道東自動車道
テンプレート:Infobox road 道東自動車道(どうとうじどうしゃどう、DOTO EXPRESSWAY)は、北海道千歳市の千歳恵庭JCTから、北海道十勝郡浦幌町の浦幌IC及び足寄郡足寄町の足寄ICを結ぶ高速道路である。
略称は道東道(どうとうどう、DOTO EXPWY)、十勝地方の通行区間の愛称は「十勝スカイロード」[1]。国土開発幹線自動車道及び高速自動車国道である北海道横断自動車道の一部である。
目次
概要
道央道と接続する千歳市の千歳恵庭JCTを起点とし[2]、中川郡本別町の本別JCTで分岐して、十勝郡浦幌町の浦幌ICと、足寄郡足寄町の足寄ICをそれぞれ結ぶ。
この内、夕張IC - 占冠IC間は急峻な日高山系に阻まれて長らく未開通であったが、2011年10月29日午後3時に開通した。これまで占冠ICから東の十勝側は、帯広広尾道と合わせて道内の他高速道路と接続がない「飛び地状態」が長らく続いており、交通量は低迷していた。しかしこの開通で既存の高速道路である道央道と直結されることとなり、飛び地状態が解消された[3]。
通過市町村
接続する高速道路
インターチェンジなど
- IC番号欄の背景色がテンプレート:Colorである区間は既開通区間に存在する。施設欄の背景色がテンプレート:Colorである区間は未開通区間または未供用施設に該当する。未開通区間の名称は全て仮称である。
- 本線上におけるキロポストの距離数には、数字の前に「E」の表記が存在する。
千歳恵庭 - 浦幌間
IC番号 | 施設名 | 接続路線名 | 起点から (km) |
備考 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|---|---|
4-1 | 千歳恵庭JCT | 道央自動車道 | 0.0 | 石狩振興局 | 千歳市 | |
1 | 千歳東IC | 国道337号本線 国道337号道央圏連絡道路 |
12.6 | |||
- | キウスPA | - | 14.5 | |||
2 | 追分町IC | 国道234号 | 21.9 | 胆振総合振興局 | 勇払郡安平町 | |
- | 由仁PA | - | 29.3 | 空知総合振興局 | 夕張郡由仁町 | |
3 | 夕張IC | 国道274号 | 42.1 | 夕張市 | ||
4 | むかわ穂別IC | 道道1165号むかわ穂別インター線 | 56.5 | 胆振総合振興局 | 勇払郡むかわ町 | |
- | 穂別TN | - | ↓ | |||
5 | 占冠IC | 道道1172号占冠インター線 | 76.6 | 上川総合振興局 | 勇払郡占冠村 | |
- | 占冠PA | - | 80.0 | |||
6 | トマムIC | 道道1170号トマムインター線 | 102.8 | |||
- | 狩勝第一TN | ↓ | 道内高速道路最高地点 標高 626m | 空知郡南富良野町 | ||
- | 新得IC | 設置構想 | 十勝総合振興局 | 上川郡新得町 | ||
7 | 十勝清水IC | 国道274号 | 123.7 | 上川郡清水町 | ||
- | 十勝平原SA | - | 138.6 | 河西郡芽室町 | ||
8 | 芽室IC | 道道54号東瓜幕芽室線 | 140.9 | |||
9 | 帯広JCT | 帯広広尾自動車道 | 145.3 | |||
10 | 音更帯広IC | 国道241号 | 152.4 | 河東郡音更町 | ||
- | 長流枝PA | - | 165.5 | スマートICの設置構想あり[4] | ||
11 | 池田IC/TB | 国道242号 | 174.0 | 本線料金所を併設 | 中川郡池田町 | |
12 | 本別JCT | 足寄・北見方面 | 191.2 | 本別IC方面から足寄ICへは通行不可 2015年度フルJCTへ移行予定 |
中川郡本別町 | |
13 | 本別IC | 道道1154号本別インター線 | 193.0 | |||
14 | 浦幌IC | 国道274号・国道392号 | 201.0 | 十勝郡浦幌町 | ||
北海道横断自動車道 本別 - 釧路(事業中) |
- 本別IC - 浦幌ICは新直轄方式によって整備、開通した北海道開発局管理区間。浦幌IC以東についても新直轄方式で事業中。
本別 - 足寄間
IC番号 | 施設名 | 接続路線名 | 起点から (km) |
備考 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|---|---|
12 | 本別JCT | 帯広方面 | 0.0 | 足寄ICから本別IC方面へは通行不可 | 十勝総合振興局 | 中川郡本別町 |
1 | 足寄IC | 国道242号・国道274号 | 13.1 | 足寄郡足寄町 | ||
北海道横断自動車道 足寄 - 北見(事業中) |
- 足寄IC - 北見西IC間は新直轄方式により事業中。このうち足寄IC- 小利別IC間は抜本的見直し区間のうち当面着工しない区間とされ、当面は国道242号を活用するとされていたが、2014年(平成26年)5月28日の北海道開発局事業審議委員会にて陸別IC-小利別IC間の凍結を解除する方針が示され事業再開が正式に決定した。[5]
SA・PA
主なトンネルと橋
- 栗山トンネル(追分町IC - 夕張IC)
- 夕張トンネル(追分町IC - 夕張IC)
- 久留喜トンネル(夕張IC - むかわ穂別IC)
- 楓トンネル(夕張IC - むかわ穂別IC)
- 大夕張トンネル(夕張IC - むかわ穂別IC)
- 長和トンネル(むかわ穂別IC - 占冠IC)
- 穂別トンネル(むかわ穂別IC - 占冠IC、2011年現在は北海道2番目の長さ、道東自動車道で最長)
- 占冠トンネル(むかわ穂別IC - 占冠IC)
- タンネナイトンネル(むかわ穂別IC - 占冠IC)
- 占冠中央トンネル(むかわ穂別IC - 占冠IC)
- 東占冠トンネル(占冠IC - トマムIC)
- 滝の沢トンネル(占冠IC - トマムIC)
- ホロカトマムトンネル(占冠IC - トマムIC)
- 下トマムトンネル(占冠IC - トマムIC)
- 狩勝第一トンネル(トマムIC - 十勝清水IC、高速道路の標高が道内一)
- 狩勝第二トンネル(トマムIC - 十勝清水IC)
- 広内トンネル(トマムIC - 十勝清水IC)
- 十勝川橋(十勝清水IC - 十勝平原SA)
トンネルの数
区間 | 上り線 | 下り線 |
---|---|---|
千歳恵庭JCT - 由仁PA | 0 | 0 |
由仁PA - 夕張IC | 2 | 2 |
夕張IC - むかわ穂別IC | 3 | 3 |
むかわ穂別IC - 占冠IC | 5 | 5 |
占冠IC - 占冠PA | 0 | 0 |
占冠PA - トマムIC | 4 | 4 |
トマムIC - 十勝清水IC | 3 | 3 |
十勝清水IC - 浦幌IC | 0 | 0 |
本別JCT - 足寄IC | 0 | 0 |
合計 | 17 | 17 |
歴史
1957年に国土開発幹線自動車道の主要幹線道路とされたが、建設が遅れていた。
1995年(平成7年)10月30日に十勝清水IC - 池田IC間が先行開通[1]。 あまり利用の見込めない十勝地方内だけの開通となり、本来の利用目的である札幌・道東圏の移動時間短縮などのメリットは全くといって良いほど得られなかった。事実、開通1カ月の1日の利用台数は1,080台程度と低迷し[7]、当時の全国の高速道路ではワーストの営業係数を記録していた。マスコミや国会などでも「不要な高速道路」の代表例として挙げられる始末で、一刻も早い札幌圏直結が望まれることとなった。
1999年(平成11年)10月7日に千歳恵庭ジャンクション - 夕張IC間が開通し[8]、同区間の開通1カ月の1日の利用台数は2,500台程度と予想を上回った[9]。
2007年(平成19年)10月21日にトマムIC - 十勝清水IC間が開通し[10]、道内の高速自動車国道では初めて日高山系を横断した(これより5年前の2002年には、これより北に位置する大雪山系を横断する高規格幹線道路・旭川紋別自動車道の北大雪トンネルが開通している)。
2009年(平成21年)10月24日に占冠IC - トマムIC間が開通し、道東道へのアクセスが劇的に改善した[11]。これにより、並行する国道38号・国道274号の難所として悪名高い狩勝峠や日勝峠を迂回できるようになったため、同区間の開通後は並行国道からの物流・交通の大幅なシフトが見られた。実際、2010年12月23日 - 2011年1月4日までの間の1日当たりの利用台数が14,716台と前年の2倍に伸びている。
2011年(平成23年)10月29日に夕張IC - 占冠IC間が開通し、高速自動車国道のみで札幌都市圏と帯広都市圏の往来が初めて可能になった[12]。
2011年11月7日、NEXCO東日本は夕張IC - 占冠IC間開通後1週間の1日平均通行台数が6,500台で当初予想していた約2倍の数値であった事が発表される。また同区間開通により並行する日勝峠の通行台数が約5%減少したとした。12月2日には、NEXCO東日本と北海道開発局が開通から1ヶ月後(11月30日まで)の1日平均 5,200台と、予想の約1.6倍であると発表した。なお、千歳東IC - 追分町IC間も約1.6倍、トマムIC - 十勝清水IC間は約1.7倍となっている。一方、夕張市とむかわ町穂別の並行する国道274号は交通量が約60%以上減少し、開通前の半分以下になった[13]。
年表
- 1995年(平成7年)
- 1999年(平成11年)
- 2003年(平成15年)
- 2005年(平成17年)
- 2007年(平成19年)
- 2009年(平成21年)
- 2010年(平成22年)
- 2月2日:全線が高速道路無料化社会実験の対象区間に指定される。
- 6月28日:全線で高速道路無料化社会実験の運用が開始される[16][17]。
- 2011年(平成23年)
- 2013年(平成25年)
- 7月13日:由仁PAに道東道初となるガソリンスタンドが上下線にオープン。
道路管理者
- NEXCO東日本 北海道支社
- 札幌管理事務所:千歳恵庭JCT - 夕張IC
- 帯広管理事務所:夕張IC - 本別IC、本別JCT-足寄IC
- 国土交通省北海道開発局
- 帯広開発建設部:本別IC - 浦幌IC
車線・最高速度
区間 | 車線 上下線=上り線+下り線 |
最高速度 | 備考 |
---|---|---|---|
千歳恵庭JCT - むかわ穂別IC | 2=1+1 | 70km/h | ※1 ※2 |
むかわ穂別 - 占冠IC | ※2 ※3 | ||
占冠IC - 浦幌IC | ※2 | ||
本別JCT - 足寄IC |
※1:千歳恵庭JCT付近・千歳東IC付近・追分町IC付近や一部区間では4車線
※2:一部区間で80km/h
※3:一部区間で4車線および100km/h
交通量
平日24時間交通量(台)(上下合計)[19]
- 斜字は推計値を示す。
- 平成22年度において、千歳恵庭JCT-夕張IC間と占冠IC-(本別JCT)-本別IC間、本別JCT-足寄IC間(当時開通していた区間全線)では高速道路無料化社会実験が行われていた。
- なお、平成21年度の日平均通行台数は7,497台(NEXCO東日本より)である。
料金 | 区間 | 平成17年度 (2005年度) |
平成22年度(2010年度) | 備考 | |
---|---|---|---|---|---|
台数 | 混雑度 | ||||
有料 | 千歳恵庭JCT - 千歳東IC | 2,515 | 4,094 | 0.48 | |
千歳東IC - 追分町IC | 2,513 | 5,363 | 0.50 | ||
追分町IC - 夕張IC | 2,277 | 5,225 | 0.58/0.97 | ||
夕張IC - むかわ穂別IC | 未開通 | 未開通 | |||
むかわ穂別IC - 占冠IC | |||||
占冠IC - トマムIC | 6,940 | 1.24 | |||
トマムIC - 十勝清水IC | 7,596 | 1.07 | |||
十勝清水IC - 芽室IC | 1,687 | 8,193 | 0.66 | ||
芽室IC - 帯広JCT | 1,645 | 8,210 | 0.64 | ||
帯広JCT - 音更帯広IC | 1,454 | 6,094 | 0.55/1.04 | ||
音更帯広IC - 池田IC | 1,706 | 6,194 | 0.89/0.43 | ||
池田IC - 本別JCT | 1,435 | 5,670 | 0.44 | ||
本別JCT - 本別IC | 591 | 2,333 | 0.23 | ||
無料 | 本別IC - 浦幌IC | 未開通 | 994 | 0.12 | |
有料 | 本別JCT - 足寄IC | 940 | 3,337 | 0.38 |
料金
千歳恵庭JCT - 本別IC、足寄ICは対距離制。本別IC - 浦幌ICは新直轄方式のため無料。
無料化社会実験
2010年6月28日より無料化社会実験が実施され、2012年3月まで実施される予定となっていたが、2011年3月11日に発生した東日本大震災の復興費用確保のため、2011年6月19日をもって凍結された[18]。制度の詳細や経緯は高速道路無料化を参照。
区間
- 千歳恵庭JCT - 夕張IC間、占冠IC - (本別JCT) - 本別IC間、本別JCT - 足寄IC間
- 2011年10月に夕張IC - 占冠IC間が開通した後に、上記の社会実験区間に追加される予定であったが、東日本大震災の復興費用確保のため、一度も実施される事なく凍結されている[18]。
時間と対象
- 終日、全車種(ETC搭載車、非搭載車ともに対象)
脚注
関連項目
外部リンク
- 東日本高速道路株式会社(千歳恵庭JCT-本別IC間・本別JCT-足寄IC間)
- 国土交通省北海道開発局(本別IC-釧路IC間・足寄IC-北見IC間)
- 道東道(夕張〜占冠)|NEXCO東日本 夕張IC-占冠ICの建設区間紹介
- ↑ 1.0 1.1 “<特報 土曜フラッシュ>「十勝スカイロード」30日開通 道東に夢もたらす初の高速50.3キロ”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (1995年10月21日)
- ↑ “道東自動車道 千歳-夕張、あす開通”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (1999年10月6日)
- ↑ NEXCO東日本 北海道 開通予定区間
- ↑ 十勝毎日新聞社 道東道全通で音更「長流枝PA」 スマートIC化へ動き
- ↑ 北海道縦貫自動車道(士別市多寄町~名寄市)等の事業の再開について
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ 7.0 7.1 “出足そろり道東道 開通1カ月 利用、見込み下回る1日1080台 「季節的要因も」”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (1995年12月4日)
- ↑ 8.0 8.1 “道東道 千歳恵庭-夕張間が開通 物流、観光に期待膨らむ 「企業誘致にも有効」”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (1999年10月8日)
- ↑ “1日平均2500台 道東道新区間開通1カ月 予想上回る利用”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (1999年11月13日)
- ↑ 10.0 10.1 “道東道・十勝清水-トマム開通 地域振興 期待膨らむ 観光客素通り 懸念も 清水で式典”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2007年10月22日)
- ↑ 11.0 11.1 “道東自動車道・トマム-占冠間あす開通 救急搬送の時間短縮 観光客 素通り回避の工夫必要”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2009年10月23日)
- ↑ 12.0 12.1 “道東道夕張-占冠 あす開通 十勝 熱い観光商戦 バスツアー1割安 旅行会社/日帰り往復券8800円”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2011年10月28日)
- ↑ “<そらねっと24 けいざいトレンド>道東道開通後の夕張紅葉山 国道閑散 やはり「素通り」 交通量6割減 土産店、コンビニ打撃 広域観光に期待も”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2011年12月20日)
- ↑ “道東道池田-本別・足寄間 あす開通 観光振興に期待 物流関係者「効果限定的」の声も”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2003年6月7日)
- ↑ “道東道・本別-浦幌間が開通式 住民「早く全線開通を」”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2009年11月22日)
- ↑ “高速道路 管内は28日から全線無料 ドライブは十勝へ 観光連盟など 札幌で来月PR”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2010年6月25日)
- ↑ 国土交通省-平成22年度高速道路無料化社会実験について
- ↑ 18.0 18.1 18.2 テンプレート:PDFlink
- ↑ テンプレート:Cite web