アカタテハ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

テンプレート:生物分類表 アカタテハ(赤立羽、学名: テンプレート:Snamei)は、チョウ目タテハチョウ科に分類されるチョウの一に鮮やかな模様があるタテハチョウで、日本ではによく見られる。

形態

テンプレート:Main2 成虫の前翅長は3.5cmほどの中型のチョウである。前翅の表側に鮮やかな橙色の帯模様があり、和名はこれに由来する。前翅の先端は黒く、白色の斑点が点在する。後翅の表にも橙色の縁取りがあるが、他はくすんだ褐色をしている。翅の裏側はほぼ灰褐色で、白くて細い網目模様がある。

幼虫の体にはたくさんの突起があり、ケムシの概念に含まれる外見である。小さい幼虫は全身が黒いが、大きくなると突起が黄白色になり、個体によっては体色に紫色を帯びるものもいる。触れても問題はなく、むしろ食草のイラクサにふれないよう気をつけたほうがよい。イラクサ科の葉は比較的硬いため幼虫のあごは大きく、皮膚の薄い子供が咬まれることもあるので、扱う際はピンセットを用いるとよい。

生態

成虫は年に数回発生し、早春から晩秋まで見られるが、個体数はに少なく秋に多い。成虫越冬するため、早春に見られる越冬個体は翅の一部が欠けているものも多い。不規則な軌道を描きながら速く飛ぶ。花にも吸蜜に訪れるが、秋が深まった頃には、サザンカの花に訪れたり、カキノキの下で、熟して落ちた果実から汁を吸ったりする姿が見かけられる。花や腐果だけでなく獣糞や樹液にも頻繁に集まる。

幼虫の食草は、カラムシヤブマオイラクサなどのイラクサ科植物である[1](ごくまれにニレ科ケヤキを食うこともあり、飼育下で代用食として利用可能)。幼虫は食草の葉のつけ根をかじって葉の表を内側に左右を糸でつづり、綴じ合わせた「」を作る習性がある。そのためイラクサ科植物で左右から綴じられた葉があれば、それを開くとアカタテハの幼虫を見つけることができる。特に人里に多いカラムシでは葉の裏が白いため、葉の裏が表側に位置するアカタテハの幼虫の巣は、白く目立つ。

になる際は、羽化を見越して葉の下端を3分の1ほど開けた巣をつくり、その中で蛹になる。

幼虫に関しては比較的飼育しやすい種ではあるが、ブランコヤドリバエ テンプレート:Snameiカイコノウジバエ テンプレート:Snamei の犠牲となることも多い。

分布

インドからオーストラリア日本北海道礼文島利尻島本州佐渡島八丈島三宅島父島母島隠岐島四国九州対馬壱岐島甑島種子島屋久島トカラ列島奄美大島徳之島沖縄本島宮古島石垣島西表島与那国島[2]まで広く分布する。森林の周辺の日当たりが良い場所に生息し、農村都市部でもよく見られる。

アカタテハ属

テンプレート:Sister テンプレート:Sister アカタテハ属(アカタテハぞく、学名: テンプレート:Snamei)は、タテハチョウ科の一つ。

脚注

テンプレート:脚注ヘルプ テンプレート:Reflist

参考文献

関連項目

テンプレート:Sister テンプレート:Sister

外部リンク

  • イモムシハンドブック』 33頁。
  • 引用エラー: 無効な <ref> タグです。 「dji」という名前の引用句に対するテキストが指定されていません