UCAV

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UCAV(Unmanned Combat Air Vehicle)は、無人航空機無人機、UAV) 、及び、軍用ロボットの一種である。爆撃任務を行うために特に設計されたものを指す。

ファイル:X-47B over sea.jpg
航空母艦での運用が前提のX-47B

概要

名称について

Unmanned Combat Air Vehicleを直訳すると「無人戦闘航空移動体」となるが、一般には無人戦闘航空機、無人戦闘攻撃機などと呼ばれる。正式な訳語が無い状況であるが、防衛省では戦闘型無人機としている。

無人「戦闘機」と呼ばれることもあるが、有人機のような汎用性は持たず、一般に知られる戦闘機のような空対空戦闘や空中戦を行うわけではない。精密な攻撃のための空中自律行動・戦闘機能を持つものがUCAVとされるが、この戦闘機能とは現在のところは主に対地攻撃が考えられている。

一般的な特徴

  • 用途によって様々な形態が考案されているが、無人であるために比較的小型、軽量であり、ステルス性を取り入れた設計がなされている。
  • 戦闘や事故により機体が破損・墜落しても人的被害が出ない。そのためSEAD(敵防空網制圧)、すなわちレーダーサイト攻撃任務に適すると考えられている。
  • 無人機はパイロットに休息を与える必要がないため、長時間の飛行が可能となる。空中給油を組み合わせることで目標付近での攻撃待機や哨戒を数十時間に渡って行うことなども検討されている。

現状

2007年イラクアフガニスタンMQ-9が実戦投入された。兵器のトリガーは地上の人間が握っており、制御ループ内に人間も入る形(マン イン ザ ループ)の設計となっている。主な機能として敵のターゲットと攻撃モードは正確を期する為に一度ターゲッティング後に専任オペレーター(教育を受けた将校)が攻撃可否を最終判断する様になっている。これはシステムとしてエラー・ミス・誤爆(民間人の死亡リスク)を限り無く未然に防止する為である。また、攻撃に使用する爆薬は必要最小の物を選択するシステムに都度改善が図られている。

2008年10月アメリカ空軍第174戦闘飛行隊は、F-16からMQ-9に機材を更新し、最初のUCAVのみによる戦闘攻撃飛行隊となっている。今後は飛行ルートの選定などにおいてもUCAVが完全に自律作動することを目指していると言われている。

近年、攻撃能力を持つ無人機がアフガニスタンとパキスタンでのターリバーンアルカーイダ攻撃に参加しており、2009年8月にはパキスタン・ターリバーン運動バイトゥッラー・マフスード司令官、2013年11月には同組織のハキームッラー・マフスード司令官の殺害に成功しているが、誤爆や巻き添えによる民間人の犠牲者が多いことが問題となっている[1]。これは無人機操縦員の誤認や地上部隊の誤報、ヘルファイアミサイルの威力が大きすぎることなどが原因となっている[2][3]。ヘルファイアミサイルの問題に関してはより小型で精密なスコーピオンミサイルを採用して対処することになっている[3]

操縦者の精神的問題

機体そのものに人間が搭乗しないため撃墜されたり事故を起こしたりしても操縦員に危険はなく、また、衛星経由でアメリカから遠隔操作が可能であるため、操縦員は長い期間戦地に派遣されることもなく、任務を終えればそのまま自宅に帰ることも可能である。このような無人機の運用は操縦者が人間を殺傷したという実感を持ちにくいという意見がある[4][5]が、「いつミサイルを発射してもおかしくない状況から、次には子どものサッカーの試合に行く」という平和な日常と戦場を行き来する、従来の軍事作戦では有り得ない生活を送ることや、敵を殺傷する瞬間をカラーTVカメラや赤外線カメラで鮮明に見ることが無人機の操縦員に大きな精神的ストレスを与えているという意見もある[6]国際政治学者P・W・シンガーによると、無人機のパイロットは実際にイラクに展開している兵士よりも高い割合で心的外傷後ストレス障害を発症している[7]

計画されているUCAV

2014年3月現在、以下のようなUCAVが構想されている

2007年8月1日アメリカ合衆国海軍省はノースロップ・グラマン社の開発計画案を承認し、J-UCAS計画(下記参照)を再編したアメリカ海軍独自の無人戦闘攻撃機開発計画を決定した。最低6億3,580万ドル(約762億円)が拠出され、X-47をベースにした無人戦闘攻撃機の実証機の開発が継続されることとなる。
ダッソー主導のもと、サーブなどと開発が進められているデルタ翼ステルスUCAV2012年にはフランススウェーデンイタリアにおいてテスト飛行が予定されている。
アメリカに遅れる事2007年8月23日ロシアミグ設計局から突然公開された無人戦闘機のプロトタイプ、『CUAV』と分類呼称している。見た目から『X-45スキー』と称される場合もある。内部兵装ベイを二つ持ち、大型対艦ミサイルKh-31(AS-17 Krytpon)』を運用出来るとされる。
  • 防衛省技術研究本部「UAV技術を基盤とした戦闘型無人機技術の研究」[1]島しょ部侵略対処における敵部隊などに対する精密な攻撃[2]
平成19年の中長期技術見積りにおいて「精密な攻撃のための空中自律行動・戦闘機能を有するUAVは概ね10年後」としている。
イギリス国防省とBAEシステムズが2006年から開発を進めてきた無人ステルス攻撃機。2010年7月12日に試作機が公開された。全長12m、全幅10m。タラニスはケルト神話の雷神。

下のUCAVは人間が搭乗可能なもの。

注意:上記のUCAVのなかには、航空機のプロトタイプというよりも技術実証試験機と呼ぶべきものも含まれている。そういったものは、そのままの形で生産され、運用されるわけではない(例:X-36。28%の大きさであり、もし量産されるときには本来のサイズで作られる予定であった)

計画が中止されたUCAV

統合無人戦闘航空システム計画

ボーイングX-45CはDARPAアメリカ空軍海軍共同の統合無人戦闘航空システム(J-UCAS,Joint Unmanned Combat Air System)計画において候補機の一つであったが2006年3月に開発が中止された。これは米空軍が次世代重爆撃機調達計画の大幅繰上げに伴い2006年1月にJ-UCAS計画からの離脱を発表したことにより、J-UCAS計画そのものも中止になったことによるため。X-45は地上からの発進を基本とした空軍寄りの機体であった。

もう一つの候補機であった海軍寄りのノースロップ・グラマン X-47Bも開発が一時中止されたが、こちらは海軍の無人戦闘攻撃機開発計画の実証機として引き続き使用されることが決定している。

候補機の予定された性能

  • ステルス機
  • 合成開口レーダーを装備
  • レーザー兵器を装備
  • SEADや電子攻撃が可能
  • 精密誘導兵器(JDAMやSDBなど)を投下可能
  • 無人機と地上操作員の間で人工衛星経由でのリアルタイムデータリンクが可能(流動的に変化する戦況に柔軟に対応)
  • 150機程度の生産を予定

計画のスケジュール

  • 2006年中頃:X-45Cが完成
  • 2006年10月:X-47Bが完成
  • 2007~2009年:運用評価フェイズ
  • 2010年-:開発フェイズ

脚注

  1. 無人機プレデター&リーパー【2】死者1000人、巻き添え多数 - 時事ドットコム
  2. テロとの戦いと米国:第4部 オバマの無人機戦争/2 「情報」が招く誤爆 - 毎日新聞 2010年5月1日
  3. 3.0 3.1 巻き添え減らせ、CIAが対テロ新型ミサイル - 読売新聞 2010年4月27日
  4. テロとの戦いと米国:第4部 オバマの無人機戦争/1 ピーター・シンガー氏の話 - 毎日新聞 2010年4月30日
  5. テロとの戦いと米国:第4部 オバマの無人機戦争/3 コソボ、イラクで操作した… - 毎日新聞 2010年5月2日
  6. 「地球の裏側から無人航空機でミサイルを発射する」兵士たちのストレス - WIRED.jp 2008年8月22日
  7. P.W. Singer が語る軍用ロボットと戦争の未来

関連項目

外部リンク