲載「『3×3EYES』がよくわかるキーワード解説事典」の「ヤクイ」の項(204ページ)。
  8. 『サザンアイズ メモリアル』公式サイト
  9. 南町奉行所公式サイトのインターネットアーカイブ2006年1月31日分のキャッシュ