D2-VTR
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D2-VTRとはコンポジットデジタル記録方式を採用したVTRの規格である。主に放送業務関連で用いられる。
解説
ソニーとアンペックスが1988年に開発したもので、日本民間放送連盟がNTSC素材の交換規格として採用したため素材の受け渡しや放送番組の送出に広く用いられている。
D2に先行してコンポーネントデジタル記録方式のD1-VTRが規格化・製品化(1987年)されたものの放送局では機器が高価なこと(VTRだけでなく編集設備もコンポーネント信号に対応させる必要がある、コンポジット信号用機器も残るので変換機器が必要など)、ビデオテープのランニングコストが高いことなどからD2の方が普及した。このため、コンポジット映像を編集する映像編集スタジオでもD2編集室を整備するに至り1990年代に普及が進んだ。
しかし輝度信号、同期信号、色信号が合成されたコンポジット記録のためにデジタル放送、DVD-Videoなど元々コンポーネント映像信号を用いる最近のデジタルメディアでD2をマスターに使うとコンポーネント方式に変換する際にクロスカラーとドット妨害の発生が避けられず画質が劣化する。このため地上デジタル放送への転換が進むにつれ、送出用としては徐々に用いられなくなりつつある。
D2 フォーマット概要
NTSC:525/60、2:1インターレース方式の場合
- 記録方式:ヘリカルスキャン方式
- 記録ヘッド数:4
- ヘッドドラム径:75mm
- ヘッドドラム回転数:89.82Hz(約5400rpm)
- カセットテープサイズ: 254×150×33mm(M)、他にLとSがあり
- テープ磁性体:メタルテープ(塗布型)
- テープ幅:19mm(3/4インチ)
- テープ送り速度:約131.7mm/s
- 記録トラック幅:39.1μm(ガードバンド無しアジマス記録)
- 信号方式:デジタル
- 記録速度:総合 127Mbps
- 情報源符号化方式:
- 映像:14.318MHz(4×fsc)8ビット 非圧縮デジタル
- 音声:非圧縮 48kHz/20ビット直線量子化×4ch
- 伝送路符号化方式:M2+RS誤り訂正符号
規格名称
- SMPTE 245M:記録方式
- SMPTE 246M:磁気テープ規格
- SMPTE 226M:テープカセット規格(D1/D2共通)
- SMPTE 247M:テープへの記録フォーマット(映像データ)
- SMPTE 248M:同上(タイムコード、制御、キューデータ)
- SMPTE 244M:パラレルインターフェース規格