鋳造
鋳造(ちゅうぞう、テンプレート:Lang-en-short)は、材料(主に鉄・アルミ合金・銅・真鍮などの金属)を融点よりも高い温度で熱して液体にしたあと、型に流し込み、冷やして目的の形状に固める加工方法である。
鋳造に使用する型のことを鋳型(いがた)といい、鋳造でできた製品のことを鋳物(いもの)という。英語で casting といえば、鋳造と鋳物の双方を指す。
概要
古代からある加工方法で、砂を型に利用した砂型鋳造は寺の梵鐘の製造などで用いられていた。現在でも、大量生産品の鋳造に幅広く用いられている。砂型で製造したものは表面のざらつきが大きく、そのまま、機械部品として使えないため、仕上げ加工を行うことが一般的である。 一方、工芸品等の製作では、石膏型を使うことが多い。石膏型では原形を蜜蝋等の高温で溶ける材料で制作し、原形を石膏で塗り固めた後、原形を除去して材料を流し込む。この方法では砂型に比べて表面のざらつきが小さく、型の合わせ目がないため、後処理が容易になる。
改鋳
金属製品は長期の使用は保存に耐えうる性質に優れるが、それでも劣化により用をなさなくなったときは、既存の鋳物を原料に再び鋳造して製品とすることがよく行われる。これを改鋳、吹替えと呼ぶ。梵鐘など歴史的な鋳造品は劣化(亀裂、焼損)に伴いしばしば改鋳される。
硬貨の「鋳造」と「改鋳」
硬貨の製造も「鋳造」する(テンプレート:Lang-en-short)と表現するが、これは砂金や地金を重量によって取引する秤量貨幣に対する、額面保証の刻印を有する鋳造貨幣[1][2]の製造を指す。鋳貨は古くは実際に鋳物として製造されたが、現代の硬貨では鋳造は原料インゴットの製作工程に留まり、圧延・円形打ち抜き・図像のプレス加工によって成形される[3]。
硬貨の品位・量目の変更も鋳物の作り直しと同様に改鋳(テンプレート:Lang-en-short)と呼ばれる。
鋳造法の種類
以下のようなものがある
- 砂型鋳造法(Sand Mold Casting)
- 生砂型鋳造法(手込造型、および機械造型)
- 乾燥型鋳造法
- 自硬性鋳型鋳造法
- 熱硬化型鋳型鋳造法(シェルモールド法)
- ガス硬化型鋳造法
- 消失模型鋳造法(Lost-Foam Casting, LFC)またはフルモールド法(Full Mold Casting)
- Vプロセス鋳造法(V Process、減圧造型鋳造法)
- 凍結鋳型鋳造法
- 石膏鋳造法(Plaster Casting)
- 耐熱シリコン型鋳造法低融点合金の鋳造に用いられる。離型材として黒鉛の粉末を用いる。
- 精密鋳造法(Precision Casting)
- シェルモールド鋳造法(Shell Mold Process, Shell molding)
- インベストメント鋳造法(Investment Casting Process、ロストワックス鋳造法 Lost wax casting process)
- ショープロセス(Show Process)
- Hプロセス鋳造法(H process)
- 金型鋳造法(Metal Mold Casting, Permanent Mold Casting)
- 遠心鋳造法(Centrifugal Casting)
- 連続鋳造法(Continuous Casting)
脚注
テンプレート:脚注ヘルプ- ↑ 鋳造貨幣, コトバンク, 2014年7月18日閲覧.
- ↑ 金属貨幣, Weblio, 2014年7月18日閲覧.
- ↑ 貨幣の製造工程(その1), 貨幣の製造工程(その2), 独立行政法人造幣局ウェブサイト, 2014年7月18日閲覧.