第二の汚点

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テンプレート:Portal テンプレート:Infobox第二の汚点」(だいにのおてん、"テンプレート:En")は、イギリスの小説家、アーサー・コナン・ドイルによる短編小説。シャーロック・ホームズシリーズの一つで、56ある短編小説のうち37番目に発表された作品である。イギリスの『ストランド・マガジン』1904年12月号、アメリカの『コリアーズ・ウィークリー』1905年1月28日号に発表。1905年発行の第3短編集『シャーロック・ホームズの帰還』(The Return of Sherlock Holmes) に収録された[1]

第二のしみ」と日本語訳しているものもある。

あらすじ

重要な外交文書を紛失したので取り戻してほしい、と首相とヨーロッパ担当相から極秘裏に依頼がある。その文書は、とあるヨーロッパの君主がイギリスの植民地政策に立腹し、外交ルートを通さずに寄こした、いわば私文書であり、大変不穏な文面であるため、これが公表されれば間違いなくイギリス国民に悪感情をもたらし、ヨーロッパ中が大混乱に陥るのは必至である。当の君主も一時の激情に駆られたことを後悔しているという。2人がベーカー街を去った後、ヨーロッパ担当相の夫人ヒルダが人目を忍んでやってきて、夫の依頼が何なのか、依頼内容が解決されなければ夫の立場は今後どうなるのかを、思いつめた様子でホームズに尋ねる。

調査を進めるうち、容疑者の1人とにらんでいたルカスがナイフで殺害される。殺害された部屋の絨緞に付いていた血のしみの下の床板には血が付いておらず、別の箇所の床板に第2のしみがあった。その日、ルカスの部屋で何が起こったのか、外交文書はどこに消えたのか、シャーロック・ホームズが解明する。

二つの汚点

この短編は発表から3年後の1907年(明治40年)、「二つの汚点(しみ)」のタイトルで翻訳され、『静岡民友新聞』に12回の分割で掲載された。シャーロック・ホームズシリーズの地方新聞への翻訳掲載としては唯一の例で、本作の日本語訳としては最も早いものであった。舞台はロンドンのままだが、名前はホームズが堀江、ワトスンが和藤、ハドスン夫人が夫人鳩子、レストレード警部が須土禮太郎などと日本名に変えられている。訳者は梅水郎と記されているものの、詳細は不明である[2]

他の正典に記されている「第二の汚点」事件

海軍条約文書事件」および「黄色い顔」に「第二の汚点」事件についての記述が見られる。

「海軍条約文書事件」では、「私(ワトスン)の結婚直後の7月」の事件として「第二の汚点」事件が挙げられているが、本作では「年代の10の位も伏せておかねばならない」としており、記述が矛盾する。

「黄色い顔」では、「第二の汚点」事件をホームズが間違いを犯した事件の一つとしてあげているが、ホームズはこの事件で(真相を見誤った部分はあるものの)間違いを犯したとは言えないと考える研究家が大半である。

研究家の中には、本作の他に「海軍条約文書事件」「黄色い顔」のそれぞれで言及されている合計3つの「第二の汚点」事件があると考えている者もいる。

ホームズの引退

正典の冒頭に、ホームズが探偵業を引退し、養蜂と研究に専念したという記述がある。本作の前の作品である「僧坊荘園」が発表されたのが1904年9月、「第二の汚点」が発表されたのが同年12月であるので、ホームズの引退はこの間ということになる。

脚注

  1. ジャック・トレイシー『シャーロック・ホームズ大百科事典』日暮雅通訳、河出書房新社、2002年、201頁
  2. 本田彰「初期の翻訳」『シャーロック・ホームズ大事典』小林司・東山あかね編、東京堂出版、2001年、352-353頁

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