青図
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
建築土木図面の多くは、トレーシングペーパーに作図され、ジアゾ複写機(青焼機)で複製される。その複製を青図という。図面は「完成予想図」という意味を持ち、「青図を描く」とは、完成予想をするという意味でも使われる。
概要
近年、手書きで図面を書くことが少なくなり、CADで描かれる機会が増えるにつれて、複写せずとも複数枚出力すれば事足りるようになり、配布される図面が「白」(普通紙コピー、PPC、青焼きと区別して白焼きと呼ばれることもある)になることが増えつつある。ジアゾ複写機も、現在はリコーのみが製造販売しているだけで[1]、実質的に製造されていないのと同様で、製図台や定規とともに、現場事務所からなくなりつつあるものであるといえる。かつては白焼きよりもコストが安かったため、青焼きが多用された。
青図を焼くには、原紙か第二原図を感光紙の上に載せ、複写機に入れる作業が必要であり、露光程度は速度で持って調整される。また、感光紙の感度により速く複写できる感光紙もあるが、感度の高い感光紙は保存状態が悪いと感光してしまった状態となり、使用できなくなる。この状態を「風邪を引いた」と呼ばれることがある。
青図は鮮明度が低く、手書きの数字などが判読不能であることが多いものの、図面の寸法そのままで読図できるので、ものの大きさが重要であった。CAD図であっても、寸法の表記を信用することなく測長が必要な場合もある。
脚注
関連項目