陳建一

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2014年7月25日 (金) 14:05時点におけるEditorF15 (トーク)による版 (外部リンク)
(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)
移動先: 案内検索

テンプレート:Infobox 人物

陳 建一(ちん けんいち、本名:東 建一(あずま けんいち)、1956年1月5日 - )は、中華料理四川料理)の料理人・調理師[1]。一部では陳健一という表記もあるが、これは誤り。

東京都生まれ。四川料理の第一人者である父陳建民[1]と日本人の母の間に生まれる。父は結婚後日本へ帰化済みだったので、建一の国籍は日本。中国系日本人2世。息子陳建太郎も料理人。

東京中華学校玉川大学文学部英米文学科卒業後、父建民の元で本格的に四川料理の修行をする。現在、四川飯店グループオーナーシェフとして後進の指導にあたる。

来歴

1993年から1999年フジテレビ系列で放送された、『料理の鉄人』の中華の鉄人として名を馳せた[1]。コスチュームは黄色。登場シーンでは、片手に中華包丁を手にしていた。番組開始当初から最後まで出演し続けた、ただ1人の鉄人でもある。また、史上初めて敗れた鉄人でもある(挑戦者は同じ中華料理の程一彦[2])。

父の建民は日本に四川料理を紹介した功績で「四川料理の父」と言われており、建一の得意料理「エビのチリソース」は父のレシピを受け継いだもの(TBSの番組、「噂の!東京マガジン」でも披露された。冷凍エビの臭みを取るために一旦茹でてから、かなりの短時間に油で揚げるというアイデアで、多少危険な調理法)。番組でも常に父親と比較され続けていたが、番組出演によって父を超えたとの声もある。以前から陳は何かに挑戦する必要性を感じていた。そして番組構成に興味を引かれ、出演を引き受けることになった。

6年間という長い放送期間中、陳は何度か番組を離れることを考えたという。番組が始まって以来、オーナーシェフを務める四川飯店は連日予約いっぱいの状態であり、店をしっかり守りたいという思いが理由。番組開始3年目には、実母の死など私生活上の要因もあり、実際に番組に降板を申し入れている。しかし結局は、フレンチの鉄人坂井宏行に説得され、「どちらかがやめるときには一緒にやめよう」という約束で鉄人を継続したという[3]

6年間で、92回の戦いを重ねた。成績は67勝22敗3引分け。また「17連勝」という、鉄人史上最長の連勝記録を誇る。当初は、「もっとも弱い」や「女性挑戦者に弱い」と言われてきたが、戦うごとに成長を重ね、名実共に鉄人の重責を担う存在となった。最も壮絶だったのはラ・トゥール・ダルジャンのドミニク・コービーとの試合。1戦目で引き分けたため、2戦目で決勝を行うが、またも引き分けとなる。主宰の鹿賀丈史が「両者とも勝利」と宣言した勝負は、同番組6年間の歴史の中でもこの時1度きりである。

鉄人としての多大な功績とは裏腹に、陳はいつも愛嬌たっぷりで、勝利すると毎回ホッと胸をなでおろす純朴な面を持っていた。調理中はしばしば味見をするのが特徴で、蒸気立つ鍋の中にお玉を入れては味見をし、そのお玉で調理を続けた。番組の中ではこの習慣が出るとユーモアたっぷりに「陳がまた食べる」とコメントされた。ただし、『きょうの料理』で自身が語ったところによると、実際にお玉に口を付けてしまうと誰しも火傷するそうであり、ギリギリのところで吸い込むという中華料理人の技術であると言っている。

生まれて初めて作った料理は、中華ではなく「マカロニグラタン」であることを自身の公式ホームページで述べている。 小学校2~3年の頃に銀座の不二家レストランで食べたホワイトソースのマカロニグラタンに感動し、料理の本を見て作った(普段食べていたのは四川料理ばかりだったので新鮮だったため)[4]

オーナーシェフを務める四川飯店グループは、赤坂、池袋、六本木、徳島、呉、松山、博多で店舗を展開しているが、経営は病気療養のため息子・陳建太郎に譲っている[5]

2011年5月、日本中国料理協会の会長に就任した[6]2013年11月、黄綬褒章を受章[7]

人物

  • 座右の銘は、父がよく言っていた「料理は愛情」
  • 子供の頃の夢は野球選手。料理人になることを決めたのは高校生の頃である。[8]
  • 学校に持っていく弁当も四川料理だった為、たこウインナーに憧れていた。
  • 趣味はゴルフ。(目標は70を切ること)

出演番組(過去のものも含む)

出演CM

その他の出演

  • 料理の鉄人 KITCHEN STADIUM TOUR(博報堂マルチメディアエンターテイメンツ、セガサターン[10]

著書

  • 「中国の野菜料理」 (1988年)
  • 「鉄人陳建一の中華料理」 (1995年)
  • 「陳建一のほどよいピリッ辛料理」 (1996年)
  • 「ぼくの父、陳建民」 (1999年)
  • 「本音で作る、僕の料理」 (2000年)
  • 「父の仕事を継ぐ 自分の味をつくる (岩波ジュニア新書)」 (2006年)
  • 「四川飯店陳建一が提案する 大人の厨房」 (2008年)
  • 「四川飯店の中国料理」 (2008年)
  • 「絶対おすすめ! 中華のおかず」 (2009年)
  • 「父子相伝-陳家の訓え」(2009年)
  • 「陳家の秘伝 (日経プレミアシリーズ)」 (2011年)
  • 「Iron Chef Chen's Knockout Chinese」 (洋書)
など多数

脚注

テンプレート:脚注ヘルプ

  1. 1.0 1.1 1.2 週刊大衆 2012年6月25日号 「人間力・陳建一」 82-83頁
  2. 陳を破った程も中華の鉄人候補であったが程は辞退している。
  3. 「料理の鉄人大全」(フジテレビ出版)p.87,p.165
  4. g-chef [1]
  5. 2012年10月26日放送フジテレビアイアンシェフ』より
  6. 日本中国料理協会 News [2]
  7. 秋の褒章781人14団体 料理人・陳建一さんら MSN産経ニュース 2013年11月2日
  8. マンモTV [3]
  9. http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu06_j/images/060929a.pdf
  10. 但し、内容はこれまで放送したデータベースソフトである。

外部リンク