西ゴート族
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西ゴート族(にしゴートぞく、Visigoth)は、ゲルマン人の一派である。
スウェーデンから南下したゴート族はドニエプル川の両岸に分かれて居住したが、その西側カルパチア山麓に居を構えたことから西ゴート族と呼ばれる。しかしその地域は土地が痩せていて定住に適さなかったため、比較的早い時期からローマ帝国領内に、主に傭兵として移り住んだ。ローマ東部の皇帝ヴァレンス帝やテオドシウス1世はゴート族に寛容で、彼らの領内への移住を認めた。
375年にフン族の圧迫により大規模な移住が始まる。アリウス派キリスト教を受け入れたのもこのころと見られている。5世紀初頭に新たな指導者となったアラリック1世は一族を引き連れてイタリア半島に侵入したが、説得に応じガリアへと撤退した。418年にはローマ帝国との契約のもと南アキタニアのトロサ(トゥールーズ)を中心に西ゴート王国を建て、フン族やイベリア半島に侵入していたゲルマン諸族と戦った。また時としてローマ帝国との同盟を破り争うこともあった。