西沢渓谷と東沢渓谷
西沢渓谷(にしざわけいこく)、東沢渓谷(ひがしざわけいこく)は、笛吹川の源流部、広瀬湖(広瀬ダム)のさらに上流にある渓谷である。
地理
山梨県北部の山梨市に位置し、秩父多摩甲斐国立公園の一部を構成している。両渓谷は広瀬湖の北西部に広がり、南に黒金山、西に国師岳、北奥千丈岳、奥千丈岳、北に甲武信ヶ岳と鶏冠山を望む。
西滑山(標高2086m)山頂へ続く尾根の最裾部で東沢渓谷と西沢渓谷に分れる。実際に東西に分かれるのではなく、北西に東沢渓谷、南西に西沢渓谷が延びる。東沢渓谷は甲武信ヶ岳・国師ヶ岳を水源とし、西沢渓谷は国師ヶ岳・奥千丈岳方面を水源とする。
山梨市街から国道140号を広瀬湖へと登った奥に渓谷の入口があり、ドライブインや西沢山荘、道の駅みとみ、雁坂トンネル(埼玉県秩父市へ抜ける)の入口などがある。国道から林道を上流に登ると車両通行止めになり、西沢渓谷迂回路分岐、徳ちゃん新道(甲武信ヶ岳への登山道のひとつ)入口があり、東沢渓谷と西沢渓谷の分岐点へ出る。渓谷散策道は元は塩山駅からの鉱山鉄道及び森林鉄道の廃線跡を利用しており、橋脚等の廃線遺構が見受けられる。旧森林鉄道部分の南側は冬季通行止規制がある。
西沢渓谷
西沢渓谷は滝や淵が連続して続く渓谷でトレッキングコースが整備され、比較的軽装でもその素晴らしさを堪能することができ、特に秋の紅葉は見事なので人気がある。コース最奥部には、七ツ釜五段ノ滝(日本の滝百選)やシャクナゲの群落がある。トレッキングコースは危険防止のため、反時計回りの一方通行が推奨されており、最奥部からの折り返しは渓谷の右岸上方に残る森林鉄道跡(レールが残っている)の緩やかな道を辿り西沢渓谷の入口に戻る。
東沢渓谷
東沢渓谷への入口には「立入禁止」の警告が掲げられており、沢登りの技術や経験のない人が入ると、遭難の危険がある。滝や釜や淵が続き、中でも田部重治の著書により紹介されたホラノ貝と呼ばれる法螺貝の内部に似た螺旋形状のゴルジュは奇観であり、沢登り愛好家にはよく知られている。その他にも、冬季に氷瀑となりクライマーに人気のある乙女ノ滝、広大な一枚岩千畳のナメ、深い森と流れ落ちる水が魅力の両門ノ滝がある。東俣へ上がり、ナメ滝などを上がっていくと、甲武信小屋へたどり着く。
アクセス
関連項目
外部リンク
- HIGASHIZAWA-KEIKOKU RAVINE.jpg
東沢:東のナメ沢(一枚岩千畳)
- Ryomon-taki.jpg
東沢:両門ノ滝
- Nishizawa-sanjutaki.jpg
西沢:三重滝
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西沢:竜神滝
- Nishizawa-nanatsugama2.jpg
西沢:七ツ釜五段ノ滝(下部)