バラエティー生活笑百科
テンプレート:基礎情報 テレビ番組 『バラエティー生活笑百科』(バラエティーせいかつしょうひゃっか)は、NHK総合テレビジョンで放送されているNHK大阪放送局制作の法律番組である。
『行列のできる法律相談所』(日本テレビ)をはじめとする、法律問題を扱った番組の先駆けである。
目次
概要
1985年4月6日放送開始。当初は関西ローカルで約1年間、不定期に放送され、その後土曜昼帯の全国ネットに昇格した(平成元年に出版された番組単行本では前年の昭和59年(1984年)より放送開始となっており、番組開始時期は公式サイトと異なった解釈をしている)。収録は原則として隔週月曜日に収録・2本撮りで大阪局のスタジオで行われている。かつては、NHK大阪ホールや年に数回程度、地方のホールでの公開録画も行われていた。
元々、この時間帯は昭和40年代より大阪局制作の演芸番組が放送されていた時間枠である。また、番組のVTR送出は字幕放送を行う関係から東京・渋谷の放送センターからの送出となっている。また大阪局制作でなおかつ全国放送番組であるため、NHKオンデマンドでも見逃し番組サービスとしてサービス開始当初から配信されている。
内容は、法律相談所という設定のセットでコント仕立てで法律相談に答えるというもので、まず漫才師などが「相談者」として登場し、法律相談をアレンジした漫才を演じる。これに対して「レギュラー相談員」2名がそれぞれ異なった回答を行う[1]。これに、ゲストがレギュラー相談員2名のどちらの意見が正しいと思うかをそれぞれを模したフィギュアを出して理由を述べる[2][3]。その後、本職の弁護士である「顧問」が法律や判例に沿った回答とその解説を行う。稀に判例のない相談があり、この場合は顧問が予想される意見を述べる形になる。なお、相談者は毎回2組登場し、「相談」と「回答」も原則2回ずつ行われる(このフォーマットは2006年4月1日放送分から。弁護士の解説の要点のテロップも同日放送分から使用開始となった)。
2006年4月1日放送分以降、ゲスト相談員は室長である仁鶴の隣にいて、目立つフォーマットになっているが、同年3月25日放送分までは、ゲストはレギュラー相談員とともに3人並びに配置(上沼の右の位置)、回答卓もレギュラー相談員と同じものを使用。ゲスト相談員の回答の仕方も、2人のレギュラー相談員の後に独自の意見を述べていた。
2010年4月10日放送分より地上アナログ放送とNHKワールド・プレミアムでは16:9レターボックス映像に移行した。またこの回から仁鶴・相談員(ゲスト含む)・顧問の席に置かれていたネームプレートが廃止され、出演者の紹介をテロップで行う様になった。さらに同年4月3日放送分までは、漫才に入る前に仁鶴が「まず最初の相談は」(1組目)「続いての相談は」(2組目)と言って漫才の題目・出演者を紹介していたが、この回からは前述の仁鶴の台詞の後、観客席の後方にいるアシスタントが題目と出演者のイラストが描かれたボードを持ちながら紹介する形式に変わっている[4]。
仁鶴が高齢になってきた事に伴い、番組開始当初の漫才終了後に法律相談の要点を仁鶴が解説する形も2012年4月7日放送分より予め別撮りしたイラストで要点を表した物をナレーターが解説する形に。立って行う進行も2014年4月5日放送分よりゲストと一体の机越しに座って行う形に変更されている。
みんなのお悩み解決コーナー
2008年4月から暫くの間、原則として毎月最終週に放送していたコーナー。以前、番組開始当初に行っていたことがある(後述)視聴者からの投稿(ホームページ・FAX)により構成されるコーナーであった。このコーナーが放送されるときは、通常の相談は1組のみとなっていた。
2件の別途収録された漫才を流した後に、通常の相談とは違って顧問が直接解説を行い、その後に相談員が顧問に対して疑問点を質問する構成となっていた。
放送時間
- 毎週土曜12:15 - 12:38(前番組のニュースやMLB中継が延長した場合、放送時間変更(延長が7分までの場合)または中止になる場合あり。NHKワールド・プレミアムも同時刻で放送)
※NHKワールド・プレミアムでは同じ時間帯に放送されている他曜日の番組(「生中継ふるさと一番」(2011年度からは「ひるブラ」)、「金曜バラエティー」、「NHKのど自慢」)ではノンスクランブル放送を行っているものの、本番組ではこれまでノンスクランブル放送の対象外となっていたが、2011年4月16日放送分からは本番組もノンスクランブルで視聴可能となった。これにより、NHKワールド・プレミアムのJST12時台は元からノンスクランブル放送の対象外である「連続テレビ小説」、スポーツ中継、その他一部の特集番組を除いて毎日「正午のニュース」と合わせたノンスクランブル放送の編成が組まれることになる。
- 毎週火曜11:05 - 11:28(総合テレビ再放送、関東地方および新潟県を除くローカル番組未放送地域への東京からの裏送り。ただし、祝日および国会中継があるときは休止)
- 毎週水曜2:10 - 2:33(NHKワールド・プレミアム再放送、『大相撲・幕内の全取組』の放送がある期間は休止。2011年3月で再放送が打ち切り)
- 毎週水曜15:35 - 15:58(NHK衛星第2テレビジョン。2011年3月で打ち切り)
- 2011年1月1日(土曜日・元日)は、以前行っていた『スタジオパークからおめでとう(午後の部)』がこの年放送されなかったため、本番組は休止とはせず13時までの新春スペシャルとして拡大生放送された。2012年の同日も日曜日であるが、同様に12:18-13:51に新春スペシャルとして放送された[5]。なお、レギュラー放送ではノンスクランブル放送を行っているNHKワールド・プレミアムではこの新春スペシャルのみノンスクランブル放送の対象外(通常のスクランブル配信)となった。
- 2012年8月4日と11日は正午のニュースがオリンピック関連情報とあわせて12:43まで放送されるため別番組差し替えのNHKワールド・プレミアムを含めて番組自体休止。NHKワールド・プレミアムでは4日は同じ大阪放送局制作で近畿2府4県向けローカル番組の『えぇトコ』(近畿地方で2012年6月1日に放送された『都会の森で神さまに出会う ~京都・葵祭をたずねて~』)、11日は東北ブロック向けローカル番組の『東北Z』に差し替え、どちらの番組も11:50からの『BSニュース』(NHK BS1で10:50-11:00放送分)とワンセットでノンスクランブル放送を行った。
- 2013年1月5日(土曜日)は本番組を休止し(当該時間には『にっぽん紀行』を再放送)、13:05 - 13:55に「笑福亭仁鶴と訪ねる大阪の笑い100年」と題し、笑いの達人や人々の記憶に残る人気漫才師や落語家などを当時の世相とともに振り返り、総ざらいする特別番組を放送した。番組では芸能生活50年を迎えた仁鶴が案内役となり、影響を受けてきたという笑いの先人たちゆかりの寺院や碑、演芸の史跡を訪ねたり、ロザン、ジャルジャル、プリマ旦那の3組と一緒にそれぞれの世代が考える将来のお笑い界を想像しながら笑いも交えて全員真剣に仁鶴と意見を交わす座談会の模様が放送された。なお本番組では仁鶴が本番組の司会に就任した86年4月5日放送分の映像が放映された。
出演者
相談室長
相談員
レギュラー相談員
特別相談員
- 若井みどり「名前もわかい(=若井)気もわかい(=若い)」(上沼が不在の時に登場していた。上沼が降板後も特別相談員は継続)
- 三倉茉奈「『ふたりっ子』から『だんだん』と今は頼れるお姉さん」(2013年11月9日 - )
- 海原やすよ「お笑い三代たまには散財」(2013年11月30日 - )
- 山田花子「天然ママは花より息子」(2013年12月14日 - )
- 三倉佳奈「『ふたりっ子』から『だんだん』と今はかわいい若奥さん」(2014年2月22日 - )
※上沼恵美子の降板後は若井みどりが準レギュラーとして月に1~2回出演し、それ以外の週は複数の女性相談員が入れ替わりで出演する。
過去のレギュラー相談員・その他の特別相談員は以下の通りである。
- 上沼恵美子「人生バラ色おしゃべり七色」(番組開始当時は「浪速のヤング主婦代表」)- 番組開始以来28年半相談員を担当。本番組での「大阪城も淡路島も私のもの」という大金持ちキャラで話題になり、1994年・1995年には『NHK紅白歌合戦』の紅組司会を任されることになった。放送開始時から出演していたが、2013年9月28日放送分を以って降板[7]。なお、降板に際してトラブルがあったわけではないと番組側が説明した。上沼の所属事務所・上沼事務所の関係者はこの降板について、「パネラー扱いの本番組については、以前から降板を申し入れていたが、NHKから慰留されたため出演を継続していた。今後本番組の特別番組には出演するとの条件で降板を了承された」と語っている[8]。
- 桂ざこば(旧・桂朝丸)「自称・浪花のお父さん(いつも元気なお父さん)」
- 月亭八方
- 桂南光(旧・桂べかこ)「自称・正義と真実の人」「自称・浪花の若大将」(〜2004年降板)
- キダ・タロー「浪花のモーツァルト」
- 赤井英和「頼れる浪花の熱血漢」(レギュラー降板後長らく出演が途切れていたが、2014年7月26日の放送でゲストとして久しぶりに出演した)
- 宮川花子
- 大東めぐみ
- 遥洋子「野球は阪神、私は独身」
- 堀ちえみ
- 今いくよ 2009年12月26日、2010年1月9日に特別相談員として出演。「友情も厚いが化粧も厚い」
- ほか
顧問
現在
毎週交代で1人が出演する。
いずれも大阪弁護士会に登録している。
過去
- 野間督司(近畿合同法律事務所パートナー弁護士、1985年4月6日から2010年10月2日まで)
- 三瀬顕(個人開業、1985年4月13日から2010年10月9日まで)
- 近藤正昭(個人開業、元判事補、1985年4月6日から2010年11月6日まで)
- なお、過去にあった年末特番では、三瀬、野間、近藤の三人が同時出演したこともある。
- また、地上デジタル放送完全移行1年前となる2010年7月24日に放送された特別編『地デジ笑百科』[9] では、いつもの顧問ではなく、特別顧問として渡部晃(わたなべ あきら)弁護士が登場した。
- そして長年レギュラー放送では三瀬、野間、近藤が登場していたが、野間は2010年10月2日放送分で、三瀬は10月9日放送分で、近藤は11月6日放送分で降板した。
- 2006年4月29日放送分で3人に加えて小島が、さらに2010年8月14日放送分で林が、8月28日放送分で澤が、9月4日放送分で伊藤が初登場している。
呼称の使われ方
2014年4月以降、見解を問う場合は「弁護士の〇〇さん、どのようにお考えで・・・。」となるが、ポイントを問う場合は「〇〇先生、」と二つの呼称を使用している。
2014年3月までは先生呼びは一切行われなかった。
日本テレビの『行列のできる法律相談所』と異なる点
- 上記のメンバー構成(男性3人と女性1人)が似てはいるが、『行列』が全員参加で結論を確率で表すのに対し、『笑百科』は1人だけが出演し、一つの結論を出す。
- ただし、「裁判をやるとこうなる確率が高い」という注釈をつけることが年々増えている(判例となっている事件以外に、一審・二審で結審している裁判例事件を取り上げていることが増えているため)。
- 『行列』はバラエティー色が強いのに対し、『笑百科』は依頼人と相談員にこそ関西の芸人を使うが、顧問弁護士は最終結論に関しては“本業”と同じ姿勢で臨む。
アシスタント
- 白ヶ澤香織(2013年4月 - )
過去のアシスタント
ナレーター
- 一丸志帆(2012年4月 - )
スタッフ
- 作/構成 中田明成、大池晶、片山良文、湯川真理子ほか
- 企画協力/ジャニーズ事務所
- 演出 竹内大輔ほか
- 制作統括 岡澤正樹
- 製作・著作 NHK大阪放送局
過去のスタッフ
- 制作統括 安達勝
番組テーマ曲
現在のテーマ曲はキダ・タローの作編曲による。現在流れているテーマ曲は3代目となっている。この曲が使われはじめた初期は、(オープニングに歌われている)歌詞がなくインストゥルメンタルのみであった。2006年4月からエンディングテーマが若干短縮されて、2007年4月からタイトルバックが16:9画面に対応したものにリニューアルしたのと同時にオープニングは3代目の曲のベースに、キーの半音高い[10]ヴァージョンになり翌月からはエンディングも同様に変化している。
以前は宮川泰が担当していた(番組開始初期の宮川泰作曲の本番組テーマ音楽はCD「懐かしのNHKテレビ主題曲集」に収録されている)。
その他
- オープニング
- 定番フレーズ「四角い仁鶴がまぁ~るくおさめまっせぇ」が仁鶴就任以来オープニングで必ず使用され、その直前のセリフは「暮らしの中の相談事おまへんか」、「世の中 いろんなトラブル続き」、「巷の揉め事任せなはれ」、「トラブル揉め事おまへんか」となっていた(「暮らしの中の相談事とは何か?」のパートもあった)が、2014年4月5日放送分よりゲスト相談員を紹介した直後にオープニングテーマに入る形に変更され、定番フレーズは廃止された。
- フレーズ
- フォーマット変更前のゲスト相談員のあいさつでの仁鶴の質問は「法律の方はいかがですか」というのが通例(近況を伺うケースもある)。しかし、プロの弁護士のケント・ギルバートや離婚訴訟の最中だった沢田亜矢子のときはこの質問はされず、別の質問がされていた。関口知宏登場時の質問は「(列島縦断 鉄道乗りつくしの旅~JR20000km全線走破~で)日曜日は家に帰れないのか」というものだった。
- 出演者
- レギュラー相談員が回答時にはお互いにボケたりツッコんだりするのがお約束となっている。また、男性レギュラー相談員の辻本・吉弥は室長から相談時に余計なフリ(嫁さんに内緒で不倫した、番組の降板をちらつかせる等)をされるか、室長にわざと無視されてしまうことがある。
- フォーマット変更前は、レギュラー相談員2名が同じ意見だったことも極くまれにあり、その場合、ゲスト相談員が違う答えを出していた。
- 2006年8月19日放送分では「男女間トラブル」特集で弁護士を2名に増強して野間と小島が登場、男女双方の立場から意見を述べてもらう体制をとった。
- 2008年10月4日に放送された『お悩み解決コーナー』の前半部『今日から探偵』ではまえだまえだが相談者の役を演じた。こどもが相談者の役を演じたのはこの日が初めてである。
- 2007年から2012年にかけては、連続テレビ小説のNHK大阪放送局制作の作品がスタートする前々日の放送で、その作品のヒロインを演じる女優がゲスト相談員として出演する事が恒例となっていた。
- 放送見合わせ
- 視聴者の反応
- 番組開始当初は最後に宛先住所のテロップを出し、一般視聴者からの「相談」を募集していた。番組中での相談ネタにするためのアイデア募集の意味合いだったのだが、実際に法律相談を受け付けていると誤解した視聴者からの深刻な相談が殺到した経緯がある。一部の視聴者は直接仁鶴に宛てて投函したため、一時は仁鶴の自宅に法律相談を記した手紙が大量に配達された[11]。
脚注
外部リンク
- テンプレート:Official
- バラエティー生活笑百科(NHK大阪放送局)
テンプレート:前後番組 テンプレート:横山やすし・西川きよし テンプレート:上沼恵美子
テンプレート:Asbox- ↑ 室長の仁鶴から意見を伺うとき、上沼に対しては普通に伺うが、辻本、吉弥、若井に対しては何かオチをつけてから伺うことがほとんどである。まれに男性のレギュラー相談員を伺う前にゲスト相談員に伺う振りをするフェイントをかけることもある。
- ↑ このとき仁鶴は「ゲストの○○さんはどちらの意見に賛同されますか?」と伺う。
- ↑ 上沼降板後の2013年10月以降若井以外の特別相談員の場合は、フィギュアに代わり、1枚のプレートで2人のレギュラー相談員の意見が書かれた内容を2つ折りにし、賛同する意見を選んだものを観客・カメラに向けるという形式が用いられたものを経て、2014年4月5日放送分よりゲストの左手にある小型モニターに表示される形になっている。
- ↑ この変更により、従来は終始無言だったアシスタントの声が聞けるようになった(まれにレギュラー相談員2名のどちらの意見が正しいと思うかを選ぶ際にも時間がかかる場合、催促で声をかけることもある)。デジタル完全移行の1年前にあたる2010年7月24日に放送された特別編『地デジ笑百科』では、民放連統一キャラクターの「地デジカ」に題目と出演者のイラストが描かれたボードを持ち、アシスタントが紹介するという形での放送となった。
- ↑ 当初は12:15開始予定だったが、正午のニュースの延長により3分遅れで開始した
- ↑ 『スタジオパークからこんにちは』2009年10月6日放送分。
- ↑ 上沼恵美子さん「生活笑百科」降板 「体力的な限界」 - 朝日新聞デジタル 2013年9月11日
- ↑ 『週刊文春』2013年9月26日号
- ↑ その後、2010年12月5日にはミニ番組として10分に再編集したものが放送された。
- ↑ 変イ長調から変ロ長調となる。
- ↑ 「NHK『生活笑百科』が25年目――法律相談笑い交え解決」『讀賣新聞』夕刊、47827号、読売新聞東京本社、2009年4月21日、13面。