関西ローカル

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テンプレート:複数の問題 関西ローカル(かんさいローカル)とは、近畿地方(近畿圏及び西方)で限定的に行われる事物、あるいは全国的なものの中で近畿地方で特に盛んな事物を指す。現在の近畿地方の最大都市は大阪市であるため、大阪ローカルの事物が関西全体の事物と見なされやすい。一部のマスメディアでは近畿=関西という刷り込みが行われているが、正式な名称ではないため、天気予報では使われない地域名称である。

関西ローカルの商品・食・名称

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※固有名詞の以降切り捨てによる短縮呼称は比較的多く、特に「他の名詞と混同しない」場合は略称が気軽に作られる傾向がある。

関西ローカルの新聞

一般紙

産経新聞
フジサンケイグループの中核を成す全国紙で、1950年に東京でも発行を開始するまでは、西日本ブロック紙的位置付けであった。中でも、大阪本社版は大阪・関西のニュースに力を入れており、発行部数もこちらの方が東京本社版より多く、大阪府奈良県の一部(特に天理市)地域では全国で最もシェアが高い。過去には関連紙に大阪新聞(産経本紙の源流となる夕刊紙)が存在していたが、2002年3月末に廃刊、産経新聞の東京本社版も同時期に夕刊を廃止して朝刊専売紙となったが、大阪本社版は現在も朝夕刊セットで発行されている。
朝日新聞
産経新聞と同じく大阪発祥であり、現在も登記上の本店は大阪市(大阪本社)である。
大阪日日新聞
新日本海新聞社(鳥取県鳥取市)の大阪本社が発行する大阪府の地方紙。元々は夕刊紙だったが、日本海新聞の発行元である新日本海新聞社が大阪日日新聞社を買収した2000年10月から朝刊に移行。その後、同社は「ザ・プレス大阪」と商号を変更するが、2008年1月に新日本海新聞社と合併した。製作・印刷は鳥取市の新日本海新聞本社で行っている。
京都新聞
京都府滋賀県で発行されている地方紙(但し、滋賀県内で発行される地方紙も存在する。)。
神戸新聞
兵庫県の地方紙。
奈良新聞奈良日日新聞
奈良県の地方紙。
和歌山新報
和歌山市周辺の地方紙。
紀伊民報
和歌山県南部の地方紙。

スポーツ紙

デイリースポーツ
神戸新聞社が発行するスポーツ紙。1948年に関西で初のスポーツ紙として創刊。1955年に東京に進出。東京本社発行の紙面の5割(中央競馬・公営競技・テレビ欄以外)は神戸本社で編集・製作されている。
スポーツニッポン
毎日新聞グループのスポーツ紙。1948年に大阪で創刊され、1950年に東京に進出した。1955年の九州進出でスポーツ紙では初の全国紙体制になった。
サンケイスポーツ
産業経済新聞社が発行するスポーツ紙。1955年に大阪で創刊。1963年に東京に進出。北海道では北海道新聞社との提携により『道新スポーツ』の題字で発行している。
日刊スポーツ
朝日新聞グループのスポーツ紙。東京発祥のスポーツ紙であるが、大阪本社版は1950年に神戸で創刊された「オール・スポーツ」が前身。その後、同紙発行元の経営難により朝日新聞社と東京の日刊スポーツ新聞社が経営に参加し、1957年に新聞名を東京と同じ「日刊スポーツ」と改めた。
スポーツ報知(報知新聞)
読売新聞グループのスポーツ紙。東京発祥のスポーツ紙であるが、1964年に関西に進出。読売ジャイアンツの報道が中心であるため、関西では上記4紙より読者層が少ないが、公営競技と中央競馬目当てでの購読者もいる。
大阪スポーツ
東京スポーツの関西版で、姉妹紙でもある。公営競技・中央競馬面・テレビ欄を除く紙面の5割は同紙と共有している。

関西ローカルのテレビ番組

在阪テレビジョン放送局が制作し、近畿広域圏(テレビ大阪は大阪府)内のみで放送されるローカル番組を指す場合が多い。また、近畿広域圏以外でもネットされている番組であっても、在阪放送局が制作し、関西色や大阪色の強い番組であれば、広義の関西ローカル番組に含められる。

在阪放送局は全国ネット放送番組をいくつも抱えるなど、地方の放送局としては番組制作能力が高い。この背景には、大阪は古くから演芸が盛んであり、現代も吉本興業松竹芸能があり、お笑い文化の地として自他共に認める存在であるということが挙げられる。一方でアイドルでは2000年代後半以降、関ジャニ∞や関西ジャニーズjr、NMB48などが関西限定で活動している。

傾向

お笑い」と「阪神タイガース」が大きな位置を占めている。

お笑い

関西ではお笑い番組が日々放送されており、土曜日や休日には必ず吉本新喜劇などが放送されている。また、お笑い番組以外でもお笑い芸人が多数出演する。

1980年代以降、吉本興業では関西で人気の出たタレントを東京進出させ、全国的な人気を得るというビジネスモデルを確立したが、その一方で出演者側から「地元関西で好きな番組をやりたい」という要望も出始めた。1990年からスタートした「痛快!明石家電視台」を皮切りに、深夜枠に吉本の大御所タレントが関西ローカル番組を持つという図式ができ上がり、数多くの番組が制作されている。

吉本系番組や吉本タレントの起用が圧倒的多数を占め、その他の事務所からタレントを起用する番組が少なく、メディアでの吉本寡占化と反比例して業界全体が疲弊する傾向にある。また、放送局の吉本への偏重は、伝統的な演芸が放映される機会をも奪っている状態となっている。

スポーツ

プロ野球では、阪神タイガースが圧倒的人気を誇る。阪神タイガース戦の生中継は、サンテレビを中心とする独立UHF局なら試合開始から試合終了まで行う。同球団を引退したプロ野球選手がコメンテーターとして出演することも多い。その他の民放でもキー局の読売ジャイアンツ戦を入れ替えて阪神タイガース戦を地上波で放送するのは通例となっている(但し、これに関しては地元にホーム球団がある場合は他の地域のテレビ局も行っているケースが多いが)。また、ビジターの試合に関しても在阪メディアはかなりの数を地上波で放送しており、その場合でもわざわざ関西から各地方に自社のアナウンサーや解説者もビジターの試合に派遣して中継し、ビジターで阪神タイガースが勝利した場合のヒーローインタビュー担当のリポーターも場合によっては関西から派遣するというほどの熱の入れようである。

阪神タイガースに対する極端な加熱報道の一方で、かつては関西3球団(南海・阪急・近鉄)も存在していたパ・リーグの球団が取り上げられることは少ない。報道の差が後の球団身売り、移転、合併の遠因となった。

1960年代~1980年代中期までは、阪神戦裏カードのパ・リーグ公式戦中継も週末や全国中継差し替えを中心に放送されるなど、現在ほど偏っていなかったが[1]、阪神タイガースの優勝(1985年)、南海ホークスの売却・福岡移転(1989年)、CS放送の開始(1990年代中期)、近鉄バファローズ野茂英雄オリックス・ブルーウェーブイチローと関西パ・リーグ球団看板選手の相次ぐメジャーリーグ移籍(野茂=1995年、イチロー=2001年)、長年の低迷期から復活の阪神優勝(2003年)等の諸情勢が阪神への偏向を加速させた。

最近では2004年大阪近鉄バファローズとオリックス・ブルーウェーブの合併問題などといった弊害も発生している。球界が再編した現在でも在阪放送局がオリックス・バファローズを取り上げる分量は、阪神タイガースに対するそれに比べて圧倒的に少ない。

その他

本音を隠さない(ぶっちゃける)ような番組も多く制作され、全国ネットの放送や他地域では絶対に放送できないような過激な言論や暴露を目玉としているものもある。その理由には、普段本音をしゃべらない大阪の商人気質、京都人気質などの土地柄の裏返しであることと、各方面からの圧力を受けやすい東京のキー局と比べて非難を受けにくいことがある。例えば、たかじんのそこまで言って委員会など、東京を含む関東広域圏への放送を拒否することが番組制作の条件とされ、関東広域圏以外へはほぼ全国ネットされている番組が存在する。

この他、商店街や近郊都市をタレント2人1組で散策する番組が伝統的に制作されている。これは、関西には天神橋筋商店街に代表される大規模な商店街が多く存在する点や、強烈な個性を持つ素人を街角で発見しやすい点(但し、それらの「素人」がみかん山プロダクションなどの芸能事務所所属の仕込みであることもある。)、撮影がパニックになりにくい点が理由に挙げられる。

関西ローカルの番組も番組販売等の形で地方系列局での放送が行われるが、そのネット局は九州・四国・中国・東海・北陸地方と西日本地区が圧倒的に多く、関東及び東北・北海道地方といった東日本地区へのネットは少ない。これは、東西を境に笑いのツボが異なることや、上述に述べたようにキー局にネットされることで各方面の圧力、番組の方向性が変わってきてしまうことなどが理由に挙げられる。そのため、関東地方へのネットは発言力のない独立UHF局、あるいはキー局ネットながら関東広域圏のみ放送される番組もある[2]

一覧

地上デジタル放送親局リモコンキーID順、同じチャンネル内は50音順に並べてある。

注意
  • ○の番組は、一部系列局や関東の独立局などでも放送される。
  • ◎の番組は、日本国内の過半数の地域で放送される。
  • ●の番組は、BSまたはCSを通じての全国放送もある。
  • ※の番組は、各府県別で番組内容が異なるので注意が必要。

NHK大阪(テレビ)

テンプレート:Seealso 下記は総合テレビの番組。BSなどは除く。なお、地域情報番組の項も併せて参照のこと。

テンプレート:NHK関西夕方ニュース

毎日放送(MBSテレビ)

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朝日放送(ABCテレビ)

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テレビ大阪

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関西テレビ

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読売テレビ

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テンプレート:在阪局夕方ニュース テンプレート:関西独立U局夕方ニュース

関西ローカルのラジオ番組

関西地区にはJRNTBSラジオがキー局の民放AMネットワーク)加盟局が同一放送区域内で2局あり、主に報道番組はMBS経由で、報道以外の番組はABC経由で放送されることが多い。但し、MBSラジオはTBSラジオ制作の報道番組(「生島ヒロシのおはよう一直線」「ネットワークTODAY」「ウィークエンドネットワーク」など)本編は一切ネット受けせずCMのみをネットし、本編はMBS自社制作版に差し替えている。またABCとラジオ関西はラジオニュースを100%自社制作しており、在京局制作の全国ニュース番組はJRN・NRNともに一切ネットしていない。

各局ともに自社制作番組の比率が他地域より高く、在京局制作のローカルセールス番組がネットされる割合は大幅に少ない。但し、近年は制作費削減の影響から(MBS・ABCを中心に)平日の夜間帯は在京局のJRN・NRN番組ネット受けが増加傾向にある。

ラジオ関西以外の関西(在阪)民放AM局はすべてNRNニッポン放送文化放送がキー局の民放AMネットワーク)に加盟している(MBS・ABC・WBSはJRNにも重複加盟。ラジオ関西はかつてNRNにも加盟していた。)。

MBSラジオ

ABCラジオ

ラジオ大阪

和歌山放送

KBS京都

ラジオ関西

2ちゃんねるの「関西ローカル」実況スレ

インターネット巨大掲示板群『2ちゃんねる』において「関西ローカル」という言葉は、前述の意味の他に、番組ch(西日本)板内に存在する関西のローカル番組の実況を行うスレッドの名称を指すことがある。このスレッドは略して「関ロ」(かんロ)とも呼ばれる。番組ch(西日本)板では一番人気のスレッドである。スレッドの歴史は以下の通り。

スレッド番号は初代からのスレッド総数を表し、番組ch板から番組ch(西日本)板が分割された時も番号をそのまま引き継いでいる。

スレッドのタイトルは一定ではなく、立ち上げた者によって「関ロ」「関西ローカル」「関西ローカルスレ」「関西ローカル実況」「関西ローカル番組スレッド」など様々であるが、その後ろに付けられる番号はタイトルに関係なく通し番号になっており、番号の後に時事的なキャッチフレーズが付け加えられることがほとんどである。

姉妹スレッドとして、テレビアニメのみを実況する「アニメ関西ローカル」(アニメかんさいローカル)がある。略して「アニ関」(アニかん)と呼ばれる。こちらは番組ch(西日本)板の分割時に「関西ローカル」から分割されたスレッドである。スレッドの歴史は以下の通り。

関連項目

脚注

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  1. 特に関西テレビは、阪急電鉄との資本関係から、阪神よりも阪急ブレーブス戦中継を優先し、時折全国中継も行っていた。また朝日放送は、阪神が低迷していた1990年代後期に、阪神戦ビジターゲーム(ヤクルト主催)が全国中継となっても主催ゲーム開催球団優先を口実に近鉄主催ゲームまたはオリックス主催の近鉄戦に差し替えることがあった。
  2. その逆に、キー局の制作でネット局の多い番組が、近畿広域圏では別の時間帯での放送、独立UHF局での放送となったり、放送すらされない番組もある。