いすゞ・エルガLT
テンプレート:BusModelImage エルガLTは、ジェイ・バスが製造し、いすゞ自動車が販売していた9m大型バス。2005年、新短期排出ガス規制に未対応のまま、同社が得意としてきたこのサイズのシティーバスの歴史に幕を下ろした。ここではエルガLT以前のいすゞの9m大型バス、BA系・ECM/EDM・キュービックLT系も同時に紹介する。
9m大型バス
9m大型バスは、路線バスボディの車体幅は大型車と同じ2.5mで全長が中型車並の9mのバスで、大型短尺車や大型ショート車とも言う。エンジンは多くの場合、中型車と共通の物をコンベンショナルな縦置きで搭載し、エルガLTの場合はエルガミオと同じ6HH1-S型を搭載する。
そもそも路線バスは、舗装路がほとんど無い戦後しばらくはこのサイズであった(いすゞ・BX参照)。
いすゞ自動車はこのタイプの車両に昔から強く、BA系、ECM/EDMが過去存在した。山間部や狭隘区間では、車幅よりも車体長の制約が強い路線が多く、9m大型バスはそういった路線環境を持つユーザーに好まれた。さらに、厳しい路線環境を持つユーザーには、ナローボディ車が存在した。車体の幅は中型車と同じであるが、大型車用の車体をそのまま狭くした形で、車体断面は中型車とは異なる。またサスペンションや車輪などは大型車と同じものを使う。このナローボディ車は、1980年代中期まで製造された。中型車の性能向上などによりこのナローボディ車は役目を終えた。
また9m大型バスは教習車として使われることも多い。エルガLTモデル廃止の大きな理由の一つが、大型2種免許試験の試験車輌が中型免許制度の新設に伴い、11m車に変更されたことである。このため、中型免許制度の新設以前には強い需要のあった教習車は、11mバスが求められるようになり、エルガLTモデル廃止に繋がった。
シリーズの変遷
BA/BR系
- 1956年 - それまでの普及版(主に路線仕様)フレームレスリヤエンジンバスBX91X/95Xの改良型としてBA141/151登場。105pのDA110型を搭載。末尾にAが付くとボデーは川崎、Bが帝国、Cが富士、Dが西工であった。
- 1957年 - DA120型118ps搭載でBA1がBA3になる。'60年には125psにパワーアップしBA5**となる。この形式は'66年BA10に集約される
- この頃深夜運行の増加とバスガール(女性車掌)の労働時間の制約問題からワンマン化により2扉化が顕著となる(それまでのバスは扉は1箇所であった)。
- 1960年 - BA系を軸距4.8mに伸ばしDA120型にターボを付けたBR151が登場。この形式はBR20型を経て(1963年)、BA30となる(1966年)。
- 1961年 - BA/BR系エンジンをDA640型に換装。更にBA743型が追加。この形式はBR10型を経て(1963年)、BA20(1966年)となる。
- 1964年 - 車両制限令が適用されることになり、2.25m幅のナローボディBA10N/20Nが登場。以下( )内スペックは全長/軸距/全高/全幅/エンジン/馬力の順で記載。
- BA10N(8.60m/4.3m/3.03m/2.25m/DA640型/130ps)
- BA20N(9.15m/4.3m/3.03m/2.25m/DA640型/130ps)
- 1966年 - BA/BR系が全てBA系に統合される。
- BA10(8.60m/4.3m/3.03m/2.45m/DA640型/130ps)
- BA20(9.15m/4.3m/3.03m/2.45m/DA640型/130ps)
- BA30(9.65m/4.8m/3.05m/2.45m/DA640T型/170ps)
- 1968年 - BA-N系に更に短いボディのBA01N/05Nも追加。
- BA01N(8.07m/3.9m/3.06m/2.25m/DA640型/130ps)
- BA05N(8.57m/3.9m/3.06m/2.25m/DA640型/130ps)
- BA10/20は後にE*M430へ、BA30は後にCLM470へ、BA-N系は後にBK30~CCM系へそれぞれバトンタッチされる
BB/BS系
- 1956年 - BB141/151:BA系のフレーム付きシャーシ。フロントエンジンバス専門架装メーカーにも販路を拡大。
- 1966年 - BS10/20:BA系のフレーム付きシャーシ。
- これらのフレーム付きシャーシは、後の自走輸出モデルLT1/LT4や大型LV1/LV4へと継承される(因みに1はリーフサスのフレーム付き、4はエアサスのフレーム付き車を表す)。
ECM/EDM
テンプレート:節stub 1979年に昭和54年排出ガス規制適合に合わせてBA系からのフルモデルチェンジで登場。台湾では1990年代までECM/EDMシャーシのバスの生産が続けられていた。
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K-ECM430 井笠鉄道(AUTOMATIC車)
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K-ECM430 奈良交通
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K-EDM430N 京浜急行(ナロー車)
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台湾の高雄バス会社のECM500
キュービックLT
テンプレート:BusModelImage2 テンプレート:節stub 1984年に昭和58年排出ガス規制適合に合わせてそれまでのECM/EDM系からのモデルチェンジで登場。車体形状はキュービックLVに準じる。但し初期の川重製車体はECM/EDM系と同じ形状のモノコックボディで、左側後方にエンジン通気口がない点がECM/EDM系との違いであった。
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P-LT312J
南部バス - Ikasatetudo P-LT312J IK automatic.jpg
AUTOMATIC車
P-LT312J
井笠鉄道 - U-LT332J.JPG
U-LT332J
三重交通 - Yamako-bus-93028.jpg
U-LT232J
山交バス - TowadaKanko CubicLT Sanbongi No.460.jpg
トップドア車
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十和田観光電鉄バス - JRbuskanto M421-91602.jpg
前後ドア車
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JRバス関東 - JRbuskanto M421-91602 cockpit.jpg
運転席
U-LT232J
エルガLT
2000年6月20日、大型路線バスとともにエルガLTにフルモデルチェンジされた。同時に長期規制(平成11年排出ガス規制)に適合している。車体のコンセプトは基本的には大型路線バス・エルガと同様のため、そちらを参照されたい。
エンジンは中型バス・エルガミオと同様の6HH1-S(165kw/225PS)を採用している。ラインナップはワンステップバスとツーステップバスが設定されたほか、エアサスペンションを採用した車両も発売されている。型式はエアサス車がKL-LT233J2、リーフサス車がKL-LT333J2となる。但し、車両総重量が12tを下回る仕様の場合は平成10年排出ガス規制が適用され、排ガス記号がKK-となる。
純正車体の製造会社は発売当初はいすゞバス製造であったが、いすゞと日野自動車のバス製造事業統合に伴い、途中で両社の合弁会社、ジェイバス宇都宮事業所に変更になった。ただし、製造会社の変更のみで、製造場所については変更されていない。
製造は新短期規制に完全移行した2005年8月31日で中止となり、いすゞ自動車の9m大型路線バスの歴史に幕を下ろした。
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KL-LT233J2
三重交通 - RinkoBus 1S223.JPG
KL-LT233J2
臨港バス
車体
テンプレート:節stub いすゞLT系は、大型車体と同じものを使い、純正車体(川重車体・IKコーチ・いすゞバス製造)の場合キュービックもしくはエルガ車体となる。初期の一部にはモノコックボディを架装したLTも存在した。
また、富士重工製の車体のバスも多く製造された(1999年まで)。北村製作所製の車体架装車も地域によっては一定数みられた。
なお、西日本車体工業製のECM/EDMはごく少数、LT系架装例は皆無と思われる。
生産会社は、いすゞバス製造から日野自動車との合弁会社であるジェイ・バスへ移行したが、製造拠点は旧いすゞバス製造の工場(宇都宮事業所)であった。
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富士3E架装
K-ECM430 AUTOMATIC車
井笠鉄道 - K-ECM430N-Sagami-Railway-Bus.jpg
富士4E架装
K-ECM430N
相模鉄道 - Yamagata-kotsu-84026.jpg
北村車体架装
P-LT312J
山形交通 - HachinoheCityBus P-LT312J-FHI No.293.jpg
富士5E架装
P-LT312J
八戸市交通部 - Yamakobus-90026.JPG
富士7E架装
U-LT232J
山交バス - Ugo-kotsu-748.jpg
富士7E架装
KC-LT333J
羽後交通
教習車
現行道路交通法改正前の大型2種自動車免許試験車に”大型幅の中型車両”として、LT系が採用されている。中型免許制度の新設された現在では、中型2種自動車免許の試験車両として用いられている。
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教習車
KK-LT233J2
安全運転中央研修所 - Isuzucubiclt-shikensha.jpg
キュービックLT中型二種試験車</br>三重県運転免許センター