ちきゅうラジオ

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ちきゅうラジオ』(地球ラジオ)はNHKの国内向けラジオ第1放送と、海外向けのNHKワールド・ラジオ日本を通して、日本時間の毎週土・日曜夕方に放送されているラジオ番組。

基本的には、世界各地に在住する日本人からの現地レポートと、日本国内外の日本人からの各種投稿や音楽などを交えて進行するトーク番組の一種である。

1995年にNHK放送開始70周年と国際放送60周年の企画による特別番組として発足したことが始まりで、1999年度から定時放送となった。当初は日曜日のみで18:05頃 - 18:50の放送だったが、翌2000年より土曜日の放送も始まり、2004年度から現在の放送時間となった。

開始当初から2012年度までは漢字の「地球ラジオ」としていたが、2013年度からリニューアルを行い、ひらがなの「ちきゅうラジオ」と改める。

放送概要

放送時間

  • 毎週土・日曜とも原則として日本時間17:05頃 - 18:50。ただし17:50 - 17:53頃は日本道路交通情報センターからの交通情報で、17:55 - 18:05頃はニュースなどのため一時中断。
  • 大相撲中継高校野球等と重なる場合、国内向け・海外向けとも休止または縮小となる(高校野球中止時は通常通り放送)。この場合、大相撲は国内外とも同時中継をし(18時まで中継、18時台は通常通りとなるが、中継延長のときもある)、高校野球中継が行われている間は海外向けではFM放送、地上デジタルラジオ実用化試験放送の音楽番組に差し替えとなる(オリンピックがある場合はそのままオリンピック中継が放送されるが、別番組差し替えの場合もある)。以前は海外向けでは独自編成で通常通り放送されていたが、この時期は過去に放送した内容(主に「にっぽんチャチャチャ」の部分)を再編集して放送する「総集編」となることが多かった。
  • プロ野球の日本シリーズと重なった場合、2007年では国内外とも17時の前半の放送のみに縮小された(国内は日本シリーズ、国外は特別番組)。2010年については17時台のみの放送となった(国内は18時台から日本シリーズ、国外は18時台をFM放送の「にっぽんのうた 世界の歌」などに差し替え、日本シリーズはニュース終了後の19:20から実質飛び乗りの放送〈10月30日土曜日はニュースの延長で19:25の飛び乗り開始だった〉)。

番組の内容(2012年度)

土日共通
ワールドテレホンネットワーク
海外に住む日本人からの電話リポート。深夜に放送される「ラジオ深夜便」内にも同様のコーナーがあるが、こちらはワールドネットワーク
悠希のココが聴きたい!
NHK解説委員OBから、世界のさまざまなトピックスを解説してもらう。当初は後藤邑子が担当するコーナーだったが、邑子の休養に伴い、倉益悠希(後藤繁榮)が担当することになり、コーナー名も「邑子のココが聴きたい!」→「ココが聴きたい!」→「悠希のココが聴きたい!」と変更している。
土曜日
世界まるごと質問箱
日本の文化・慣わしなどについて海外ではどのようになっているかをリスナーに答えてもらう。冒頭は「ワールドテレホンネットワーク」の出演者にも答えてもらう。
僕たち私たち元気だよ
世界各地の日本人学校補習授業校に通う児童・生徒による作文朗読。
ワールドミュージックシーン
世界各地の民俗音楽ポピュラー音楽を紹介。毎月第1週・第3週は、日本に暮らす外国人音楽家による生演奏がある。
世界・音の旅
世界に暮らす日本人がお気に入りの場所や、珍しい物事を、音とともに紹介する。
ふるさと日本のうた
懐かしい日本の童謡唱歌を紹介。
日曜日
世界井戸端会議
毎回あるテーマに沿って、リスナーからの様々な意見を紹介する。冒頭は「ワールドテレホンネットワーク」の出演者も参加し、「世界井戸端電話会議」として放送する。
マイジャパニーズライフ
日本で活躍している外国出身者(日本語の話せる人)をスタジオに招き話を聞く。
にっぽんチャチャチャ
「マイジャパニーズライフ」とは逆に、海外で活躍する日本人に電話で話を聞く(事前収録)。
旅でござんす
世界各地を長期旅行している5組(2013年現在)の日本人から届く便りを紹介する。
このコーナーは高校野球の期間中の「総集編」の場合でも、原則通常通り放送される。

ブロードバンド

  • 放送当日の日本時間20:00(午後8時)から、インターネットによるオンデマンド配信(Windows Media形式)で、その日の放送を1週間聴くことができる(著作権の関係から、テーマ曲以外の音楽が流れている部分はカットされる)。
  • 放送中の模様をウェブカメラ(2個のライブカメラ、10秒程度に1回のサイクルで自動更新)で見ることができる。
    • 内容はスタジオ(事務所のような部屋に机といす、時計、地球儀が置かれている質素なもの)の光景、各コーナーでインタビューやレポートする人や、その人の居住する地域にちなむ画像、音楽が流れる場面では曲名など。17:55 - 18:05頃の中断中は、進行者が席を外していることが分かる。
  • 2007年10月1日から実施された、NHKワールド・ラジオ日本欧州ロシアを除く)、北米ハワイ向けの日本語放送廃止に伴う代替処置として、2007年10月6日放送分から、RealPlayerとWindows Mediaを使ったインターネットによるライブ・ストリーミング放送(ライブ配信、インターネットラジオ)が行われている(ライブ配信の場合、番組中の音楽はラジオ放送と同様にそのまま放送されている)。又、NHKワールド・ラジオ日本オンラインでのインターネット・ライブでも同時生放送されている。なお、ライブ配信開始後も、オンデマンド配信は引き続き行われている。
  • 2009年に入ってからは上記地域の日本語放送廃止に伴うもう1つの代替処置としてNHKワールドTV、NHKワールド・プレミアムのテレビ放送で使用されている放送衛星(インテルサット8・9・10号機)を用いたデジタルラジオ放送も行われるようになり、世界中のほぼすべての地域で聴取できるようになった。
  • 2011年9月からは「NHKネットラジオ らじる★らじる」でも番組中の音楽を含めて全編同時配信されている(日本国内限定)。これにより、日本国内では従来のNHKワールド・ラジオ日本オンラインでのインターネット・ライブとあわせて2つの媒体から利用可能。なお、「らじる★らじる」では関東広域放送のラジオ第1放送をそのまま同時配信するため17:55からの「海外安全情報」は配信されない。

特別企画

  • 夏季・並びに年末年始には時間枠を拡大した特別版が放送されることがある。
  • 年に数回、東京のスタジオを離れて地方局、あるいは日本国外から放送されることもある。この公開放送が実施される場合は通常時間帯で行う場合と、通常より放送時間を延長・拡大する場合とがあり、国外から流す場合にはその国・地域に在住する日本人や日系人、また国内各地からの場合はその地域に住む在日外人を生ゲストや事前のインタビュー収録で出演させている。
    • 国外からの公開生放送は過去5回。
      • 2005年5月28日29日は日韓友情年を記念して、韓国ソウル特別市の特設スタジオから番組初の公開放送「地球ラジオin韓国」が実施され、通常より時間を延長して放送された(28日は16:05頃 - 、29日は13:05頃 - 、終了はすべて18:50、ただし海外向けのうち、アジア大陸・東南アジア以外の地域では、17:05頃 - )。
      • 2006年には上海から、2007年6月9日10日には、メルボルンから時間枠を拡大して公開放送を実施。
      • 2008年10月4日5日には、韓国・釜山日本人学校からの公開生放送(通常と同じ時間帯)を行い、現地では100人を越える聴取者が詰めかけたが、5日の午後6時台は釜山からの回線トラブルが発生。東京のスタジオからアナウンサーが音楽を紹介し、過去の企画を再放送して時間をつないだが、音声は復旧せず、携帯電話を使っての音質の悪い中の放送となった。
      • 2012年2月18日19日は、「地球ラジオinベトナム」としてベトナムハノイ日本人学校から公開生放送を実施。放送時間は通常より1時間早く、16:05頃から放送した。
      • 2012年12月8日9日中国大連からの公開生放送を行った。[1]
    • 国内からも数回行われている。
      • 2010年12月4日5日NHK福岡放送局のスタジオから公開放送を実施。放送時間は通常より1時間早く、16:05からの放送となる。ただし海外向けは16:00から独自編成の日本語ニュースを10分間、海外安全情報・途中飛び乗りのお知らせを5分間放送する都合上、16:15からの途中飛び乗りとなる。
      • 2011年3月12日NHK岐阜放送局から2時間の特番「地球ラジオin岐阜」開催。ただし、イベントそのものは開催されたが、前日の3月11日発生・東日本大震災報道のため生放送はせず、後日録音放送(撮って出し)となった。
      • 2011年10月1日2日NHK釧路放送局のスタジオから公開放送「地球ラジオin釧路」を実施。放送時間は通常より1時間早く、16:05からの放送となった。
      • 2012年2月25日26日(上記ハノイ公開放送の翌週)は、成田国際空港第一ターミナル内のオープンスタジオから「地球ラジオin成田空港」と題した公開生放送を実施。放送時間は通常通り17:05頃から。
      • 同年10月13日10月14日NHK帯広放送局ロビーから「地球ラジオin帯広」が公開生放送された。こちらも放送は通常と同じ17:05頃から。
      • 2014年4月26日27日は、「ちきゅうラジオin弘前」と題し、内多・倉益体制となってから初めてとなる公開生放送を弘前市の「弘前さくらまつり」会場と、NHK青森放送局弘前支局ロビーを結んでの中継を行う。放送時間は通常と同じ。
  • 2009年6月7日の放送は、NHK衛星放送20周年企画として放送枠が拡大された衛星第1テレビジョン(BS1)の「地球アゴラ」で、ラジオスタジオからの中継映像(ゲストのナターシャ・グジーによるバンドゥーラ演奏やインタビューなど含む)が流された。
  • 2014年5月3日5月4日はゴールデンウィークの特別企画として、3日は「留学生スペシャル」、4日は「中南米スペシャル」とテーマを定めて放送。留学生をテーマにした回ではジェロ北川桜や、日本在住外人留学生をゲストに招いている。
  • 高校野球期間(春休み夏休み)は試合の展開により開始時間が遅れるか休止になるため、過去に放送した番組からリスナーの要望が多かったレポートを再放送する(ただしリスナーからのメッセージは通常通り募集するためその紹介の箇所は生放送)。またこの期間は通常2名担当するパーソナリティーはどちらかがお休みとなるため、スタジオ待機の1人だけでの進行となる。(2013年8月17日放送は2名とも出演)

出演者

現在の担当者

過去の担当者

  • 玉利かおる(特番時代と1999年度)
  • 西田珠美2000年度 - 2003年度)
  • 小笹俊一(特番時代)
  • 後藤繁榮(ごとう・しげよし、1999年定時番組化から2013年3月31日まで出演。日本語センター専属アナウンサー)
  • 大輪香菊(おおわ・かぎく、2004年度 - 2011年度。結婚を機に2007年4月から「荒川」改め「大輪」となる)
  • 後藤邑子(ごとう・ゆうこ、2012年4月7日 - 5月13日)
    • 5月19日以後は病気療養のため休演し、後藤繁榮1人での担当していた[3]。ただし、5月26日のワールドクッキングでは録音済の音声で出演。7月29日には番組へのコメントが放送され(前日に後藤繁榮が病院へ赴いて収録[4])、その中で「自分の病気は退院後もコントロールして付き合っていく必要があるため今後の生放送にはリスクを負って参加することは出来ない」として事実上の降板を表明し、後藤繁榮と倉益悠希、そしてリスナーへの謝辞を述べた[5]。現在ではアンコール放送の際にまれに彼女の声を聞くことができる。

過去にディレクターを務めていたアナウンサー

この番組では、ラジオセンター所属のアナウンサーがディレクターとして制作にかかわっている。過去に担当していたアナウンサーは次のとおり。

その他

  • 2001年頃まで18時のニュース終了後に流れるジングルは、ラジオ深夜便の“ワールドネットワーク”(「関西発…」の“アジアレポート”)のジングルが、「深夜便」のロングバージョンで流れていた。
  • 一時期(2004年3月頃まで)、NHKワールド・ラジオ日本で、日本時間の土曜深夜(日曜午前2時ごろ)に、土曜日放送分の再放送が行われていた。後に再放送は行われなくなり、代わりに前述のインターネットによるオンデマンド配信が開始された。
  • 海外各地と生電話をつなぐコーナーが多いゆえに、回線が繋がらず予定のコーナーが中止になったり、延期になることもしばしばある。先述の2008年10月の韓国・プサンからの公開放送では、日本時間5日18時台の放送で現地からの回線が寸断され、東京のスタジオからアナウンサーがお詫びをし、音楽を数曲かけ、さらに過去のインタビューが再放送された。結局、回線は最後まで復旧しなかったため、18:30頃から携帯電話を使って現地と結び急場を凌いだ。また放送できなかった企画は、後日改めて放送された。
  • 番組のテーマ曲はオープニング、ローカルニュースに入る前、18時の全国ニュース明けおよびエンディングで演奏アレンジはそれぞれ異なるが、すべて同じ楽曲(番組のためのオリジナル)。

脚注

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外部リンク

  • 8日は通常と同じだったが、関東地方のみ衆議院議員選挙の経歴放送のため18時台のみに短縮。9日は16:05ごろから時間枠を拡大して放送。
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