マツダ・オートザムAZ-1
テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 オートザム・AZ-1(エーゼットワン)は、マツダ5チャンネル化によって誕生したオートザムが発売した軽自動車の2座席スポーツクーペである。スズキにもOEM供給され、1993年より「CARA」(キャラ)の車名で販売された。
概要
1989年の東京モーターショーで参考出品された「AZ550 Sports」(後述)の市販版ともいえるAZ-1は1992年9月24日に発表され、同年10月5日に発売。スズキ製3気筒DOHCのF6Aターボエンジンをシート後部に(ミッドシップ)搭載し、「究極のハンドリングマシーン」と銘打たれた車である。パワートレインはアルトワークスと一部共通化している。外板に特殊プラスチックを使用し、ガルウイングドアを採用して、超小型のスーパーカーを演出していた。ボディは外装を簡単に取り外せるスケルトンモノコックという特殊なフレームを採用して剛性を高め、外装がない状態でも走行可能。車重は720kg。型式はE-PG6SA。
軽自動車唯一のガルウイングドアを装備し、外装にFRP(シートモールディングコンパウンド)を多用した軽量ボディやステアリングのロックトゥロックが2.2回転という機敏な操作性を持つ。加えて、足回り(特にリアサスペンション)の設計上コーナリング中のアライメント変化が極めて大きい構造仕様であり、重心高も相まってスピン・横転事故が多発した。また極度のリア荷重なためフロントタイヤの接地圧が足りず、直進安定性の不備を指摘する評価もあった。 「窓がほとんど開かない」「体格的に乗り手を選ぶ」といった作りと、発売された時期がバブル崩壊の最中といったこともあり販売台数は低迷、1995年に生産を打ち切った。総生産台数は4,392台。
開発当初、スペアタイヤはフロントに収納する予定だったが、衝突安全テストを行なった際にスペアタイヤがステアリングシャフトを押し、ステアリングがドライバーに向かって突き出ることが分かり、急遽運転席後ろの荷物置きスペースへ変更された。ガルウイングドアの構造上、横転した場合は開かなくなる。(そのため横転後の脱出の際はドアガラスを割る必要がある。)そのため型式認証時にも横転時の脱出不可ではとの指摘があったが、実際に横転させた状態から脱出可能であることを実演した資料を作製し認証を得ている。 モータースポーツにおいては、ジムカーナA1クラスで定番のホンダ・シティ(GA2型)に対抗可能な数少ないマシンの一つだったが[1]、前述のように横転した際の安全性に問題があり、火災などが発生した場合に消火と並行して救助する術がないため、出場に際してはクラッシュ時の救助の保証がないことに同意する誓約書が必要な場合もあった。
生産台数の少なさと軽自動車のスポーツカーというマニアックな性能からか、生産終了後の中古車市場ではプレミア価格が付き、特にマツダスピードバージョンは更に高値が付いている。
AZ550 Sports
1989年の東京モーターショーで参考出品されたコンセプトモデル。AZ-1とは異なり、旧規格の軽自動車がベースなので排気量は550ccとなっている。3タイプが用意された。ガルウィングドアでリトラクタブルヘッドライトのTypeA、古典的なクーペスタイルのTypeB、そして当時のグループCカーを髣髴とさせるTypeCが出展され、AZ-1はTypeAに近いスタイリングで市販化された。
特別仕様車
- TYPE L
- オプションのウーハーなどを標準装備した特別仕様車。外見に変化はない。
- マツダスピードバージョン
- マツダスピードのエアロパーツを装備する特別仕様車。
- M2 1015
- M2が企画したエアロパーツ装備の特別仕様車。ボンネットにフォグランプが追加。
マツダ以外からもボディキットが発売されている。
- スコルピオーネ
- サブロー・ジャパンが発売したワイドボディーキット。スコルピオーネは通称で、正式名称はない。イタリアの名匠ピニンファリーナがデザインしており、5台販売されたとされる。ワイドボディーになるため白ナンバーになる。
脚注
- ↑ ほかにはダイハツ・シャレード926ターボがあったのみである。