高橋弘二

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高橋 弘二(たかはし こうじ、1938年昭和13年)7月23日 - )は、日本自己啓発セミナー主宰者、税理士。有限会社ライフスペース元代表。通称高橋グルシャクティパット・グル

来歴

1938年(昭和13年)、香川県生まれ。1958年(昭和33年)に同県内の高校を卒業後、自動車会社勤務を経て税理士資格を取得し、1965年(昭和40年)に「高橋弘二税理士事務所」を開業した。

1981年(昭和56年)頃から自己啓発セミナー「BALセミナー」を始め、1983年(昭和58年)には有限会社ライフスペースを設立して代表取締役に就任。1987年(昭和62年)からは「CAMB」と呼ぶ瞑想法を中心とした「CAMBセミナー」を開催していた。最盛期には1万人近い参加者を集めていたとされる。セミナーの開催と平行して複数の自己啓発書を著している。しかし、バブル崩壊後は参加者が減少し、1995年平成7年)にセミナーに参加した大学生が熱中症で死亡する事故が発生してからは、参加者が激減。高橋はライフスペースの代表取締役を辞任した。

1996年(平成8年)頃から[1]、高橋はサイババによって「シャクティパットグル」に指名された後継者であると自称するようになり、「シャクティ」と呼ぶエネルギーを、頭部を手で軽く叩く「シャクティパット」と呼ぶ方法で患者に送ることで病気を治すことができると喧伝した。1997年(平成9年)には、「シャクティパット・グル」の教えを正しく伝える団体として「シャクティパットグル・ファウンデーション」(Shakty PAT GURU Foundation、略称SPGF)を設立し、この「シャクティ治療」を行うセミナーを開催することで、多額の受講料を集めるようになっていった。

1999年(平成11年)に発生した成田ミイラ化遺体事件で、翌2000年(平成12年)に保護責任者遺棄致死容疑で逮捕されたが、殺人について故意が認められるとして殺人容疑で起訴された。事件の異常さに加えて、逮捕前の記者会見や公判などで独自の『定説』・『判例』を展開して無罪を訴えて注目された。

2002年(平成14年)2月5日、1審の千葉地方裁判所で求刑通り懲役15年の判決を受けたが、高橋は控訴。2003年(平成15年)6月27日、2審の東京高等裁判所の判決では、不作為犯であることと殺意は途中から生じたものと認定されて懲役7年に減軽された。高橋は無罪を主張して上告したが、2005年(平成17年)7月4日最高裁判所が高橋の上告を棄却して懲役7年の実刑が確定し服役。2009年(平成21年)3月に黒羽刑務所を出所した。2009年(平成21年)出所後、公の場には出ていない。2011年(平成23年)、ライフスペース関係者による千葉成田ミイラ事件①の再審支援の会が発足。

関係用語

  • 定説 - 彼が唱える定説によると、ミイラ化した男性は成田で発見された時点では生きていたらしい。
  • 判例 - ミイラ化遺体についてもドイツ最高裁の判決文に生きていると記載されており、これが今では定説だと主張。判決の内容について記者に尋ねられた際「それは自分で調べなさい」と答えたため、どういった判決内容なのかは不明。

語録

高橋は事件の最中にメディア向けの記者会見で「イタリアベネズエラ」など(イタリアのヴェネツィアと言いたかったのかは不明)様々な「珍発言」を繰り返している。殺人事件と疑われているなかで不謹慎ながら、会見場では記者から失笑の渦が起こっている。

  • 報道機関の取材で定説語について尋ねられた折、"グル"について「グルとはトマトえび蕎麦。これらを少量ずつ味わいながら死んでゆくもの。」
  • 「私はそら豆オンリーしか食べない」 - "グル"の定義を真っ向から翻すどころか留置場勾留中は差入れの「ハンバーグ弁当」を食べていたという。
  • 「私はなにも食べなくても死なないというのは聞こえなかった?」
  • 「パワーが高ければ歯など磨く必要はない。なぜなら口臭が起きない」
  • 「お風呂に入ることはない。なぜなら汚れない。自浄作用がある」
  • 「私は24時間、365日起きている」
  • 「私の体には血が流れていない」- この発言の直後に、取材記者から「あっかんべーをしてください」と言われ、即座に舌を出した。記者に「高橋さん、色が赤いですよねえ?それは、血が流れているからじゃないんですか?」と指摘されると、「屁理屈言うんじゃないよ」と発言した。
  • ライフスペースについて十分な調査をせずに質問をした記者に「そんなことも分からないこのクソ間抜けが」と激高しているが、しばらくすると落ち着きを取り戻し、「今のは定説語でダーティー・ハリーと申します」と発言している。
  • 「イギリスではグルのことを、THE GURUと言います。インドに近いものですから」
  • 「定説とはイコール病気。定説とはイコール THE GURU(ここで一部の記者が笑いを堪えきれずに笑い出すと)どうかしましたか?」
  • 「あなた今私が話したことを理解できないんですか?どうしようもないですね」- 記者に「それは高橋さんが考えだした事ですよね」と一連の「定説」発言を問われて。

サイババに指名された「シャクティパットグル」であると自称する。 サイババという世界的知名度のある人物の弟子(または後継者)だと主張し始めたので海外のメディアもミイラ事件を報道した。当然、サイババ側もその報道を知り、自身のホームページ上に高橋弘二とは無関係という旨のコメントを掲載した。 それを受けて再度記者会見が開かれ、記者に「高橋さんはどうしてサイババの後継者だったり友達だったりするとおっしゃるのですか?」と聞かれ「そうだからです」と答え、一部の記者が失笑した。次に別の女性記者に「サイババさんは関係がないと言っています」と追及されるとしばらく沈黙し「いいですか。それはサイババの勝手なんですよ」と発し、記者から爆笑の渦が起こっている。

このように、人が一人亡くなっている事件が起きているとは思えないような記者会見が展開されたため、この年の重大ニュースの一つにもなった。

また、これらの発言を高橋は「定説」と呼んでおり、世界に2億語存在する定説語の一部であると話している。

歌手の長渕剛は一時期、高橋弘二に心酔しており、セミナーでは必ず長渕の曲が流されていた。

著書

  • 『生きるのがラクになる本-リラックスして自分らしく生きられるキイワード』 PHP研究所、1989年。
  • 『生き方の方程式-愛そのものになる ビジョン1』 読売新聞社、1994年。

脚注

  1. 1992年(平成4年)頃からとも

外部リンク

関連項目