貧乳

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テンプレート:独自研究 貧乳(ひんにゅう)とは、女性乳房が小さいことを表す通称である。

概要

対象となる乳房の大きさについて明確な基準があるわけではないが、基本的には思春期成人となっても子供のころのまま胸の大きさが殆ど変わらないことを意味し、胸の小さい女性にとってはやや侮辱的な言葉として使われる。乳房が小さくなる要因としてあげられるのは思春期のバスト形成期[1]ストレス過剰なダイエット女性ホルモンのバランスが崩れた、もしくは、運動による筋肉の発達[2]アメリカ合衆国のローレンスバークレーナショナルラボラトリーでの研究によると、巨乳より貧乳のほうが乳癌の死亡率が低いことが解っている[3]

文化的背景

日本

ファイル:B75 bra with bra pad.JPG
ブラジャーの中に入れるパッドの例

古来、日本の文化では、女性の乳房は大きすぎない方がよいとされていた。これは乳房が大き過ぎると、伝統的な衣服である和服を着用する際にずんぐりとした体に見える上、不様に着崩れしやすく、粋な美しさがなくなると考えられたためである。現在でも、着付け業界では「乳房の大きい女性は和服が似合わない」とされることが多い。

洋服文化が広がり、和服が日常着の地位を失っても、1960年代くらいまでは大きな乳房は「無駄に扇情的」といわれ、コンプレックスの対象になることが多かった。1970年代頃からは、洋装が完全に定着したこともあり、大きな乳房がコンプレックスになることは少なくなっている。逆に現在では貧乳に対してコンプレックスを抱くケースが増えており(このため、パッドや固形ジェルを乳房にあてることで乳房が大きいように見せる女性もいる)、思春期のバスト形成期にバストアップを努めるようになってきている。

※下着メーカートリンプの日本法人が行ったトリンプ「ボディサイズの理想と現実アンケート(2005)」によると、胸のボリュームを出したいと答えた女性が34%だったのに対して、ボリュームを抑えたいと答えた人は5%となっている。

日本人の女性の平均カップサイズはトリンプ調査によると以下のように推移している[4]

調査年AカップBカップCカップDカップEカップFカップGカップ
1980年(昭和55年)58.6%25.2%11.7%4.5%---
1990年(平成2年)32.3%30.5%21.4%10.0%5.6%0.2%-
1992年(平成4年)25.9%28.3%24.1%12.8%7.8%1.1%-
1996年(平成8年)23.8%34.2%23.9%11.7%4.4%1.8%0.2%
2004年(平成16年)10.2%27.8%27.8%21.5%10.0%2.1%0.6%

ヨーロッパ

中世のヨーロッパでは乳房が女性美に反するものとされ、高貴な女性は貧乳が是とされた。画像に見える、手前の婦人と奥の乳母は対照的。少女時代からドクニンジンのエキスを胸に塗ることで成長しても乳房が硬く保たれると考えられ、一種の美容法として用いられていた[5]


その他の俗称

貧乳を意味する言葉としては「全く谷間が無い」という意味で「つるペタ」「まな板」、「洗濯板」、「ペチャパイ」(ぺちゃんこなおっぱいを略して)などもあるほか、「ボイン」に対して「ナイン」(胸が無いとかけて)と俗称されることもあった。侮蔑語とならないように微乳(びにゅう)などとの言い換えもみられる。2010年代・以降になると、かわいい言い方の1つとして(ちっちゃいおっぱいの略語として)「ちっぱい」が使われることもある。英語圏では"flat chest"や"small breast"という。

脚注

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出典

  1. ワコール探検隊|「少女」から「おとな」へ約4年間で変化する成長期のバスト
  2. 思春期のバストのケア
  3. 巨乳より貧乳のほうが乳がんの死亡率が低い―米研究-マイナビウーマン2013年12月14日
  4. 引用エラー: 無効な <ref> タグです。 「excite20060208」という名前の引用句に対するテキストが指定されていません
  5. 秦野啓『魔法の薬 マジックポーション』新紀元社51頁

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