ネスカフェ
ネスカフェ(Nescafé)はネスレが世界的に製造して販売するコーヒー製品の商標である。これはNestléとCaféを合わせた造語で、1937年以降販売されているインスタントコーヒーが広く知られる。
1938年4月1日スイスで最初に提供開始[1]され、すぐにフランス、イギリス、アメリカ合衆国へ輸出された。日本ではネスレの日本法人であるネスレ日本が製造販売する。
中東では、伝統的な製法によるコーヒーとヨーロッパ由来の製法によるコーヒーとを峻別し、インスタントコーヒーをNescaféと呼称するところも多い。
目次
日本におけるネスカフェ
1953年、コーヒーの輸入再開に伴いネスカフェも輸入開始される。1960年、作家北杜夫が『どくとるマンボウ航海記』冒頭の文中に登場させる。当時、不二家などの国産食品メーカーが競合する類似商品を相次ぎ発売するも、ネスカフェは「モトのかかったブレンドです」と品質面をアピールする。1966年、姫路工場で日本国内生産を開始して「世界中どこでも、ネスカフェ」と世界共通ブランドであることをアピールする。後に、オリジナル「ネスカフェ」を「ネスカフェ・エクセラ」へ改称し、ネスカフェのロゴ書体を変更する。パッケージデザインは一貫して円柱型で、黒基調のラベルに白の"NESCAFÉ"ロゴが特徴である。近年は、大塚ベバレジ(現・大塚食品)との提携による缶コーヒーシリーズ発売など製品バリエーションを拡大し、カフェレストラン「Café NESCAFÉ」の首都圏や近畿地方での展開や東名高速道路海老名サービスエリア(下り)店舗など、業績拡大が図られている。
現行商品
- レギュラーソリュブルコーヒー(インスタントコーヒー)
- ネスカフェ エクセラ
- ネスカフェ ゴールドブレンド(オリジナル・カフェインレス(旧・ゴールドブレンド 赤ラベル))
- ネスカフェ 香味焙煎(コクの豊潤 深煎り・まろやか淡麗 中煎り・初摘み)
- ネスカフェ プレジデント
- ネスカフェ エスプレッソ
- ネスカフェ フラジール(通販限定商品)
- ミックスタイプ・カップタイプ
- ネスカフェ エクセラ
- ネスカフェ ゴールドブレンド
- ネスカフェ ホームカフェ
- ポーションタイプ
- ネスカフェ アイスクール
- ボトルタイプ
- ネスカフェ プレミアムブレンド
- ネスカフェ エスプレッソ仕立て
- ネスカフェ NOTクリアテイスト
- ネスカフェ 厳選素材のカフェオレ
- 缶コーヒー(このシリーズのみ発売元は大塚食品となる)
- ネスカフェ エクセラ 超微糖
- ネスカフェ エクセラ カフェラテ
- ネスカフェ ゴールドブレンド
- ネスカフェ ゴールドブレンド ブラック
- ネスカフェ ゴールドブレンド 微糖
- ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタ(コーヒーマシン)
- ドルチェグスト(コーヒーマシン)
- Circolo サーコロ
- Piccolo ピッコロ
- Piccolo Premium ピッコロプレミアム
- MD9741
- カフェバラエティ(カプセル)
ゴールドブレンド
1967年、日本での販売を開始する。ネスカフェの上級ブランドで欧州諸国では1965年に発売済みであり、当時は最高の抽出技術とされるフリーズドライ製法で作られた商品である。「エクセラ」の黒色キャップとラベルに対し金色のキャップとラベルを採用し、CMでは「違いがわかる男の、ゴールドブレンド」のキャッチコピーと共に各界著名人を起用してブランドイメージの高級感を醸成させている。キャッチコピーは1990年代以降、「上質を知る人の~」と「違いを楽しむ人の、ネスカフェ・ゴールドブレンド」が用いられ、2010年以降は24年ぶりに「違いがわかる男」並びに「違いがわかる人」が復活している。使用曲は、小田和正出演時に小田楽曲使用の例外を除き、八木正生作曲「目覚め―ネスカフェ・ゴールドブレンドのテーマ」である。
エクセラ同様、製法と共に、パッケージデザインも丸みを帯びた直方体からほぼ完全な直方体へ変化している。カフェインを97%カットした商品名「カフェインレス」の「赤ラベル」もラインアップしている。
2012年9月には缶コーヒー化された。発売当初はオリジナルのブレンドコーヒー(低糖タイプ)のみのラインアップだったが、2013年6月より無糖タイプのブラックが、更に2013年9月には微糖タイプのブレンドコーヒーがそれぞれ追加された[2]。2014年4月には「ゴールドブレンド 缶コーヒー オリジナル」(ブレンドコーヒー・低糖タイプ)が先行リニューアルし、既に販売終了した「ネスカフェ 香味焙煎 缶コーヒー」シリーズ同様、微粉砕コーヒー豆入り製法に変更された。
2013年9月1日のリニューアルより発売以来、46年ぶりに製法が大幅に変更され、既に採用済みの香味焙煎、およびプレジデント同様の挽き豆包みフリーズドライ製法[3]が採用され、これまでのインスタントコーヒーからレギュラーソリュブルコーヒーに変更され、これと同時にエクセラも無印名義から通算して53年ぶりに製法が大幅に変更され、挽き豆包みスプレードライ製法が採用されたレギュラーソリュブルコーヒーに変更。これによりインスタントコーヒーとしてのネスカフェのラインアップが全てレギュラーソリュブルコーヒーに統一された[4]。
アンバサダー
ネスレ日本では2012年11月より「ネスカフェ アンバサダー」として、主にオフィス向けを対象にネスレのコーヒーマシンを無料貸出しするサービスを始めている。
元々は同社の販売戦略として「(日本の)人口が減少傾向にある以上、家庭内需要は今後減少することは避けられない」という点から「家庭以外の需要を取り込もう」という意図で始められたサービスである[5]。当初は同社の「ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタ」のみを貸し出すサービスだったが、2013年9月より「ドルチェグスト」が[6]、12月より「スペシャル.T」(カプセル式ティーサーバー)[7]が貸出対象に加わっている(ただし2013年12月現在、ドルチェグストとスペシャル.Tの同時貸出は不可[7])。2013年9月現在で応募者は10万人を突破している[8]。
CM
受賞歴
2001年
- ACC賞 ラジオ・ブロンズ賞 「ネスカフェゴールドブレンド こんなところでダバダ」
2003年
- ACC賞 テレビ・ブロンズ賞 「ネスカフェ」
2004年
- ACC賞グランプリ 「ネスカフェ 朝のリレー「空」」
- ACC賞テレビ・シルバー賞 「ネスカフェエクセラ 風鈴/飛び込み/神輿」
- 第53回 日経広告賞 コーポレートブランド広告賞 優秀賞
ゴールドブレンドCMに起用された主要著名人
ネスカフェゴールドブレンドのCM出演者は今のところ日本人のみ起用している。外国人タレントは基本的にエクセラのCMに出演する。例外として、2009年のゴールドブレンド チャージでは、唐沢寿明と上述のアインシュタインのそっくりさんが共演した。
- 1970 松山善三 (映画監督)
- 1971 黛敏郎(音楽家)
- 1972 中村吉右衛門 (歌舞伎役者)
- 1972 遠藤周作 (小説家) - 2008年、唐沢寿明と当時のCM映像を使用した合成映像による"共演"CMが放映された。
- 1973 池坊専永 (華道家)
- 1974 北杜夫 (小説家)
- 1975 岩城宏之 (音楽家)
- 1976 清家清 (建築家)
- 1977 野村万作 (狂言師)
- 1978 二谷英明 (俳優)
- 1979 江藤俊哉 (音楽家)
- 1979 會田雄亮 (陶芸家)
- 1981 後藤純男 (日本画家)
- 1981 石丸寛 (音楽家)
- 1981 阿川弘之 (作家)
- 1982 やまもと寛斎(ファッションデザイナー)
- 1983 観世栄夫 (能楽師)
- 1984 由良拓也 (レーシングカーデザイナー)
- 1985 沢井忠夫 (箏曲奏者)
- 1986 高倉健 (俳優)
- 1987 靃見芳浩 (経済学者)
- 1988 小田和正 (シンガーソングライター)
- 1991 宮本輝 (小説家)
- 1992 坂東八十助 (歌舞伎役者)
- 1993 宮本亜門 (演出家)
- 1994 錦織健 (オペラ歌手)
- 1995 川瀬敏郎 (花人)
- 1996 石丸幹二 (劇団四季 俳優)
- 1997 熊川哲也 (バレエダンサー)
- 1998 和泉元彌 (狂言師)
- 1999 山本容子 (銅版画家)
- 2000 松本幸四郎(歌舞伎役者)、市川染五郎(歌舞伎役者)、松たか子(女優)
- 2000 野口健 (登山家)
- 2001 外尾悦郎 (彫刻家)
- 2002 緒形拳 (俳優)
- 2003 唐沢寿明(俳優)、三谷幸喜(劇作家、脚本家、俳優、映画監督) - 唐沢は2009年のゴールドブレンド チャージにも出演。
- 2005 大平貴之(プラネタリウムクリエーター)
- 2006 小林崇(ツリーハウスクリエーター)
- 2009 蜷川実花(フォトグラファー)
- 2010 大沢たかお(俳優)
- 2012 吉田美和・中村正人(DREAMS COME TRUE)
他商品CMに起用された主要著名人
- ネスカフェ エクセラ メグ・ライアン、荒川良々
- ネスカフェ エクセラ(エクセラで、ラテ!) 中川翔子、D☆DATE、イモトアヤコ、石塚英彦、城田優、中山秀征、レッド吉田、恵俊彰
- ネスカフェ エクセラ(エクセラで、ナツラテ!) D☆DATE、クレイジーラッツ(ロッチ、ハライチ、我が家)
- ネスカフェ サンタマルタ(缶コーヒー)明石家さんま、マライア・キャリー
- ネスカフェ サンタマルタX(缶コーヒー)藤岡弘、、竹野内豊
- ネスカフェ 匠(缶コーヒー) 伊東美咲、桂歌丸、羽生善治
- ネスカフェ チャージ(詰め替え用商品) アルベルト・アインシュタイン(アメリカ・ロス在住のそっくりさんBenny Wasserman(ベニー・ヴァッサーマン)による再現CM)
- ネスカフェ ボトルコーヒー(夏季限定CM)唐沢寿明
- ネスカフェ ゴールドブレンド赤ラベル 中村紘子
- ネスカフェ ドルチェグスト 瀬戸朝香
- ネスカフェ バリスタ(現・ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタ) 中山秀征、松本明子
- ネスカフェ エクセラ(エクセラでラテ) 真飛聖
- ネスカフェ 珈琲の恵み 生豆茶 イモトアヤコ、仲間リサ、中村明花
- ネスカフェ アンバサダー(オフィス潜入篇) 中川翔子 ※実質的にネスカフェ ゴールドブレンド バリスタとの統合CMとして扱われている。
主要CMソング
ネスカフェのCMソングで使われた洋楽の中には、オリジナルの歌詞の一部を「ネスカフェ」に変更し、CMソングとして放送されていたものもある。
- 「目覚め -DABADA-」 伊集加代子、小野リサ、白鳥英美子、EPO、石川さゆり、DREAMS COME TRUE
- 「幻想即興曲」 (ゴールドブレンド赤ラベルCMで中村紘子が演奏)
- 「やさしく歌って」 ロバータ・フラック
- 「マホガニーのテーマ」 ダイアナ・ロス
- 「追憶」 バーブラ・ストライサンド
- 「オネスティ」 ビリー・ジョエル (1979年 チョコホット)
- 「good times&bad times」 小田和正 (1988年 ゴールドブレンド)
- 歌劇トゥーランドットより「誰も寝てはならぬ」 (1994年 ゴールドブレンドCMで錦織健が歌唱)
- 「Sa Yo Na Ra」 globe (1998年 ウェイクアップモーメント・ブレイクタイムモーメント)
- 「ラプソディ・イン・ブルー」 ガーシュイン (1999年 香味焙煎)
- 「つづくシアワセ」 沢田研二 (2002年 「つづく幸せプレゼント」イメージソング)
- 「The Rose」 平井堅 (2003年 ネスカフェ プレジデント、オリジナルはベット・ミドラー)
- 「桜色」 中川翔子 (2011年、ネスカフェ エクセラ「エクセラで、ラテ!・milky編」)
- 「CHANGE my LIFE」 D☆DATE (2011年、ネスカフェ エクセラ「エクセラで、ラテ!・camel編」)
- 「Heart of glass」 U (2011年、ネスカフェ エクセラ「エクセラで、ラテ!・sharp編」)
- 「DAY BY DAY」 D☆DATE (2011年、ネスカフェ エクセラ「エクセラで、ナツラテ!」)
- 「輪へ」 クレイジーラッツ (2011年、ネスカフェ エクセラ「エクセラで、ナツラテ!」)
ネスカフェが登場する作品
- どくとるマンボウ航海記(著・北杜夫 随筆)
- イプクレス・ファイル(著・レン・デイトン 小説)主人公のサラリーマンスパイは英国人ながら紅茶派でなくコーヒー党だが、下町にある彼のオフィスは予算が乏しくコーヒーを淹れる道具もなく、インスタントのネスカフェを飲まされている、と設定されている。
- エロイカより愛をこめて(著・ 青池保子)主人公の一人である堅物のドイツ人少佐が愛飲する。他ブランドのインスタントコーヒーを注がれると不平をこぼす。
提供番組
※ネスカフェ名義で提供しているもののみ
現在
なし
過去
- NESCAFE GOLDBLEND INNER SKETCHES (J-WAVE、FM802)
- 松任谷由実 Nescafe For Your Departure(TOKYO FM)
- 渡辺美里 Nescafe Kiss a Time(TOKYO FM)