饒益神宝
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饒益神宝(饒益神寳、にょうえきしんぽう/にょうやくしんぽう)は、859年(貞観元年)に、日本で鋳造、発行された銭貨である。皇朝十二銭の1つ。
直径19mmから20mm前後の円形で、中央には正方形の孔が開いている。銭文(貨幣に記された文字)は、時計回りに回読で饒益神寳と表記されている。裏は無紋である。量目(重量)2g程度の銅の鋳造貨である。
概要
「饒益」を「ジョウエキ」と読めば物が豊かなことを現し、「ニョウヤク」と読めば仏教語で物を与えることを意味するとされる[1]。
貞観元年4月28日(ユリウス暦859年6月2日)に饒益神宝発行の詔が出される。
饒益神宝1枚に対し旧銭10枚の交換比率が設定された。
この銭以降、朝廷発行の貨幣は、銭文が判読できないほどの悪質なものが非常に多くなる。 また、日本国内における撰銭の最古の記録も饒益神宝の流通時であり、日本三代実録の貞観7年6月10日(ユリウス暦865年7月6日)付の記事には新銭の文字が頗る不明瞭であっても使用に支障が無ければ撰銭することを禁止する詔が出され、「禁京畿及近江国賣買之擇弃惡錢曰」と記されている。
『日本三代実録』巻十一 テンプレート:Quotation
鋳造期間も11年と短く、皇朝十二銭のうち、現存するものが最も少ないといわれている。皇朝銭の出土記録として、1万2千枚余りの内、饒益神宝の出土は76枚と銅銭としては最も少ない[2]。