こぎつね座
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こぎつね座(小狐座、Vulpecula)は、北天の星座の1つ。こと座のベガ、はくちょう座のデネブ、わし座のアルタイルから形作られる夏の大三角形の真ん中にある、目立たない星座である。
主な天体
恒星
テンプレート:See also この星には4等より明るい星はない。
- α星:アンサー(Anser)は、4.44等。赤色巨星。スペクトル型は M0III で、太陽からは297光年の距離にある。8番星とで見かけの二重星を形成、角度で413.7"離れている。双眼鏡でならこの星を見分けることができる。
星団・星雲・銀河
おもなものとして2つの星雲・星団がある。
- Brocchi's Cluster:散開星団。洋服掛け(コート・ハンガー星団)とも呼ばれる、肉眼でも見ることのできる。この星団もその名の通りハンガーのような変わった形をしている。
- M27(亜鈴状星雲):巨大な惑星状星雲である。この星雲は形が面白いため、よく観測される。双眼鏡でも見ることができ、視直径は6分角である。双眼鏡でも満月の4分の1の大きさの楕円形に見える。その名の通りの鉄アレイ状に見るには、大口径の望遠鏡が必要である。
その他
- PSR B1919+21:1967年に、史上初めて発見されたパルサー。
由来と歴史
この星座は、1687年に、ポーランドの天文学者ヨハネス・ヘヴェリウスによって設定された[1]。
この星座はもとは Vulpecula cum ansere「ガチョウをくわえた小さなキツネ」 もしくはVulpecula et Anser「小さなキツネとガチョウ」と呼ばれた。ガチョウは現在のキツネのあごの部分であった。一時期、ガチョウは独立した星座とされていたが、ガチョウは星図からも星座名からも消え、α星の固有名として残るのみである[1]。
呼称と方言
日本では、きつね座と呼んだ時代がある。